ポート番号とは、インターネットなどの通信で、データをどのソフトに届けるか見分けるための番号です。
たとえば、Webサイトで使われる代表的なポート番号には、HTTPの80番とHTTPSの443番があります。この記事では、ポート番号の意味や仕組み、IPアドレスとの違い、よく使われる番号を初心者向けに解説します。
関連するIT用語・ビジネス用語をまとめて確認したい方は、IT用語・ビジネス用語一覧もあわせてご覧ください。
ポート番号とは?通信の窓口を示す番号
かんたんに言うと、ポート番号は「コンピューターの中にある通信の窓口番号」です。
1台のコンピューターでは、Webサイトの表示、メールの送受信、ファイルの受け渡しなど、複数の通信がおこなわれます。ポート番号があることで、受け取ったデータを目的のソフトへ正しく届けられます。
建物の住所と部屋番号で考える
ポート番号は、建物の部屋番号に例えられます。建物の住所だけでは、荷物をどの部屋へ届ければよいのか分かりません。
住所に加えて部屋番号があれば、届け先を細かく指定できます。インターネット通信では、IPアドレスがコンピューターの住所、ポート番号がソフトごとの窓口番号に当たります。
ただし、実際のポート番号は、USB端子やLAN端子のような物理的な差し込み口ではありません。通信を分けるために、コンピューターの中で使われる番号です。
ポート番号が必要な理由
コンピューターは、同じ時間にさまざまな通信を処理しています。Webサイトのデータとメールのデータが同時に届くこともあります。
ポート番号がなければ、受け取ったデータをどのソフトへ渡せばよいのか判断できません。番号を使って窓口を分けることで、複数の通信を整理できます。
たとえば、Webサイトの暗号化された通信には、一般に443番が使われます。メールの送信には587番、時刻合わせには123番など、目的ごとに代表的な番号があります。
IPアドレスとポート番号の違い
IPアドレスとポート番号は、どちらも通信先を指定するときに使われます。ただし、指定する範囲が異なります。
| 項目 | 示すもの | 身近な例え |
|---|---|---|
| IPアドレス | 通信先のコンピューターや機器 | 建物の住所 |
| ポート番号 | コンピューター内のソフトやサービス | 部屋番号や受付番号 |
IPアドレスだけでは、データを届けるコンピューターまでは分かっても、その中のどのソフトへ渡すのかは分かりません。そこで、ポート番号を組み合わせて届け先を細かく指定します。
ポート番号を使って通信する仕組み
HTTPSに対応したWebサイトを開く場合は、次のような流れで通信します。HTTPSとは、通信内容を読み取られにくい形にして送るWebの仕組みです。
- ブラウザーがWebサイトのIPアドレスを確認する
- ブラウザーがIPアドレスと443番を指定してデータを送る
- サーバーの443番で待っているソフトがデータを受け取る
- サーバーがブラウザーへWebサイトのデータを返す
サーバーとは、Webサイトのデータなどを保存し、求められた情報を送り返すコンピューターです。
通信では、送り先のポート番号だけでなく、送り元のポート番号も使います。ブラウザー側には一時的な番号が自動で割り当てられ、サーバーはその番号を目印にして返事を送ります。
ポート番号の範囲は0番から65535番まで
ポート番号には、0番から65535番までの範囲があります。用途に応じて、大きく3つに分けられています。
| 種類 | 番号の範囲 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| システムポート | 0~1023 | Webやメールなど、広く知られた通信に使われる |
| ユーザーポート | 1024~49151 | ソフトやサービスが登録して使う |
| 動的・プライベートポート | 49152~65535 | 一時的な通信や独自の用途で使う |
システムポートは「ウェルノウンポート」と呼ばれることもあります。ウェルノウンとは「広く知られている」という意味です。
0番は範囲に含まれていますが、予約された番号です。通常のサービス用としては使われません。
よく使われるポート番号一覧
ポート番号は数多くありますが、すべてを覚える必要はありません。まずは、Webサイトやメールなどでよく使われる番号を知っておけば十分です。
| ポート番号 | 名前 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 20 | FTP | ファイルのデータを送る |
| 21 | FTP | ファイル転送の操作をおこなう |
| 22 | SSH | 離れたコンピューターを安全に操作する |
| 25 | SMTP | 主にメールサーバー同士でメールを送る |
| 53 | DNS | ドメイン名からIPアドレスを調べる |
| 67・68 | DHCP | IPアドレスなどの設定を自動で配る |
| 80 | HTTP | 通常のWebサイトを表示する |
| 110 | POP3 | メールを端末へ受信する |
| 123 | NTP | コンピューターの時刻を合わせる |
| 143 | IMAP | メールをサーバー上で管理しながら読む |
| 389 | LDAP | 利用者や機器などの登録情報を調べる |
| 443 | HTTPS | 内容を暗号化してWebサイトを表示する |
| 445 | SMB | 主にWindowsでファイルなどを共有する |
| 465 | メール送信 | 初めから暗号化した接続でメールを送る |
| 587 | メール送信 | メールソフトからメールサーバーへ送る |
| 636 | LDAPS | 内容を暗号化して登録情報を調べる |
| 993 | IMAPS | 暗号化した接続でメールを管理する |
| 995 | POP3S | 暗号化した接続でメールを受信する |
| 1433 | SQL Server | データベースへ接続する |
| 1521 | Oracle Database | データベースへ接続する |
| 3306 | MySQL | データベースへ接続する |
| 3389 | リモートデスクトップ | 離れたWindowsパソコンを操作する |
| 5432 | PostgreSQL | データベースへ接続する |
| 8080 | HTTPの代替 | 80番の代わりにWeb通信で使われることがある |
この一覧は、代表的な使われ方を示したものです。ソフトやサーバーの設定によっては、別の番号が使われることもあります。
HTTPとHTTPSのポート番号は80番と443番
Webサイトで特によく使われるポート番号は、HTTPの80番とHTTPSの443番です。
| 通信 | 標準のポート番号 | 特徴 |
|---|---|---|
| HTTP | 80 | 通常のWeb通信 |
| HTTPS | 443 | 内容を暗号化したWeb通信 |
URLが「https://」から始まる場合、ブラウザーは通常、443番を使います。標準の番号を使うときは、URLにポート番号が表示されません。
標準とは異なる番号を使う場合は、https://example.com:8443/のように、ドメイン名の後ろへ「:番号」を付けることがあります。
8080番は何に使われる?
8080番は、HTTPの80番に代わる番号として使われることがあります。開発中のWebサイトや、社内向けの画面などで見かける番号です。
ただし、8080番を使えば必ずHTTPになるわけではありません。実際の用途は、ソフトやサーバーの設定によって決まります。
TCP・UDPとポート番号の関係
ポート番号は、主にTCPとUDPという2つの通信方式で使われます。通信方式とは、データをどのような手順で送るかを決めたルールです。
TCPとは
TCPは、データが届いたかを確認しながら通信する方式です。Webサイトの表示、メール、ファイル転送などで広く使われています。
UDPとは
UDPは、確認の手順を少なくして、すばやくデータを送る方式です。時刻合わせや音声、映像などの通信で使われます。
TCPとUDPでは、同じポート番号を別々に扱えます。たとえば、DNSの53番はTCPとUDPの両方で使われます。
ポート番号とUSB・LANポートの違い
「ポート」という言葉は、パソコンにあるUSB端子やLAN端子を指す場合もあります。しかし、ポート番号のポートとは意味が異なります。
| 種類 | 意味 |
|---|---|
| USBポート・LANポート | ケーブルや機器を接続する物理的な差し込み口 |
| ポート番号 | 通信先のソフトを見分けるための番号 |
ポート番号には、目に見える差し込み口はありません。コンピューターの中で、通信を整理するために使われます。
ポート番号で初心者が間違えやすい点
- パソコンに一つだけある番号ではない
通信するソフトや接続先ごとに、複数のポート番号が使われます。 - 番号と用途が必ず一致するとは限らない
代表的な用途は決まっていますが、設定によって別の番号を使う場合があります。 - ポート番号だけで通信内容は判断できない
同じ番号が使われていても、登録された用途とは異なる通信の場合があります。 - ポート番号とポートを開く操作は別のもの
ポート番号は窓口を示す番号です。通信を受け付けるかどうかは、機器やソフトの設定で決まります。 - すべての番号を暗記する必要はない
80番や443番など、よく使う番号から覚えると理解しやすくなります。
ポート番号に関するよくある質問
ポート番号はなぜ65535番までなのですか?
ポート番号は、コンピューターが0と1で表す16桁分の情報を使って管理します。16桁分では65536通りを表せます。
番号は0から始まるため、最も大きな番号が65535になります。
443番は何のポート番号ですか?
443番は、HTTPSで使われる標準のポート番号です。HTTPSは、通信内容を暗号化してWebサイトを表示する仕組みです。
80番と443番の違いは何ですか?
80番はHTTP、443番はHTTPSで使われます。主な違いは、通信内容を暗号化する仕組みがあるかどうかです。
自分のポート番号はどこで確認できますか?
ポート番号は一つではないため、何の番号を調べたいのかによって確認方法が変わります。Webサイトの接続先、メールの設定、自分のパソコンで使用中の通信では、それぞれ見る場所が異なります。
Webサイトでは標準の80番や443番が省略されることがあります。使用中の通信は、パソコンの通信状態を表示する機能やコマンドで確認できます。
ポート番号は覚えた方がよいですか?
すべて覚える必要はありません。まずは、HTTPの80番、HTTPSの443番、SSHの22番、DNSの53番などを知っておくとよいでしょう。
ポート番号とは、通信先を正しく分けるための番号
ポート番号とは、インターネットなどの通信で、データをどのソフトへ届けるか見分けるための番号です。IPアドレスがコンピューターを示し、ポート番号がその中の通信窓口を示します。
- ポート番号の範囲は0番から65535番まで
- HTTPは80番、HTTPSは443番が標準
- IPアドレスはコンピューター、ポート番号はソフトを見分ける
- TCPとUDPでは、同じ番号を別々に扱える
- USB端子やLAN端子とは異なり、目に見えない番号である
ポート番号の役割が分かると、Webサイトやメールなどのデータが、どのように目的のソフトへ届くのか理解しやすくなります。
