私の経験上、「システムエンジニアです」と自己紹介すると、こんな反応をよくもらいます。
- 頭がいいんですね?
- 理系の人しかなれないですよね?数学が得意なんですね?
- プログラミング未経験では無理ですよね?
といった反応をよくもらいます。
確かに、世間では「パソコンに向かって意味のわからない英語をずっと入力している仕事」「プログラミングや専門知識が必須」というイメージがあり、「頭がいい人しかなれない」と思われがちです。
しかし、実際は文系出身や未経験からシステムエンジニアになった人も多く、企業の研修やOJT(実務を通じたトレーニング)を経て、一人前のスキルを身につけているケースが一般的です。
本記事では、システムエンジニア歴20年の管理人が、「システムエンジニアは本当に頭がいい人しかなれないのか?」という疑問に対し、現実を解説します。未経験からシステムエンジニアを目指す方は、この記事を参考にして、実際のハードルの高さを確認し、自分に合ったキャリアを考えてみてください!
※参考までにシステムエンジニアに関連する記事は以下にまとめてます。興味がある方はチェックしてみてください。

また、プログラミングに興味がある人は、最初から高額のプログラミングスクールは不要です。まずはプログラミング適正があるか確認しましょう。詳細は以下の記事にまとめてます。興味がある方はチェックしてみてください。

システムエンジニアは頭がいい必要なし?文系出身や未経験でもなれる理由

システムエンジニアは「頭がいい人しかなれない」と思われがちですが、実際には「頭がいい」は関係ありません。また、文系出身や未経験からでも十分に活躍できる仕事です。
その理由は、多くの企業で入社後に新入社員向けの研修が用意されており、さらにOJT(実務を通じたトレーニング)によって、実践的なスキルを身につける機会が豊富にあるからです。
研修期間中は、プログラミングの基礎やITの基本知識を学ぶことができ、実務に入ってからも先輩エンジニアがそばにいるため、わからないことがあればすぐに質問できる環境が整っています。そのため、文系出身や未経験でも、学びながら確実に成長できるのです。
この環境で1年間学び続ければ、プログラミングの知識やスキルがしっかりと身につき、経験者と同じレベルで業務をこなせるようになります。
私の場合、入社時の同期は約50人で、文系・理系の出身者、経験者と未経験者が混在していましたが、1年後にはスキルに大きな差はなくなっていました。
特に忙しい部署に配属された人は、朝から晩まで1日中プログラミングに取り組んでいたため、入社時に経験者だった人よりもスキルが身についているケースもありました。
ちなみに、私は理系でプログラミング経験者ですが、学生時代にやっていたプログラミングのスキルは全く通用せず、イチから学びなおした感じでした。
システムエンジニア1年目は「新入社員向けの研修」と「配属後のOJT」
システムエンジニア1年目は、「新入社員向けの研修」と「配属後のOJT」の2つのステップを経て成長します。文系出身や未経験でも、この流れをしっかりとこなせば、確実にシステムエンジニアとして成長できます。
会社によっては「新入社員向けの研修」がなく、いきなり配属されて実践が始まる場合があります。そのため、就職活動時に「新入社員向けの研修」や「配属後のOJT」の内容はどういったことをしているのか、事前に確認しておくことが重要です。就職後に「新入社員向けの研修」や「配属後のOJT」が充実していないことがわかって後悔しても手遅れです。
新人教育

入社後、最初に受けるのが新入社員向けの研修です。多くの企業では、システムエンジニアとしての基礎を学ぶために、以下のような研修を実施しています。
- プログラミングの基礎(Java、Python、C言語などの言語学習)
- IT基礎知識(ネットワーク、データベース、セキュリティなど)
- 開発ツールの使い方(Git、Linux、クラウド環境など)
- チーム開発の演習(模擬プロジェクトでの実践練習)
この研修を通じて、システムエンジニアとして必要な基本スキルを身につけます。未経験でもこの段階でしっかり学べるため、未経験でも安心してスタートできます。
私の場合は、4-6月まで新入社員向けの研修で以下のようなことを実施しました。
- 4月の情報処理技術者試験の勉強
- プログラミングの基礎(プログラムの動かし方)
- プログラミングの応用(チームを組んで実際に簡単なサービスを作る)
配属後のOJT

新入社員向けの研修が終わると、実際のプロジェクトに配属され、OJTが始まります。ここでは、先輩エンジニアの指導を受けながら、実務を通じて学ぶことがメインになります。
OJTで学ぶ主な内容は以下の通りです。
- 実際のシステム開発の流れを理解(設計、開発、テスト、運用)
- プログラミングの実践(研修で学んだスキルを実際のプロジェクトで活用)
- エラーの解決方法やバグ修正の手順を学ぶ
- チーム開発の経験を積む
この期間は、実際の業務を経験しながら学べるため、スキルが一気に向上します。また、困ったときにはすぐに先輩に相談できる環境があるため、安心して実務に取り組めます。
私の場合、配属後の最初の1ヶ月間は、配属先の受け持っているサービスについて学び、先輩から与えられた課題に従ってプログラミングをしていました。その後はシステム開発に携わり、朝から晩まで毎日プログラミングを続ける生活が1年間続きました。その結果、一気にプログラミングの知識が向上しました。
今思えば、このときに一番助かったのは、プログラムが動かないときにエラーの原因を先輩に報告すると、つきっきりで解決方法を一緒に考えてくれたことです。
このように、積極的に質問し、リアルタイムで解決することを繰り返せたからこそ、プログラミングを続けられました。もし質問できる環境がなかったら、途中でプログラミングは向いていないとあきらめていたかもしれません。
システムエンジニアとして1年耐えれば、その後は文系出身・未経験者が有利になることがある

システムエンジニアとして1年目を乗り越えると、文系出身や未経験が有利になる場面も増えてきます。
なぜなら、システムエンジニアの仕事は単なる「プログラミング」だけではなく、「要件定義」「設計」「コミュニケーション」といったスキルが求められるからです。
文系出身の人は、「文章力」「論理的な説明力」「対話力」を活かして、顧客とのやり取りや仕様書作成を得意とすることが多く、上流工程で活躍するチャンスが増えます。
また、未経験からスタートした人は、「初心者の視点」を持っているため、新しい技術を柔軟に吸収しやすく、未経験者向けの教育係としても活躍しやすいのです。
システムエンジニアに向いている人とは?「頭がいい」より大事なこと

システムエンジニアに向いている人は、「頭がいい」ことよりも、学ぶ姿勢や論理的思考力、そしてチームワークが重要です。では、具体的にどのような人がシステムエンジニアに向いているのでしょうか?
わからないことをそのままにしない人
システムエンジニアの仕事では、プログラムが思った通りに動かないことが日常茶飯事です。そのたびに「どうしてこうなるの?」と考え、自分で調べたり、周りの人に質問できる人は成長が早いです。
特に文系出身や未経験にとって、最初は専門用語や技術的な知識に戸惑うことも多いでしょう。しかし、調べる習慣がつけば、自分で問題を解決する力が身につき、スキルアップが加速します。
コツコツと積み重ねられる人
プログラミングは、一夜漬けで習得できるものではありません。小さな成功体験を積み重ねながら、スキルを身につけていくことが重要です。
例えば、「エラーを1つ解決した」「簡単なプログラムを書けるようになった」「他の人のコードを理解できた」といった小さな成長を積み重ねることで、気づけば自信を持ってコードを書けるようになります。
途中で「難しい」と感じることがあっても、焦らず少しずつ前に進める人は、システムエンジニアとして活躍しやすいでしょう。
論理的に考えるのが好きな人
システムエンジニアの仕事では、「なぜこのプログラムが動かないのか?」を論理的に考え、問題を解決する力が求められます。
これは数学の知識が必要というわけではなく、物事を順序立てて整理し、原因を特定し、解決策を考える力があればOKです。文系出身や未経験であっても、筋道を立てて考えるのが得意な人なら問題なく学べます。
※参考までにシステムエンジニア歴20年で一番役立った自己啓発のおすすめの本を次の記事で紹介してます。

チームで協力できる人
システム開発は、1人で黙々と作業するのではなく、チームで進める仕事です。そのため、周囲とコミュニケーションを取りながら仕事ができることも大切です。
例えば、
- わからないことがあれば先輩に相談する
- 進捗や問題点をチームで共有する
- 他のメンバーの意見を聞きながら改善策を考える
といったやりとりが日常的に発生します。特に未経験のうちは、積極的に質問したり、フィードバックを受け入れたりする姿勢が重要になります。
システムエンジニア=頭がいい人だけの仕事ではない!重要なのは努力
「システムエンジニアは頭がいい人しかなれない」と思われがちですが、実際はそんなことはありません。文系出身や未経験からでも、適切な研修と実践を積み重ねることで、一人前のエンジニアになることができます。
特に1年目は、新人研修やOJTを通じて基礎を学び、現場で実践を積む期間。この経験を乗り越えれば、最初の出発点が文系でも未経験でも、経験者と横一線に並ぶことが可能です。さらに、その後の成長は「頭がいい」よりも「努力を続けられるかどうか」によって大きく変わってきます。
システムエンジニアに向いているのは、わからないことをそのままにせず、コツコツと積み重ねられる人。そして、論理的に考えながら、チームと協力して仕事を進められる人です。数学が得意でなくても、プログラミング未経験でも、こうした姿勢があれば確実に成長できます。
「自分には無理かも」と思っている方も、挑戦する気持ちさえあれば大丈夫。システムエンジニアに必要なのは、天才的な頭脳ではなく、学び続ける努力なのです。
※現在10ステップの中の1が完了。次のステップは、「システムエンジニアで行きたいIT業界を理解しよう」です。
