製造業とは、材料に手を加えて、新しい製品をつくる産業です。自動車や家電だけでなく、食品、衣服、紙、家具などをつくる仕事も製造業に含まれます。
この記事では、製造業の意味や種類、仕事の流れを初心者向けに解説します。メーカーや生産との違いも、身近な例を使って紹介します。
関連するIT用語・ビジネス用語をまとめて確認したい方は、IT用語・ビジネス用語一覧もあわせてご覧ください。
製造業とは
製造業とは、かんたんに言うと、材料を加工したり組み立てたりして、製品をつくる産業です。「ものづくりを行う産業」と考えると分かりやすいでしょう。
たとえば、小麦粉を加工してパンをつくる仕事や、金属や部品を組み立てて自動車をつくる仕事があります。材料をそのまま売るのではなく、手を加えて新しい製品にする点が特徴です。
政府の日本標準産業分類では、材料に物理的または化学的な変化を加え、新しい製品をつくる事業所が製造業に分類されています。完成した部品を組み立てて製品をつくる仕事も含まれます。
製造業の身近な例
私たちの身の回りには、製造業によってつくられた製品が数多くあります。朝起きてから夜に寝るまで、何らかの製品を使わずに生活することはほとんどありません。
- パン、菓子、冷凍食品
- 衣服、靴、かばん
- 机、いす、ベッド
- 紙、ノート、段ボール
- スマートフォン、パソコン、テレビ
- 自動車、自転車、電車
- 洗剤、文房具、調理道具
たとえば、食パンは小麦粉などの材料を混ぜ、形を整えて焼くことで完成します。このように、材料に手を加えて別の製品をつくる活動が製造です。
製造業の主な種類
製造業には、つくる製品や使う材料によって多くの種類があります。ここでは、身近な製品をもとに大きく分けて紹介します。
食品や飲み物をつくる製造業
肉や魚、野菜、小麦などを加工し、食品や飲み物をつくります。パン、菓子、調味料、冷凍食品、清涼飲料などが代表例です。
衣服や紙製品をつくる製造業
糸や布から衣服をつくる仕事や、木材などから紙製品をつくる仕事です。家具、印刷物、段ボールなどをつくる仕事もあります。
化学製品やプラスチック製品をつくる製造業
さまざまな材料を加工し、プラスチック製品、塗料、洗剤などをつくります。家庭用品から工場で使う材料まで、幅広い製品があります。
金属製品をつくる製造業
鉄などの金属を加工し、部品や道具をつくります。ねじ、刃物、金属製の容器、建物に使う部品などが代表例です。
機械や電気製品をつくる製造業
さまざまな部品を加工して組み立て、機械や電気製品をつくります。家電、パソコン、半導体、工場で使う機械などが含まれます。
自動車などの乗り物をつくる製造業
自動車、自転車、電車、船などをつくる仕事です。完成した乗り物だけでなく、エンジンやタイヤなどの部品をつくる仕事もあります。
製造業の仕事の流れ
製造業では、材料を加工するだけで製品が完成するわけではありません。一般的には、計画から出荷まで、いくつかの工程に分けて仕事を進めます。
- 企画する:どのような製品をつくるか考える
- 設計する:形、大きさ、材料、つくり方を決める
- 材料を用意する:製造に必要な材料や部品をそろえる
- 加工する:材料を切る、曲げる、混ぜるなどの作業を行う
- 組み立てる:複数の部品を組み合わせて製品にする
- 検査する:形や動きに問題がないか確かめる
- 出荷する:完成した製品を販売先などへ送る
製品によって、必要な工程や順番は異なります。食品であれば調理や包装、自動車であれば部品の加工や組み立てなどが行われます。
製造業ではどのような仕事をする?
製造業には、実際に製品をつくる仕事だけでなく、計画や検査を行う仕事もあります。主な仕事は次のとおりです。企画・開発 利用する人の要望を調べ、新しい製品を考えます。設計 製品の形、材料、動きなどを図面にまとめます。加工・組み立て 材料を加工したり、部品を組み合わせたりします。生産管理 必要な数の製品を予定どおりにつくれるように、材料や作業の順番を管理します。品質管理 完成した製品の状態を確かめ、決められた品質を保ちます。設備の点検 工場の機械が安定して動くように、点検や手入れを行います。
このように、製造業では多くの人が役割を分けて働いています。工場で作業する人だけで成り立つ仕事ではありません。
製造業とメーカーの違い
製造業とメーカーは、日常ではほぼ同じ意味で使われることがあります。ただし、指しているものには少し違いがあります。
| 言葉 | 主に指すもの | 使用例 |
|---|---|---|
| 製造業 | 製品をつくる産業や業種 | 製造業で働く |
| メーカー | 製品をつくる会社 | 家電メーカーに勤める |
製造業は「どのような産業か」を表す言葉です。一方、メーカーは「どのような会社か」を表すときによく使われます。
たとえば、自動車をつくる産業全体は自動車製造業です。その中で自動車をつくる一つ一つの会社が、自動車メーカーと呼ばれます。
製造と生産の違い
製造と生産は、どちらも「つくる」という意味を持つ言葉です。ただし、生産の方が広い範囲で使われます。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 製造 | 材料を加工したり組み立てたりして製品をつくること | 自動車を製造する |
| 生産 | 物や価値のあるものをつくり出すこと | 米を生産する、自動車を生産する |
工場で自動車をつくる場合は、「製造」と「生産」のどちらも使えます。一方、農作物を育てる場合は「米を生産する」といい、一般には「米を製造する」とはいいません。
製造は、材料への加工や部品の組み立てに重点を置いた言葉です。生産は、計画や作業を含め、物をつくり出す活動全体を表すことがあります。
製造業と工場の違い
製造業は産業や仕事の種類を表します。工場は、製品をつくる建物や場所です。
たとえば、「食品製造業」は仕事の種類です。「食品工場」は、その仕事を行う場所を指します。
また、製造業の仕事がすべて工場の中で行われるわけではありません。企画、設計、材料の手配などは、事務所で行われることもあります。
製造業で間違えやすい点
製造業は機械をつくる仕事だけではない
製造業というと、自動車や大型の機械を思い浮かべる人もいます。しかし、食品、衣服、家具、紙製品などをつくる仕事も製造業です。
材料を売るだけでは製造とはいわない
仕入れた材料や完成品を、そのまま販売する仕事は製造ではありません。加工や組み立てによって、新しい製品をつくることが製造の基本です。
製品をつくる人だけが働いているわけではない
製造業には、設計、材料の手配、品質の確認、機械の点検などの仕事もあります。それぞれの仕事がつながることで、製品を安定してつくれます。
製造業についてよくある質問
製造業は英語で何という?
製造業は、英語で「manufacturing industry」といいます。「manufacturing」だけで、製造業や製造活動を表すこともあります。
食品会社も製造業に含まれる?
食品を加工して新しい製品をつくる会社は、製造業に含まれます。パン、菓子、冷凍食品、調味料などをつくる仕事が代表例です。
製造業とものづくりは同じ意味?
似ていますが、ものづくりの方が広い意味で使われることがあります。ものづくりには、製造だけでなく、職人の技術や製品を生み出す考え方まで含める場合があります。
製造業とメーカーは同じ意味?
日常では同じように使われますが、製造業は産業、メーカーは会社を指すのが基本です。ただし、使う場面によっては、はっきり区別されないこともあります。
製造業とは何かを簡単にまとめると
製造業とは、材料を加工したり部品を組み立てたりして、新しい製品をつくる産業です。自動車や機械だけでなく、食品、衣服、家具、紙製品なども対象になります。
製造業は産業や業種を表し、メーカーは製品をつくる会社を表す言葉です。また、製造は材料の加工や組み立てを指し、生産は物をつくり出す活動をより広く表します。
身近な製品が、どのような材料と工程でつくられているかを考えると、製造業の役割を理解しやすくなります。
