基本情報技術者試験のストラテジ入門|SWOT・損益分岐点・知的財産・個人情報保護を解説

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基本情報技術者試験のストラテジ入門を初心者向けに解説

基本情報技術者試験のストラテジ系では、会社の戦略、売上や費用の計算、法律、個人情報保護などが問われます。

ITの試験なのに、なぜ会社や法律の話が出るのかと思う人もいるかもしれません。

ストラテジ系の基礎から確認したい方は、先にITパスポートのストラテジ系入門を読むと、経営、会計、法務の全体像をつかみやすくなります。

理由は、ITが会社の仕事や経営に深く関係しているからです。ITは、システムを作るためだけのものではありません。売上を伸ばす、費用を下げる、情報を守る、業務を楽にする、といった目的でも使われます。

そのため基本情報技術者試験では、ITを会社の活動にどう役立てるかを考えるために、ストラテジ系の知識が出ます。

ストラテジ系が試験全体のどこで問われるのかを整理したい方は、基本情報技術者試験の科目Aと科目Bの違いも参考にしてください。

ここだけ読めばOK

ストラテジ系は、会社の方向性、売上と費用、法律や権利、個人情報の扱いを学ぶ分野です。基本情報技術者試験では、用語の意味だけでなく、問題文から「どの考え方を使うのか」を見分ける力が大切です。

目次

基本情報技術者試験のストラテジでは何が問われる?

基本情報技術者試験のストラテジでは、大きく分けて、経営、会計、法務が問われます。

経営では、会社がどのように競争するかを考えます。会計では、売上や費用、利益を計算します。法務では、著作権や個人情報などのルールを理解します。

範囲は広く見えますが、問題文を読んで「これは経営の話か」「会計の話か」「法務の話か」と分けると、かなり解きやすくなります。

経営戦略の用語が問われる

経営戦略とは、会社がどの方向に進むかを決める考え方です。

たとえば、安さで勝負するのか、品質で勝負するのか、特定のお客さんにしぼるのか、といった方針を考えます。

基本情報技術者試験では、次のような用語が出ます。

  • SWOT分析
  • 3C分析
  • 差別化戦略
  • コストリーダーシップ戦略
  • 集中戦略

用語を覚えるだけでなく、「何を分析しているのか」「どの立場から見ているのか」を見分けることが大切です。

会計や損益分岐点の問題が出る

会計では、売上、費用、利益の関係が問われます。

特に、損益分岐点は基本情報技術者試験でよく出る考え方です。

損益分岐点とは、利益が0になる売上や販売数のことです。赤字でも黒字でもない境目と考えると分かりやすいです。

計算問題では、固定費、変動費、販売価格を整理して、何個売れば赤字を抜けられるかを考えます。

また、販売数だけでなく、「いくら売り上げれば赤字を抜けられるか」という損益分岐点売上高を問われることもあります。

法務や個人情報保護の理解が必要

法務では、権利やルールに関する用語が出ます。

たとえば、著作権、特許権、商標権、個人情報保護、コンプライアンスなどです。

基本情報技術者試験では、「これは何を守る権利か」「どのような行為に注意が必要か」を選ぶ問題が出ます。

細かい条文を暗記するよりも、用語の対象を見分けることが大切です。

基本情報技術者試験で押さえるストラテジの全体像

基本情報のストラテジ系の全体像を示した図

ストラテジ系は、次の5つに分けると整理しやすくなります。

  • 会社の方向性を考える
  • 市場や競合を分析する
  • 売上・費用・利益を計算する
  • 法律や権利を守る
  • ITを経営や業務に活用する

会社の方向性を考える

会社は、何となく商品やサービスを出しているわけではありません。

どのお客さんに売るのか、どの強みを使うのか、競合とどう違いを出すのかを考えます。

この方向性を考えるのが、経営戦略です。

市場や競合を分析する

会社は、自分たちの都合だけで動いても、うまくいきません。

お客さんが何を求めているのか、競合は何をしているのか、自社にはどんな強みがあるのかを見ます。

ここで使われるのが、SWOT分析や3C分析です。

売上・費用・利益を計算する

会社は、商品やサービスを売ってお金を得ます。

しかし、売上があっても、費用が多ければ利益は残りません。

そのため、売上、固定費、変動費、利益の関係を理解する必要があります。

法律や権利を守る

会社は、自由に何でもできるわけではありません。

他人の作品、発明、商品名、個人情報などを正しく扱う必要があります。

法務の問題では、「何を守るためのルールか」を見ると判断しやすくなります。

ITを経営や業務に活用する

ストラテジ系では、ITを会社の活動にどう使うかも問われます。

たとえば、販売データを分析して売れ筋を見つける、顧客情報を管理する、業務をシステム化して効率を上げる、といった使い方です。

ITは、会社の戦略を実現するための道具でもあります。

プロジェクト管理や運用管理の考え方もあわせて確認したい方は、基本情報技術者試験のマネジメント入門も参考にしてください。

経営戦略の基本

差別化戦略と低コスト戦略と集中戦略の違いを示した図

経営戦略は、会社が競争の中で生き残るための考え方です。

基本情報技術者試験では、戦略の名前と意味を問う問題が出ます。

経営戦略とは

経営戦略とは、会社が目標を達成するために、どの市場で、どのように競争するかを決めることです。

たとえば、カフェなら次のような方針が考えられます。

  • 駅前で安いコーヒーを売る
  • 高級な豆を使って品質で勝負する
  • 勉強しやすい席を用意して学生にしぼる
  • 地域の人向けに落ち着いた店にする

どの方針を選ぶかによって、店の作り方、価格、広告、サービスが変わります。

競争優位とは

競争優位とは、競合より有利に戦える強みのことです。

たとえば、価格が安い、品質が高い、立地がよい、ブランド力がある、独自の技術がある、といったものです。

問題文で「競合より有利」「他社にまねされにくい」「優位に立つ」と出たら、競争優位の話だと考えます。

差別化戦略とは

差別化戦略とは、他社とは違う価値を出して選ばれるようにする戦略です。

安さだけではなく、品質、デザイン、サービス、ブランドなどで違いを出します。

カフェなら、特別な豆を使う、店内をおしゃれにする、接客をていねいにする、といった方法です。

問題文で「独自性」「高付加価値」「他社との差」と出たら、差別化戦略を考えます。

コストリーダーシップ戦略とは

コストリーダーシップ戦略とは、費用を下げて、低価格で競争する戦略です。

大量に仕入れる、作業を効率化する、無駄な費用を減らすことで、安く売っても利益を出しやすくします。

問題文で「低コスト」「低価格」「大量生産」「規模の経済」と出たら、コストリーダーシップ戦略を考えます。

集中戦略とは

集中戦略とは、特定の市場やお客さんにしぼって戦う戦略です。

広いお客さん全員を狙うのではなく、特定の層に深く合わせます。

たとえば、学生向けカフェ、高齢者向けスマホ教室、子育て世代向けアプリなどです。

問題文で「特定の市場」「限定した顧客」「ニッチ市場」と出たら、集中戦略を考えます。

SWOT分析とは?

SWOT分析の強み・弱み・機会・脅威を内部環境と外部環境で整理した図

SWOT分析とは、自社を取り巻く状況を4つに分けて整理する方法です。基本の意味から確認したい方は、SWOT分析とは?も参考にしてください。

  • Strength:強み
  • Weakness:弱み
  • Opportunity:機会
  • Threat:脅威

SWOT分析で大切なのは、内部環境と外部環境を分けることです。

たとえると

SWOT分析は、自分の店の状態と、店の外で起きている変化を分けて見る整理表です。自分の店の強み・弱みと、外のチャンス・危険を分けて考えます。

強みとは

強みとは、自社の中にある良い点です。

たとえば、次のようなものです。

  • 技術力が高い
  • 有名なブランドがある
  • 接客がよい
  • 駅から近い
  • 経験のある社員が多い

強みは、自社の中にあるものです。

弱みとは

弱みとは、自社の中にある不利な点です。

たとえば、次のようなものです。

  • 資金が少ない
  • 人手が足りない
  • 知名度が低い
  • 古いシステムを使っている
  • 販売ルートが少ない

弱みも、自社の中にあるものです。

機会とは

機会とは、自社の外にある良い変化です。

たとえば、次のようなものです。

  • 市場が伸びている
  • 新しい技術が広がっている
  • お客さんの需要が増えている
  • 法改正で新しい商売ができる
  • 近くに人が増えている

機会は、自社の努力だけで生まれるものではありません。外の環境の変化です。

脅威とは

脅威とは、自社の外にある悪い変化です。

たとえば、次のようなものです。

  • 競合が増えた
  • 原材料の価格が上がった
  • 市場が縮小している
  • 法律の規制が強くなった
  • 景気が悪くなった

脅威も、自社の外にあるものです。

内部環境と外部環境の違い

SWOT分析で特に間違えやすいのが、内部環境と外部環境の違いです。

分類意味SWOT
内部環境自社の中にあるもの強み・弱み
外部環境自社の外で起きていること機会・脅威

問題文で「自社の技術力」「社員の経験」「自社のブランド」と出たら、内部環境です。

問題文で「市場の成長」「競合の増加」「法改正」「景気の変化」と出たら、外部環境です。

SWOT分析で間違えやすい点

SWOT分析では、「良いか悪いか」だけで判断すると間違えます。

大切なのは、次の2つです。

  • 自社の中か、外か
  • 良い影響か、悪い影響か
見る場所良い影響悪い影響
自社の中強み弱み
自社の外機会脅威

たとえば、「市場が成長している」は良いことですが、自社の中の話ではありません。そのため、強みではなく機会です。

3C分析とは?

3C分析の顧客・自社・競合の関係を示した図

3C分析とは、事業を考えるときに、3つの視点から状況を整理する方法です。基本の意味から確認したい方は、3C分析とは?も参考にしてください。

  • Customer:顧客
  • Company:自社
  • Competitor:競合

SWOT分析が、強み・弱み・機会・脅威で整理する方法なのに対して、3C分析は「誰を見るか」で整理します。

Customer:顧客

Customerは、顧客です。

お客さんが何を求めているのか、どんな不満があるのか、どのような人が買うのかを考えます。

カフェなら、学生が勉強しやすい席を求めている、会社員が短い時間で買える店を求めている、といった内容です。

Company:自社

Companyは、自社です。

自社の強み、弱み、資金、技術、商品、社員、ブランドなどを見ます。

カフェなら、駅から近い、コーヒー豆にこだわっている、席数が少ない、接客がよい、といった内容です。

Competitor:競合

Competitorは、競合です。

同じお客さんを取り合う相手を見ます。

カフェなら、近くの大手チェーン、コンビニ、ファミレス、別の個人店などが競合になります。

価格、立地、品ぞろえ、サービスなどを比べます。

3C分析を問題で見分けるポイント

3C分析の問題では、「顧客・自社・競合」の3つが出てくるかを見ます。

キーワード見る対象
顧客ニーズ、購買行動、利用者顧客
自社の強み、技術、商品、資源自社
競合他社、ライバル、代替品競合

問題文で「顧客、自社、競合を分析する」と出たら、3C分析です。

会計の基本

売上から変動費と固定費を引いて利益になる流れを示した図

会計の問題では、お金の流れを整理します。

基本情報技術者試験では、細かい会計知識よりも、売上、費用、利益の関係を理解することが大切です。

売上とは

売上とは、商品やサービスが売れて入ってくるお金です。

たとえば、1杯800円のラーメンが100杯売れた場合、売上は8万円です。

計算は、次のように考えます。

売上 = 販売価格 × 販売数

固定費とは

固定費とは、売れても売れなくてもかかる費用です。

ラーメン屋なら、店の家賃、社員の人件費、設備の費用などです。

1杯も売れなくても、店を借りているだけで家賃はかかります。このような費用が固定費です。

変動費とは

変動費とは、商品が売れるほど増える費用です。

ラーメン屋なら、麺、スープ、チャーシュー、ねぎ、容器などの材料費です。

ラーメンを多く作れば、その分だけ材料費が増えます。このような費用が変動費です。

利益とは

利益とは、売上から費用を引いて残るお金です。

売上が多くても、費用が多ければ利益は少なくなります。

考え方は、次の通りです。

利益 = 売上 - 費用

費用には、固定費と変動費があります。

原価と利益の関係

原価とは、商品やサービスを作るためにかかる費用です。

ラーメンなら、麺やスープ、具材などの材料費が原価にあたります。

販売価格から原価を引いた分が、商品1個あたりで残るお金になります。

ただし、そのお金がすべて利益になるわけではありません。家賃や人件費などの固定費も回収する必要があります。

損益分岐点をラーメン屋の例で理解する

ラーメン屋の例で損益分岐点の考え方を示した図

損益分岐点は、公式だけを覚えると分かりにくくなります。

まずは、ラーメン屋の例で考えます。

項目金額
ラーメン1杯の販売価格800円
ラーメン1杯の材料費300円
1か月の固定費50万円

この店は、ラーメンを売るたびに800円の売上が入ります。

しかし、1杯作るたびに300円の材料費がかかります。さらに、ラーメンが売れなくても、家賃や人件費などの固定費がかかります。

固定費は売れなくてもかかる費用

固定費は、売上が0でもかかる費用です。

この例では、1か月の固定費は50万円です。

つまり、この店はまず50万円を回収しないと黒字になりません。

変動費は売れるほど増える費用

変動費は、売れるほど増える費用です。

この例では、ラーメン1杯あたりの材料費300円が変動費です。

1杯売れれば300円、100杯売れれば3万円の材料費がかかります。

1個売るごとに残るお金を考える

ラーメン1杯の販売価格は800円です。

材料費は300円です。

そのため、1杯売るごとに残るお金は500円です。

800円 - 300円 = 500円

この500円を使って、固定費50万円を回収していきます。

固定費を回収できる販売数を求める

1杯売るごとに500円残ります。

固定費は50万円です。

では、何杯売れば50万円を回収できるでしょうか。

50万円 ÷ 500円 = 1,000杯

つまり、このラーメン屋は1か月に1,000杯売ると、ちょうど利益が0になります。

1,000杯より少なければ赤字、1,000杯より多ければ黒字です。

損益分岐点とは?

損益分岐点とは、売上と費用が同じになり、利益が0になる点です。

赤字と黒字の境目と考えると分かりやすいです。

損益分岐点は利益が0になる点

利益は、売上から費用を引いて求めます。

利益が0になるということは、売上と費用がちょうど同じということです。

状態意味
売上 < 費用赤字
売上 = 費用損益分岐点
売上 > 費用黒字

固定費と変動費の関係

費用は、固定費と変動費に分けて考えます。

固定費は、売れなくてもかかる費用です。

変動費は、売れるほど増える費用です。

損益分岐点では、売上が固定費と変動費の合計に追いつきます。

売上高と費用の関係

売上高は、商品が売れるほど増えます。

費用も増えますが、固定費は最初からかかっています。

そのため、はじめは赤字です。

販売数が増えると、売上が少しずつ固定費を回収していき、ある点で利益が0になります。

そこが損益分岐点です。

損益分岐点を図で理解する

損益分岐点の売上高と総費用の交点を示したグラフ

図を入れる場合は、横軸を販売数、縦軸を金額にします。

図では、次の3つを見せると分かりやすいです。

  • 売上の線
  • 費用の線
  • 売上と費用が交わる点

売上の線と費用の線が交わる場所が、損益分岐点です。

交点より左は赤字、交点より右は黒字です。

損益分岐点の計算手順

損益分岐点の計算は、数字を整理してから進めると間違えにくくなります。

ここでは、先ほどのラーメン屋の例で考えます。

ステップ1:固定費を確認する

まず、固定費を探します。

固定費は、売れなくてもかかる費用です。

問題文では、家賃、固定人件費、設備費、月額費用などとして出ることがあります。

例では、固定費は50万円です。

ステップ2:販売価格を確認する

次に、商品1個あたりの販売価格を確認します。

販売価格は、1個売ったときに入ってくるお金です。

例では、ラーメン1杯の販売価格は800円です。

ステップ3:変動費を確認する

次に、1個あたりの変動費を確認します。

変動費は、売れるほど増える費用です。

例では、ラーメン1杯の材料費が300円です。

ステップ4:1個あたりの利益を出す

販売価格から、1個あたりの変動費を引きます。

この金額は、固定費を回収するために使えるお金です。

例では、次の通りです。

800円 - 300円 = 500円

この500円を、限界利益と呼ぶことがあります。

基本情報技術者試験では、「1個売るごとに固定費の回収に使えるお金」と考えると分かりやすいです。

ステップ5:固定費を回収する販売数を求める

最後に、固定費を1個あたりの利益で割ります。

固定費50万円を、1杯あたり500円で回収します。

50万円 ÷ 500円 = 1,000杯

この1,000杯が損益分岐点の販売数です。

公式で書くと、次のようになります。

損益分岐点販売数 = 固定費 ÷ 1個あたりの限界利益

1個あたりの限界利益 = 販売価格 - 1個あたりの変動費

一言でいうと

損益分岐点は、「固定費を回収するには何個売ればよいか」を求める計算です。

損益分岐点売上高と変動費率も押さえる

基本情報技術者試験では、損益分岐点の販売数だけでなく、損益分岐点売上高を問われることもあります。

損益分岐点売上高とは、いくら売り上げれば赤字を抜けられるかを表す金額です。

先ほどのラーメン屋の例では、損益分岐点の販売数は1,000杯でした。

ラーメン1杯の販売価格は800円なので、損益分岐点売上高は次のようになります。

1,000杯 × 800円 = 80万円

つまり、この店は1か月に80万円売り上げると、ちょうど利益が0になります。

また、売上に対して変動費がどれくらいかかるかを表す割合を、変動費率といいます。

この例では、ラーメン1杯の販売価格が800円、変動費が300円なので、変動費率は次のようになります。

300円 ÷ 800円 = 37.5%

問題文に「変動費率」という言葉が出たら、売上に対する変動費の割合だと考えましょう。

ここが試験に出る

損益分岐点は、販売数だけでなく「売上高」で問われることもあります。販売数を求めたあと、販売価格をかけると損益分岐点売上高になります。

損益分岐点を含めた計算問題をまとめて確認したい方は、基本情報技術者試験の計算問題対策も参考になります。

法務でよく出る用語

著作権・特許権・商標権・不正競争防止法の違いを示した図

法務では、権利やルールを守るための用語が出ます。

基本情報技術者試験では、「何を守る権利なのか」を見分けることが大切です。

知的財産権とは

知的財産権とは、人が考えて作ったものや、発明、デザイン、名前などを守る権利の総称です。

たとえば、次のようなものがあります。

  • 著作権
  • 特許権
  • 商標権
  • 意匠権

基本情報技術者試験では、どの権利が何を守るのかを問われます。

著作権とは

著作権とは、文章、音楽、絵、写真、動画、プログラムなどの作品を守る権利です。基本の意味から確認したい方は、著作権とは?も参考にしてください。

たとえば、記事の文章、イラスト、写真、音楽、動画、ソフトウェアのプログラムなどが対象になります。

著作権は、作品を作った時点で発生します。

問題文で「文章」「画像」「音楽」「プログラム」「コピー」と出たら、著作権を考えます。

プログラムの著作権で間違えやすい点

プログラムのコードとアルゴリズムの著作権の違いを示した図

基本情報技術者試験では、プログラムの著作権についてもよく問われます。

プログラムのコードは、著作権で守られる対象になります。

ただし、プログラムの裏側にあるアルゴリズム、処理の手順、計算方法、プログラミング言語そのものは、著作権の対象ではありません。

たとえば、同じ処理をするプログラムでも、コードの書き方が違えば別の表現になります。

著作権が守るのは、あくまでコードなどの表現です。考え方や手順そのものを守るものではありません。

ここが試験に出る

プログラムのコードは著作権で守られますが、アルゴリズムやプログラミング言語そのものは著作権の対象外です。「コードか、考え方か」を分けて考えましょう。

特許権とは

特許権とは、発明を守る権利です。

新しい技術的なアイデアや仕組みを守るための権利です。

問題文で「発明」「技術的なアイデア」「新しい仕組み」と出たら、特許権を考えます。

著作権は作品を守る権利、特許権は発明を守る権利です。

商標権とは

商標権とは、商品名、サービス名、ロゴ、マークなどを守る権利です。

会社のロゴやブランド名を勝手に使われないようにするための権利です。

問題文で「ブランド名」「ロゴ」「商品名」「サービス名」と出たら、商標権を考えます。

不正競争防止法とは

不正競争防止法とは、不正な方法で競争する行為を防ぐための法律です。

たとえば、他社の商品名に似た名前を使ってお客さんをまぎらわせたり、営業秘密を不正に手に入れたりする行為が問題になります。

問題文で「まぎらわしい表示」「営業秘密」「不正取得」と出たら、不正競争防止法を考えます。

個人情報保護の基本

個人情報・個人データ・匿名加工情報の違いを示した図

個人情報保護では、人に関する情報を正しく扱うことが問われます。

会社が顧客情報や社員情報を扱うときは、利用目的や管理方法に注意が必要です。

個人情報とは

個人情報とは、特定の個人を識別できる情報です。

たとえば、次のような情報です。

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 顔写真
  • 会員番号と氏名が結び付いた情報

1つの情報だけで個人が分かる場合もあれば、ほかの情報と組み合わせることで個人が分かる場合もあります。

個人データとは

個人データとは、検索や整理ができる形で管理されている個人情報です。

たとえば、会員リスト、顧客管理システム、社員名簿などに入っている情報です。

問題文で「データベース化されている」「検索できる形で管理」と出たら、個人データを考えます。

利用目的の明示

個人情報を集めるときは、何のために使うのかを示す必要があります。

たとえば、商品発送のため、問い合わせ対応のため、会員管理のため、といった目的です。

目的をあいまいにしたまま、あとから別の目的で使うのは問題になることがあります。

第三者提供の注意点

第三者提供とは、個人データを本人や自社以外の相手に渡すことです。

第三者に提供する場合は、本人の同意などが必要になる場合があります。

問題文では、「本人の同意なく外部企業に渡した」といった形で出ることがあります。

個人情報保護の問題では、「誰に渡したのか」「本人の同意があるのか」を見ることが大切です。

漏えい時のリスク

個人情報が漏えいすると、本人に迷惑がかかるだけでなく、会社の信用も失われます。

たとえば、迷惑メール、なりすまし、詐欺、信用低下などにつながるおそれがあります。

そのため、会社は個人情報を安全に管理する必要があります。

基本情報技術者試験で間違えやすいストラテジ用語

ストラテジ系では、似た用語の違いを問われることがあります。

ここでは、特に間違えやすいものを整理します。

強みと機会の違い

強みは、自社の中にある良い点です。

機会は、自社の外にある良い変化です。

用語見る場所
強み自社の中技術力が高い
機会自社の外市場が成長している

「良いことだから強み」と考えると間違えます。自社の中か外かを見ましょう。

固定費と変動費の違い

固定費は、売れなくてもかかる費用です。

変動費は、売れるほど増える費用です。

用語意味
固定費売上に関係なくかかる費用家賃、人件費
変動費売れるほど増える費用材料費、仕入費

問題では、「販売数が増えたら増えるか」を考えると見分けやすくなります。

売上と利益の違い

売上は、商品やサービスが売れて入るお金です。

利益は、売上から費用を引いて残るお金です。

用語意味
売上売れて入るお金
利益売上から費用を引いて残るお金

売上が増えても、費用が多ければ利益は増えないことがあります。

損益分岐点販売数と損益分岐点売上高の違い

損益分岐点販売数は、何個売れば利益が0になるかを表します。

損益分岐点売上高は、いくら売り上げれば利益が0になるかを表します。

用語見るもの
損益分岐点販売数個数1,000杯
損益分岐点売上高金額80万円

問題で「何個」「何台」と聞かれたら販売数、「売上高」「いくら」と聞かれたら売上高を答えます。

著作権と特許権の違い

著作権は、作品を守る権利です。

特許権は、発明を守る権利です。

用語守るもの
著作権作品文章、音楽、写真、プログラムのコード
特許権発明新しい技術、仕組み

問題文で「作品」なら著作権、「発明」なら特許権を考えます。

ただし、プログラムの場合は注意が必要です。コードは著作権で守られますが、アルゴリズムやプログラミング言語そのものは著作権の対象ではありません。

個人情報と匿名加工情報の違い

個人情報は、特定の個人を識別できる情報です。

匿名加工情報は、特定の個人を識別できないように加工された情報です。

ただし、単に名前を消しただけでは不十分な場合があります。

ほかの情報と組み合わせることで個人が分かる場合は、注意が必要です。

用語意味
個人情報特定の個人を識別できる情報
匿名加工情報個人を識別できないように加工された情報

ストラテジ問題の解き方

ストラテジ問題は、知識をそのまま聞く問題もありますが、文章を読んで判断する問題もあります。

次の順番で見ると、解きやすくなります。

問題文が経営・会計・法務のどれか確認する

まず、問題文のテーマを分けます。

テーマよく出る言葉
経営戦略、競合、顧客、市場、強み
会計売上、費用、利益、固定費、変動費
法務権利、著作権、特許、個人情報、契約

テーマが分かると、使う知識をしぼれます。

分析手法の対象を確認する

SWOT分析と3C分析は、どちらも分析手法です。

見分けるときは、何を整理しているかを見ます。

分析手法見るポイント
SWOT分析強み、弱み、機会、脅威
3C分析顧客、自社、競合

計算問題は数字を表に整理する

損益分岐点の問題では、数字をそのまま計算し始めると間違えやすくなります。

まず、次のように整理します。

項目見る内容
固定費売れなくてもかかる費用
販売価格1個売ったときの金額
変動費1個売るごとに増える費用
1個あたりの限界利益販売価格 - 変動費
変動費率売上に対する変動費の割合

表にすると、固定費と変動費を取り違えにくくなります。

法務問題は権利やルールの対象を見る

法務問題では、「何を守るための権利か」を見ます。

対象関係する用語
作品著作権
発明特許権
ロゴ・商品名商標権
個人を識別できる情報個人情報
営業秘密や不正取得不正競争防止法

選択肢の言い過ぎ表現に注意する

基本情報技術者試験では、選択肢に「常に」「必ず」「すべて」といった強い表現が出ることがあります。

もちろん、必ず間違いとは限りません。

しかし、法律や経営の問題では、条件によって答えが変わることがあります。

そのため、言い切りすぎていないかを確認しましょう。

基本情報技術者試験ではストラテジがどう出る?

基本情報技術者試験のストラテジは、科目Aで用語や計算として出ることが多いです。

内容としては、経営、会計、法務をバランスよく押さえる必要があります。

用語の意味を選ぶ問題

用語の意味を選ぶ問題では、説明文から正しい用語を選びます。

たとえば、「顧客、自社、競合を分析する手法はどれか」と聞かれたら、3C分析を選びます。

用語を丸暗記するだけでなく、キーワードとセットで覚えると解きやすくなります。

分析手法を見分ける問題

分析手法では、SWOT分析と3C分析の違いが大切です。

SWOT分析は、強み、弱み、機会、脅威で整理します。

3C分析は、顧客、自社、競合で整理します。

問題文に出てくる言葉を見て、どちらの分析か判断します。

損益分岐点の計算問題

損益分岐点の計算では、固定費、販売価格、変動費を整理します。

特に、固定費と変動費の違いを間違えると、答えがずれます。

基本の流れは、次の通りです。

  1. 固定費を確認する
  2. 販売価格を確認する
  3. 1個あたりの変動費を確認する
  4. 販売価格から変動費を引く
  5. 固定費をその金額で割る
  6. 必要に応じて販売価格をかけ、損益分岐点売上高を出す

問題文に「変動費率」が出る場合は、売上に対する変動費の割合を使う問題だと考えます。

知的財産権を問う問題

知的財産権では、著作権、特許権、商標権の違いがよく問われます。

問題文で何を守っているのかを見ます。

  • 作品なら著作権
  • 発明なら特許権
  • 商品名やロゴなら商標権
  • 営業秘密や不正取得なら不正競争防止法

プログラムについては、コードは著作権の対象ですが、アルゴリズムやプログラミング言語そのものは著作権の対象外です。

個人情報保護を問う問題

個人情報保護では、個人情報の扱い方が問われます。

問題では、次の点を確認します。

  • 個人を識別できる情報か
  • 利用目的を示しているか
  • 本人の同意なく第三者に提供していないか
  • 安全に管理しているか

個人情報は、名前だけではありません。ほかの情報と組み合わせて個人が分かる場合もあります。

確認問題

最後に、基本的な確認問題で理解を整理しましょう。

SWOT分析の機会は内部環境ですか、外部環境ですか?

答えは、外部環境です。

機会は、自社の外にある良い変化です。

たとえば、市場が伸びている、需要が増えている、新しい技術が広がっている、といったものです。

自社の中にある良い点は、機会ではなく強みです。

損益分岐点とはどのような点ですか?

答えは、売上と費用が同じになり、利益が0になる点です。

損益分岐点より売上が少なければ赤字です。

損益分岐点より売上が多ければ黒字です。

販売数で考える場合は、固定費を1個あたりの限界利益で割って求めます。

損益分岐点売上高とは何ですか?

損益分岐点売上高とは、利益が0になる売上高のことです。

今回のラーメン屋の例では、損益分岐点販売数は1,000杯でした。

1杯800円なので、損益分岐点売上高は次の通りです。

1,000杯 × 800円 = 80万円

つまり、80万円売り上げると、ちょうど利益が0になります。

著作権と特許権の違いは何ですか?

著作権は、文章、音楽、写真、プログラムのコードなどの作品を守る権利です。

特許権は、新しい発明や技術的な仕組みを守る権利です。

問題文で「作品」と出たら著作権、「発明」と出たら特許権を考えます。

プログラムのアルゴリズムは著作権で守られますか?

答えは、著作権では守られません。

プログラムのコードは著作権で守られますが、アルゴリズム、処理の手順、計算方法、プログラミング言語そのものは著作権の対象外です。

アルゴリズムの意味を先に確認したい方は、アルゴリズムとはも参考になります。

基本情報技術者試験では、ここがひっかけとして出ることがあります。

まとめ

基本情報技術者試験のストラテジ系では、経営戦略、会計、法務、個人情報保護が問われます。

用語を暗記するだけではなく、問題文から何を聞かれているのかを見分けることが大切です。

SWOT分析では、内部環境と外部環境を分けます。

3C分析では、顧客、自社、競合を見ます。

損益分岐点では、固定費、変動費、販売価格を整理して、利益が0になる点を求めます。

また、販売数だけでなく、損益分岐点売上高や変動費率も押さえておくと、計算問題に対応しやすくなります。

法務では、著作権、特許権、商標権などが何を守る権利なのかを押さえます。

プログラムについては、コードは著作権で守られますが、アルゴリズムやプログラミング言語そのものは著作権の対象外です。

個人情報保護では、個人を識別できる情報の扱い方に注意します。

この記事のポイント

  • SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威で整理する
  • 3C分析は、顧客・自社・競合で整理する
  • 損益分岐点は、利益が0になる点
  • 固定費は、売れなくてもかかる費用
  • 変動費は、売れるほど増える費用
  • 損益分岐点売上高は、利益が0になる売上高
  • 変動費率は、売上に対する変動費の割合
  • 著作権は作品、特許権は発明、商標権は名前やロゴを守る
  • プログラムのコードは著作権の対象
  • アルゴリズムやプログラミング言語そのものは著作権の対象外
  • 個人情報は、個人を識別できる情報

ストラテジを含めた基本情報全体の進め方は、基本情報技術者試験の勉強方法も参考にしてください。

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