機械学習とは、コンピューターが多くのデータを調べ、予測や判断に使える決まりを見つける技術です。
かんたんに言うと、過去の例をたくさん見せることで、コンピューターに答えの出し方を身に付けさせる仕組みです。
ここでいうデータとは、数字や文章、写真、音声などの情報を指します。
機械学習は、通販サイトのおすすめ表示や迷惑メールの判定、写真の分類など、身近なサービスにも使われています。
この記事では、機械学習の意味や仕組み、主な種類を初心者向けに説明します。AIやディープラーニングとの違い、具体例や注意点も見ていきましょう。
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機械学習とは
機械学習を簡単に言うと
機械学習とは、コンピューターが数字や文章、写真などのデータを調べ、予測や判断に役立つ関係を見つける技術です。
たとえば、犬と猫の写真をコンピューターにたくさん見せるとします。写真と正解をセットで見せることで、新しい写真が犬か猫かを予測できるようになります。
このとき、コンピューターは犬や猫の意味を、人と同じように理解しているわけではありません。
耳の形や顔の輪郭、色など、写真に表れている違いを手がかりにして判断しています。
機械学習の「学習」とは
機械学習の「学習」は、人が教科書を読んで意味を理解することとは異なります。
コンピューターが多くのデータを比べ、答えを出すための関係を見つけることです。
たとえば、過去の売上と天気を比べて、雨の日には特定の商品が売れやすいという関係を見つける場合があります。
見つけた関係を使うことで、今後の売上を予測できるようになります。
従来のプログラムとの違い
従来のプログラムは、人が細かいルールを決め、そのルールに従ってコンピューターを動かす方法が中心です。
たとえば、「金額が1万円を超えたら警告を出す」と人が決めておけば、コンピューターはその通りに動きます。
機械学習では、すべてのルールを人が一つずつ決めるとは限りません。
コンピューターが過去のデータを調べ、判断に役立つ関係を見つけます。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 従来のプログラム | 人が決めたルールに従って処理する |
| 機械学習 | データから判断に役立つ関係を見つける |
機械学習の身近な例
機械学習は、研究所や大企業だけで使われる特別な技術ではありません。
スマートフォンやインターネットのサービスなど、日常生活のさまざまな場面で使われています。
動画や商品をすすめる機能
動画配信サービスや通販サイトでは、利用者が興味を持ちそうな動画や商品が表示されます。
過去に見た動画や購入した商品などを調べ、次に興味を持ちそうな内容を予測しています。
このようなおすすめ表示は、レコメンドとも呼ばれます。
レコメンドとは、利用者に合いそうな商品や情報をすすめる仕組みです。
迷惑メールを見分ける機能
メールサービスには、迷惑メールを自動で別の場所へ分ける機能があります。
機械学習は、過去の迷惑メールに多い言葉や書き方、送信方法などを調べます。
その結果を使い、新しく届いたメールが迷惑メールかどうかを予測します。
ただし、判定が必ず正しいとは限りません。通常のメールが迷惑メールとして分けられる場合もあります。
写真に写っているものを見分ける機能
スマートフォンの写真アプリでは、「犬」「海」「食べ物」などの言葉で写真を探せることがあります。
これは、機械学習によって写真に写っているものを見分けているためです。
写真の形や色などを調べ、何が写っている可能性が高いかを判断します。
地図アプリで移動時間を予測する機能
地図アプリでは、目的地までにかかる時間が表示されます。
過去の交通状況や時間帯、曜日などのデータを使い、移動時間を予測しています。
道路が混みやすい時間帯なども、予測に使われる情報の一つです。
機械学習の仕組み
機械学習は、主に「データを集める」「関係を見つける」「予測する」「結果を確かめる」という流れで進みます。
問題集を解き、答え合わせをしながら解き方を調整する流れに少し似ています。
ただし、機械学習は人のように内容を理解しているわけではありません。データの中にある数値や形の関係を調べています。
データを集める
最初に、目的に合ったデータを集めます。
売上を予測するなら、過去の売上や価格、曜日、天気などの情報が必要です。
写真を見分けるなら、多くの画像を用意します。
データの内容が一部にかたよると、予測結果もかたよる場合があります。
たとえば、若い人のデータだけを使うと、高齢者について正しく予測できないことがあります。
判断の手がかりを見つける
次に、コンピューターがデータを比べ、予測や判断に役立つ手がかりを見つけます。
売上を予測する場合は、曜日、天気、価格、季節などが手がかりになることがあります。
機械学習では、このような予測や判断に使う情報を「特徴量」と呼びます。
特徴量とは、結果を見分けるための手がかりとなる情報です。
新しいデータを予測する
データから見つけた関係を使い、新しいデータの結果を予測します。
たとえば、過去の販売データをもとに、来月の商品がどのくらい売れるかを予測します。
写真を見分ける場合は、新しい写真が犬か猫かを判断します。
結果がどのくらい正しいかを確かめる
予測した結果と実際の答えを比べ、どのくらい正しく判断できたかを確かめます。
予測や判断がどのくらい正しいかを表す度合いを、精度と呼びます。
結果があまり正しくない場合は、使うデータや学習方法を見直します。
この作業をくり返し、より目的に合った結果が出るように調整します。
機械学習の主な種類
機械学習には、データの与え方や学び方によって、いくつかの種類があります。
代表的なものは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つです。
教師あり学習
教師あり学習とは、正解が付いたデータを使って学ぶ方法です。
ここでいう「教師」は、人間の先生ではありません。データと一緒に与える正解を指します。
たとえば、犬の写真には「犬」、猫の写真には「猫」という正解を付けます。
コンピューターは写真と正解の関係を学び、新しい写真が犬か猫かを予測します。
教師あり学習は、迷惑メールの判定や売上予測などに使われます。
教師なし学習
教師なし学習とは、正解が付いていないデータから、似ているものや共通点を見つける方法です。
たとえば、利用者の年齢や購入履歴を調べ、買い方が似ている人をグループに分けます。
人があらかじめグループ名を決めるのではありません。
コンピューターがデータの似ている部分を見つけて分けます。
教師なし学習は、利用者の分類やデータの整理などに使われます。
強化学習
強化学習とは、行動した結果を評価し、よりよい行動を学ぶ方法です。
うまくいった行動には高い評価を与え、うまくいかなかった行動には低い評価を与えます。
たとえば、ゲームをするコンピューターに、勝った場合は高い評価を与えます。
コンピューターはさまざまな行動を試し、評価が高くなる行動を少しずつ学びます。
強化学習は、ゲームやロボットの動作、機器の制御などに使われます。
| 種類 | 学び方 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 教師あり学習 | 正解が付いたデータで学ぶ | 分類や数値の予測 |
| 教師なし学習 | 正解のないデータから共通点を見つける | グループ分けやデータの整理 |
| 強化学習 | 行動の結果を評価しながら学ぶ | ゲームや機器の制御 |
機械学習とAIの違い
機械学習とAIは、同じ意味のように使われることがあります。
しかし、正確には言葉が表す範囲が異なります。
AIは人の知的な働きを再現する技術の総称
AIとは、人が行う判断や認識などをコンピューターで行う技術の総称です。
AIは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能と呼ばれます。
写真に写っているものを見分ける技術や、文章を作る技術、音声を聞き取る技術などがAIに含まれます。
機械学習はAIを実現する方法の一つ
機械学習は、AIを実現するために使われる方法の一つです。
AIという大きな分野の中に、機械学習が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。
ただし、すべてのAIが機械学習を使うわけではありません。
人が決めたルールに従って動くAIもあります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| AI | 人の判断や認識などをコンピューターで行う技術の総称 |
| 機械学習 | データから関係を見つけ、予測や判断に使う技術 |
機械学習とディープラーニングの違い
ディープラーニングは、機械学習とは別の分野ではありません。
機械学習の中に含まれる方法の一つです。
ディープラーニングは機械学習の一種
ディープラーニングは、日本語で深層学習と呼ばれます。
人の脳にある神経のつながりを参考にした、多くの層を持つ仕組みでデータを学びます。
画像や音声、文章など、内容が複雑なデータを扱うことが得意です。
特徴を見つける方法が異なる
一般的な機械学習では、予測に使う手がかりを人が考えて選ぶ場合があります。
ディープラーニングは、多くのデータから必要な手がかりを自動で見つけることが得意です。
一方で、多くのデータや高い計算能力が必要になる場合があります。
計算能力とは、多くの計算を速く行うコンピューターの力です。
| 用語 | 特徴 |
|---|---|
| 機械学習 | データから関係を学び、予測や判断に使う |
| ディープラーニング | 機械学習の一種で、複雑な特徴を見つけることが得意 |
機械学習でできること
機械学習は、データの内容や目的に応じて、さまざまな処理に使えます。
代表的なものは、分類、数値の予測、グループ分け、異常の発見です。
種類を見分ける
データがどの種類に当てはまるかを見分けられます。
このように、決められた種類に分けることを分類と呼びます。
たとえば、メールが通常のメールか迷惑メールかを判定します。
写真に写っているものや文章の内容を見分ける場合にも使われます。
将来の数値を予測する
過去のデータをもとに、将来の数値を予測できます。
予測とは、過去の情報を参考にして、今後の結果を考えることです。
商品の売上や電力の使用量、来店者数などの予測が代表的です。
予測は必ず当たるものではありませんが、計画を立てるための参考になります。
似ているものをグループに分ける
特徴が似ているデータを、自動でグループに分けられます。
たとえば、商品の買い方が似ている利用者を、同じグループにまとめます。
利用者に合った商品や情報を考えるときに役立ちます。
いつもと違う動きを見つける
通常とは異なるデータや動きを見つけることもできます。
このように、いつもと違う状態を見つけることを異常検知と呼びます。
機械の故障の予測や、不正な送金、いつもと違うログインの発見などに使われます。
機械学習が使われている場面
機械学習は、インターネットサービスだけでなく、医療や製造、金融などでも使われています。
インターネットサービス
検索結果の表示や商品のおすすめ、迷惑メールの判定などに使われています。
音声入力や写真の分類、文章の自動翻訳にも機械学習が活用されています。
医療の現場
医療では、画像を調べる作業の支援や、健康に関するデータの分析などに使われます。
機械学習が医師の代わりにすべてを判断するわけではありません。
医師の確認や判断を助ける技術として使われる場合があります。
製造の現場
製造業では、製品の傷や形の違いを見つける検査に使われます。
機械の動きや温度などを調べ、故障の前ぶれを見つける目的でも活用されています。
金融や小売業
金融の分野では、不正な送金や通常と異なる取引を見つけるために使われます。
小売業では、商品の売上予測や在庫の調整、利用者に合った商品の提案などに活用されています。
自動車や交通の分野
自動車では、周囲の車や人、道路標識などを見分ける技術に使われます。
交通の分野では、道路の混み具合や移動時間の予測などに活用されています。
機械学習のメリット
機械学習を使うと、人の作業を助けたり、多くのデータを活用したりできます。
大量のデータを処理できる
人が一つずつ確認するには時間がかかる大量のデータも、コンピューターなら効率よく処理できます。
多くの画像や文章、数値を調べる場面で役立ちます。
人が気付きにくい関係を見つけられる
多くのデータを比べることで、人が気付きにくい関係を見つけられる場合があります。
見つけた関係は、商品の売上予測や機械の異常発見などに利用できます。
予測や作業を効率化できる
同じような判断を何度も行う作業を、機械学習で支援できます。
担当者は、結果の確認や最終判断など、人が行うべき作業に時間を使いやすくなります。
機械学習を使うときの注意点
機械学習は便利な技術ですが、使えば必ず正しい結果が出るわけではありません。
データの内容や利用する場面を考えることが大切です。
学習に使うデータによって結果が変わる
機械学習の結果は、学習に使ったデータの影響を受けます。
データが少なかったり、一部の内容にかたよっていたりすると、正しく予測できない場合があります。
たとえば、晴れの日のデータだけで売上を学習すると、雨の日の売上を正しく予測できないことがあります。
目的に合ったデータを用意し、内容を確認する必要があります。
必ず正しい答えが出るわけではない
機械学習が出す結果は、過去のデータをもとにした予測です。
将来の出来事や、過去に例がない出来事を必ず正しく当てられるわけではありません。
重要な判断では、機械学習の結果だけで決めず、人が確認することも大切です。
判断の理由が分かりにくい場合がある
機械学習の方法によっては、なぜその答えになったのかを説明しにくい場合があります。
特にディープラーニングは仕組みが複雑で、判断の理由が見えにくくなることがあります。
利用する場面に応じて、結果だけでなく、判断の理由を確認できる方法を選ぶ必要があります。
機械学習で初心者が間違えやすい点
コンピューターが人と同じように理解しているわけではない
機械学習は、データの中にある数値や形の関係を調べています。
人のように意味や気持ちを理解して答えを出しているわけではありません。
人にとって簡単な問題でも、学習に必要なデータがなければ正しく判断できない場合があります。
大量のデータがあれば必ず成功するわけではない
データの量は大切ですが、量が多いだけでよい結果が出るとは限りません。
間違ったデータや目的に合わないデータが多いと、学習結果も正しくなりにくくなります。
データの量だけでなく、内容や正しさも重要です。
AIと機械学習は同じ意味ではない
AIは、人の判断や認識などをコンピューターで行う技術全体を表します。
機械学習は、AIを実現するために使われる方法の一つです。
AIの中に機械学習が含まれる関係を覚えておくと、違いを整理しやすくなります。
ディープラーニングがいつも最適とは限らない
ディープラーニングは複雑なデータを扱うことが得意ですが、すべての問題に向くわけではありません。
データの量や目的によっては、一般的な機械学習の方が使いやすい場合もあります。
機械学習についてよくある質問
機械学習にはプログラミングが必要ですか?
機械学習の仕組みを作る場合は、プログラミングを使うことが多くあります。
一方で、画面を操作するだけで機械学習を試せるサービスもあります。
機械学習の意味を理解するだけなら、最初からプログラミングを学ぶ必要はありません。
機械学習と生成AIは何が違いますか?
機械学習は、データから関係を見つけ、分類や予測などに使う技術です。
生成AIは、文章や画像、音声など、新しい内容を作ることが得意なAIです。
生成AIの多くには、機械学習やディープラーニングの技術が使われています。
機械学習にはどのようなデータが必要ですか?
目的によって必要なデータは異なります。
売上を予測するなら、過去の売上や日付、価格、天気などのデータが必要です。
画像を見分けるなら、目的に合った多くの画像を用意します。
機械学習は日常生活のどこで使われていますか?
通販サイトのおすすめ表示や、メールの迷惑メール判定などに使われています。
スマートフォンの音声入力、写真の分類、地図アプリの移動時間予測などにも活用されています。
機械学習とディープラーニングはどちらが優れていますか?
どちらが常に優れているとは言えません。
扱うデータの量や種類、目的によって適した方法が異なります。
比較的少ないデータで予測する場合は、一般的な機械学習が向くことがあります。
画像や音声など複雑なデータを扱う場合は、ディープラーニングが向くことがあります。
機械学習の予測は必ず当たりますか?
機械学習の予測が必ず当たるわけではありません。
学習に使ったデータや、予測する状況によって結果は変わります。
予測結果は、判断を助ける情報の一つとして使うことが大切です。
まとめ|機械学習とはデータから予測や判断の方法を学ぶ技術
機械学習とは、コンピューターが数字や文章、写真などのデータを調べ、予測や判断に使える関係を見つける技術です。
商品のおすすめ表示や迷惑メールの判定、写真の分類、売上予測など、身近な場面でも使われています。
機械学習の主な種類は、正解付きのデータで学ぶ教師あり学習、正解なしで共通点を見つける教師なし学習、行動の結果から学ぶ強化学習です。
AIは、人の判断や認識などをコンピューターで行う技術の総称です。機械学習はAIを実現する方法の一つであり、ディープラーニングは機械学習の一種です。
機械学習の結果は、学習に使うデータによって変わります。便利な技術として活用しながら、必要に応じて人が結果を確認することが大切です。

