暗号化とは、データをそのまま読めない形に変えて守る仕組みです。
かんたんに言うと、大切な情報に「鍵つきの箱」をかけるようなものです。
ここでいうデータとは、文字、写真、ファイル、メッセージなど、スマホやパソコンで扱う情報のことです。
鍵つきの箱に入れると、外から中身は見えません。正しい鍵を持っている人だけが、中身を読める形に戻せます。
ITの世界では、この「中身を読めない形にすること」を暗号化といいます。
この記事では、暗号化の意味、使われる場面、暗号化キー、復号、ハッシュ化との違いを、初心者向けにわかりやすく解説します。
ほかのIT用語も知りたい方は、初心者向けのIT用語辞典もあわせてご覧ください。
暗号化とは?かんたんに言うとデータを読めない形にすること
暗号化とは、文字、写真、ファイル、通信内容などを、他の人が読めない形に変えることです。
たとえば「こんにちは」という文字を、そのままでは意味が分からない文字の並びに変えるようなイメージです。
ただし、でたらめに変えるわけではありません。正しい方法と鍵を使えば、元の内容に戻せます。
暗号化は大切な情報を守るための仕組み
インターネットでは、いろいろな情報がやり取りされています。
名前、住所、パスワード、クレジットカード番号など、大切な情報を送る場面もあります。
そのような情報をそのまま読める形で送ると、途中で見られたときに内容が分かってしまいます。
そこで、暗号化を使って、見られても中身が分かりにくい形にします。
読めない形にしても、必要な人は元に戻せる
暗号化されたデータは、そのままでは読みにくい形になります。
しかし、必要な人が正しい鍵を使えば、元の読める形に戻せます。
この「元に戻せる」という点が、暗号化の大きな特徴です。
暗号化の身近な例
暗号化は難しく見えますが、考え方は身近なものに似ています。
ここでは、封筒を例にして説明します。
手紙を封筒に入れて送るイメージ
手紙をはがきで送ると、途中で内容が見えてしまいます。
一方、封筒に入れて送れば、外から中身は見えません。
暗号化もこれに近い考え方です。
データをそのまま送るのではなく、読めない形にして送ります。
ただし、ITでの暗号化は本物の封筒ではありません。データを計算によって読めない形に変える仕組みです。
スマホやネットでも暗号化は使われている
暗号化は、スマホやインターネットの中でよく使われています。
たとえば、Webサイトを見るとき、Wi-Fiを使うとき、メッセージを送るときなどです。
ふだん意識していなくても、暗号化は私たちの情報を守るために使われています。
暗号化はどこで使われる?
暗号化は、さまざまな場面で使われます。
ここでは、初心者にも分かりやすい代表的な例を紹介します。
Webサイトの通信を守る
Webサイトを見るとき、暗号化された通信が使われることがあります。
通信とは、スマホやパソコンが、Webサイトやアプリと情報をやり取りすることです。
たとえば、ログイン画面や買い物サイトでは、入力した情報を守るために暗号化が使われます。
URLが「https://」で始まるサイトでは、通信を守る仕組みが使われています。
URLとは、Webページの住所のようなものです。
暗号化されていないWebサイトでは、ブラウザに「保護されていない通信」と表示されることがあります。
ブラウザとは、EdgeやChromeのようにWebサイトを見るためのアプリです。
Wi-Fiの通信を守る
Wi-Fiでも暗号化は使われます。
Wi-Fiとは、ケーブルを使わずにインターネットにつなぐ仕組みです。
家庭や会社のWi-Fiでは、パスワードを入れて接続することが多いです。
これは、通信を暗号化して、知らない人が簡単に使えないようにするためです。
ファイルやUSBメモリを守る
ファイルを暗号化することもあります。
ファイルとは、文書、写真、表計算データなどのまとまりです。
USBメモリとは、データを保存して持ち運ぶ小さな機器です。
大切なファイルを暗号化しておくと、もしUSBメモリやパソコンをなくした場合でも、中身を簡単に読まれにくくできます。
ただし、暗号化したファイルを開くには、正しいパスワードや鍵が必要になることがあります。
メールやメッセージを守る
メールやメッセージでも暗号化が使われることがあります。
たとえば、やり取りの途中で内容を読まれにくくするためです。
メッセージアプリとは、LINEなど、文字や写真をやり取りするアプリのことです。
メッセージアプリでは、送る人と受け取る人だけが内容を読める仕組みが使われることもあります。
暗号化と復号の違い
暗号化と一緒に覚えておきたい言葉が、復号です。
復号は「ふくごう」と読みます。
復号とは、暗号化されたデータを元の読める形に戻すことです。
「復号化」と呼ばれることもありますが、IT用語では「復号」と書かれることが多いです。
暗号化は読めない形にすること
暗号化は、データを読めない形に変えることです。
たとえば、文章やファイルをそのまま見ても意味が分からない形にします。
目的は、大切な情報を守ることです。
復号は読める形に戻すこと
復号は、暗号化されたデータを元に戻すことです。
たとえば、読めない形になった文章を、元の文章に戻すイメージです。
正しい鍵やパスワードがあると、暗号化されたデータを読めるようになります。
「複合化」ではなく「復号」と書く
暗号化の反対の意味で使う言葉は、復号です。
「複合化」と書かれることもありますが、暗号の話では「復号」が正しい表記です。
「元の読める形に戻す」と考えると、復号という言葉を覚えやすくなります。
暗号化キーとは?
暗号化キーとは、データを暗号化したり、元に戻したりするために使う鍵のような情報です。
キーは英語で「鍵」という意味です。
暗号化キーはデータを開けるための鍵
暗号化されたデータは、正しい鍵がないと読める形に戻せません。
この鍵の役割をするものが、暗号化キーです。
家の鍵がないと部屋に入れないように、正しい暗号化キーがないとデータを読めないことがあります。
ただし、暗号化キーは金属の鍵ではありません。データを読めない形にしたり、元に戻したりするための特別な情報です。
暗号化キーとパスワードの違い
暗号化キーとパスワードは、似ているようで同じではありません。
パスワードは、人が入力する合言葉のようなものです。
暗号化キーは、データを暗号化したり復号したりするために使う鍵です。
サービスによっては、パスワードをもとに暗号化キーを作ることもあります。
初心者は、「パスワードは人が覚えて入力するもの」「暗号化キーはデータを守るために使う鍵」と考えると分かりやすいです。
暗号化の種類
暗号化にはいくつかの種類があります。
ここでは、初心者が知っておくとよい代表的な考え方だけを説明します。
同じ鍵を使う方式
同じ鍵を使う方式とは、暗号化するときも、元に戻すときも、同じ鍵を使うやり方です。
たとえば、同じ鍵で箱を閉めて、同じ鍵で箱を開けるようなイメージです。
ただし、その鍵を安全に相手へ渡す必要があります。
別々の鍵を使う方式
別々の鍵を使う方式もあります。
これは、閉める鍵と開ける鍵が別になっているような仕組みです。
少し難しい考え方ですが、インターネット上の安全な通信などで使われます。
初心者の段階では、「暗号化には同じ鍵を使う方法と、別の鍵を使う方法がある」と覚えておけば十分です。
AESなどの暗号化方式もある
AESとは、現在よく使われている代表的な暗号化のやり方です。
多くのサービスで使われていますが、初心者の段階では名前だけ知っておけば十分です。
細かい計算の仕組みまで覚える必要はありません。
エンドツーエンド暗号化とは?
エンドツーエンド暗号化とは、送る人と受け取る人だけが内容を読めるようにする仕組みです。
英語では「end-to-end encryption」と書きます。
送る人と受け取る人だけが読める仕組み
エンドツーエンド暗号化では、送る人と受け取る人だけが内容を読めるようにします。
サービスの途中にあるコンピューターを通っても、内容を読みにくくするための仕組みです。
サーバーとは、サービスを動かすためのコンピューターのことです。
そのため、メッセージのプライバシーを守るために使われます。
LINEなどのメッセージアプリで使われることがある
エンドツーエンド暗号化は、メッセージアプリで使われることがあります。
たとえば、LINEなどで「暗号化」という言葉を見たことがある人もいるかもしれません。
メッセージの内容を守るために、暗号化の仕組みが使われています。
暗号化とハッシュ化の違い
暗号化と似た言葉に、ハッシュ化があります。
どちらもデータを別の形に変える仕組みですが、目的が違います。
暗号化は元に戻せる
暗号化は、正しい鍵があれば元に戻せます。
たとえば、暗号化された文章を、元の読める文章に戻せます。
そのため、あとで内容を読む必要があるデータに使われます。
ハッシュ化は基本的に元に戻さない
ハッシュ化とは、データを決まった形の文字の並びに変える仕組みです。
ハッシュ化は、基本的に元の内容へ戻すためのものではありません。
たとえば、パスワードをそのまま保存しないために使われることがあります。
ハッシュ化は、データの「指紋」を作るような仕組みです。
指紋だけを見ても、その人の顔や名前を完全に戻せないように、ハッシュ化した文字から元の内容を戻すことは基本的にできません。
初心者は、「暗号化は戻せる」「ハッシュ化は基本的に戻さない」と覚えると分かりやすいです。
暗号化とハッシュ化の違いを表で確認
| 項目 | 暗号化 | ハッシュ化 |
|---|---|---|
| 主な目的 | データを読めない形にして守る | データの確認用の指紋を作る |
| 元に戻せるか | 正しい鍵があれば戻せる | 基本的に戻せない |
| 使われる例 | 通信、ファイル、メール | パスワード確認、改ざん確認 |
初心者が間違えやすいポイント
暗号化は便利な仕組みですが、いくつか誤解されやすい点があります。
ここでは、初心者がつまずきやすいポイントを整理します。
暗号化すれば絶対安全というわけではない
暗号化は、情報を守るための大切な仕組みです。
ただし、暗号化していれば何をしても安全という意味ではありません。
パスワードの管理、スマホやパソコンの管理、怪しいサイトを開かないことも大切です。
暗号化は、安全を高めるための一つの方法と考えるとよいです。
パスワードを忘れると開けなくなることがある
暗号化されたファイルや機器は、パスワードがないと開けないことがあります。
これは、大切な情報を守るための仕組みです。
そのため、暗号化に使うパスワードは、なくさないように管理することが大切です。
暗号化されていない通信には注意が必要
暗号化されていない通信では、送った内容が守られにくい場合があります。
特に、ログイン情報や個人情報を入力する画面では、通信が暗号化されているか確認すると安心です。
目安として、Webページの住所が「https://」で始まるかを見る方法があります。
ただし、「https://」だから何を入力しても安全という意味ではありません。サイト自体が信頼できるかも確認しましょう。
暗号化についてよくある質問
暗号化は英語で何と言いますか?
暗号化は英語で「encryption」といいます。
「暗号化する」は「encrypt」と表すことがあります。
反対に、暗号化されたものを元に戻す復号は「decryption」といいます。
暗号化されたデータは誰でも戻せますか?
誰でも戻せるわけではありません。
基本的には、正しい鍵やパスワードを持っている人だけが戻せます。
そのため、鍵やパスワードの管理が大切です。
暗号化キーを忘れたらどうなりますか?
暗号化キーを忘れると、データを元に戻せないことがあります。
サービスによっては、復旧できる場合もあります。
ただし、自分だけが鍵を持つ仕組みでは、戻せないこともあります。
大切なデータを暗号化するときは、復旧方法も確認しておくと安心です。
暗号化されていないメッセージとは何ですか?
暗号化されていないメッセージとは、内容を読めない形に変えずに送られるメッセージのことです。
サービスやアプリによっては、設定や相手の環境によって暗号化の状態が変わることがあります。
表示の意味が分からない場合は、アプリを作っている会社の説明ページを確認するとよいでしょう。
まとめ:暗号化とはデータを読めない形にして守る仕組み
暗号化とは、データをそのまま読めない形に変えて守る仕組みです。
手紙を封筒に入れるように、大切な情報を外から見えにくくする役割があります。
ITでは、Webサイトの通信、Wi-Fi、ファイル、USBメモリ、メール、メッセージなどで暗号化が使われています。
暗号化は、正しい鍵やパスワードを使えば、元の読める形に戻せます。
この元に戻すことを復号といいます。
暗号化キーとは、暗号化されたデータを開けるための鍵のような情報です。
また、暗号化は元に戻せますが、ハッシュ化は基本的に元に戻しません。
まずは「暗号化とは、大切なデータを読めない形にして守る仕組み」と覚えておくと理解しやすいです。
