入稿とは、作成した文章や画像などの原稿を、印刷会社や次の作業をする人へ渡すことです。読み方は「にゅうこう」です。
チラシや本の印刷だけでなく、Web記事や広告を公開するときにも使われます。この記事では、入稿の意味や流れ、脱稿・出稿などとの違いを初心者向けに説明します。
関連するIT用語・ビジネス用語をまとめて確認したい方は、IT用語・ビジネス用語一覧もあわせてご覧ください。
入稿とは
入稿とは、かんたんに言うと、完成した原稿やデータを次の担当者へ渡すことです。
たとえば、自分で作ったチラシのデータを印刷会社へ送ることを「チラシを入稿する」といいます。
ただし、入稿という言葉は、使う人の立場によって少し意味が変わります。
- 原稿を作る人:原稿やデータを渡すこと
- 印刷会社や出版社:原稿やデータを受け取ること
そのため、「原稿を入稿しました」と「原稿の入稿を待っています」では、原稿を送る側と受け取る側が異なります。
入稿の読み方
入稿の読み方は「にゅうこう」です。
「入稿する」「入稿した」「入稿を待つ」のように使います。「にゅうこう」と読む別の言葉に「入校」がありますが、意味は異なります。
入稿を身近な例で考える
入稿は、学校で作った作品を先生へ提出する場面に似ています。
作品を作り終えただけでは、先生は内容を確認できません。作品を先生へ渡して、初めて次の確認作業へ進めます。
印刷や出版でも同じように、原稿やデータを次の担当者へ渡すことで、確認や印刷の作業が始まります。この受け渡しが入稿です。
入稿データとは
入稿データとは、印刷や公開のために相手へ渡すデータのことです。
文章だけの場合もあれば、文章、写真、イラスト、配置などを一つにまとめたデータの場合もあります。
主な入稿データには、次のようなものがあります。
- 本や冊子の文章
- チラシやポスターのデザイン
- 名刺の印刷データ
- Webサイトに掲載する記事
- インターネット広告で使う文章や画像
印刷ではPDFが使われることもあります。PDFとは、使う端末が変わっても、文字や配置が崩れにくいファイル形式です。
ただし、使えるファイル形式や作り方は、印刷会社や依頼先によって異なります。実際に入稿するときは、相手が示している案内を確認します。
原稿入稿とデータ入稿の違い
入稿には、大きく分けて「原稿入稿」と「データ入稿」があります。
| 種類 | 渡すもの | 具体例 |
|---|---|---|
| 原稿入稿 | 文章や写真などの素材 | 著者が出版社へ文章を渡す |
| データ入稿 | 印刷や公開に使うデータ | 完成したチラシのPDFを印刷会社へ送る |
原稿入稿では、受け取った人が文章や画像を配置する場合があります。データ入稿では、配置まで済んだデータを渡すのが一般的です。
ただし、どの段階を「入稿」と呼ぶかは、会社や仕事の進め方によって変わります。
入稿が使われる場面
入稿は、主に印刷、出版、Web制作、広告などの仕事で使われます。
印刷会社へデータを送る場面
チラシ、名刺、ポスターなどを印刷するときは、作成したデータを印刷会社へ送ります。
この作業が入稿です。印刷会社は受け取ったデータを確認し、問題がなければ印刷の準備を進めます。
出版社へ原稿を渡す場面
著者やライターが、書いた文章を出版社や編集者へ渡すことも入稿と呼ばれます。
入稿された原稿は、内容や誤字などの確認を受けます。その後、必要な修正や紙面の作成が進められます。
Web記事を登録する場面
Web制作では、記事の文章や画像をWebサイトへ登録する作業を「入稿」と呼ぶことがあります。
たとえば、作成した記事をCMSへ登録する作業です。CMSとは、専門的な操作をしなくても、Webサイトの記事を登録・更新できる仕組みです。
広告のデータを渡す場面
インターネット広告や雑誌広告では、掲載する文章や画像を広告会社などへ渡します。
この作業も入稿と呼ばれます。広告の場合は、画像の大きさや文字数などの決まりに合わせてデータを作ります。
入稿から印刷までの流れ
一般的な入稿から印刷までの流れは、次のとおりです。
- 文章やデザインを作る
- 内容やデータを確認する
- 印刷会社などへ入稿する
- 受け取った側がデータを確認する
- 必要に応じて内容を直す
- 最終確認を終える
- 印刷や公開を行う
入稿は、作業の終わりではありません。原稿を渡した後に、内容の確認や修正が行われることがあります。
また、入稿日と納品日は同じではありません。入稿日はデータを渡す日、納品日は完成した印刷物などを受け取る日です。
入稿と脱稿の違い
入稿と脱稿の違いは、原稿を書き終えた段階か、原稿を相手へ渡した段階かにあります。
| 言葉 | 意味 | 段階 |
|---|---|---|
| 脱稿 | 原稿を書き終えること | 原稿の作成が終わった段階 |
| 入稿 | 原稿やデータを相手へ渡すこと | 次の担当者へ渡した段階 |
たとえば、本の文章を書き終えた時点が脱稿です。その文章を出版社へ送った時点が入稿です。
「書き終えた」と「相手へ渡した」は別の作業なので、脱稿と入稿が同じ日になるとは限りません。
入稿と似た言葉の違い
入稿の近くでは、出稿、初稿、初校、校了、納品などの言葉が使われます。それぞれが示す作業は異なります。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 入稿 | にゅうこう | 原稿やデータを次の担当者へ渡すこと |
| 出稿 | しゅっこう | 原稿を外へ出すことや、広告を媒体へ出すこと |
| 初稿 | しょこう | 最初に作成した原稿 |
| 初校 | しょこう | 最初に内容を確認するための紙面やデータ |
| 校了 | こうりょう | 内容の確認を終え、印刷などへ進められる状態にすること |
| 納品 | のうひん | 完成した品物やデータを依頼した人へ渡すこと |
入稿と出稿の違い
入稿と出稿は、原稿を見る立場や使われる場面が異なります。
入稿は、原稿やデータを次の担当者へ渡すときに使われます。一方の出稿は、新聞や雑誌、Webサイトなどへ広告を出す場面でも使われます。
同じ原稿の受け渡しでも、渡す側が「出稿」、受け取る側が「入稿」と表す場合があります。ただし、実際の仕事では使い方が統一されていないこともあります。
入稿と初稿の違い
初稿とは、最初に作成した原稿のことです。入稿は、原稿を相手へ渡す作業を指します。
初稿を編集者へ入稿し、確認後に内容を直すという流れもあります。「初稿」は原稿の状態、「入稿」は原稿を渡す行動です。
初稿と初校の違い
初稿と初校は、どちらも「しょこう」と読みますが、意味が異なります。
初稿は最初に作った原稿です。初校は、文章などを紙面に配置した後、最初に内容を確認するための紙やデータを指します。
入稿と校了の違い
入稿は、原稿やデータを相手へ渡すことです。校了は、内容の確認と修正が終わり、印刷などへ進められる状態にすることです。
一般的には、入稿した後に確認や修正が行われ、その作業を終えた段階で校了となります。
入稿と入校の違い
入稿と入校は、どちらも「にゅうこう」と読みます。
入稿は、原稿やデータを渡すことです。入校は、学校などに入ることを表します。
入稿の使い方と例文
入稿は、原稿やデータを渡す場面だけでなく、受け取る側が到着を確認する場面でも使われます。
- 完成したチラシのデータを印刷会社へ入稿しました。
- 記事の原稿は、金曜日までに入稿する予定です。
- お客様から入稿されたデータを確認します。
- 入稿前に、文章と画像をもう一度確認しました。
- Webサイトへ掲載する記事を入稿します。
「データを入稿する」は広く使われています。ただし、「入稿を送る」よりも「原稿を送る」「データを入稿する」と表す方が意味を伝えやすくなります。
入稿前に確認したいこと
入稿に必要な決まりは、印刷会社や依頼先によって異なります。まずは、相手から示された案内を確認します。
一般的には、次の項目を確認します。
- 文章や数字に間違いがないか
- 必要な画像が入っているか
- 指定されたファイル形式になっているか
- ファイル名が分かりやすいか
- 送るデータを間違えていないか
- 提出する日や送信方法が合っているか
入稿後に相手が内容を確認してくれる場合でも、文章の正しさまで保証されるとは限りません。作成した側でも、送る前に内容を確認しておくことが大切です。
入稿で初心者が間違えやすい点
入稿は完成品を受け取ることではない
入稿は、完成した印刷物を受け取ることではありません。印刷などに使う原稿やデータを渡すことです。
完成した印刷物やデータを依頼した人へ渡すことは、一般に「納品」といいます。
入稿すればすぐに印刷されるとは限らない
入稿後には、データの確認や内容の修正が行われることがあります。
そのため、入稿日と印刷日、納品日は分けて考えます。
入稿の意味は立場によって変わる
原稿を作った人は、相手へ原稿を渡す意味で「入稿する」といいます。
一方、出版社や印刷会社は、原稿を受け取る意味で「入稿があった」「入稿を待つ」と表すことがあります。前後の文章から、どちらの立場なのかを確かめると理解しやすくなります。
入稿についてよくある質問
入稿とは提出することですか?
入稿は、原稿やデータを提出することの一つです。
ただし、主に印刷、出版、Web制作、広告などで使われます。学校や役所などへの一般的な書類提出を、入稿と呼ぶことは多くありません。
メールで原稿を送ることも入稿ですか?
相手がメールでの受け付けを指定している場合は、メールで原稿やデータを送ることも入稿に当たります。
専用の送信画面やファイル共有サービスなど、別の方法が指定される場合もあります。
PDFでなければ入稿できませんか?
必ずPDFでなければならないわけではありません。
使えるファイル形式は、依頼先や作るものによって異なります。入稿先が示している形式を確認してください。
入稿した後でも修正できますか?
入稿後に修正できるかどうかは、作業の進み具合や依頼先によって異なります。
確認作業中であれば差し替えられる場合もあります。すでに印刷や公開の作業が始まっている場合は、差し替えられないこともあります。
入稿と納品は何が違いますか?
入稿は、印刷や公開に使う原稿を渡すことです。納品は、完成した印刷物やデータを依頼した人へ渡すことです。
入稿の後に確認や制作が行われ、その後に納品されるのが一般的な流れです。
まとめ|入稿とは原稿やデータを次の担当者へ渡すこと
入稿とは、作成した文章や画像などの原稿を、印刷会社や次の作業をする人へ渡すことです。読み方は「にゅうこう」です。
脱稿は原稿を書き終えること、入稿は原稿を相手へ渡すことを指します。出稿、初稿、校了、納品も意味が異なるため、どの段階を表しているのかで考えると分かりやすくなります。
入稿に必要なファイル形式や方法は、依頼先によって異なります。実際に原稿やデータを送るときは、相手が示している案内を確認しましょう。
