尊敬語とは、相手や話題に出ている人を高めて、敬う気持ちを表す言葉です。たとえば、「先生が言う」を「先生がおっしゃる」にすると、先生への敬意を表せます。
尊敬語は、学校だけでなく、仕事や日常生活でも使われます。この記事では、尊敬語の意味や作り方、よく使う言葉を初心者向けに分かりやすく解説します。
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尊敬語とは
尊敬語とは、相手の動作や状態を高めて表す敬語です。敬語とは、相手への敬意や、あらたまった気持ちを表す言葉を指します。
尊敬語を使うときは、「誰の動作なのか」に注目しましょう。上司、先生、お客様など、敬意を表したい人の動作に使います。
- 先生が言う → 先生がおっしゃる
- お客様が来る → お客様がいらっしゃる
- 部長が資料を見る → 部長が資料をご覧になる
このように、動作をする人を高めるのが尊敬語です。自分の動作には、基本的に使いません。
尊敬語を身近な例で考えてみよう
尊敬語は、相手の名前を一段高い場所に置いて話すようなものです。ただし、実際に立場の上下を決めるという意味ではありません。
たとえば、先生が教室に来たときに「先生が来た」と言うこともできます。これを「先生がいらっしゃった」と言い換えると、先生を敬う気持ちが伝わります。
尊敬語は、言葉を使って相手への敬意を表す方法です。相手を大切にしていることを、話し方で示せます。
尊敬語が使われる場面
尊敬語は、相手への礼儀を示したい場面で使われます。代表的なのは、仕事、学校、接客などです。
上司や先輩と話すとき
会社では、上司や先輩の動作を表すときに尊敬語を使います。
たとえば、「部長はこの資料を見ましたか」は、「部長はこの資料をご覧になりましたか」と言い換えられます。
お客様に対応するとき
店や会社でお客様に対応するときも、尊敬語がよく使われます。
「少し待ってください」は、「少々お待ちください」とすると、丁寧で落ち着いた伝え方になります。
先生や目上の人について話すとき
学校では、先生や目上の人の行動について話すときに使います。
「先生が話しました」は、「先生がお話しになりました」または「先生がおっしゃいました」と表せます。
尊敬語の作り方
尊敬語の作り方には、大きく分けて3つの形があります。言葉によって自然な形が異なるため、例文と一緒に覚えると分かりやすくなります。
「お・ご+動詞+になる」の形
動詞の前に「お」や「ご」を付け、後ろに「になる」を付ける方法です。
- 読む → お読みになる
- 帰る → お帰りになる
- 使う → お使いになる
- 出席する → ご出席になる
- 利用する → ご利用になる
一般に、和語と呼ばれる昔からある日本語には「お」を付けます。漢字を音読みする言葉には「ご」を付けることが多いですが、例外もあります。
「れる・られる」を付ける形
動詞に「れる」や「られる」を付けて、尊敬語にする方法もあります。
- 先生が話す → 先生が話される
- 部長が帰る → 部長が帰られる
- 社長が説明する → 社長が説明される
この形は、受け身の表現と同じ形になることがあります。意味が分かりにくい場合は、「お話しになる」などの形を使うと伝わりやすくなります。
尊敬語だけの特別な言葉に変える形
「言う」を「おっしゃる」に変えるように、言葉そのものが変わる尊敬語があります。
仕事や日常生活でよく使うため、代表的な言葉から覚えておきましょう。
よく使う尊敬語の一覧
| 普通の言い方 | 尊敬語 | 例文 |
|---|---|---|
| する | なさる | 部長が確認なさいます。 |
| 言う | おっしゃる | 先生がおっしゃいました。 |
| 見る | ご覧になる | 社長が資料をご覧になります。 |
| 行く | いらっしゃる・おいでになる | 部長が会場へいらっしゃいます。 |
| 来る | いらっしゃる・お見えになる | お客様がお見えになりました。 |
| いる | いらっしゃる | 先生は職員室にいらっしゃいます。 |
| 食べる | 召し上がる | 先生が昼食を召し上がります。 |
| 飲む | 召し上がる | 社長がコーヒーを召し上がりました。 |
| 知っている | ご存じだ | 部長は予定をご存じです。 |
| くれる | くださる | 先生が本をくださいました。 |
| 読む | お読みになる | 部長が報告書をお読みになります。 |
| 会う | お会いになる | 社長がお客様にお会いになります。 |
| 寝る | お休みになる | 先生はすでにお休みになりました。 |
同じ言葉でも、前後の文章によって自然な言い方が変わります。一覧をそのまま置き換えるだけでなく、「誰の動作か」も確認しましょう。
尊敬語の使い方が分かる例文
ここでは、学校、仕事、接客の場面に分けて尊敬語の例文を紹介します。
学校で使う尊敬語の例文
- 先生は、明日の予定について何とおっしゃっていましたか。
- 校長先生が体育館へいらっしゃいます。
- 先生は、この作文をもうお読みになりました。
仕事で使う尊敬語の例文
- 部長は会議にご出席になります。
- 社長は新しい計画をご存じです。
- 課長が資料をご覧になっています。
お客様に使う尊敬語の例文
- こちらの申込書をご覧ください。
- どちらの商品をお使いになりますか。
- 田中様が先ほどお見えになりました。
尊敬語と謙譲語の違い
尊敬語と謙譲語の違いは、「誰の動作を表しているか」です。尊敬語は相手の動作に使い、謙譲語は自分や自分側の人の動作に使います。
| 種類 | 誰の動作に使うか | 表し方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手や目上の人 | 相手を高める | 先生がおっしゃる |
| 謙譲語 | 自分や自分側の人 | 自分側を低くして相手を敬う | 私が申し上げる |
「言う」を例にすると、相手が言う場合は「おっしゃる」です。自分が言う場合は「申し上げる」を使います。
- 先生が言いました → 先生がおっしゃいました
- 私が先生に言いました → 私が先生に申し上げました
「相手なら尊敬語、自分なら謙譲語」と考えると、基本的な違いを見分けやすくなります。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い
敬語は、学校などでは主に「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分けて説明されます。それぞれ役割が異なります。
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手の動作や状態を高める | おっしゃる・ご覧になる |
| 謙譲語 | 自分側を低くして相手を敬う | 申し上げる・拝見する |
| 丁寧語 | 話し方を丁寧にする | です・ます・ございます |
たとえば、「見る」は、誰が見るかによって言葉が変わります。
- 相手が見る:ご覧になる【尊敬語】
- 自分が見る:拝見する【謙譲語】
- 丁寧に言う:見ます【丁寧語】
尊敬語と謙譲語は、動作をする人を見て判断します。丁寧語は、「です」「ます」などを使って文章全体を丁寧にします。
尊敬語の見分け方
尊敬語かどうか迷ったときは、次の順番で考えてみましょう。
- 文章の中で動作をしている人を確認する
- その人が先生、上司、お客様など敬意を表す相手か確認する
- 相手を高める言い方になっているか確認する
「社長が資料をご覧になる」では、資料を見る人は社長です。社長の動作を高めているため、「ご覧になる」は尊敬語です。
一方、「私が資料を拝見する」では、見る人は自分です。自分側の動作を低く表しているため、「拝見する」は謙譲語です。
初心者が間違えやすい尊敬語
自分の動作に尊敬語を使う
尊敬語は、基本的に自分の動作には使いません。「私がご覧になります」という言い方は不自然です。
- 不自然:私が資料をご覧になります。
- 自然:私が資料を拝見します。
尊敬語を重ねて使う
一つの言葉に尊敬語を重ねると、回りくどい表現になることがあります。
- 避けたい例:部長がおっしゃられました。
- 自然な例:部長がおっしゃいました。
- 避けたい例:先生がご覧になられました。
- 自然な例:先生がご覧になりました。
「おっしゃる」や「ご覧になる」には、すでに相手を高める意味があります。さらに「れる」「られる」を付ける必要はありません。
身内や自分の会社の人を高める
社外の人に自分の上司について話すときは、上司を尊敬語で高めないのが基本です。上司であっても、社外の人に対しては自分側の人として扱います。
- 避けたい例:部長の田中がおっしゃっていました。
- 自然な例:部長の田中が申しておりました。
社内で上司本人と話す場合と、社外の人に上司のことを話す場合では、言葉の選び方が変わります。
「です・ます」をすべて尊敬語だと思う
「です」「ます」は、文章を丁寧にする丁寧語です。相手の動作を高める尊敬語とは役割が違います。
- 先生が来ます:丁寧語
- 先生がいらっしゃいます:尊敬語と丁寧語
尊敬語についてよくある質問
尊敬語は誰に使いますか?
上司、先生、お客様、先輩など、敬意を表したい相手に使います。年齢だけでなく、その場での関係や役割に合わせて使います。
「いただく」は尊敬語ですか?
「いただく」は、基本的に謙譲語です。「もらう」や「食べる」を、自分側の動作として低く表します。
相手が食べる場合は、尊敬語の「召し上がる」を使います。
「いらっしゃる」は何の尊敬語ですか?
「いらっしゃる」は、「行く」「来る」「いる」の尊敬語です。前後の文章によって、どの意味で使われているかが決まります。
「お」と「ご」はどのように使い分けますか?
「お読みになる」「お帰りになる」のように、昔からある日本語には「お」を付けることが多くあります。「ご利用になる」「ご出席になる」のように、漢字を音読みする言葉には「ご」を付けることが多いです。
ただし、「お電話」「ごゆっくり」などの例外もあります。実際によく使われる形で覚えるとよいでしょう。
尊敬語とは相手の動作を高めて表す言葉
尊敬語とは、相手や話題に出ている人の動作や状態を高め、敬意を表す言葉です。「言う」を「おっしゃる」、「見る」を「ご覧になる」と表します。
見分けるときは、誰が動作をしているかを確認しましょう。相手の動作には尊敬語、自分側の動作には謙譲語、文章を丁寧にするときは丁寧語を使うのが基本です。
まずは、「する」「言う」「見る」「行く」「来る」「食べる」など、よく使う言葉から覚えていくと使い分けやすくなります。
