NPUとは、AIの計算を効率よく行う専用のプロセッサーです。
特に、学習済みのAIが画像や音声などを調べて答えを出す「推論」という処理を、少ない電力で行うことを得意としています。
背景ぼかし、音声ノイズの低減、写真の補正、リアルタイム翻訳など、パソコンの中で動くAI機能に使われます。
ただし、NPUを搭載しているだけで、すべてのアプリやパソコン作業が速くなるわけではありません。
この記事では、NPUとは何か、CPUやGPUとの違い、使い道、TOPSの意味、NPU搭載PCが必要な人を初心者向けに解説します。
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NPUとは?簡単にいうとAI専用のプロセッサー

NPUとは、AIで使う計算を効率よく行うためのプロセッサーです。
プロセッサーとは、受け取った命令にしたがって計算や処理を行う部品のことです。
AIを使う処理のうち、NPUに向いている仕事を担当することで、CPUやGPUの負担を減らします。
NPUは何の略?読み方と意味
NPUは、英語の「Neural Processing Unit」を短くした言葉です。読み方は「エヌ・ピー・ユー」です。
Neuralは、人の脳にある神経のつながりをまねたAIの仕組みを表しています。
英語を覚える必要はありません。初心者は、「AIの計算が得意な部品」と考えると分かりやすいでしょう。
NPUが得意なAIの推論処理とは
NPUは、AIの中でも「推論」と呼ばれる処理で使われます。
推論とは、学習済みのAIが新しい情報を受け取り、答えを出す処理です。
たとえば、カメラに映った人と背景を見分ける、音声から雑音を見つける、画像に何が写っているか判断するといった処理があります。
NPUは、このような似た計算を何度も行う処理を、効率よく進めることが得意です。
NPUはCPUの中に入っていることが多い
パソコン用のNPUは、CPUと同じ部品の中に組み込まれていることが多くあります。
そのため、NPUが独立した大きな部品として見えるとは限りません。
パソコンの商品説明では、「NPU搭載」「AIエンジン搭載」「AI対応プロセッサー」などと書かれています。
NPUはどのような仕組みで動く?
パソコンは、処理の内容に合わせてCPU、GPU、NPUなどを使い分けています。
一般的な作業はCPU、画像や映像の重い処理はGPU、対応するAI処理はNPUが担当するイメージです。
多くの計算をまとめて行う
AIでは、大量の数字を掛けたり足したりする計算を何度も行います。
NPUは、このようなAI特有の計算をまとめて処理しやすい作りになっています。
幅広い仕事をこなすCPUとは違い、仕事をAI処理に絞ることで効率を高めています。
少ない電力でAI処理を行いやすい
NPUの大きな特徴は、AI処理を少ない電力で行いやすいことです。
特に、電池で動くノートパソコンやスマートフォンでは、消費電力を抑えることが重要になります。
ビデオ会議などでAI機能を長時間使う場合も、CPUやGPUだけで処理するより、消費電力を抑えられることがあります。
NPUだけでパソコンが動くわけではない
NPUはAI処理が得意ですが、パソコン全体を動かす部品ではありません。
アプリを起動する、文字を入力する、ファイルを保存するといった処理には、主にCPUやメモリなどが使われます。
NPUは、パソコンにある複数の部品の一つとして、得意なAI処理を担当します。
NPUの使い道|パソコンで何ができる?
NPUは、パソコンやスマートフォンの中で動くAI機能に使われます。
ただし、実際にNPUを使うには、アプリやOSがNPUに対応している必要があります。
ビデオ会議の背景ぼかしや視線補正
ビデオ会議では、カメラに映った人と背景を見分けるためにAIが使われます。
背景をぼかす、明るさを調整する、目線を補正するといった処理を、NPUが担当することがあります。
これらの処理をパソコン内で行えば、会議中も継続して使いやすくなります。
音声ノイズの低減や文字起こし
NPUは、マイクに入った音声から、人の声と周囲の雑音を見分ける処理にも使われます。
キーボードの音や生活音を減らすほか、話した内容を文字にする機能で使われる場合もあります。
写真や動画の補正
写真や動画を見やすくする処理にもAIが使われています。
人物を見分ける、暗い部分を明るくする、画像をくっきり見せるといった処理です。
対応するアプリでは、NPUがこれらの処理を助けます。
リアルタイム翻訳や音声認識
音声を聞き取り、別の言語に翻訳する機能でもNPUが使われることがあります。
パソコンの中で処理できる機能なら、通信状態に左右されにくく、反応が速くなる場合があります。
パソコンの中で動く生成AI
文章作成や画像生成などのAIを、パソコンの中で動かす使い方も増えています。
ただし、大きなAIを動かす場合は、NPUだけでなくGPU、CPU、メモリなども使われます。
NPUだけですべての生成AIを動かせるわけではありません。
ChatGPTやCopilotが必ず速くなるわけではない
Webブラウザやアプリから使うChatGPTやCopilotは、インターネット上のコンピューターで処理されることがあります。
この場合、自分のパソコンにNPUがあっても、回答が必ず速くなるわけではありません。
NPUが役立つのは、主にパソコン内で動き、NPUに対応しているAI機能です。
CPU・GPU・NPUの違い

CPU、GPU、NPUは、いずれも計算や処理を行う部品です。
大きな違いは、得意な仕事にあります。
| 部品 | 主な役割 | 得意な処理 | 主な使用例 |
|---|---|---|---|
| CPU | パソコン全体を動かす | 幅広い処理 | アプリ操作、文書作成、ファイル管理 |
| GPU | 多くの計算を同時に行う | 画像、映像、重い計算 | ゲーム、動画編集、画像生成AI |
| NPU | AI処理を効率よく行う | 少ない電力でのAI推論 | 背景ぼかし、音声処理、翻訳 |
CPUはパソコン全体の処理を担当する
CPUは、パソコンの中心となる部品です。
アプリを開く、入力を受け付ける、ファイルを読み込むなど、さまざまな処理を担当します。
幅広い仕事ができる一方、AI専用の部品ではありません。
GPUは画像や大量の同時計算が得意
GPUは、もともと画像や映像を表示するために発達した部品です。
多くの計算を同時に進められるため、ゲーム、動画編集、大きなAIの処理などにも使われます。
高い処理能力を持ちますが、処理内容によってはNPUより多くの電力を使います。
NPUはAI処理を効率よく行う
NPUは、AIに必要な計算へ仕事を絞った部品です。
GPUほど幅広い重い処理を担当するのではなく、対応するAI処理を少ない電力で続ける使い方に向いています。
CPUとGPUについて詳しく比べたい方は、CPUとGPUの違いも参考にしてください。
AI処理では3つの部品を使い分ける
CPU、GPU、NPUは、どれか一つがあればよいという部品ではありません。
パソコンやアプリは、処理の内容に合わせて、それぞれの部品を使い分けます。
軽いAI処理はNPU、重いAI処理はGPU、全体の管理はCPUというように分担する場合があります。
NPU性能を示すTOPSとは

NPUを搭載したパソコンの商品説明では、「TOPS」という数字が使われています。
TOPSはNPU性能を比べる目安の一つですが、パソコン全体の速さを表す数字ではありません。
TOPSは1秒間にできる計算量の目安
TOPSは「Tera Operations Per Second」の略です。読み方は「トップス」です。
簡単にいうと、1秒間にどれくらい多くの計算ができるかを表しています。
1 TOPSは、1秒間に1兆回の演算を行う能力を表す目安です。
数字が大きいほど、対応するAIの計算を多く行える可能性があります。
40 TOPSが注目される理由
MicrosoftのCopilot+ PCでは、40 TOPSを超える性能を持つNPUが使われています。
そのため、Windowsの新しいAI機能を重視してパソコンを選ぶ場合は、40 TOPS以上かどうかが確認点の一つになります。
ただし、NPUを搭載していても、40 TOPS未満のパソコンはあります。
「NPU搭載PC」と「Copilot+ PC」は、同じ意味ではありません。
TOPSだけでパソコンを選ばない
TOPSが高くても、すべての作業が速くなるわけではありません。
ネット検索、文書作成、ゲーム、動画編集などの快適さには、CPU、GPU、メモリ、SSDも関係します。
また、NPUの性能を生かすには、OSやアプリが対応している必要があります。
パソコンを選ぶときは、TOPSの数字だけでなく、自分が使いたい機能やアプリも確認しましょう。
NPU搭載PCとは
NPU搭載PCとは、AI処理を担当するNPUを備えたパソコンです。
CPUの中にNPUが組み込まれている製品が多く、ノートパソコンだけでなく、一部のデスクトップパソコンにも搭載されています。
AI PCと呼ばれることがある
NPUなどのAI向け機能を備えたパソコンは、「AI PC」と呼ばれることがあります。
ただし、AI PCという言葉には、すべてのメーカーで共通する一つの決まりがあるわけではありません。
商品を比べるときは、AI PCという名前だけでなく、NPUの有無、TOPS、対応機能を確認することが大切です。
Copilot+ PCとの違い
Copilot+ PCは、Microsoftが定める条件を満たしたWindowsパソコンです。
40 TOPSを超えるNPUに加え、必要なメモリや保存容量などの条件が設けられています。
NPUを搭載したパソコンが、すべてCopilot+ PCになるわけではありません。
NPU対応アプリで効果を発揮する
NPU搭載PCでも、使っているアプリがNPUに対応していなければ、NPUが動かないことがあります。
アプリによっては、同じAI処理でもCPUやGPUを使います。
NPU搭載という表示だけでなく、使いたい機能がNPUに対応しているかを確認しましょう。
NPU搭載PCは必要?いらない?

NPU搭載PCが必要かどうかは、パソコンの使い方によって変わります。
AIをあまり使わない人まで、NPUを最優先にする必要はありません。
| NPU搭載PCが向いている人 | 今すぐNPUがなくても困りにくい人 |
|---|---|
| パソコン内のAI機能をよく使う人 | ネット検索やメールが中心の人 |
| ビデオ会議を長時間使う人 | 文書作成や表計算が中心の人 |
| リアルタイム翻訳や文字起こしを使いたい人 | できるだけ価格を抑えたい人 |
| Copilot+ PCの機能を使いたい人 | NPU対応アプリを使う予定がない人 |
| 同じパソコンを長く使う予定の人 | ゲーム性能を最優先する人 |
NPUがあると便利になりやすい人
ビデオ会議、音声処理、翻訳、写真補正などのAI機能をよく使う人は、NPUの効果を感じやすくなります。
今後増えるWindowsのAI機能を使いたい人や、同じパソコンを数年間使う予定の人にも選択肢になります。
NPUがなくても困りにくい人
ネット検索、動画視聴、メール、文書作成が中心なら、NPUがなくても大きく困らない場合があります。
このような使い方では、CPU、メモリ、SSDの方が使いやすさに影響しやすいためです。
ゲームを重視する場合も、NPUよりGPUの性能を優先した方がよいことがあります。
NPUがいらないと言われる理由
NPUがいらないと言われる主な理由は、対応するアプリが限られているためです。
NPUを搭載していても、普段使うアプリが対応していなければ、効果を実感できないことがあります。
また、NPUがないパソコンでも、インターネット上のAIサービスは利用できます。
現在の使い道だけでなく、今後使いたい機能と価格の差を見て判断することが大切です。
自分のパソコンにNPUがあるか確認する方法
Windows 11の対応パソコンでは、タスクマネージャーからNPUを確認できます。
- Ctrl+Shift+Escキーを押して、タスクマネージャーを開きます。
- 左側にある「パフォーマンス」を選びます。
- 「NPU」やNPUの製品名が表示されているか確認します。
製品によっては、「Intel AI Boost」などの名前で表示される場合があります。
NPUが表示されない場合は、NPUを搭載していないほか、必要なドライバーやWindowsの更新が入っていない可能性もあります。
購入前はCPUの製品情報を確認する
パソコンを購入する前は、商品ページにあるCPU名とNPUの性能を確認します。
同じシリーズ名でも、製品によってNPUの有無やTOPSが違う場合があります。
「AI対応」とだけ書かれている場合は、NPUを搭載しているか、何TOPSなのかまで確認すると安心です。
NPUについてよくある質問
NPUとは簡単にいうと何ですか?
NPUとは、AIの計算を効率よく行う専用のプロセッサーです。
背景ぼかし、音声ノイズの低減、画像補正、翻訳など、対応するAI機能で使われます。
NPUがあるとパソコン全体が速くなりますか?
NPUがあるだけで、パソコン全体が速くなるわけではありません。
NPUに対応したAI処理では役立ちますが、一般的な作業の速さにはCPU、メモリ、SSDなども関係します。
NPUとGPUはどちらが高性能ですか?
NPUとGPUは役割が違うため、単純にどちらが高性能とはいえません。
GPUは画像や重い同時計算が得意で、NPUは対応するAI処理を少ない電力で行うことが得意です。
NPUは後付けできますか?
一般的なパソコンでは、NPUだけを簡単に後付けすることはできません。
NPUはCPUなどの中に組み込まれていることが多いため、必要な場合は購入前にNPU搭載製品を選ぶのが基本です。
外付けNPUはありますか?
AI処理を行う外付け機器や拡張ボードはあります。
ただし、一般の利用者がノートパソコンへ気軽に追加する製品としては、まだ広く使われていません。
NPU搭載PCを今買うべきですか?
パソコン内のAI機能やCopilot+ PCの機能を使いたい場合は、NPU搭載PCが候補になります。
ネット検索や文書作成が中心で、価格を抑えたい場合は、NPUを最優先にする必要はありません。
NPUとはAI処理を効率よく行う部品
NPUとは、AIで使われる計算を効率よく行う専用のプロセッサーです。
特に、画像や音声などを調べて答えを出すAIの推論処理を、少ない電力で行うことを得意としています。
CPUはパソコン全体の処理、GPUは画像や重い同時計算、NPUは効率のよいAI処理を担当します。
NPU性能を見るときはTOPSが目安になりますが、数字だけでパソコンを選ぶのは避けましょう。CPU、GPU、メモリ、対応アプリも重要です。
AI機能をよく使う人や、Copilot+ PCの機能を使いたい人には、NPU搭載PCが向いています。
一方、ネット検索、メール、文書作成が中心なら、NPUがなくても困りにくいでしょう。

