かんたんに言うと、誤差とは、基準となる値と、実際に得られた値とのずれです。
長さを測った結果やコンピューターの計算結果などは、基準となる値と完全には一致しないことがあります。この小さなずれを「誤差」と呼びます。
誤差は、必ずしも失敗や間違いを意味するものではありません。測り方や計算方法などによって、どうしても生じることがあります。
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誤差とは、基準の値と実際の値のずれ
誤差とは、基準となる値と、測定値や計算値との差を表す言葉です。測定値とは、長さや重さなどを実際に測って得た数値のことです。
例えば、実際の長さが100センチメートルの物を測り、99センチメートルという結果が出たとします。この場合、基準となる値と測った値には、1センチメートルの誤差があります。
身近な例では、同じ物の重さを何度か量ると、表示される数値が少し変わることがあります。これは、量る位置や周囲の状態などが毎回まったく同じではないためです。
ITの分野でも、コンピューターが小数を計算するときや、機器が温度などを読み取るときに誤差が生じます。
誤差が生じる主な理由
誤差が生じる理由は一つではありません。測る道具、測り方、計算方法など、さまざまな原因があります。
測る道具に限界があるため
定規や体重計などには、表示できる細かさに限界があります。1ミリメートル単位の定規では、それより細かな長さを正確に読み取ることはできません。
このように、道具が表せる範囲によって生じるずれも誤差の一つです。
測る条件が変わるため
測る場所や時間、物の置き方などが変わると、結果も少し変わることがあります。人が目盛りを読む場合は、見る角度によって数値がずれることもあります。
同じ物を測っても、毎回まったく同じ結果になるとは限りません。
数値を丸めるため
小数点以下の長い数値を、短い数値に直すことを「丸める」といいます。例えば、3.14159を3.14として扱う場合です。
数値を短くすると、元の数値との差が生じます。これを「丸め誤差」といいます。
コンピューターが数値を表す方法に限界があるため
コンピューターは、すべての小数をそのまま正確に記録できるわけではありません。そのため、簡単な小数の計算でも、ごく小さなずれが生じることがあります。
画面上では「0.3」と表示されていても、コンピューターの内部では、わずかに異なる数値として扱われる場合があります。
誤差の主な種類
誤差には、ずれの表し方や生じる原因によって、いくつかの種類があります。初心者が知っておきたい主な種類は、次のとおりです。
絶対誤差
絶対誤差とは、基準となる値と実際に得られた値の差を、数値の大きさで表したものです。ずれがプラスかマイナスかではなく、どれだけ離れているかを表します。
基準となる値が100で、測った値が98なら、絶対誤差は2です。
相対誤差
相対誤差とは、基準となる値に対して、誤差がどれくらいの割合を占めるかを表したものです。割合やパーセントで示すことがあります。
同じ「2の誤差」でも、基準となる値が10の場合と1,000の場合では、ずれの大きさに対する受け止め方が変わります。相対誤差を使うと、基準の大きさを考えた比較ができます。
偶然誤差
偶然誤差とは、測るたびに不規則に変わる誤差です。周囲の温度や物の置き方など、小さな条件の違いによって生じます。
同じ物を何度も測ったときに、結果が少しずつ上下する場合が当てはまります。
系統誤差
系統誤差とは、測る道具や方法に原因があり、結果が同じ方向にずれ続ける誤差です。
例えば、目盛りがずれた道具を使うと、何度測っても実際より大きな値が出ることがあります。測る回数を増やすだけでは、直しにくい誤差です。
丸め誤差
丸め誤差とは、数値の一部を省略したり、四捨五入したりしたときに生じるずれです。コンピューターの計算でもよく見られます。
細かな計算を何度も行うと、小さな丸め誤差が重なることがあります。
誤差の求め方
基本的な誤差は、実際に得られた値から、基準となる値を引いて求めます。
誤差 = 実際に得られた値 − 基準となる値
例えば、基準となる値が100で、測った値が98だった場合は、次のように計算します。
98 − 100 = −2
計算結果がマイナスになっているため、基準より2小さいことが分かります。
ずれの大きさだけを知りたい場合は、プラスやマイナスを除いた「絶対値」を使います。この場合の誤差の大きさは2です。
誤差率の基本的な求め方
誤差率とは、基準となる値に対して、誤差がどのくらいの割合なのかを表す数値です。
誤差率(%)= 誤差の大きさ ÷ 基準となる値 × 100
基準となる値が100で、誤差の大きさが2なら、誤差率は2%です。
ただし、分野や目的によって計算方法が異なる場合があります。実際の仕事では、その場で決められている計算方法を確認することが大切です。
誤差が使われる場面
誤差という言葉は、学校の実験だけでなく、ITや仕事、日常生活でも使われています。
コンピューターの計算
コンピューターで小数を計算すると、ごく小さな誤差が生じる場合があります。金額や個数などを扱う仕組みでは、決められた位置で数値を丸めるなどの対応を行います。
機器による測定
温度や距離などを読み取る機器にも、測定できる細かさがあります。そのため、表示された数値には一定の誤差が含まれることがあります。
予測と実績の比較
仕事では、予測した数値と実際の結果とのずれを誤差と呼ぶことがあります。
例えば、作業に5時間かかると予測していたものの、実際には5時間30分かかった場合です。ただし、仕事では「差異」や「差」と表現することもあります。
地図や位置情報
スマートフォンなどの位置情報は、周囲の建物や通信の状態によって、実際の場所から少しずれることがあります。このずれも誤差の一例です。
誤差と似た言葉の違い
誤差には、「差」「差異」「偏差」「公差」などの似た言葉があります。それぞれ意味や使う場面が異なります。
| 言葉 | 主な意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 誤差 | 基準となる値と、測定値や計算値とのずれ | 測定結果に誤差が生じた |
| 差 | 二つのものを比べたときの違い | 二つの商品の価格には差がある |
| 差異 | 内容や状態を比べたときの違い | 予定と実績に差異がある |
| 偏差 | ある数値が基準や平均からどれだけ離れているか | 平均値からの偏差を調べる |
| 公差 | あらかじめ認められている数値のずれ | 寸法が公差の範囲に収まっている |
「差」は、二つのものの違いを広く表す言葉です。一方の「誤差」は、基準となる値からどれだけずれたかを表すときに使います。
誤差の使い方と例文
誤差は、数値のずれを説明するときに使います。日常会話では、わずかな違いを表すために使う場合もあります。
- 測る場所によって、結果にわずかな誤差が生じます。
- 計算結果は、誤差の範囲内に収まっています。
- 予測した時間と実際の時間に誤差がありました。
- 小数を丸めたため、合計に小さな誤差が出ました。
- 同じ機器で測っても、多少の誤差があります。
誤差の言い換え
誤差は、使う場面に応じて次の言葉に言い換えられます。
- ずれ
- 違い
- 差
- 差異
- 開き
- 食い違い
数値について説明する場合は「誤差」や「ずれ」が自然です。予定と実績を比べる場合は、「差」や「差異」が使いやすいでしょう。
初心者が間違えやすい点
誤差は必ずしもミスではない
誤差は、人が操作を間違えたときだけに生じるものではありません。道具や計算方法の限界によって、正しく作業しても生じる場合があります。
一方、入力する数字を間違えた場合などは、一般的には誤差ではなく「ミス」や「誤り」と呼びます。
誤差が小さいほど、必ずよいとは限らない
必要とされる細かさは、目的によって異なります。大まかな目安を知りたい場面では、細かな誤差が結果に大きく影響しないこともあります。
誤差の大きさだけで判断せず、何のために数値を使うのかを考えることが大切です。
許される誤差は一律ではない
どのくらいの誤差まで認められるかは、目的や使う機器によって異なります。すべての場面に共通する割合が決まっているわけではありません。
仕事で数値を扱う場合は、その作業で決められている基準を確認します。
誤差についてよくある質問
誤差はどちらから引きますか?
ずれの方向を調べる場合は、一般的に「実際に得られた値」から「基準となる値」を引きます。
ずれの大きさだけを調べる場合は、引く順番に関係なく、計算結果の絶対値を使います。
誤差とエラーは同じ意味ですか?
英語の「error」には、誤差と誤りの両方の意味があります。ただし、ITで使われる「エラー」は、処理を続けられない状態や操作の失敗を指すことがあります。
数値の小さなずれを表す誤差と、コンピューターの動作不良を表すエラーは、同じ意味とは限りません。
誤差を完全になくすことはできますか?
測定や計算の方法によっては、誤差を小さくできます。ただし、道具や数値の表し方には限界があるため、完全になくすことが難しい場合もあります。
大切なのは、誤差があることを理解し、目的に合う細かさで数値を扱うことです。
「多少の誤差」とはどのくらいですか?
「多少の誤差」に決まった数値はありません。話の内容や目的によって、示す範囲が変わります。
正確な説明が必要な場合は、「1センチメートル以内」など、具体的な数値で示すと分かりやすくなります。
まとめ|誤差とは基準となる値からのずれ
誤差とは、基準となる値と、測定値や計算値とのずれです。測る道具の限界や周囲の状態、数値の丸め方などによって生じます。
誤差には、絶対誤差、相対誤差、偶然誤差、系統誤差、丸め誤差などがあります。基本的な誤差は、実際に得られた値と基準となる値の差から求められます。
誤差は、必ずしもミスを意味するものではありません。数値を正しく理解するには、誤差が生じた理由と、目的に対してどの程度のずれなのかを確認することが大切です。
