オーケストレーションとは?ITでの意味と自動化との違いを解説

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オーケストレーションとは、複数の作業やシステムをまとめ、決めた順番で動かす仕組みです。

かんたんに言うと、一つ一つの自動化をつなぎ、全体を動かす「指揮役」です。ITでは、サーバーやアプリ、クラウド、AIなどを連携させる場面で使われます。

この記事では、オーケストレーションの意味や仕組み、自動化との違いを初心者向けに説明します。

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目次

オーケストレーションとは

オーケストレーションとは、複数の作業を組み合わせ、全体が正しい順番で進むように調整することです。

英語では「orchestration」と書きます。もともとは、さまざまな楽器を組み合わせて音楽を作る「管弦楽法」や「編曲」を表す言葉です。

オーケストラでは、指揮者が多くの演奏者をまとめます。それぞれの演奏者が別々に演奏するだけでは、一つの曲になりません。

ITでも考え方は同じです。複数のシステムや作業をまとめ、全体が一つの流れとして動くように調整します。

オーケストレーションと自動化の違い

オーケストレーションと自動化は、どちらも人の作業を減らすための仕組みです。ただし、動かす範囲が異なります。

比べる点自動化オーケストレーション
主な役割一つの作業を自動で行う複数の作業をつないで動かす
対象個別の作業作業全体の流れ
管理するもの作業の実行順番、条件、連携
決まった時間にデータを保存する保存後に結果を確認し、担当者へ知らせる

自動化は、一つの作業を機械に任せることです。オートメーションと呼ばれることもあります。

オーケストレーションは、複数の自動化をつなぎます。「何を、どの順番で、どの条件なら動かすか」まで管理する点が大きな違いです。

オーケストレーションの仕組み

オーケストレーションでは、最初に作業の流れを決めます。この作業の流れは、ワークフローとも呼ばれます。

ワークフローとは、仕事や処理が進む順番のことです。基本的には、次のような流れで動きます。

  1. 何をきっかけに処理を始めるか決める
  2. 実行する作業と順番を決める
  3. 複数のシステムへ作業を指示する
  4. 正しく終わったか確認する
  5. 問題があれば、停止や再実行を行う

作業そのものは、それぞれのシステムや機能が行います。オーケストレーションは、それらに指示を出し、全体の流れを管理します。

オーケストレーションの具体例

ネットショップの注文処理

ネットショップでは、注文を受けたあとに複数の作業が発生します。商品の在庫確認、発送の指示、購入者への連絡などです。

これらを個別に行うのではなく、注文をきっかけに順番に動かせば、作業全体をまとめて進められます。これがオーケストレーションの考え方です。

システムを公開・更新する作業

新しいシステムを公開するときは、プログラムの配置や設定の変更、動作確認などが必要です。

オーケストレーションを使うと、これらの作業を決めた順番で実行できます。途中で問題が起きた場合に、処理を止めたり担当者へ知らせたりすることも可能です。

入社時の準備

新しく入社した人には、利用者情報の登録やパソコンの設定、必要なサービスの準備などを行います。

申請内容に合わせて複数の作業をつなげれば、準備の抜けを減らせます。IT以外の業務でも、同じ考え方を利用できます。

オーケストレーションが使われる場面

システムの構築や運用

システムを動かすためには、サーバーやネットワークなどの準備が必要です。サーバーとは、ほかのパソコンへ情報や機能を提供するコンピューターです。

オーケストレーションを使うと、準備、設定、確認などの作業をまとめて管理できます。

クラウドの管理

クラウドとは、インターネットを通じてコンピューターや保存場所などを利用する仕組みです。

クラウドオーケストレーションでは、必要なコンピューターの準備や設定、利用状況に応じた数の調整などをまとめて行います。

コンテナの管理

コンテナとは、プログラムを動かすために必要なものを、箱のようにまとめた仕組みです。複数のコンテナを使うと、それぞれの配置や動作を管理する必要があります。

コンテナオーケストレーションは、多くのコンテナをまとめて配置し、止まったときの再起動や数の調整などを行います。

AIの連携

AIオーケストレーションは、複数のAIや関連するサービスをつなぎ、目的に合った順番で動かす仕組みです。

例えば、文章を読み取るAI、内容を整理するAI、結果を確認する機能を組み合わせます。AIだけでなく、データや外部のサービスも含めて全体を管理します。

ビジネスの作業

オーケストレーションは、申し込みの受け付け、内容の確認、担当者への連絡などにも使われます。

ビジネスでは、複数の部署やサービスにまたがる作業を、一つの流れとして管理する考え方を表します。

オーケストレーションを使うメリット

作業の手間を減らせる

複数の作業を一つずつ人が始める必要がなくなります。定期的に行う作業や、同じ流れをくり返す作業に向いています。

作業の抜けを減らせる

決めた順番に沿って作業が進むため、確認や連絡の抜けを減らせます。担当者が変わっても、同じ流れで進めやすくなります。

複数のシステムをまとめて管理できる

システムごとに管理するのではなく、全体の動きを一つの流れとして確認できます。問題が起きた場所も見つけやすくなります。

変化に対応しやすくなる

作業の流れが整理されていれば、一部の手順を変更しやすくなります。新しいシステムや作業を追加するときにも役立ちます。

オーケストレーションツールとは

オーケストレーションツールとは、複数の作業やシステムを連携させるためのソフトウェアです。

すべてのツールが同じことをするわけではありません。管理する対象によって、主に次のような種類があります。

  • サーバーやネットワークの準備を管理するツール
  • クラウド上の作業をまとめるツール
  • コンテナを管理するツール
  • データ処理の順番を管理するツール
  • 業務の流れを管理するツール
  • 複数のAIやサービスを連携させるツール

代表的な例として、コンテナを管理するKubernetesがあります。Kubernetesは「クバネティス」と読み、多くのコンテナをまとめて動かすための仕組みです。

ツールを選ぶときは、有名かどうかだけで決めません。何をまとめて管理したいのかを先に整理することが大切です。

初心者が間違えやすい点

単なる自動化と同じではない

一つの作業だけを自動で行う場合は、一般的な自動化です。複数の作業をつなぎ、全体を調整する場合にオーケストレーションと呼びます。

すべてをAIが判断する仕組みではない

オーケストレーションは、AIだけに使う言葉ではありません。サーバー、クラウド、コンテナ、業務の流れなど、幅広い場面で使われます。

一つの製品名ではない

オーケストレーションは、特定の会社や製品の名前ではありません。複数の作業をまとめて調整する考え方や仕組みを表します。

導入すれば自動的に整うわけではない

オーケストレーションを使う前には、作業の順番や条件を決める必要があります。もとの作業が整理されていない場合は、先に流れを見直します。

オーケストレーションについてよくある質問

オーケストレーションを日本語にすると何ですか?

「調整」「編成」「組織化」などと訳されます。ITでは、複数の作業やシステムをまとめて動かす意味で使われます。

オーケストレーションとワークフローの違いは何ですか?

ワークフローは、作業が進む順番や流れを表します。オーケストレーションは、その流れに沿って複数のシステムへ指示を出し、全体を動かす仕組みです。

オーケストレーションと自動化はどちらが必要ですか?

一つの作業だけを動かす場合は、自動化で対応できます。複数の作業やシステムを連携させる場合は、オーケストレーションが役立ちます。

AIオーケストレーションとは何ですか?

複数のAI、データ、外部サービスなどを組み合わせ、目的に合った順番で動かす仕組みです。AIオーケストレーションは、オーケストレーションの使い方の一つです。

オーケストレーションとは何かを整理

オーケストレーションとは、複数の作業やシステムをつなぎ、全体が正しい順番で動くように調整する仕組みです。

  • 自動化は一つの作業を動かす
  • オーケストレーションは複数の自動化をつなぐ
  • 作業の順番や条件、結果をまとめて管理する
  • クラウド、コンテナ、AI、業務の流れなどに使われる
  • ツールを選ぶ前に、管理したい作業を整理する必要がある

一つ一つの作業を演奏者とするなら、オーケストレーションは全体をまとめる指揮役です。ITでは、複雑になった作業を分かりやすい流れに整えるために使われています。

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