アルゴリズムとは、かんたんに言うと、目的を達成するための手順や決め方のことです。
たとえば、料理のレシピには「材料を切る」「焼く」「味つけする」という順番があります。このように、何かをうまく進めるための順番や考え方がアルゴリズムです。
この記事では、アルゴリズムとは何かを、日常の例から初心者向けにわかりやすく解説します。あわせて、IT、SNS、AIでの使われ方も紹介します。
ほかのIT用語も知りたい方は、初心者向けのIT用語辞典もあわせてご覧ください。
アルゴリズムとは?簡単にいうと手順や決め方のこと

アルゴリズムとは、ある目的を達成するための手順や決め方のことです。
むずかしい計算だけを指す言葉ではありません。日常生活の中にも、アルゴリズムに近いものはたくさんあります。
たとえば、「朝、家を出るまでの流れ」も手順です。顔を洗う、朝食を食べる、持ち物を確認する、家を出る、という順番があります。
IT用語としてのアルゴリズムは、コンピューターに作業をさせるための手順や考え方を指します。
ここでいうコンピューターには、パソコンだけでなく、スマホやサーバーなども含まれます。サーバーとは、インターネット上の情報を保管し、必要なときに送ってくれるコンピューターのことです。
コンピューターは、人間のように空気を読んで動くわけではありません。そのため、「何を、どの順番で、どう判断するか」を決めておく必要があります。
アルゴリズムの意味を日常の例で考える
アルゴリズムの意味は、日常の例で考えると分かりやすくなります。
大切なのは、「目的」と「手順」があることです。
料理のレシピもアルゴリズムの例
料理のレシピは、アルゴリズムの分かりやすい例です。
カレーを作るなら、野菜を切る、肉を炒める、水を入れる、煮込む、ルーを入れる、という手順があります。
順番を大きく間違えると、うまく作れないことがあります。
IT用語として考えると、レシピは「コンピューターに作業を進めさせる手順」に近いものです。
駅までの道順もアルゴリズムの例
駅までの道順も、アルゴリズムに近い例です。
家を出る、角を右に曲がる、信号を渡る、まっすぐ進む、駅に着く、という流れがあります。
道順には、判断もあります。たとえば、信号が赤なら止まる、青なら進む、という分かれ道です。
このように、「もし〇〇なら、こちらに進む」という考え方も、アルゴリズムでは大切です。
同じ駅へ行く場合でも、近い道、分かりやすい道、坂が少ない道など、いくつかの行き方があります。
ITでも同じです。同じ目的を達成するために、複数の手順が考えられます。
家事や勉強の順番もアルゴリズムに近い
家事や勉強の順番も、アルゴリズムに近い考え方です。
洗濯をしている間に掃除をする。先に苦手な科目を勉強してから、得意な科目を復習する。こうした順番の決め方も、目的に合わせた手順です。
アルゴリズムは、特別な人だけが使うものではありません。少ない手間で早く進めるための考え方として、日常にもあります。
アルゴリズムの基本は順番・分かれ道・くり返し

アルゴリズムには、基本となる考え方があります。
かんたんにいうと、「順番に進める」「条件で分かれる」「同じ作業をくり返す」の3つです。
順次とは?上から順番に進めること
順次とは、作業を上から順番に進めることです。
たとえば、料理で「野菜を切る」「炒める」「煮る」という流れは、順番に進める手順です。
ITでも、コンピューターは決められた順番にそって作業を進めます。
選択とは?もし〇〇ならと判断すること
選択とは、「もし〇〇なら、こちらに進む」と判断することです。
分岐と呼ばれることもあります。分岐とは、道が分かれるように、進む先が変わることです。
たとえば、信号が赤なら止まる、青なら進む、という判断がこれに近いです。
反復とは?同じ作業をくり返すこと
反復とは、同じ作業を何度もくり返すことです。
たとえば、皿を1枚洗う作業を、すべての皿がきれいになるまでくり返すようなものです。
ITでも、たくさんのデータを1つずつ確認するときなどに、くり返しの考え方が使われます。
ITで使うアルゴリズムとは?

ITで使うアルゴリズムとは、コンピューターに作業をさせるための手順です。
ここでいうITとは、スマホ、パソコン、インターネットなどに関係する技術のことです。
コンピューターは、決められた手順にそって作業を進めます。この作業を進めることを、ITでは「処理」と呼ぶことがあります。
手順をどう作るかが、アルゴリズムの大事な部分です。
インプット・アルゴリズム・アウトプットで考える
ITでは、アルゴリズムを「入ってきた情報を、手順にそって変えて、結果を出すもの」と考えると分かりやすいです。
入ってくる情報をインプットといいます。出てくる結果をアウトプットといいます。
たとえば、カレー作りなら、材料がインプットです。レシピがアルゴリズムです。完成したカレーがアウトプットです。
ITでも同じように、入力された情報をもとに、決められた手順で作業し、結果を出します。
コンピューターに作業の順番を教える
コンピューターに何かをさせるには、作業の順番を細かく決める必要があります。
たとえば、数字の中から一番大きい数を探す場合を考えます。
最初の数字を覚える。次の数字と比べる。大きければ覚え直す。最後までくり返す。これもアルゴリズムです。
人間には簡単に見える作業でも、コンピューターには順番を伝える必要があります。
同じ目的でもやり方はいくつもある
同じ目的でも、アルゴリズムはひとつとは限りません。
たとえば、たくさんの名前を五十音順に並べる場合でも、いろいろなやり方があります。
一つずつ比べながら並べる方法もあります。ある程度まとめてから整理する方法もあります。
目的は同じでも、手順が違えば、かかる時間や手間も変わります。
よいアルゴリズムは早く正しく処理できる
よいアルゴリズムは、早く、正しく、少ない手間で作業を進められます。
たとえるなら、同じ目的地へ行くときに、遠回りする道より、分かりやすく早い道の方が便利です。
ITでも、同じ結果を出せるなら、時間がかからず、間違いが少ない手順が好まれます。
ただし、いつも一番早い方法だけがよいとは限りません。分かりやすさや、直しやすさが大切になる場面もあります。
アルゴリズムはどこで使われている?

アルゴリズムは、私たちの身近なサービスで使われています。
検索、SNS、地図、買い物、ゲームなど、さまざまな場面に関係しています。
検索エンジン
検索エンジンでは、検索結果を並べるためにアルゴリズムが使われています。
検索エンジンとは、GoogleやBingのように、知りたい言葉を入力してWebページを探す仕組みです。
たとえば、「アルゴリズムとは」と検索したとき、どのページを上に出すかを決めるために、多くの条件が使われます。
条件とは、「もし〇〇なら、こちらを選ぶ」という分かれ道のことです。
SNSや動画サイトのおすすめ表示
SNSや動画サイトでも、アルゴリズムが使われています。
SNSとは、インターネット上で人とつながり、投稿や写真、動画などを共有するサービスです。
どの投稿を先に見せるか、どの動画をおすすめするかを決めるために、アルゴリズムが使われます。
よく見る内容や、反応した投稿などが参考にされることがあります。
地図アプリのルート案内
地図アプリのルート案内にも、アルゴリズムが使われています。
目的地までの道を探し、近い道、早い道、混みにくい道などを考えて案内します。
同じ目的地でも、車、徒歩、電車では、選ばれる道が変わります。
ネットショップの商品おすすめ
ネットショップの商品おすすめにも、アルゴリズムが使われています。
過去に見た商品、買った商品、似た商品などをもとに、関連しそうな商品を表示します。
「この商品を見た人は、こちらも見ています」のような表示も、その一例です。
ゲームやアプリの動き
ゲームやアプリの動きにも、アルゴリズムが使われています。
敵キャラクターがどう動くか、点数をどう計算するか、画面をどう切り替えるかなどに関係します。
見えない部分で手順が決められているため、アプリは自然に動いているように見えます。
SNSのアルゴリズムとは?
SNSのアルゴリズムとは、投稿をどの順番で見せるかを決める仕組みです。
SNSでは、すべての投稿が時間順にそのまま表示されるとは限りません。
投稿を並べる順番を決める仕組み
サービス側が「この人に関係がありそう」と判断した投稿を、上の方に出すことがあります。
この並び順を決める考え方の中に、アルゴリズムがあります。
よく見る投稿や反応した投稿が参考にされる
SNSでは、よく見る投稿や、いいね、コメント、保存などの反応が参考にされることがあります。
たとえば、料理の投稿をよく見る人には、料理に関係する投稿が表示されやすくなる場合があります。
ただし、具体的な仕組みはサービスによって違います。
SNSごとに仕組みは少しずつ違う
SNSのアルゴリズムは、サービスごとに違います。
Instagram、X、TikTok、YouTubeなどで、投稿や動画の見せ方は少しずつ異なります。
また、仕組みは変わることがあります。そのため、ひとつの説明だけで全部を決めつけないことが大切です。
AIとアルゴリズムの関係
AIとアルゴリズムは関係があります。
ただし、アルゴリズムとAIは同じ意味ではありません。
AIもアルゴリズムを使って動いている
AIも、アルゴリズムを使って動いています。
AIとは、人間の考え方や判断に近い働きをコンピューターで行う技術のことです。
たとえば、画像を見て何が写っているかを判断したり、文章を作ったりするときにも、決められた仕組みが使われています。
その土台の一つに、アルゴリズムがあります。
アルゴリズムだけでAIになるわけではない
アルゴリズムがあるだけで、すぐにAIになるわけではありません。
AIには、たくさんのデータを使って学ぶ仕組みが関係することがあります。
データとは、文字、数字、画像、音声などの情報のことです。
アルゴリズムは、その情報をどう扱うかを決める手順や考え方の一部です。
アルゴリズムとデータ構造の違い
アルゴリズムと一緒に出てきやすい言葉に、データ構造があります。
少し難しい言葉ですが、データ構造は「情報を探しやすくしまう方法」と考えると分かりやすいです。
アルゴリズムは手順
アルゴリズムは、目的を達成するための手順です。
たとえば、「必要な情報を探す」「数字を並べる」「一番安い商品を見つける」といった作業の進め方です。
データ構造は情報のしまい方
データ構造は、情報のしまい方です。
たとえるなら、本棚の並べ方に近いです。
本を作者順に並べるのか、ジャンルごとに分けるのか、よく使う本を手前に置くのかで、探しやすさが変わります。
IT用語としては、データ構造はコンピューターが情報を扱いやすくするための整理方法です。
手順としまい方を組み合わせて処理する
アルゴリズムとデータ構造は、組み合わせて使われることが多いです。
手順がよくても、情報のしまい方が悪いと時間がかかることがあります。
反対に、情報が整理されていると、探す手順も短くなります。
アルゴリズムを図で表すフローチャートとは?
フローチャートとは、手順を図で表したものです。
アルゴリズムを目で見て分かりやすくするために使われます。
フローチャートは手順を見える形にした図
フローチャートは、手順を箱と矢印で表す図です。
たとえば、「ログインしているか」を確認し、していれば次へ進む、していなければログイン画面を出す、という流れを図にできます。
文章だけでは分かりにくい手順も、図にすると流れを追いやすくなります。
初心者は流れを理解しやすくなる
初心者は、フローチャートを使うとアルゴリズムを理解しやすくなります。
なぜなら、作業の順番や分かれ道が目で見えるからです。
プログラミングを始める前に、まずフローチャートで流れを考える方法もあります。
アルゴリズムと似た言葉の違い
アルゴリズムは、プログラムやデータ構造、フローチャートと一緒に出てくることがあります。
それぞれの役割を分けて考えると、意味を理解しやすくなります。
| 用語 | 役割 | 身近な例え |
|---|---|---|
| アルゴリズム | 目的を達成するための手順 | 料理のレシピ、作り方 |
| プログラム | 手順をコンピューターに伝える命令 | コンピューターが読める命令書 |
| データ構造 | 情報を扱いやすくする整理方法 | 本棚や冷蔵庫の並べ方 |
| フローチャート | 手順を見える形にした図 | 組み立て説明書の図 |
初心者が間違えやすいポイント
アルゴリズムは、便利な言葉ですが、誤解されやすい面もあります。
ここでは、初心者が間違えやすい点を整理します。
アルゴリズムは難しい計算だけを指す言葉ではない
アルゴリズムは、難しい計算だけを指す言葉ではありません。
目的を達成するための手順や決め方であれば、日常の作業にも近い考え方があります。
アルゴリズムはプログラムそのものではない
アルゴリズムは、プログラムそのものではありません。
プログラムとは、コンピューターを動かすために書かれた命令のことです。
アルゴリズムは、その命令を書く前に考える「手順」や「考え方」です。
たとえるなら、アルゴリズムは料理の作り方、プログラムはその作り方をコンピューターが読める形にしたものです。
アルゴリズムはひとつだけとは限らない
アルゴリズムは、ひとつだけとは限りません。
同じ答えを出すためにも、いくつかの手順があります。
早さを優先する方法もあれば、分かりやすさを優先する方法もあります。
SNSのアルゴリズムは中身がすべて公開されているわけではない
SNSのアルゴリズムは、中身がすべて公開されているわけではありません。
サービスごとに考え方があり、仕組みが変わることもあります。
そのため、「この操作をすれば必ず表示される」と決めつけない方がよいです。
アルゴリズムに関するよくある質問
アルゴリズムを言い換えると何ですか?
アルゴリズムをやさしく言い換えると、「手順」「やり方」「決め方」「考え方」です。
ITの場面では、コンピューターに作業をさせるための手順という意味で使われます。
アルゴリズムの英語は何ですか?
アルゴリズムの英語は「algorithm」です。
英語の読み方に近い形で、日本語では「アルゴリズム」と呼ばれています。
アルゴリズムはどんな種類がありますか?
アルゴリズムには、いろいろな種類があります。
たとえば、情報を探すためのアルゴリズム、数字や文字を並べるためのアルゴリズム、一番近い道や早い道を探すためのアルゴリズムなどです。
初心者は、まず「目的に合わせて手順がある」と理解すれば十分です。
アルゴリズムは基本情報技術者試験にも出ますか?
はい。アルゴリズムは、基本情報技術者試験でも大切な分野です。
基本情報技術者試験とは、ITの基本知識を問う国家試験です。
試験では、「もし〇〇ならこちらへ進む」という分かれ道や、同じ作業を何度も行う流れが出ることがあります。
アルゴリズムを学ぶには何から始めればよいですか?
まずは、日常の手順を図にすることから始めると分かりやすいです。
たとえば、「朝起きてから家を出るまで」や「料理を作る流れ」を、順番に書き出してみます。
そのあとで、フローチャートや簡単なプログラミングに進むと理解しやすくなります。
基本情報技術者試験の科目Bにも関係します
この用語は、基本情報技術者試験の科目Bで問われるアルゴリズムやプログラミングの考え方にもつながります。疑似言語や処理の流れが不安な方は、こちらも参考にしてください。
まとめ:アルゴリズムとは目的を達成するための手順や考え方
アルゴリズムとは、目的を達成するための手順や決め方のことです。
料理のレシピ、駅までの道順、家事の進め方など、日常にもアルゴリズムに近い考え方があります。
アルゴリズムには、順番に進めること、条件で分かれること、同じ作業をくり返すことといった基本の考え方があります。
ITでは、コンピューターに作業の順番を教えるためにアルゴリズムが使われます。検索エンジン、SNS、地図アプリ、ネットショップ、AIなど、身近なサービスにも関係しています。
アルゴリズムは、プログラムそのものではありません。プログラムを書く前に考える、作業の流れや考え方です。
まずは「目的に向かって進むための手順」と覚えると、アルゴリズムの意味を理解しやすくなります。
