基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bに分かれています。
科目Aは、ITの基礎知識を問う試験です。科目Bは、アルゴリズムや疑似言語、情報セキュリティなどを使って、問題を読み取る力が問われます。
かんたんに言うと、科目Aは「知っているか」を見る試験、科目Bは「考えられるか」を見る試験です。
この記事では、基本情報技術者試験の科目Aと科目Bの違いを、初心者向けに分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 科目Aと科目Bの違い
- 科目Aで問われる内容
- 科目Bで問われる内容
- 初心者が科目Bでつまずきやすい理由
- 科目Aと科目Bの勉強の順番
- 科目A・科目Bの対策ポイント
基本情報技術者試験の科目Aと科目Bの違い

基本情報技術者試験の科目Aと科目Bは、問われる内容が違います。
科目Aは、ITに関する幅広い知識を問う試験です。
科目Bは、知識を使って問題文を読み取り、処理の流れを考える試験です。
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 出題数 | 60問 | 20問 |
| 主な内容 | ITの基礎知識 | アルゴリズム・疑似言語・情報セキュリティ |
| 問われる力 | 知識を理解しているか | 問題を読み取り考えられるか |
| 初心者の注意点 | 範囲が広い | 暗記だけでは解きにくい |
基本情報技術者試験では、科目Aと科目Bの両方で基準点に達する必要があります。
どちらか一方だけに偏らず、両方の対策を進めることが大切です。
科目Aは知識を問う試験
科目Aは、ITの基礎知識を問う試験です。
コンピューター、ネットワーク、データベース、情報セキュリティ、システム開発、プロジェクト管理、経営や法務など、幅広い分野から出題されます。
科目Aは、用語の意味や仕組みを理解しているかを確認する試験です。
たとえば、次のような内容が出ます。
- CPUやメモリなどコンピューターの仕組み
- ネットワークや通信の仕組み
- データベースやSQL
- 情報セキュリティ
- システム開発の流れ
- プロジェクトマネジメント
- 企業活動や法務
科目Aは範囲が広いので、少しずつ知識を積み上げることが大切です。
科目Bは考え方を問う試験
科目Bは、知識を覚えているだけでは解きにくい試験です。
問題文を読み、条件を整理し、処理の流れを追いながら答えを考えます。
科目Bでは、アルゴリズムとプログラミング分野、情報セキュリティ分野が出題されます。
| 分野 | 出題数 |
|---|---|
| アルゴリズムとプログラミング | 16問 |
| 情報セキュリティ | 4問 |
アルゴリズムとは、問題を解くための手順のことです。
料理のレシピのように、「どの順番で処理するか」を考える分野です。
科目Bでは、疑似言語を使って処理の流れを読み取ります。
どちらも合格には対策が必要
基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bのどちらも対策が必要です。
科目Aだけが得意でも、科目Bで基準点に届かなければ合格できません。
反対に、科目Bだけを勉強しても、科目Aの範囲が広いため、知識不足で点が伸びにくくなります。
合格を目指すなら、次のように進めるとよいです。
- 科目AでITの基礎を学ぶ
- 科目Bの疑似言語に早めに触れる
- 科目Aの問題演習をくり返す
- 科目Bで処理の流れを読む練習をする
- 苦手分野を見直す
勉強の全体像を知りたい方は、基本情報技術者試験の勉強方法も参考にしてください。
科目Aとは?

科目Aは、基本情報技術者試験の前半にあたる試験です。
試験時間は90分、出題数は60問です。
出題形式は多肢選択式で、ITの基礎知識が幅広く問われます。
ITの基礎知識が問われる
科目Aでは、IT全般の基礎知識が問われます。
初心者にとっては、最初に覚えることが多く感じるかもしれません。
ただし、科目Aの知識は、科目Bの理解にもつながります。
たとえば、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、アルゴリズムの基礎を理解しておくと、科目Bの問題文も読みやすくなります。
科目Aは、ただ暗記するだけではなく、用語の意味と仕組みをセットで理解することが大切です。
テクノロジ系の出題が多い
科目Aでは、テクノロジ系の知識が重要です。
テクノロジ系とは、コンピューターやネットワークなど、ITの技術に関する分野です。
たとえば、次のような内容があります。
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピューター構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- データベース
- ネットワーク
- 情報セキュリティ
基本情報技術者試験では、ITを作る側に近い知識が求められます。
そのため、テクノロジ系をしっかり押さえることが大切です。
マネジメント系とストラテジ系も出る
科目Aでは、テクノロジ系だけでなく、マネジメント系とストラテジ系も出ます。
マネジメント系は、プロジェクト管理やサービス管理など、ITを仕事として進めるための知識です。
ストラテジ系は、経営戦略、システム戦略、企業活動、法務などに関する知識です。
エンジニア向けの試験だからといって、技術だけを勉強すればよいわけではありません。
システム開発では、技術だけでなく、計画、管理、運用、法律の考え方も関係します。
苦手に感じる人は、まず基本用語から押さえましょう。
問題演習で慣れやすい
科目Aは、問題演習で慣れやすい分野です。
参考書で概要を学んだあとに、問題を解くことで知識が定着しやすくなります。
おすすめの進め方は、次のとおりです。
- 参考書で分野の全体像を読む
- 問題を解く
- 間違えた問題の解説を読む
- 分からない用語を調べる
- もう一度同じ分野を解く
科目Aは範囲が広いため、1回で完璧にしようとしなくてよいです。
何度もくり返しながら、少しずつ理解を深めましょう。
科目Bとは?

科目Bは、基本情報技術者試験の後半にあたる試験です。
試験時間は100分、出題数は20問です。
科目Bでは、知識を使って問題を読み取り、考える力が問われます。
アルゴリズムとプログラミング的な考え方が問われる
科目Bでは、アルゴリズムとプログラミング的な考え方が重要です。
プログラミング的な考え方とは、処理の流れを順番に追う力のことです。
たとえば、次のような内容を見ていきます。
- 変数の値がどう変わるか
- 条件によってどちらに進むか
- 同じ処理を何回くり返すか
- 配列の中身がどう変わるか
- 最後にどんな結果になるか
科目Bでは、試験用の疑似言語が使われます。
特定のプログラミング言語にくわしくなくても解けるように作られていますが、処理を読む練習は必要です。
情報セキュリティも重要
科目Bでは、情報セキュリティも重要です。
科目Bの20問のうち、4問は情報セキュリティ分野です。
情報セキュリティでは、用語を覚えるだけでなく、問題文の状況を読み取る力が必要です。
たとえば、次のような内容が関係します。
- マルウェアからの保護
- バックアップ
- ログの取得と監視
- 情報の転送時の安全性
- 脆弱性管理
- 利用者アクセスの管理
セキュリティの問題では、「何を守るのか」「どこに危険があるのか」「どの対策が必要か」を整理して読むことが大切です。
問題文を読み取る力が必要
科目Bでは、問題文を読み取る力が必要です。
科目Aのように、知識をそのまま聞かれるだけではありません。
長めの問題文を読み、条件を整理しながら答えを考えます。
問題文を読むときは、次の点を確認しましょう。
- 何を求める問題か
- 入力は何か
- 出力は何か
- 条件は何か
- どの処理を追えばよいか
問題文が長くても、いきなり全部を覚えようとしなくてよいです。
必要な情報に印を付けるように、1つずつ整理して読むと分かりやすくなります。
暗記だけでは解きにくい
科目Bは、暗記だけでは解きにくい試験です。
もちろん、基本用語や処理の考え方を知っておくことは大切です。
しかし、問題ごとに条件やデータが変わるため、答えを丸暗記しても対応しにくいです。
科目Bでは、次のような練習が必要です。
- 処理の流れを追う
- 変数の値を表に書く
- 繰り返し処理を1回ずつ確認する
- 問題文の条件を整理する
- なぜその答えになるかを説明できるようにする
科目Bに不安がある方は、基本情報技術者試験の科目B対策でくわしく解説しています。
科目Aと科目Bの出題形式の違い
科目Aと科目Bは、どちらも選択式の試験ですが、問われる力が違います。
科目Aは、幅広い知識を確認する試験です。
科目Bは、問題文を読み、処理の流れを追う試験です。
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 出題形式 | 多肢選択式 | 多肢選択式 |
| 出題数 | 60問 | 20問 |
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 主な読み方 | 知識をもとに答える | 問題文を読み取りながら考える |
科目Aは幅広い知識を確認する
科目Aは、幅広い知識を確認する試験です。
1問ごとの文章は、科目Bより短いことが多いです。
ただし、範囲が広いため、苦手分野を放置すると点が伸びにくくなります。
科目Aでは、次のような進め方が大切です。
- 基本用語を理解する
- 出題範囲を広く確認する
- 問題演習で慣れる
- 間違えた分野を見直す
科目Aは、コツコツ積み上げることで力がつきやすい分野です。
科目Bは長めの問題文を読む
科目Bは、科目Aよりも長めの問題文を読むことがあります。
問題文の中に、条件、データ、処理の流れなどが書かれています。
そのため、読むだけで疲れてしまう人もいます。
科目Bを読むときは、すべてを一度で理解しようとせず、次の順番で確認するとよいです。
- 何を求める問題かを見る
- 入力と出力を確認する
- 条件を確認する
- 処理の流れを追う
- 選択肢を比べる
問題文に慣れることも、科目B対策の一部です。
科目Bは処理の流れを追う力が必要
科目Bで大切なのは、処理の流れを追う力です。
たとえば、疑似言語の問題では、変数や配列の値がどのように変わるかを確認します。
頭の中だけで追うと混乱しやすいので、最初はメモを書きながら解くのがおすすめです。
特に次のような処理は、ていねいに確認しましょう。
- 代入
- 条件分岐
- 繰り返し処理
- 配列
- 手続や関数
科目Bは、読んで分かったつもりになるだけではなく、自分で手を動かして確認することが大切です。
初心者が科目Bでつまずきやすい理由
初心者が基本情報技術者試験でつまずきやすいのは、科目Bです。
理由は、科目Bが暗記だけでは解きにくいからです。
疑似言語、アルゴリズム、問題文の読み取りに慣れるまで時間がかかります。
疑似言語に慣れていない
科目Bでは、疑似言語が使われます。
疑似言語とは、特定のプログラミング言語ではなく、処理の流れを表すための書き方です。
プログラミング未経験の人は、最初に読みづらく感じることがあります。
たとえば、次のような考え方に慣れる必要があります。
- 変数
- 代入
- 配列
- 条件分岐
- 繰り返し処理
- 関数や手続
最初は、細かい書き方をすべて覚えるより、「この処理は何をしているのか」を読む練習から始めましょう。
アルゴリズムの流れが見えにくい
アルゴリズムは、問題を解くための手順です。
初心者は、この手順の流れが見えにくく感じることがあります。
たとえば、繰り返し処理の中で変数の値が何度も変わると、どこを見ればよいか分からなくなることがあります。
そのようなときは、表を書いて値を追うと分かりやすくなります。
| 回数 | 変数A | 変数B | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 値を書く | 値を書く | 条件を確認 |
| 2回目 | 値を書く | 値を書く | 変化を見る |
| 3回目 | 値を書く | 値を書く | 結果を見る |
頭の中だけで考えず、手を動かして見える形にすることが大切です。
問題文が長く感じる
科目Bの問題文は、初心者には長く感じることがあります。
長い問題文を見ると、最初から難しそうに見えるかもしれません。
しかし、問題文のすべてが同じくらい重要とは限りません。
読むときは、次の部分を先に確認しましょう。
- 何を求める問題か
- 条件は何か
- 入力データは何か
- 出力するものは何か
- どの処理を見ればよいか
問題文を分解して読むと、必要な情報が見つけやすくなります。
正解までの考え方が分かりにくい
科目Bでは、答えだけを見ても理解しにくいことがあります。
大切なのは、なぜその答えになるのかを確認することです。
解説を読むときは、次のように見直しましょう。
- どの条件を使ったか
- どの変数が変わったか
- どこで分岐したか
- 何回くり返したか
- 自分はどこで間違えたか
正解だけを覚えるのではなく、正解までの道筋を理解することが、科目B対策では重要です。
科目Aと科目Bはどちらから勉強すべき?

初心者は、最初に科目Aで基礎を固めながら、早めに科目Bにも触れる進め方がおすすめです。
科目Aが完全に終わってから科目Bを始めると、科目Bに使える時間が足りなくなることがあります。
最初は科目Aで基礎を固める
まずは、科目AでITの基礎を固めましょう。
科目Aの知識は、科目Bの理解にもつながります。
特に、次の分野は早めに押さえるとよいです。
- 基礎理論
- アルゴリズムの基本
- コンピューターの仕組み
- データベース
- ネットワーク
- 情報セキュリティ
いきなり細かい知識を全部覚えようとせず、まず全体像をつかみましょう。
基本情報技術者試験の全体像を確認したい方は、基本情報技術者試験とは?も参考にしてください。
科目Bは早めに少しずつ始める
科目Bは、早めに少しずつ始めることが大切です。
科目Bは慣れが必要な試験です。
試験直前にまとめて対策しようとすると、疑似言語やアルゴリズムに慣れる時間が足りなくなります。
最初は、解けなくても問題ありません。
解説を読みながら、処理の流れを追う練習をしましょう。
1日1問、または週に数問でも、早めに触れておくことで本番前にあわてにくくなります。
後半は科目Bの時間を多めに取る
試験が近づいてきたら、科目Bの時間を多めに取りましょう。
科目Aは、問題演習と見直しで知識を固めます。
科目Bは、アルゴリズム、疑似言語、情報セキュリティの問題を解きながら、読み取りに慣れていきます。
たとえば、3か月で勉強する場合は、次のような流れが考えられます。
| 期間 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 1か月目 | 基礎を学ぶ | 少し触れる |
| 2か月目 | 問題演習を始める | 基本問題を解く |
| 3か月目 | 弱点を見直す | 多めに練習する |
必要な勉強時間を知りたい方は、基本情報技術者試験の勉強時間も確認してください。
科目Aの対策で大切なこと
科目Aは、出題範囲が広い試験です。
そのため、基本用語を理解し、問題演習をくり返し、苦手分野を見直すことが大切です。
基本用語を理解する
科目Aでは、基本用語の理解が土台になります。
たとえば、次のような用語は早めに押さえたいところです。
- CPU
- メモリ
- OS
- ネットワーク
- データベース
- SQL
- 暗号化
- 認証
- プロジェクトマネジメント
- 要件定義
用語は、ただ言葉だけを覚えるより、身近な例に置き換えると理解しやすくなります。
たとえば、メモリは作業机、ストレージは引き出しのように考えるとイメージしやすいです。
IT用語を確認したい方は、IT用語集も参考にしてください。
過去問や問題集で出題形式に慣れる
科目Aは、問題演習で慣れることが大切です。
参考書を読むだけでは、分かったつもりになりやすいです。
問題を解くことで、自分が本当に理解できているかを確認できます。
問題演習では、次の流れがおすすめです。
- 問題を解く
- 間違えた問題に印を付ける
- 解説を読む
- 関連する用語を確認する
- もう一度解く
同じ問題をくり返すことは、知識を定着させるために役立ちます。
苦手分野を見直す
科目Aは範囲が広いため、苦手分野が出やすいです。
苦手をそのままにすると、同じ分野で点を落としやすくなります。
特に、次の分野は苦手になりやすいです。
- 基礎理論
- アルゴリズム
- ネットワーク
- データベース
- 情報セキュリティ
- 法務
苦手分野は、参考書を読み直すだけでなく、問題を解きながら確認すると理解しやすくなります。
科目Bの対策で大切なこと
科目Bの対策では、処理の流れを読む練習が大切です。
疑似言語やアルゴリズムは、見ているだけでは分かりにくいことがあります。
手を動かして、変数や条件を確認しながら進めましょう。
図を書いて処理の流れを確認する
科目Bでは、図や表を書いて処理の流れを確認すると分かりやすくなります。
たとえば、繰り返し処理では、何回目にどの値になるのかを表にします。
配列の問題では、配列の中身を横に並べて書くと、変化が見えやすくなります。
頭の中だけで考えると、途中で混乱しやすいです。
最初は時間がかかっても、手を動かして確認することが大切です。
疑似言語を読む練習をする
科目Bでは、疑似言語を読む練習が必要です。
疑似言語は、特定のプログラミング言語ではなく、試験で処理の流れを表すための書き方です。
まずは、次の基本を押さえましょう。
- 変数
- 配列
- 代入
- 条件分岐
- 繰り返し処理
- 手続や関数
最初は、文法を細かく覚えるより、「この処理は何をしているのか」を読むことを意識するとよいです。
疑似言語やアルゴリズムに不安がある方は、基本情報技術者試験の科目B対策も参考になります。
情報セキュリティの問題にも慣れる
科目Bでは、情報セキュリティの問題にも慣れておく必要があります。
セキュリティ問題では、用語を知っているだけでなく、問題文の状況を読み取る力が必要です。
次のような内容を確認しておきましょう。
- マルウェア対策
- バックアップ
- ログの取得と監視
- アクセス管理
- 脆弱性管理
- 情報の転送時の安全性
セキュリティは、科目Aにも科目Bにも関係する重要な分野です。
暗記だけでなく、「どんな場面で使う対策なのか」を考えながら学ぶと理解しやすくなります。
まとめ:基本情報技術者試験は科目B対策が合格のカギ
基本情報技術者試験の科目Aと科目Bは、問われる内容が違います。
科目Aは、ITの基礎知識を問う試験です。
科目Bは、アルゴリズム、疑似言語、情報セキュリティなどを使って、問題を読み取る力が問われます。
科目Aは範囲が広く、科目Bは暗記だけでは解きにくい点が特徴です。
初心者は、まず科目Aで基礎を固めながら、早い段階で科目Bにも触れておきましょう。
特に科目Bでは、疑似言語、アルゴリズム、データ構造、情報セキュリティの対策が大切です。
科目Aだけ、または科目Bだけに偏らず、両方をバランスよく進めることが合格への近道です。
