ITパスポートの勉強で、計算問題に苦手意識を持つ人は多いです。
「公式が多そう」「数字を見るだけで不安」「どこから計算すればよいか分からない」と感じる人もいるでしょう。
しかし、ITパスポートの計算問題は、難しい数学力を問うものばかりではありません。
大切なのは、公式を丸暗記することではなく、問題文を読んで、何を求めるのかを整理することです。
この記事では、ITパスポートで出やすい計算問題について、初心者向けに公式と解き方の手順をやさしく解説します。
ここだけ読めばOK
- 計算問題は、最初に「何を求めるか」を確認する
- 問題文の数字は、必要なものだけを使う
- パーセントは小数に直して考える
- ビットとバイトの違いに注意する
- 1,000か1,024かは、問題文の指示に従う
- 回線利用率があれば、通信速度にかけて考える
- 本番では、会場で配られるメモ用紙に途中式を書く
ITパスポートの計算問題は難しい?

ITパスポートでは、計算問題が出ることがあります。
計算と聞くと不安になるかもしれませんが、出題される内容は、基本の考え方を使って解けるものが多いです。
計算問題は出るが、基本の考え方で解けるものが多い
ITパスポートで出やすい計算問題には、次のようなテーマがあります。
- 損益分岐点
- 期待値
- 稼働率
- 割合
- データ容量
- 通信速度
どれも最初は難しく見えますが、考え方は決して複雑ではありません。
多くの問題は、問題文の数字を整理し、決まった流れで計算すれば答えに近づけます。
ITパスポート全体の勉強の進め方は、ITパスポートの勉強方法でも解説しています。
公式を丸暗記するより意味を理解する
計算問題では、公式を知っていることも大切です。
ただし、公式だけを覚えても、問題文のどこに当てはめればよいか分からないと解けません。
たとえば、損益分岐点は「利益が0になる点」です。
この意味が分かっていれば、売上、費用、利益の関係を考えやすくなります。
公式は、意味を理解したあとに確認すると覚えやすくなります。
問題文から必要な数字を見つけることが大事
計算問題でよくある失敗は、問題文に出てきた数字をすべて使おうとすることです。
問題によっては、答えを出すために使わない数字もあります。
まずは、何を聞かれているのかを確認しましょう。
そのうえで、必要な数字だけを抜き出すことが大切です。
かんたんに言うと、計算問題は手順を決めれば怖くない
ITパスポートの計算問題は、いきなり計算を始めると迷いやすくなります。
先に手順を決めておくと、問題文を落ち着いて読めるようになります。
何を求めるかを先に見る
計算問題では、最初に「何を求める問題か」を見ます。
問題の最後には、次のような言葉が出てくることがあります。
- 損益分岐点売上高はいくらか
- 期待値はいくらか
- 稼働率はいくらか
- 必要な通信時間は何秒か
- データ容量は何バイトか
ここを先に見ると、どの考え方を使うのかが分かりやすくなります。
使う数字だけを取り出す
次に、問題文から使う数字を取り出します。
損益分岐点なら、売上、固定費、変動費などを見ます。
期待値なら、確率と結果の値を見ます。
稼働率なら、システムが動く割合を見ます。
数字をただ読むのではなく、「この数字は何を表しているのか」を確認しましょう。
1行ずつ計算する
計算は、頭の中だけで進めないようにしましょう。
途中式を1行ずつ書くと、間違いに気づきやすくなります。
ITパスポート試験は、PC画面で受けるCBT方式です。
試験室に自分のノートや筆記用具を持ち込むことはできませんが、会場でメモ用紙と筆記具が用意されます。
本番では、会場で配られるメモ用紙に途中式を書いて整理しましょう。
選択肢と照らし合わせる
最後に、出した答えを選択肢と比べます。
ITパスポートは選択式の試験です。
そのため、自分の計算結果が選択肢にあるかを確認します。
近い数字がある場合は、単位や小数点の位置をもう一度見直しましょう。
計算問題を解く基本の流れ

ITパスポートの計算問題は、次の5ステップで考えると解きやすくなります。
ステップ1:何を聞かれているか確認する
まず、問題文の最後を見て、何を求める問題かを確認します。
「売上高」「期待値」「稼働率」「通信時間」「容量」など、求めるものを先におさえます。
何を求めるかが分からないまま計算を始めると、関係のない数字を使ってしまうことがあります。
ステップ2:問題文の数字に意味を付ける
次に、問題文に出てくる数字を確認します。
ただし、数字をすべて使うとは限りません。
数字の横に「固定費」「確率」「データ量」「通信速度」など、意味を書き添えると整理しやすくなります。
ステップ3:使う公式や考え方を選ぶ
何を求めるかが分かったら、使う考え方を選びます。
| 聞かれていること | 使う考え方 |
|---|---|
| 利益が0になる売上 | 損益分岐点 |
| 平均的に見込める値 | 期待値 |
| どれくらい動くか | 稼働率 |
| 全体のうちどれくらいか | 割合 |
| ファイルの大きさ | データ容量 |
| 送るのにかかる時間 | 通信速度 |
公式名を覚えるだけでなく、「何を求めるときに使うのか」をセットで覚えましょう。
ステップ4:途中式を書く
計算は、なるべく途中式を書きます。
特に、次のような場面では途中式が大切です。
- パーセントを小数に直す
- ビットとバイトを変換する
- 複数の確率をかける
- 複数の結果を足す
- 回線利用率を使う
本番では、会場で用意されたメモ用紙に、1行ずつ整理して書きましょう。
ステップ5:単位や選択肢を確認する
最後に、単位を確認します。
円なのか、個なのか、秒なのか、バイトなのかを見ます。
答えが合っているように見えても、単位が違うと正解になりません。
また、選択肢に近い数字がないときは、パーセント、小数点、ビットとバイトの変換を見直しましょう。
損益分岐点の計算

損益分岐点は、ITパスポートの計算問題で出やすいテーマです。
売上、費用、利益の関係を理解すると、問題文を読みやすくなります。
損益分岐点は利益が0になる点
損益分岐点とは、売上と費用が同じになり、利益が0になる点のことです。
かんたんに言うと、「ここまで売れれば赤字ではなくなる」という境目のことです。
たとえば、お店を開くと、商品が売れる前から家賃や人件費がかかります。
商品が少し売れただけでは、まだ赤字かもしれません。
売上が増えて、費用と同じになったところが損益分岐点です。
売上・費用・利益の関係
損益分岐点を考えるときは、売上、費用、利益の関係を見ます。
- 売上:商品やサービスを売って得たお金
- 費用:商品を作る、売る、運営するためにかかるお金
- 利益:売上から費用を引いたもの
関係は、次のように考えます。
利益 = 売上 − 費用
損益分岐点では、利益が0になります。
つまり、売上と費用が同じになるところを探す問題です。
固定費と変動費の違い

費用には、固定費と変動費があります。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 固定費 | 売上が増えてもあまり変わらない費用 | 家賃、人件費、システム利用料 |
| 変動費 | 売上に応じて増える費用 | 材料費、仕入れ代、手数料 |
固定費は、お店を開けているだけでかかる費用です。
変動費は、商品が売れるほど増える費用です。
損益分岐点では、この固定費と変動費の違いを分けて考えることが大切です。
カフェの例で損益分岐点を理解する
カフェで考えてみましょう。
- 1杯の売上:500円
- 1杯あたりの材料費:200円
- 1か月の固定費:300,000円
1杯売ると、売上は500円です。
そのうち材料費が200円かかるので、1杯あたり300円が固定費の回収に使えます。
固定費300,000円を回収するには、次のように考えます。
300,000円 ÷ 300円 = 1,000杯
つまり、この例では1か月に1,000杯売ると、利益が0になる境目に達します。
損益分岐点の基本手順
損益分岐点の問題では、次の流れで考えると分かりやすいです。
- 固定費を確認する
- 1個あたりの売上を確認する
- 1個あたりの変動費を確認する
- 売上から変動費を引く
- 固定費をその金額で割る
大事なのは、「1個売ると、固定費の回収にいくら使えるか」を見ることです。
損益分岐点売上高を求める問題もある
ITパスポートでは、「何個売ればよいか」ではなく、「いくら売ればよいか」を問う問題もあります。
このときに出てくることがあるのが、変動費率です。
変動費率とは、売上のうち変動費がどれくらいを占めるかを表す割合です。
たとえば、売上100万円に対して変動費が60万円なら、変動費率は60%です。
この場合、売上のうち60%は変動費として出ていきます。残りの40%が、固定費の回収や利益に使える部分です。
この「固定費の回収や利益に使える部分」が、公式でいう「1 − 変動費率」です。
損益分岐点売上高は、次のように考えます。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
たとえば、固定費が40万円、変動費率が60%なら、1 − 0.6 = 0.4です。
40万円 ÷ 0.4 = 100万円となり、損益分岐点売上高は100万円です。
つまり、売上が100万円になると、変動費を引いた残りの40%である40万円を使って、固定費40万円を回収できます。
一言でいうと
損益分岐点は、「何個売るか」と「いくら売るか」の両方で問われることがあります。どちらの場合も、売上と費用が同じになり、利益が0になる点を探します。
損益分岐点で間違えやすい点
損益分岐点では、売上だけを見てしまうと間違えやすくなります。
商品が売れても、材料費や手数料などの変動費がかかります。
そのため、1個あたりの売上から変動費を引いた金額を見ることが大切です。
また、売上高を求める問題では、変動費率や固定費の関係を落ち着いて確認しましょう。
期待値の計算

期待値は、確率と結果を使って考える計算です。
ITパスポートでは、売上予測やリスクの見積もりのような場面で出ることがあります。
期待値は平均的に見込める値
期待値とは、平均的にどれくらいの結果が見込めるかを表す値です。
くじ、売上予測、リスクの見積もりなどで使われます。
かんたんに言うと、「起こる確率もふくめて考えた平均のようなもの」です。
確率と結果をかける
期待値では、それぞれの結果に、その結果が起こる確率をかけます。
たとえば、次のようなくじがあるとします。
- 50%の確率で1,000円もらえる
- 50%の確率で0円になる
この場合、期待値は次のように考えます。
1,000円 × 0.5 = 500円
0円 × 0.5 = 0円
それぞれの結果を足す
次に、それぞれの計算結果を足します。
500円 + 0円 = 500円
このくじの期待値は500円です。
実際に必ず500円もらえるという意味ではありません。
何度も同じ条件で考えたとき、平均的には500円くらいと見込める、という意味です。
売上予測の例で考える
売上予測でも、期待値の考え方が使えます。
たとえば、ある商品について次のように予想したとします。
| 結果 | 確率 | 売上 |
|---|---|---|
| よく売れる | 30% | 100万円 |
| 普通に売れる | 50% | 60万円 |
| あまり売れない | 20% | 20万円 |
期待値は、次のように計算します。
100万円 × 0.3 = 30万円
60万円 × 0.5 = 30万円
20万円 × 0.2 = 4万円
30万円 + 30万円 + 4万円 = 64万円
この場合、平均的に見込める売上は64万円です。
期待値で間違えやすい点
期待値でよくある間違いは、確率をかけずに結果だけを足してしまうことです。
期待値では、それぞれの結果に確率をかけてから足します。
また、30%は0.3、50%は0.5のように、小数に直して計算することも大切です。
稼働率の計算

稼働率は、システムがどれくらい止まらずに動くかを考える計算です。
直列と並列の違いをおさえると、問題を読みやすくなります。
稼働率はどれくらい動いているかを表す割合
稼働率とは、システムや機械が正常に動いている割合のことです。
たとえば、稼働率が90%なら、全体のうち90%の時間は動いていると考えます。
ITパスポートでは、システムが止まりにくいかどうかを考える問題で出ることがあります。
直列システムの考え方
直列システムとは、すべての機器が動いていないと全体が動かない形です。
たとえば、AとBの両方が動かないとサービスが使えない場合です。
この場合、全体の稼働率は、それぞれの稼働率をかけます。
Aの稼働率が0.9、Bの稼働率が0.8なら、次のように計算します。
0.9 × 0.8 = 0.72
つまり、全体の稼働率は72%です。
並列システムの考え方
並列システムとは、どちらか一方が動いていれば全体が動く形です。
たとえば、予備の機器を用意しておき、片方が止まってももう片方で動かせる場合です。
並列では、「両方とも止まる確率」を考えると分かりやすいです。
Aの稼働率が0.9なら、止まる確率は0.1です。
Bの稼働率が0.8なら、止まる確率は0.2です。
両方とも止まる確率は、次のようになります。
0.1 × 0.2 = 0.02
全体が動く確率は、1からこれを引きます。
1 − 0.02 = 0.98
つまり、全体の稼働率は98%です。
稼働率で間違えやすい点
稼働率でよくある間違いは、直列と並列を逆に考えることです。
| 形 | 考え方 |
|---|---|
| 直列 | 全部動かないとだめ |
| 並列 | どれか1つ動けばよい |
直列は、全体の稼働率が下がりやすくなります。
並列は、予備があるため、全体の稼働率が上がりやすくなります。
問題文に「どちらか一方が動けばよい」とあれば、並列の考え方を使う可能性があります。
試験では、具体的な数字ではなく、式の形で出ることもあります。
| 形 | 考え方 |
|---|---|
| 直列 | 機器Aの稼働率 × 機器Bの稼働率 |
| 並列 | 1 −(機器Aが止まる確率 × 機器Bが止まる確率) |
直列は、すべての機器が動いていないと全体が動きません。そのため、それぞれの稼働率をそのままかけます。
並列は、どちらか一方が動いていれば全体が動きます。そのため、「両方とも止まる確率」を1から引きます。
たとえば、機器Aの稼働率が0.9なら、止まる確率は0.1です。機器Bの稼働率が0.8なら、止まる確率は0.2です。
並列の稼働率は、1 −(0.1 × 0.2)= 0.98 となります。
文字式が苦手な人は、まず「直列は動く確率をかける」「並列は止まる確率を考える」と覚えましょう。
割合・増減の計算

割合や増減の計算は、ITパスポートのいろいろな分野で出てきます。
売上、利用者数、作業量、達成率などを考えるときに使います。
割合は全体のうちどれくらいかを表す
割合とは、全体のうち、どれくらいを占めているかを表す考え方です。
たとえば、100人のうち20人なら、割合は20%です。
ITパスポートでは、売上、利用者数、作業量などを考える問題で出ることがあります。
増加率の考え方
増加率は、もとの値からどれくらい増えたかを表します。
たとえば、売上が100万円から120万円になったとします。
増えた金額は20万円です。
もとの100万円に対して20万円増えたので、増加率は20%です。
20万円 ÷ 100万円 = 0.2
0.2 = 20%
減少率の考え方
減少率は、もとの値からどれくらい減ったかを表します。
たとえば、利用者数が1,000人から800人になったとします。
減った人数は200人です。
もとの1,000人に対して200人減ったので、減少率は20%です。
200人 ÷ 1,000人 = 0.2
0.2 = 20%
パーセントを小数に直して考える
計算では、パーセントを小数に直すことが多いです。
| パーセント | 小数 |
|---|---|
| 10% | 0.1 |
| 20% | 0.2 |
| 50% | 0.5 |
| 80% | 0.8 |
| 100% | 1 |
20%をそのまま20として計算すると、答えが大きくずれてしまいます。
パーセントは、100で割って小数に直すと覚えておきましょう。
データ容量の計算

データ容量の計算では、ビット、バイト、KB、MB、GBなどの単位が出てきます。
特に、ビットとバイトの違いは間違えやすいので、先におさえましょう。
ビットとバイトの違い
データ容量の問題では、ビットとバイトの違いが大切です。
ビットは、コンピューターが扱う最小の情報の単位です。
バイトは、8ビットをまとめた単位です。
関係は次のとおりです。
1バイト = 8ビット
英語では、ビットはbit、バイトはByteと表されることがあります。
小文字のbがビット、大文字のBがバイトを表すことがあるため、注意が必要です。
GBやMBの意味を確認したい人は、ギガバイトとは?も参考にしてください。
KB・MB・GBの考え方
データ容量では、KB、MB、GBという単位も出てきます。
| 単位 | 読み方 | ざっくりした大きさ |
|---|---|---|
| KB | キロバイト | 小さな文書など |
| MB | メガバイト | 画像や音声など |
| GB | ギガバイト | 動画や大きなファイルなど |
単位の大きさは、次の順番で大きくなります。
| 順番 | 単位 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1 | B | バイト |
| 2 | KB | Bの約1,000倍 |
| 3 | MB | KBの約1,000倍 |
| 4 | GB | MBの約1,000倍 |
「キロ、メガ、ギガ」の順に、3桁ずつ大きくなると考えると覚えやすいです。ただし、試験では1,000ではなく1,024で計算する指定があることもあります。問題文の指示を必ず確認しましょう。
試験では、単位をそろえて計算することが大切です。
問題文でKBとMBが混ざっている場合は、どちらかにそろえてから計算します。
1,000で考えるか1,024で考えるかは問題文を見る
データ容量では、1KBを1,000バイトとして考える場合と、1,024バイトとして考える場合があります。
初心者が迷いやすいところですが、試験では問題文に条件が書かれていることがあります。
たとえば、次のような指示です。
- 1kバイトは1,000バイトとする
- 1Mバイトは10の6乗バイトとする
- 1Kバイトは1,024バイトとする
このような注記がある場合は、自分の覚え方ではなく、問題文の指示に従いましょう。
計算問題では、問題文の最後にある注記まで読むことが大切です。
画像やファイルの容量で考える
たとえば、1枚2MBの画像を10枚保存する場合を考えます。
2MB × 10枚 = 20MB
必要な容量は20MBです。
このように、1つあたりの容量と個数をかける問題は、身近なファイル保存の場面で考えると分かりやすくなります。
単位の変換で間違えやすい点
データ容量でよくある間違いは、ビットとバイトを混同することです。
1バイトは8ビットです。
そのため、ビットからバイトに直すときは8で割ります。
バイトからビットに直すときは8をかけます。
| 変換 | 考え方 |
|---|---|
| ビット → バイト | 8で割る |
| バイト → ビット | 8をかける |
通信速度の計算

通信速度の計算では、データ量、通信速度、時間の関係を使います。
ファイル容量と通信速度の単位が違うことが多いため、単位をそろえることが大切です。
通信速度はどれくらい速くデータを送れるかを表す
通信速度とは、一定の時間でどれくらいのデータを送れるかを表すものです。
インターネット回線の速さを考えるときに使います。
たとえば、動画を見たり、ファイルをダウンロードしたりするときに関係します。
ネットワークの基本を確認したい人は、ITパスポートのネットワーク入門も参考にしてください。
データ量と時間の関係
通信速度の問題では、データ量、通信速度、時間の関係を見ます。
基本の考え方は次のとおりです。
時間 = データ量 ÷ 通信速度
たとえば、100MBのファイルを、1秒あたり10MB送れる回線で送るとします。
100MB ÷ 10MB/秒 = 10秒
この場合、送信にかかる時間は10秒です。
bpsの意味
bpsは、1秒あたりに送れるビット数を表す単位です。
bits per secondの略で、「ビット毎秒」という意味です。
たとえば、1Mbpsは、1秒あたりに約1メガビット送れる速さを表します。
ここで注意したいのは、bpsはバイトではなくビットを使うことです。
ビットとバイトの違いに注意する
通信速度では、ビットとバイトの違いが特に大事です。
通信速度はbpsのようにビットで表されることが多いです。
一方、ファイル容量はMBやGBのようにバイトで表されることが多いです。
このまま計算すると単位が合いません。
必要に応じて、1バイト = 8ビットを使って単位をそろえましょう。
回線利用率が出てきたら通信速度にかける
通信速度の問題では、回線利用率が出てくることがあります。
回線利用率とは、回線の速さをどれくらい実際に使えるかを表す割合です。
たとえば、通信速度が100Mbpsでも、回線利用率が50%なら、実際に使える速度は50Mbpsとして考えます。
この場合は、次のように計算します。
実際に使える通信速度 = 通信速度 × 回線利用率
通信時間を求めるときは、この実際に使える通信速度を使います。
間違えやすい点
通信速度の問題で「回線利用率」が出てきたら、通信速度にその割合をかけてから計算します。元の通信速度をそのまま使わないように注意しましょう。
計算問題で初心者が間違えやすい点

計算問題では、考え方が分かっていても、細かいところで間違えることがあります。
ここでは、初心者が特に注意したい点を整理します。
求めるものを見ないまま計算してしまう
問題文を読んですぐに計算を始めると、何を求めるのかを見落としやすくなります。
最初に、問題の最後を見て「何を答えればよいのか」を確認しましょう。
使わない数字まで使ってしまう
問題文に数字がたくさん出てくると、すべて使いたくなります。
しかし、すべての数字が答えに必要とは限りません。
「この数字は何を表しているのか」を確認し、必要なものだけを使いましょう。
単位をそろえずに計算してしまう
KB、MB、GB、ビット、バイト、秒、分など、単位がそろっていないと計算を間違えます。
計算の前に、単位をそろえることが大切です。
パーセントをそのまま使ってしまう
20%を20のまま計算すると、答えが大きくずれます。
20%は0.2です。
確率や割合の問題では、パーセントを小数に直してから計算しましょう。
問題文の注記を読み飛ばしてしまう
計算問題では、問題文の最後に注記が書かれていることがあります。
たとえば、単位の扱いや、1KBを何バイトとして計算するかなどです。
注記を読み飛ばすと、計算の考え方が合っていても答えがずれることがあります。
回線利用率を見落としてしまう
通信速度の問題では、回線利用率を見落としやすいです。
回線利用率がある場合は、元の通信速度をそのまま使わず、実際に使える速度を計算してから使いましょう。
選択肢に合わせて見直しをしない
計算結果が出たら、必ず選択肢と比べます。
選択肢に近い数字がない場合は、単位、小数点、パーセントの扱いを見直しましょう。
ITパスポートでは計算問題がどう出る?
ITパスポートでは、計算そのものの難しさより、問題文を正しく読み取れるかが大切です。
ここでは、よく出る計算問題の形を整理します。
損益分岐点を問う問題
損益分岐点では、売上、固定費、変動費の関係が問われます。
「どれだけ売れば赤字でなくなるか」を考える問題です。
個数を求める問題だけでなく、損益分岐点売上高を求める問題もあります。
固定費、変動費、変動費率を落ち着いて確認しましょう。
期待値を問う問題
期待値では、確率と結果の値を使って、平均的に見込める値を求めます。
確率を小数に直し、それぞれの結果にかけてから足します。
稼働率を問う問題
稼働率では、システムがどれくらい動くかを考えます。
直列では、すべてが動く必要があります。
並列では、どれか1つが動けばよい場合があります。
直列と並列の違いを見分けることが大切です。
データ容量や通信速度を問う問題
データ容量や通信速度では、ビットとバイトの変換がよく出ます。
ファイル容量はバイト、通信速度はビットで出ることがあるため、単位をそろえる必要があります。
また、1,000で計算するか1,024で計算するかは、問題文の指示を確認しましょう。
回線利用率を問う問題
通信速度の問題では、回線利用率が条件として出ることがあります。
回線利用率が50%なら、元の通信速度の半分を実際に使える速度として考えます。
問題文に「回線利用率」という言葉があったら、見落とさないようにしましょう。
計算問題を勉強するときのポイント
計算問題は、同じ型をくり返すことで慣れていきます。
最初から速く解こうとせず、まずは正しい手順で解くことを意識しましょう。
公式だけでなく意味を理解する
公式だけを覚えると、少し形が変わった問題で迷いやすくなります。
まずは、何を求める公式なのかを理解しましょう。
損益分岐点なら「利益が0になる点」、期待値なら「平均的に見込める値」と考えます。
問題文から数字を抜き出す練習をする
計算問題では、数字を見つける力も大切です。
問題文の数字に印を付け、何を表す数字なのかを整理しましょう。
慣れてくると、必要な数字と使わない数字を見分けやすくなります。
途中式を書く習慣をつける
途中式を書かずに暗算だけで進めると、見直しがしにくくなります。
試験本番では、自分のノートや筆記用具は使えません。
会場で用意されたメモ用紙と筆記具を使い、途中式を1行ずつ書いて整理しましょう。
同じ型の問題をくり返す
計算問題は、同じ型をくり返すと慣れてきます。
最初は時間がかかっても問題ありません。
「何を求めるか」「どの数字を使うか」「どの順番で計算するか」を意識して練習しましょう。
苦手なら勉強時間を少し多めに取る
計算問題が苦手な人は、暗記分野よりも少し多めに練習時間を取ると安心です。
特に、損益分岐点、期待値、稼働率、通信速度は、問題を見ながら手を動かして覚えましょう。
勉強時間の目安を知りたい人は、ITパスポートの勉強時間も参考にしてください。
確認問題
最後に、この記事の内容を確認しましょう。
損益分岐点とは何ですか?
問題:損益分岐点の説明として、正しいものはどれですか。
- ア:売上が最も大きくなる点
- イ:利益が0になる点
- ウ:費用がまったくかからない点
- エ:商品がすべて売り切れる点
答え:イ
解説:損益分岐点は、売上と費用が同じになり、利益が0になる点です。ここを超えると黒字になりやすくなります。
期待値はどのように求めますか?
問題:期待値の求め方として、正しいものはどれですか。
- ア:一番大きい結果だけを見る
- イ:一番小さい結果だけを見る
- ウ:それぞれの結果に確率をかけて足す
- エ:結果をすべて足して終わりにする
答え:ウ
解説:期待値は、それぞれの結果に起こる確率をかけ、その結果を足して求めます。
ビットとバイトの違いは何ですか?
問題:ビットとバイトの関係として、正しいものはどれですか。
- ア:1バイトは8ビット
- イ:1ビットは8バイト
- ウ:1バイトは100ビット
- エ:ビットとバイトは同じ意味
答え:ア
解説:1バイトは8ビットです。通信速度ではビット、ファイル容量ではバイトが使われることが多いため、違いに注意しましょう。
通信速度で回線利用率があるときはどう考えますか?
問題:通信速度が100Mbps、回線利用率が50%の場合、実際に使える通信速度として正しいものはどれですか。
- ア:25Mbps
- イ:50Mbps
- ウ:100Mbps
- エ:150Mbps
答え:イ
解説:回線利用率が50%なので、100Mbps × 0.5 = 50Mbpsです。通信時間を求めるときは、この実際に使える速度を使います。
まとめ
ITパスポートの計算問題は、難しい公式をたくさん覚えるより、解く手順を身につけることが大切です。
まず、何を求める問題かを確認します。
次に、必要な数字を取り出し、単位をそろえて、1行ずつ計算します。
特に、損益分岐点、期待値、稼働率、割合、データ容量、通信速度は、よく学んでおきたいテーマです。
また、本番では会場で用意されたメモ用紙を使って、途中式を書きながら進めましょう。
データ容量では、1,000で計算するか1,024で計算するかを問題文で確認します。
通信速度では、回線利用率が出てきたら、実際に使える速度を計算してから考えます。
計算が苦手な人ほど、いきなり暗算で解こうとせず、落ち着いて順番に進めることが大切です。
ここだけ読めばOK
- 計算問題は、最初に「何を求めるか」を確認する
- 問題文の数字は、必要なものだけを使う
- パーセントは小数に直して考える
- ビットとバイトの違いに注意する
- 1,000か1,024かは、問題文の指示に従う
- 回線利用率があれば、通信速度にかけて考える
