傾聴とは、かんたんに言うと「相手の話にしっかり耳を傾け、何を伝えたいのかを理解しようとする聞き方」です。
ただ声を聞くだけではありません。相手の話をさえぎらず、考えや気持ちにも注意を向けながら聞くことがポイントです。
傾聴は、仕事での会話や相談、学校での話し合い、家族や友人との会話など、さまざまな場面で役立ちます。
この記事では、傾聴の意味や読み方、傾聴力とは何か、具体的なやり方や使い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
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傾聴とは?意味と読み方
傾聴は「けいちょう」と読みます。
意味は、相手の話に耳を傾けて、熱心に聞くことです。何となく聞くのではなく、相手が何を伝えようとしているのかに注意を向けます。
たとえば、友人から相談されたとき、スマートフォンを見ながら「うん、うん」と返事をするだけでは、傾聴しているとは言いにくいでしょう。
相手の話に集中して、必要に応じてうなずいたり質問したりしながら聞くのが、傾聴に近い聞き方です。
傾聴と「聞く」は何が違う?
傾聴を理解するときは、「聞く」と「聴く」の違いを考えるとわかりやすくなります。
どちらも「きく」と読みますが、使われ方には少し違いがあります。
| 言葉 | 意味の目安 | 例 |
|---|---|---|
| 聞く | 話や音を耳にする | 音楽が聞こえる、話を聞く |
| 聴く | 注意を向けてしっかり聞く | 相手の話を聴く |
| 訊く | 質問してたずねる | わからないことを訊く |
傾聴には「聴」という漢字が使われています。そのため、相手の話に意識を向けて聞くという意味が強くなります。
ただし、実際の文章では「話を聞く」という表記も広く使われています。漢字だけで良し悪しが決まるわけではありません。
傾聴力とは?
傾聴力とは、相手の話にしっかり耳を傾け、相手が伝えたいことを理解しようとする力です。
単に長い時間、黙って話を聞くことではありません。話の内容を確認したり、必要なところで質問したりすることも含まれます。
たとえば、仕事で同僚から「この作業がなかなか進まなくて困っています」と相談されたとします。
すぐに「こうすればいいよ」と答えるのではなく、「どの部分で困っているの?」と聞けば、相手が抱えている問題をより正しく知ることができます。
このように、相手の話を受け止めながら理解を深めていく力が傾聴力です。
傾聴するときの基本的なポイント
傾聴には、必ず守らなければならない一つの形があるわけではありません。
初心者は、次のようなポイントを意識すると実践しやすくなります。
相手の話を途中でさえぎらない
まず大切なのは、相手が話している途中で結論を決めつけないことです。
途中まで聞いて「つまり、こういうことでしょ」と話を終わらせてしまうと、本当に伝えたかったことまで聞けない場合があります。
うなずきや相づちを入れる
「はい」「なるほど」「そうだったんですね」などの相づちは、話を聞いていることを相手に伝える方法の一つです。
ただし、同じ言葉を何度も機械的に返す必要はありません。会話の流れに合わせて自然に使います。
わからないところは確認する
話の意味がわからないときは、自分の想像だけで判断しないことも大切です。
「それは○○という意味ですか?」のように確認すると、思い違いを減らせます。
すぐに自分の話へ変えない
相手が「昨日、大変なことがあって」と話しているときに、「私も昨日大変だった」と自分の話へ変えると、相手の話がそこで終わってしまうことがあります。
まずは相手の話を聞き、そのあと必要に応じて自分の経験を話すとよいでしょう。
すぐに賛成や反対を決めない
傾聴は、相手の意見にすべて賛成することではありません。
「なぜそう考えたのか」を理解してから、自分の意見を伝えることが大切です。
傾聴の基本的な流れ
傾聴するときは、次のような流れで考えるとわかりやすくなります。
- 相手の話を最後まで聞く
- うなずきや相づちで反応する
- 相手が伝えたいことを考える
- わからないところを質問する
- 必要であれば内容を確認する
たとえば、相手から「新しい仕事の進め方がよくわかりません」と言われたとします。
このとき、「説明書を読めばいいよ」とすぐ答えるのではなく、「どの部分がわかりにくかったですか?」と確認します。
すると、「操作方法ではなく、どの順番で進めればよいかわからない」という本当の問題が見えてくることがあります。
傾聴では、このように相手の話を聞きながら、伝えたい内容を確認していくことが大切です。
傾聴が使われる場面
傾聴は、特別な仕事をする人だけが使うものではありません。
日常生活から仕事まで、幅広い場面で使えます。
職場で相談を受けるとき
上司や同僚、後輩などから相談を受けるときに傾聴が役立ちます。
相手の話を先に聞くことで、何に困っているのかを整理しやすくなります。
会議や打ち合わせをするとき
会議では、自分の意見を話すだけでなく、ほかの人の意見を理解することも必要です。
意見が違う場合でも、まず相手が何を伝えようとしているのかを聞くことで、話し合いを進めやすくなります。
お客様の話を聞くとき
商品やサービスについて要望を聞く場面でも傾聴は使われます。
最初から答えを決めずに話を聞くことで、相手が本当に求めていることを確認しやすくなります。
家族や友人と話すとき
傾聴は仕事だけの言葉ではありません。
家族や友人から相談されたときにも、まず話を聞くという考え方を使えます。
傾聴の具体例
傾聴している会話と、そうでない会話を比べてみましょう。
話を十分に聞かない例
Aさん「新しい作業の進め方がよくわからなくて、時間がかかっています」
Bさん「説明をちゃんと読めばできると思うよ」
この会話では、Bさんがすぐに答えを出しています。Aさんが具体的に何に困っているのかは、まだわかりません。
傾聴を意識した例
Aさん「新しい作業の進め方がよくわからなくて、時間がかかっています」
Bさん「どのあたりがわかりにくいですか?」
Aさん「操作はできるのですが、作業する順番がわからないんです」
Bさん「操作ではなく、進める順番で迷っているんですね」
後の会話では、質問と確認を使って、Aさんが何に困っているのかを確かめています。
これが傾聴を意識した会話の一例です。
傾聴と共感・受容の違い
傾聴について調べると、「共感」や「受容」という言葉もよく出てきます。
似ていますが、同じ意味ではありません。
| 言葉 | かんたんな意味 |
|---|---|
| 傾聴 | 相手の話に注意を向けて聞くこと |
| 共感 | 相手の気持ちや考えを理解しようとすること |
| 受容 | 相手の考えや気持ちをすぐに否定せず受け止めること |
傾聴するときには、相手の話をすぐ否定せず、相手の立場から理解しようとする姿勢が役立ちます。
ただし、共感や受容は「相手の意見に必ず賛成する」という意味ではありません。
傾聴と拝聴・清聴の違い
「傾聴」と似た言葉に「拝聴(はいちょう)」や「清聴(せいちょう)」があります。
読み方や漢字が似ていますが、使い方は違います。
| 言葉 | 主な意味 |
|---|---|
| 傾聴 | 相手の話に耳を傾けて熱心に聞くこと |
| 拝聴 | 「聞く」をへりくだって表す言葉 |
| 清聴 | 相手が自分の話を聞くことを敬って表す言葉 |
たとえば、目上の人の話を聞いたことを丁寧に表すなら、「お話を拝聴しました」のように使えます。
プレゼンテーションや講演の最後では、「ご清聴ありがとうございました」という表現がよく使われます。
「傾聴」は敬語そのものではなく、熱心に話を聞くという行為を表す言葉だと考えると区別しやすくなります。
「傾聴する」の使い方と例文
傾聴は「傾聴する」「傾聴に値する」「傾聴の姿勢」のような形で使われます。
仕事でも日常の文章でも使える言葉です。
- 相手の意見を傾聴する。
- お客様の声を傾聴する。
- まずは相手の話を傾聴することが大切です。
- 会議では傾聴の姿勢を意識する。
- さまざまな意見に傾聴する。
ただし、普段の会話で無理に「傾聴」という言葉を使う必要はありません。
「しっかり話を聞く」「相手の話に耳を傾ける」と言い換えた方が自然な場面もあります。
傾聴で初心者が間違えやすい点
黙っていれば傾聴になるわけではない
相手が話している間、ただ黙っているだけでは、相手に「聞いている」と伝わらないことがあります。
うなずきや相づち、必要な質問などを交えながら聞くことが大切です。
質問ばかりしない
傾聴では質問も使いますが、質問を続けすぎると相手が話しにくくなることがあります。
まず相手の話を聞き、必要な部分だけ確認するようにします。
すぐに助言することが目的ではない
相談されたときは、すぐに解決方法を教えたくなることがあります。
しかし、相手が何に困っているのかわからないまま答えると、話がずれることもあります。先に話を聞いてから、必要な対応を考えます。
傾聴は相手への同意ではない
傾聴したからといって、相手の考えをすべて受け入れる必要はありません。
まず「なぜそう考えているのか」を理解しようとすることと、自分が賛成することは別です。
傾聴とは?よくある質問
傾聴の読み方は?
「傾聴」は「けいちょう」と読みます。
「傾」は傾ける、「聴」は注意して聞くときに使われる漢字です。
傾聴とは簡単に言うと何ですか?
簡単に言うと、相手の話にしっかり耳を傾け、何を伝えたいのか理解しようとすることです。
ただ声を聞くだけでなく、相手の話に注意を向けるところがポイントです。
傾聴力とは何ですか?
傾聴力とは、相手の話を注意深く聞き、相手が伝えようとしていることを理解しようとする力です。
話を最後まで聞くことや、適切に質問すること、内容を確認することなどが含まれます。
傾聴と普通に聞くことの違いは?
普通に聞く場合は、話や音が耳に入るだけの場合もあります。
傾聴では、相手が何を伝えようとしているのかに意識を向けながら聞きます。
傾聴するときは相手に賛成しなければいけませんか?
いいえ。傾聴と賛成は別です。
相手の話を理解しようとしたうえで、自分と違う考えであれば、そのあとに自分の意見を伝えることもできます。
まとめ|傾聴とは相手の話にしっかり耳を傾けること
傾聴とは、相手の話にしっかり耳を傾け、相手が伝えたいことを理解しようとする聞き方です。読み方は「けいちょう」です。
ただ黙って話を聞くだけではありません。相づちを入れたり、わからない部分を質問したり、内容を確認したりしながら話を聞きます。
傾聴力は、職場での相談や会議、お客様との会話だけでなく、家族や友人との日常的な会話でも使える力です。
まずは、相手の話を途中でさえぎらず、最後まで聞くことから意識するとわかりやすいでしょう。

