踏襲とは、これまでの考え方や進め方を受け継ぎ、大きく変えずに続けることです。読み方は「とうしゅう」です。
仕事では「これまでの方法を踏襲する」「以前のデザインを踏襲する」などと使います。この記事では、踏襲の意味や読み方、使い方、言い換えを初心者向けに解説します。
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踏襲とは?意味を簡単に解説
踏襲とは、以前から使われている方法や考え方を受け継ぎ、同じ流れで続けることです。
仕事の進め方、組織の考え方、商品のデザイン、コンピューターを使った仕組みなどに使われます。
身近な例で考えると
例えば、学校の文化祭を毎年同じ手順で開いているとします。今年も同じ手順で準備する場合は、「これまでの方法を踏襲する」と表せます。
ただし、すべてを完全に同じにする必要はありません。基本的な進め方を受け継ぎ、一部だけ変える場合にも使えます。
仕事やITで使われる踏襲
仕事では、前にその仕事を担当していた人の進め方を受け継ぐことがあります。前に担当していた人を「前任者」といいます。
ITでは、古いシステムの操作方法を、新しいシステムでも使えるようにすることがあります。システムとは、コンピューターを使って仕事やサービスを動かす仕組みのことです。
このような場合は、「新しいシステムでも、これまでの操作方法を踏襲する」と表せます。
踏襲は悪い意味の言葉ではない
踏襲は、必ずしも悪い意味の言葉ではありません。うまくいっている方法を受け継ぐ場合にも使われます。
一方で、問題がある方法を理由もなく続ける場合は、悪い意味で使われることがあります。よい意味か悪い意味かは、前後の内容で決まります。
踏襲の読み方は「とうしゅう」
踏襲の読み方は「とうしゅう」です。「踏」を「とう」、「襲」を「しゅう」と読みます。
日常会話ではあまり使わないため、読み間違えやすい言葉です。
「しゅうとう」や「ふしゅう」ではない
踏襲を「しゅうとう」や「ふしゅう」と読むのは誤りです。「とうしゅう」と覚えましょう。
「周到」という似た音の言葉もあります。周到は「しゅうとう」と読み、細かな部分まで注意が行き届いていることを表します。
「踏襲する」とは?使い方を解説
踏襲は、多くの場合「踏襲する」という形で使います。受け継ぐものには、考え方、進め方、決まり、デザインなどが入ります。
考え方や方針を踏襲する
方針とは、仕事を進めるときの基本的な考え方です。
- 新しい責任者も、これまでの方針を踏襲します。
- 前任者の考え方を踏襲し、利用者への対応を続けます。
- 基本方針を踏襲しながら、一部の手順を見直します。
「方針を踏襲する」は、会社や団体の考え方を引き続き使うときに使われます。
方法や手順を踏襲する
- 前年の作業手順を踏襲して、準備を進めます。
- 新しいシステムでも、現在の操作方法を踏襲します。
- これまでの仕事の進め方を踏襲しながら、作業時間を短くします。
方法や手順を踏襲する場合も、細かな部分まで同じにするとは限りません。大切な部分を残し、必要な部分だけ変えることもあります。
デザインを踏襲する
- 新しいWebサイトは、以前のデザインを踏襲しています。
- 旧モデルのデザインを踏襲した新商品です。
- これまでの色や配置を踏襲し、使いやすさを高めました。
デザインを踏襲するとは、色、形、文字の配置、全体の雰囲気などを受け継ぐことです。以前のデザインをそのままコピーするという意味ではありません。
ビジネスで使える例文
- 基本的な進め方は、これまでの方法を踏襲します。
- 前回の資料と同じ構成を踏襲してください。
- 現在の仕事の進め方を踏襲しながら、作業を簡単にします。
- これまでの方針を踏襲する予定です。
- 以前の画面構成を踏襲した設計にします。
踏襲は、「そのまま使う」や「同じように続ける」よりも少し硬い表現です。会議、報告書、説明資料などでよく使われます。
前例踏襲とは
前例踏襲とは、以前に行われた方法や決まりを受け継ぎ、同じように進めることです。
前例とは、過去に行われた例のことです。「これまでもこの方法だったため、今回も同じ方法にする」という考え方を表します。
前例踏襲の具体例
例えば、毎年同じ形の申請書を使っているとします。今年も同じ申請書を使う場合は、前例踏襲の一例です。
会社、学校、役所など、決められた手順が多い場所で使われることがあります。
前例踏襲のよい点
- 過去に使った方法なので進めやすい
- 手順を一から考える必要がない
- 担当者が変わっても同じ進め方を続けやすい
- 準備にかかる時間を減らしやすい
問題なく使われている方法であれば、前例を受け継ぐことには意味があります。慣れた方法を使うことで、仕事を進めやすくなる場合もあります。
前例踏襲で気を付けたい点
- 古い方法が残り続けることがある
- 変えた方がよい部分に気付きにくい
- 新しい方法を取り入れにくくなることがある
- その方法を続ける理由が分からなくなることがある
前例を受け継ぐこと自体が悪いわけではありません。「なぜこの方法を続けるのか」を確認することが大切です。
踏襲の言い換えと似た意味の言葉
踏襲は、相手や文章に合わせて、より簡単な言葉に言い換えられます。意味が似ている言葉を「類語」といいます。
受け継ぐ
前の人が使っていた考え方や方法を引き受けることです。踏襲に近く、日常会話でも使いやすい言葉です。
例:前任者の考え方を受け継ぎます。
引き継ぐ
仕事、役割、情報などを次の人へ渡すことです。人から人へ仕事を渡す場面でよく使います。
例:前任者から仕事を引き継ぎました。
継承する
継承は「けいしょう」と読みます。技術、文化、考え方などを次の人や次の世代へ受け渡すことです。
例:長年使われてきた技術を継承します。
同じ方法にならう
すでにある方法を参考にして、同じように進めることです。「前回と同じ形にする」と言い換えることもできます。
例:前回の資料と同じ形で作成します。
踏襲と反対に近い意味の言葉
反対の意味を持つ言葉を「対義語」といいます。踏襲の反対に近い言葉には、「変更する」「刷新する」「改革する」などがあります。
変更する
今までの内容を別の内容に変えることです。小さな修正から大きな変更まで、幅広く使えます。
例:これまでの作業手順を変更します。
刷新する
刷新は「さっしん」と読みます。古い仕組みや方法を見直し、新しく作り直すことです。
例:古い管理方法を刷新します。
改革する
改革とは、問題を直すために、仕組みや決まりを大きく変えることです。会社や社会の仕組みを変える場面でよく使われます。
例:仕事の進め方を改革します。
踏襲と似た言葉の違い
踏襲には、継承、流用、模倣などの似た言葉があります。ただし、何をどのように受け継ぐかが異なります。
| 言葉 | 読み方 | 主な意味 |
|---|---|---|
| 踏襲 | とうしゅう | 以前の方法や考え方を受け継ぐ |
| 継承 | けいしょう | 技術や文化などを次へ受け渡す |
| 流用 | りゅうよう | 別の目的で使っていたものを使い回す |
| 模倣 | もほう | ほかのものをまねる |
踏襲と継承の違い
踏襲は、これまでの方法や考え方を受け継ぎ、同じように続けることです。
継承は、技術、文化、役割などを次の人へ受け渡すことです。踏襲よりも、受け継ぐ行為を広く表します。
踏襲と流用の違い
流用は「りゅうよう」と読みます。ある目的で作ったものを、別の目的にも使うことです。
以前の資料の一部を別の資料に使う場合は「流用」です。以前の資料と同じ考え方や構成で作る場合は「踏襲」が適しています。
踏襲と模倣の違い
模倣は「もほう」と読み、ほかの人や物をまねることです。見た目や行動を似せる場合に使われます。
踏襲は、過去の方法や考え方を受け継ぐことです。単にまねるだけでなく、その考え方を引き続き使う意味を含みます。
踏襲を英語で表すと
踏襲は、英語では使う場面に応じて「follow」などで表します。「follow」には、方法や考え方に従うという意味があります。
例えば、「以前の方針を踏襲する」は「follow the previous policy」と表せます。
ただし、日本語の踏襲と完全に同じ意味になるとは限りません。英語では、何を受け継ぐのかに合わせて表現を選びます。
踏襲で初心者が間違えやすい点
すべてを完全に同じにするとは限らない
踏襲は、以前のものを完全にコピーするという意味ではありません。基本的な考え方を残し、一部を変える場合にも使えます。
「以前のデザインを踏襲しながら、文字を大きくする」といった使い方もできます。
引き継ぎと同じ意味ではない
引き継ぎは、仕事や情報を別の人へ渡すことです。踏襲は、以前の方法や考え方を受け継いで続けることです。
仕事を引き継いでも、前の進め方を踏襲しない場合があります。
「前と同じだから」という理由だけで使わない
以前の方法を踏襲するときは、その方法を続ける理由を確認することが大切です。
よい部分は残し、使いにくい部分は見直すと、よりよい方法にできます。
踏襲についてよくある質問
踏襲には悪い意味がありますか?
踏襲そのものに、悪い意味はありません。うまくいっている方法を受け継ぐ場合にも使われます。
ただし、古い方法を理由もなく続ける場面では、悪い意味で使われることがあります。
踏襲と前例踏襲は何が違いますか?
踏襲は、方法や考え方を受け継ぐことです。前例踏襲は、特に過去に行われた方法や事例を受け継ぐことを表します。
前例踏襲には、「以前も同じだったため、今回も同じにする」という意味が強く含まれます。
「踏襲させていただく」は正しい使い方ですか?
「踏襲させていただきます」という表現は使えます。ただし、場面によっては丁寧すぎることがあります。
通常は「踏襲します」や「踏襲いたします」の方が、短く分かりやすい表現です。
「踏襲しつつ」とはどういう意味ですか?
「踏襲しつつ」とは、これまでの方法を受け継ぎながら、別のことも行うという意味です。
例えば、「以前のデザインを踏襲しつつ、操作しやすくする」と使います。
踏襲とは何かを簡単にまとめると
踏襲とは、これまでの考え方や進め方を受け継ぎ、大きく変えずに続けることです。読み方は「とうしゅう」です。
仕事では、方針、手順、デザイン、システムの操作方法などを受け継ぐ場面で使われます。「これまでの方法を踏襲する」「以前のデザインを踏襲する」などが代表的な使い方です。
踏襲は、必ずしも悪い意味ではありません。以前の方法を続ける理由を確認し、必要な部分だけ見直すことが大切です。

