1on1とは、かんたんに言うと「上司と部下が1対1で話す時間」のことです。
「ワンオンワン」と読みます。職場では「1on1ミーティング」と呼ばれることもあります。
1on1では、上司が仕事の指示を出すだけではありません。部下が困っていることや、今後やりたいことなどを話します。
たとえば、学校の先生と生徒が、周りにほかの人がいない場所で二人だけで話す場面を考えてみてください。大勢の前では言いにくい悩みでも、1対1なら話しやすくなることがあります。
職場で行う1on1も、これに近いものです。ただし、先生が生徒を指導する場ではなく、上司と部下がお互いの考えを確認するために行います。
この記事では、仕事で行う1on1とは何か、目的や話すこと、面談との違い、進め方を初心者向けに解説します。
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1on1とは?上司と部下が1対1で話す時間
1on1とは、上司と部下が1対1で、定期的に話す取り組みです。定期的とは、毎週や毎月など、ある程度決まった間隔で行うことです。
「1on1」と「1on1ミーティング」は、職場ではほぼ同じ意味で使われます。ミーティングとは、仕事について話し合う場のことです。
1on1では、部下が感じている悩みや不安、仕事への考え、今後の希望などを話します。上司は話を聞きながら、どのような手助けが必要かを考えます。
ただし、1on1の目的や進め方には、すべての会社に共通する決まりがあるわけではありません。会社やチームによって、行う回数や話す内容は異なります。
1on1は部下の話を聞くことが中心
1on1は、上司が一方的に指示を出す時間ではありません。一般的には、部下が話す時間を多めにします。
上司は質問をしながら、部下が自分の考えを整理できるように手助けします。すぐに答えを出すのではなく、まず話を聞くことが大切です。
ただし、必要に応じて上司が仕事の進め方を教えたり、助言したりすることもあります。
1on1はどのような場面で行われる?
1on1は、会社や団体などの職場で行われます。上司と部下だけでなく、先輩と後輩、チームの責任者とメンバーが行う場合もあります。
同じ部屋で直接話すこともあれば、ビデオ通話を使うこともあります。ビデオ通話とは、パソコンやスマートフォンの画面に相手の顔を映しながら話す方法です。
1on1を行う目的
1on1の主な目的は、部下の考えや困りごとを知り、仕事を進めやすくすることです。
上司が部下の状況を知ることで、仕事の分け方や手伝い方を見直しやすくなります。
ただし、会社によっては、人材育成や働きやすさの確認など、別の目的を重視することもあります。
仕事で困っていることを早めに知るため
仕事で小さな困りごとがあっても、普段の会話では言い出せないことがあります。
1on1の時間を決めておけば、部下が相談するきっかけを作れます。問題が大きくなる前に対応できることもあります。
目標や今後の希望を確認するため
部下が今後どのような仕事をしたいのか、どのような力を身に付けたいのかを確認します。
上司と部下がお互いの考えを確認できれば、部下に任せる仕事も考えやすくなります。
安心して相談できる関係を作るため
普段から話す機会が少ないと、お互いの考えが分からないまま仕事を進めることがあります。
定期的に話すことで、安心して相談したり、意見を伝えたりしやすい関係を作れます。
ただし、1回話しただけですぐに信頼できる関係になるわけではありません。短い会話でも、続けることが大切です。
働きやすい環境を作るため
仕事の量、人間関係、職場の決まりなどに困っている人もいます。
1on1で話を聞くことで、働きにくさの原因に気付ける場合があります。必要に応じて、仕事の進め方や、誰が何を担当するかを見直します。
1on1と面談の違い
1on1と面談は、どちらも1対1で話す点では似ています。ただし、目的や話す内容が異なることがあります。
| 比べる項目 | 1on1 | 一般的な面談 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 部下の考えや悩みを知る | 評価や連絡、状況の確認を行う |
| 中心に話す人 | 部下が中心になることが多い | 上司が中心になることもある |
| 行う回数 | 決まった間隔で行うことが多い | 必要な時期に行うことが多い |
| 主な内容 | 悩み、目標、希望、成長 | 評価、連絡、説明、確認 |
上の表は、一般的な違いをまとめたものです。実際の進め方は、会社によって異なる場合があります。
1on1と評価面談の違い
評価面談は、仕事の成果や行動を確認し、評価について説明する場です。
一方、1on1は評価を伝えることが主な目的ではありません。部下の考えを聞き、仕事や成長を手助けすることを重視します。
ただし、会社によっては、1on1の中で目標や仕事の成果について話すこともあります。
1on1と個人面談の違い
個人面談とは、二人で行う面談を広く指す言葉です。学校の進路面談や、職場の人事面談なども個人面談に含まれます。
1on1も個人面談の一つと考えられます。ただし、決まった間隔で何度も話すことを大切にしている点が特徴です。
1on1と業務報告の違い
業務報告とは、仕事の進み具合や結果を伝えることです。
1on1でも仕事の進み具合を話すことはありますが、報告だけで終わらせません。困っていることや今後の希望なども話します。
1on1とコーチングの違い
コーチングとは、質問を通して、相手が自分で考えたり、答えを見つけたりする手助けをする方法です。
1on1の中で、コーチングのような質問の仕方を使うことはあります。ただし、1on1そのものが必ずコーチングになるわけではありません。
1on1では、必要に応じて仕事のやり方を教えたり、悩みについて助言したりすることもあります。
1on1では何を話す?テーマと具体例
1on1で話すことに、決まった正解はありません。仕事に関する内容であれば、小さな相談でも問題ありません。
何を話せばよいか迷う場合は、次のテーマから選ぶと始めやすくなります。
最近の仕事で困っていること
- 仕事の進め方が分からない
- 作業量が多く、時間が足りない
- 周りの人に質問しにくい
- 指示の意味が分からない
上司はすぐに結論を出すのではなく、どの部分で困っているのかを確認します。
うまくいったことや成長したこと
- 苦手だった作業ができるようになった
- お客さまから感謝された
- 予定より早く仕事を終えられた
- 新しい方法を試してうまくいった
失敗や悩みだけでなく、うまくいったことも話します。成功した理由を考えることで、次の仕事にも生かせます。
今後挑戦してみたい仕事
- 新しい仕事を担当したい
- 人に教える仕事を経験したい
- 資格の勉強をしたい
- 別の分野の仕事も知りたい
上司が希望を知っていれば、仕事を任せるときの参考にできます。
職場の人間関係や働き方
- 相談できる人がいない
- 仕事の分け方に偏りを感じる
- 会議が多く、作業時間が足りない
- 自宅で働くときに困ることがある
話しにくい内容を無理に聞く必要はありません。部下が話せる範囲で確認します。
部下から話を切り出すときの具体例
部下側は、次のような伝え方をすると話しやすくなります。
- 「今の仕事で確認したいことがあります」
- 「どの仕事から先に進めるべきか相談したいです」
- 「今後、挑戦してみたい仕事があります」
- 「最近うまくいったことを共有したいです」
- 「仕事の進め方で少し困っています」
1on1の進め方
1on1は、決まった流れで行うと進めやすくなります。
ここでは、初めて行う人でも分かりやすい基本的な流れを紹介します。
事前に話したい内容を決める
1on1の前に、話したいことを一つか二つ考えておきます。
長い資料を作る必要はありません。メモに短く書いておくだけでも十分です。
最初に話しやすい雰囲気を作る
いきなり重い話題から始めると、緊張することがあります。
「最近どうですか」「今週は忙しかったですか」など、答えやすい質問から始めます。
部下の話を中心に聞く
上司は、途中で話をさえぎらずに聞きます。
内容が分かりにくい場合は、「もう少し詳しく教えてください」と確認します。最初から否定しないことが大切です。
必要な手助けを一緒に考える
困りごとが分かったら、どのような対応ができるかを考えます。
上司がすべて決めるのではなく、部下がどうしたいのかも確認します。
次に行うことを確認する
話しただけで終わると、仕事の改善につながりにくくなります。
「上司が確認すること」「部下が試すこと」など、次に行うことを決めます。
必要な内容だけを記録する
次回確認したい内容は、短くメモしておくと便利です。
ただし、個人的な悩みを細かく書き残す必要はありません。何のために記録するのか、誰が見るのかを事前に決めておきます。
1on1を行う頻度と時間
1on1の頻度や時間に、すべての職場で使える正解はありません。
仕事の内容や人数に合わせて、続けやすい方法を選びます。
毎週・隔週・毎月のどれがよい?
新しい仕事を始めた時期や、変化が多い職場では、毎週や2週間に1回行う方法があります。
状況が落ち着いている場合は、毎月行う方法もあります。大切なのは、無理なく続けることです。
1回の時間は何分がよい?
1回の時間は、15分から30分ほどで行われることがあります。
短すぎて話せない場合は長くし、毎回時間が余る場合は短くします。時間の長さよりも、落ち着いて話せることが大切です。
直接会う方法とオンラインはどちらがよい?
直接会って話す方法には、相手の表情や様子を確認しやすい利点があります。
オンラインとは、インターネットを使って離れた場所からつながることです。離れた場所でも行いやすい利点があります。
どちらを選ぶ場合も、周りに会話を聞かれにくい環境を用意します。
1on1で話すことがないときの対処法
1on1で話すことがないと感じても、特別な話題を無理に用意する必要はありません。
最近の仕事や、前回から変わったことを振り返ると、話題を見つけやすくなります。
最近困ったことから話す
大きな問題でなくても構いません。
「確認に時間がかかった」「誰に聞けばよいか迷った」など、小さな困りごとから話せます。
前回の1on1から変わったことを話す
前回決めたことを試して、どうだったかを確認します。
変化がなかった場合でも、「特に変化はありません」と伝えて問題ありません。
小さな疑問や相談でもよい
1on1では、重い悩みだけを話す必要はありません。
仕事の進め方、会議、連絡方法、使っている道具など、身近な話題も対象になります。
上司が使える質問例
- 最近、仕事で困っていることはありますか?
- 今の仕事で、やりにくい部分はありますか?
- うまくいったと感じることはありますか?
- 手伝ってほしいことはありますか?
- 今後やってみたい仕事はありますか?
無言になっても慌てない
質問をしたあと、相手が考えるために無言になることがあります。
すぐに次の質問を重ねず、少し待つことも大切です。無言になったこと自体が失敗ではありません。
1on1が意味ないと感じる主な原因
1on1を行っていても、進め方によっては意味がないと感じることがあります。
1on1そのものではなく、目的や進め方に原因がある場合もあります。
上司ばかりが話している
上司の説明や指示だけで時間が終わると、部下は自分の話をしにくくなります。
上司は話す量を減らし、部下が考えを伝える時間を作ります。
毎回同じ話だけで終わる
毎回、仕事の進み具合だけを確認していると、通常の仕事の報告と変わらなくなります。
困りごと、働き方、今後の希望など、少し広いテーマも取り上げます。
評価や説教の時間になっている
失敗を責めたり、評価を一方的に伝えたりすると、部下は本音を話しにくくなります。
改善が必要な場合でも、まず状況や考えを確認します。評価面談とは分けて行う方法もあります。
話した内容が仕事に生かされない
何度相談しても何も変わらなければ、話す意味を感じにくくなります。
すぐに解決できない場合でも、確認した結果や今後の予定を伝えることが大切です。
目的を説明せずに始めている
目的が分からないまま始めると、部下は何を話せばよいか迷います。
初回に「評価の場ではなく、仕事や今後について話す時間です」と説明すると、参加しやすくなります。
1on1でやってはいけないこと
1on1では、相手が安心して話せる環境を作ることが大切です。
次のような進め方は避けたほうがよいでしょう。
上司が一方的に話す
上司が長く話し続けると、部下が話す時間がなくなります。
説明が必要な場合でも、部下の話を聞く時間を残します。
仕事の指示だけで終わらせる
仕事の指示や確認だけであれば、別の打ち合わせでも行えます。
1on1では、部下が困っていることや考えていることにも時間を使います。
個人的な話を無理に聞く
家族、恋愛、健康など、個人的な内容を話したくない人もいます。
本人が話したくない内容を、無理に聞く必要はありません。仕事に必要な範囲で確認します。
話した内容を必要なく広める
1on1で聞いた内容を、本人に知らせず周りへ広めると、安心して相談しにくくなります。
ほかの人への相談が必要な場合は、誰にどこまで伝えるかを、できるだけ本人と確認します。
ただし、ハラスメントや安全に関わる問題など、会社として対応が必要な内容は、担当する部署などへ伝える場合があります。
すぐに否定する
「それは違う」「考えすぎだ」とすぐに否定すると、部下は話しにくくなります。
まずは相手がどのように感じているのかを確認します。
人そのものを悪く言う
大声で責めたり、「あなたはだめだ」など、人そのものを悪く言ったりすることは避けます。
改善を求める場合は、人ではなく、具体的な行動や仕事の進め方について話します。
1on1を有意義にするコツ
1on1を役に立つ時間にするには、難しい技術よりも、基本的な進め方を続けることが大切です。
最初に目的を共有する
何のために行うのかを、上司と部下で共有します。
「仕事の悩みや今後について話す時間」と伝えるだけでも、話題を考えやすくなります。
部下が話す時間を多めにする
上司は質問をしたあと、相手の話を待ちます。
話の途中で答えを出さず、最後まで聞くことを意識します。
否定せずに聞く
意見が違っていても、すぐに否定しません。
「なぜそう思ったのですか」と質問すると、相手の考えをより深く理解できます。
次回までに行うことを決める
相談した内容について、次に何をするかを確認します。
小さな行動でも決めておくと、1on1が仕事の改善につながりやすくなります。
定期的に進め方を見直す
同じ方法が、すべての人に合うとは限りません。
「回数はちょうどよいですか」「話しにくい点はありますか」と確認し、必要に応じて変えます。
1on1のメリットとデメリット
1on1にはよい点がありますが、進め方によっては負担になることもあります。
1on1のメリット
- 小さな悩みに早く気付ける
- 部下が考えや希望を伝えやすくなる
- 上司と部下がお互いの考えを確認しやすくなる
- 成長のために必要な手助けを考えやすくなる
- 仕事の進め方を見直すきっかけになる
1on1のデメリット
- 準備や実施に時間がかかる
- 人数が多いと上司の負担が増える
- 進め方によっては部下の負担になる
- 目的が分からないと、形だけになりやすい
- 上司の聞き方によって話しにくくなる
負担を減らすには、時間を長くしすぎず、目的や話す範囲を明確にすることが大切です。
1on1についてよくある質問
1on1は上司と部下のどちらから話し始めますか?
決まりはありませんが、最初は上司から話しやすい質問をすると進めやすくなります。
その後は、部下が話す時間を多めにします。
1on1では仕事以外の話をしてもよいですか?
本人が話したい場合は、仕事に関係する範囲で話しても問題ありません。
ただし、上司が個人的な話を無理に聞くことは避けます。
1on1の内容は記録したほうがよいですか?
次回確認する内容や、対応が必要なことは短く記録すると便利です。
個人的な内容を細かく残す必要はありません。何のために記録するのか、誰が見るのかを明確にします。
1on1を断ることはできますか?
職場の決まりによって異なります。
負担を感じる場合は、時間を短くする、回数を減らす、別の担当者に相談するなどの方法を確認するとよいでしょう。
1on1で本音を言えないときはどうすればよいですか?
無理にすべてを話す必要はありません。
まずは仕事の進め方や小さな困りごとなど、話しやすい内容から始めます。
1on1とマンツーマンは同じ意味ですか?
どちらも1対1という点では共通しています。
ただし、マンツーマンは個別指導や個人練習などにも使われます。1on1は、職場では上司と部下が話す時間を指すことが多い言葉です。
1on1で毎回話題を用意する必要はありますか?
毎回、新しい話題を用意する必要はありません。
前回から変わったことや、現在の仕事の状況を確認するだけでも十分です。
まとめ|1on1とは部下の考えを聞くための時間
1on1とは、上司と部下が1対1で話す時間です。仕事の指示や評価だけではなく、部下の悩み、考え、目標、今後の希望などを話します。
評価面談との主な違いは、一般的に部下が話す時間を多めにする点です。上司はすぐに答えを出すのではなく、まず相手の話を聞きます。
1on1では、最近困っていること、うまくいったこと、挑戦したい仕事などを話せます。特別な話題がなくても、小さな相談から始めて問題ありません。
上司が一方的に話したり、説教や評価の時間にしたりすると、部下は話しにくくなります。目的を共有し、安心して話せる時間を作ることが大切です。
なお、1on1の目的や進め方は会社によって異なります。自分の職場の決まりも確認しながら、無理なく続けられる方法を選びましょう。

