ERPとは、会社の情報をまとめて管理する仕組みです。
かんたんに言うと、売上、在庫、会計、人事などの情報を、ひとつの場所で見やすくするためのものです。
この記事では、ERPとは何か、ERPシステムでできること、基幹システムやSAPとの違いを、初心者向けにわかりやすく解説します。
ここだけ読めばOK
ERPとは、会社の会計・販売・在庫・人事などの情報をまとめて管理する仕組みです。
部署ごとに分かれている情報をつなげて、会社全体の状況を見やすくします。
ほかのIT用語も知りたい方は、初心者向けのIT用語辞典もあわせてご覧ください。
ERPとは

ERPとは、会社の中にある大切な情報をまとめて管理する考え方や仕組みのことです。
ERPは、英語の「Enterprise Resource Planning」の略です。
むずかしい英語を覚える必要はありません。まずは「会社の情報をまとめて管理する仕組み」と考えると分かりやすいです。
ERPの意味
ERPでまとめる情報には、売上、在庫、仕入れ、会計、人事、給与などがあります。
売上は、商品やサービスが売れて入るお金のことです。在庫は、会社に残っている商品や材料のことです。
仕入れは、売るための商品や材料を買うことです。会計は、お金の出入りを記録する仕事です。
人事は、社員に関する情報を管理する仕事です。給与は、社員に支払う給料のことです。
会社では、このような情報が毎日たくさん動いています。
ERPは、それらをばらばらにせず、つなげて管理するために使われます。
ERPをかんたんに言うと何か
ERPをかんたんに言うと、会社の情報をまとめる「大きな管理ノート」のようなものです。
売上は売上だけ、在庫は在庫だけ、会計は会計だけで分かれていると、会社全体の状況が見えにくくなります。
ERPを使うと、関係する情報をまとめて見られるようになります。
ERPの読み方
ERPは「イーアールピー」と読みます。
仕事の場面では、「ERPを導入する」「ERPシステムを使う」「ERPで情報を管理する」のように使われます。
導入とは、新しい仕組みやシステムを使い始めることです。
ERPを身近な例で考える
ERPは、家計簿に少し似ています。
家計簿では、給料、食費、家賃、電気代などをまとめて見ます。
それにより、今月いくら使ったのか、来月どれくらい使えそうかを考えやすくなります。
会社の情報をまとめる台帳のようなもの
会社の場合は、家計簿よりも多くの情報を扱います。
たとえば商品が売れると、売上だけでなく、在庫、請求、会計にも関係します。
請求とは、買った相手に「代金を支払ってください」と伝えることです。
ERPは、このようにつながっている情報をまとめて管理する台帳のような役割を持ちます。
例え話からIT用語としてのERPに戻す
家計簿の例は、ERPをイメージしやすくするためのものです。
IT用語としてのERPは、会社の仕事に関する情報をまとめて管理する仕組みを指します。
つまりERPとは、会社全体の情報をつなげ、仕事の流れを見やすくするための仕組みです。
ERPシステムとは

ERPシステムとは、ERPの考え方をもとに作られたシステムのことです。
ここでいうシステムとは、コンピューターを使って情報を入力したり、見たり、管理したりする仕組みのことです。
ERPシステムを使うと、会社のいろいろな情報をまとめて扱いやすくなります。
ERPシステムでできること
ERPシステムでは、会社の仕事に関する情報をまとめて管理できます。
たとえば、商品が売れたときに、売上、在庫、請求、会計の情報をつなげて扱えます。
同じ内容を何度も入力する手間を減らしやすいことも、ERPシステムの特徴です。
会計・販売・在庫・人事をまとめて見られる
ERPシステムでは、会計、販売、在庫、人事などの情報をまとめて見られます。
販売とは、商品やサービスを売る仕事です。
部署ごとに別々の表を使っていると、同じ数字を何度も入力することがあります。
ERPシステムでは、ひとつの情報をほかの仕事にもつなげられるため、情報を見直しやすくなります。
部署ごとの情報のズレを減らせる
会社では、部署ごとに別々の表やシステムを使っていることがあります。
その場合、販売部が見ている数字と、会計部が見ている数字がずれることがあります。
ERPシステムを使うと、売上、在庫、会計などの情報をつなげて管理できます。
たとえば、商品が売れたときに、在庫の数や会計の情報にも反映されやすくなります。
このように、情報が連動しやすくなることで、部署ごとの確認作業や数字のズレを減らしやすくなります。
リアルタイムとは、情報がすぐに反映されることです。ERPでは、会社全体の今の状態を見やすくするために、この考え方が大切になります。
用語のかんたん説明
- 売上:商品やサービスが売れて入るお金
- 在庫:会社に残っている商品や材料
- 仕入れ:売るための商品や材料を買うこと
- 会計:お金の出入りを記録する仕事
- 人事:社員に関する情報を管理する仕事
- 導入:新しい仕組みを使い始めること
- リアルタイム:情報がすぐに反映されること
ERPで管理できる主な情報
ERPで管理できる情報は、会社の仕事の内容によって変わります。
ここでは、よく使われる主な情報を紹介します。
会計
会計は、会社のお金の動きを管理する仕事です。
売上、支払い、経費などを記録します。
経費とは、仕事のために使ったお金のことです。
ERPでは、販売や仕入れの情報と会計の情報をつなげて管理できます。
販売
販売は、商品やサービスを売る仕事です。
注文、見積もり、請求などの情報を扱います。
見積もりとは、商品やサービスにいくらかかるかを事前に示すことです。
ERPを使うと、販売の情報を在庫や会計の情報とつなげやすくなります。
在庫
在庫は、会社が持っている商品や材料のことです。
在庫が少なすぎると、商品を売れないことがあります。
反対に多すぎると、保管する場所や費用が必要になります。
ERPでは、売れた数や仕入れた数をもとに、在庫の状態を見やすくできます。
生産管理
生産管理とは、商品をいつ、どれだけ作るかを管理する仕事です。
材料の数や作業の予定を見ながら、生産の流れを整えます。
製造業では、ERPが生産管理に使われることがあります。
製造業とは、材料を使って商品を作る会社や仕事のことです。
人事・給与
人事は、社員の情報を管理する仕事です。
給与は、社員に支払う給料のことです。
ERPでは、社員情報、勤務情報、給与情報などをまとめて扱える場合があります。
勤務情報とは、社員がいつ働いたかを記録した情報のことです。
ERPと基幹システムの違い

ERPと似た言葉に、基幹システムがあります。
基幹システムとは、会社の中心となる仕事を支えるシステムのことです。
ERPと基幹システムは近い意味で使われることもありますが、同じ意味とは限りません。
基幹システムとは
基幹システムの「基幹」とは、中心という意味です。
会社の大事な仕事を動かすためのシステムを、基幹システムと呼びます。
たとえば、商品を売るためのシステム、在庫を管理するシステム、お金の動きを記録するシステムなどです。
これらは、会社の仕事を支える中心の仕組みです。
ERPは会社全体をつなぐ考え方
ERPは、会計、販売、在庫、人事などをまとめて管理する考え方です。
そのため、ERPは複数の基幹システムをつなぐ仕組みとして使われることがあります。
基幹システムが「会社の大事な仕事を支えるシステム」なら、ERPは「それらをつなげて会社全体を見やすくする仕組み」と考えると分かりやすいです。
違いを表で整理
| 項目 | ERP | 基幹システム |
|---|---|---|
| 意味 | 会社の情報をまとめて管理する仕組み | 会社の中心となる仕事を支えるシステム |
| 見る範囲 | 会社全体 | 販売、在庫、会計などの仕事ごと |
| 目的 | 情報をつなげて見やすくする | 大事な仕事を正しく動かす |
| 特徴 | 情報を一元管理し、連動させやすい | それぞれの仕事を支える |
| 関係 | 基幹システムをまとめることがある | ERPの一部として使われることがある |
一元管理とは、情報をばらばらにせず、ひとつにまとめて管理することです。
ERPの強みは、会社全体の情報をつなげて、今の状態を見やすくできる点にあります。
ERPパッケージとは
ERPパッケージとは、ERPに必要な機能があらかじめ用意された製品のことです。
パッケージとは、ここでは「よく使う機能をひとまとめにした製品」と考えてください。
会計、販売、在庫、人事などの機能が用意されているため、会社は必要な機能を選んで使います。
最初から用意されたERPのしくみ
ERPパッケージには、会社でよく使われる機能がまとめられています。
たとえば、会計管理、販売管理、在庫管理、人事管理などです。
会社は、自社に必要な機能を選び、設定して使います。
設定とは、システムを自分たちの使い方に合わせることです。
自社専用システムとの違い
自社専用システムは、会社に合わせて一から作るシステムです。
ERPパッケージは、すでに用意された仕組みをもとに使います。
自社専用システムは自由に作りやすい一方で、時間や費用がかかることがあります。
ERPパッケージは、用意された機能を使うため、導入しやすい場合があります。
ERPパッケージは仕事の流れを見直すきっかけにもなる
ERPパッケージには、多くの会社で使いやすいように、標準的な仕事の流れが用意されています。
標準的な仕事の流れとは、多くの会社で使われる基本的な進め方のことです。
そのため、ERPパッケージを使うときは、今までのやり方にシステムを大きく合わせるのではなく、用意された流れに合わせて仕事の進め方を見直すことがあります。
このように、仕事のやり方そのものを見直すことを、BPRと呼ぶことがあります。
BPRとは、仕事の流れを見直して、より進めやすい形に変えることです。
ERPパッケージの例
ERPパッケージには、さまざまな会社の製品があります。
代表例としてSAPがよく知られていますが、ERPはSAPだけではありません。
ここでは「ERPには製品として使えるものがある」と理解できれば十分です。
ERPとSAPの違い
ERPとSAPは、同じ意味ではありません。
ERPは、会社の情報をまとめて管理する仕組みや考え方です。
SAPは、ERPに関係する製品やサービスを出している会社名としてよく使われます。
SAPはERP製品を出している会社・サービス名
SAPは「エスエーピー」と読みます。
ERPの分野でよく知られている会社です。
そのため、仕事の場面では「ERPといえばSAP」と聞くこともあります。
ただし、ERPはSAPだけではありません。ERPには、ほかの会社の製品もあります。
ERPはしくみの名前、SAPは代表的な製品名
分かりやすく言うと、ERPは「しくみの名前」です。
SAPは、その仕組みを使うための「代表的な製品名・会社名」です。
たとえば、「車」と「トヨタ」の関係に少し似ています。車は種類の名前で、トヨタは車を作る会社の名前です。
IT用語としては、ERPが仕組みの名前、SAPが代表的な製品や会社名と覚えるとよいです。
ERPを導入するメリット
ERPを導入すると、会社の情報を見やすくできます。
ここでいう導入とは、新しい仕組みやシステムを使い始めることです。
ERPは、会社の仕事を分かりやすく整理するために使われます。
情報を探しやすくなる
情報が別々の場所にあると、探すのに時間がかかります。
ERPを使うと、必要な情報をまとめて確認しやすくなります。
たとえば、売上と在庫の関係を見たいときにも役立ちます。
二重入力を減らせる
二重入力とは、同じ内容を何度も入力することです。
同じ情報を何度も入力すると、手間がかかります。
また、数字の入れ間違いが起きることもあります。
ERPでは、ひとつの情報を別の仕事にもつなげられるため、二重入力を減らしやすくなります。
会社全体の状況を見やすくなる
ERPを使うと、会社全体の状況を見やすくなります。
売上、在庫、仕入れ、費用などをつなげて見ることで、今の状態を把握しやすくなります。
そのため、仕事の判断をしやすくなります。
情報が早く共有されやすくなる
ERPでは、部署ごとの情報がつながりやすくなります。
そのため、販売、在庫、会計などの情報を別々に確認する手間を減らしやすくなります。
会社全体の新しい情報を見やすくなることも、ERPの大きなメリットです。
ERPを導入するときの注意点
ERPは便利な仕組みですが、入れればすぐにすべてが整うものではありません。
会社の仕事の流れに合うように、準備することが大切です。
ここでは、初心者が知っておきたい注意点を紹介します。
今の仕事の流れを見直す必要がある
ERPを使うときは、今の仕事の流れを見直すことがあります。
ERPパッケージには、多くの会社で使いやすいように、標準的な仕事の流れが用意されています。
そのため、「今までのやり方に合わせてシステムを大きく変える」のではなく、「用意された流れに合わせて仕事の進め方を見直す」ことが大切です。
このように、仕事のやり方そのものを見直すことを、BPRと呼ぶことがあります。
BPRとは、仕事の流れを見直して、より進めやすい形に変えることです。
使う人に合った説明が必要
ERPは、いろいろな部署の人が使うことがあります。
そのため、使う人に合った説明が必要です。
むずかしい言葉だけで説明すると、使いにくく感じる人もいます。
費用だけで選ばない
ERPは、費用だけで選ばないことが大切です。
安いか高いかだけでなく、会社の仕事に合っているかを見る必要があります。
使いやすさ、必要な機能、サポートの内容も確認するとよいです。
ERPは仕事の流れを整理するためにも使われる
ERPは、ただの便利なソフトではありません。
会社の情報の持ち方や、仕事の進め方を見直すきっかけにもなります。
たとえば、同じ情報を何度も入力していた作業を減らしたり、部署ごとの確認作業を少なくしたりできます。
このように、ERPは会社の仕事を整理するためにも使われます。
ERPにはクラウド型とオンプレミス型がある

ERPには、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型があります。
クラウドとは、インターネットを通じて使う仕組みのことです。
オンプレミスとは、自社の中に機器やシステムを置いて使う形のことです。
クラウド型ERPとは
クラウド型ERPとは、インターネットを通じて使うERPです。
会社の中に大きな機器を置かずに使えることがあります。
たとえば、インターネット上のサービスにログインして、会計や人事などの情報を管理するイメージです。
身近なものでは、会計や請求、人事などをクラウドで管理するサービスを見たことがある人もいるかもしれません。
ただし、それらがすべてERPというわけではありません。ERPは、会計だけでなく、販売、在庫、人事などをまとめて扱う仕組みです。
クラウドサービスの種類を知りたい場合は、SaaS・PaaS・IaaSの違いの記事も参考になります。
オンプレミス型ERPとは
オンプレミス型ERPとは、自社の中に機器やシステムを置いて使うERPです。
会社の中で自分たちで管理する形です。
自社に合わせて細かく調整しやすい場合があります。
一方で、管理や運用に手間がかかることもあります。
初心者はクラウド型から理解すると分かりやすい
初心者は、まずクラウド型から理解すると分かりやすいです。
インターネットを通じて使うサービスとしてイメージしやすいからです。
ただし、会社の規模や仕事の内容によって、合う形は変わります。
初心者が間違えやすいポイント
ERPは、似た言葉が多いため、最初は混乱しやすい用語です。
ここでは、よくある間違いを整理します。
ERPは会計ソフトだけではない
ERPは、会計だけを管理するものではありません。
会計、販売、在庫、人事など、会社のいろいろな情報をまとめて管理します。
会計ソフトよりも広い範囲を扱う仕組みです。
ERPはSAPだけではない
SAPはERPの分野でよく知られています。
しかし、ERPそのものがSAPという意味ではありません。
ERPは仕組みの名前で、SAPはその代表的な製品や会社名です。
ERPは入れれば終わりではない
ERPは、使い始めるだけで仕事がすべて楽になるものではありません。
入力する情報や仕事の流れを整理して使うことが大切です。
会社の人が使いやすいように説明することも大切です。
ERPはすべての会社に同じ形で合うわけではない
会社によって、仕事の流れや必要な機能は違います。
そのため、ERPを使うときは、自社に合う形を考える必要があります。
大切なのは、何をまとめて管理したいのかを先に整理することです。
ERPとはに関するよくある質問
ERPとは簡単に言うと何ですか?
ERPとは、会社の情報をまとめて管理する仕組みです。
会計、販売、在庫、人事などの情報をつなげて見られるようにします。
ERPと基幹システムは同じですか?
同じ意味で使われることもありますが、厳密には少し違います。
基幹システムは、会社の中心となる仕事を支えるシステムです。
ERPは、そのような情報をまとめてつなげる仕組みとして使われます。
ERPとSAPは同じですか?
ERPとSAPは同じではありません。
ERPは仕組みの名前です。
SAPはERPに関係する製品やサービスを提供している会社名として使われます。
ERPは中小企業にも必要ですか?
会社の規模だけでは決まりません。
販売、在庫、会計などの情報が増えて管理しにくくなったときに、ERPが役立つことがあります。
中小企業でも、クラウド型ERPを使うケースがあります。
ERPと会計ソフトの違いは何ですか?
会計ソフトは、お金の動きを管理するためのソフトです。
ERPは、会計だけでなく、販売、在庫、人事などもまとめて管理する仕組みです。
つまり、ERPは会計ソフトよりも広い範囲を扱います。
ERPパッケージとは何ですか?
ERPパッケージとは、ERPに必要な機能があらかじめ用意された製品です。
会計、販売、在庫、人事などの機能を選んで使えることがあります。
ERPでいうリアルタイムとは何ですか?
リアルタイムとは、情報がすぐに反映されることです。
ERPでは、売上、在庫、会計などの情報がつながりやすくなります。
そのため、会社全体の今の状態を見やすくなります。
BPRとは何ですか?
BPRとは、仕事の流れを見直して、より進めやすい形に変えることです。
ERPを導入するときは、システムだけでなく、仕事の進め方も見直すことがあります。
まとめ:ERPとは会社の情報をまとめて管理する仕組み
ERPとは、会社の大切な情報をまとめて管理する仕組みです。
会計、販売、在庫、人事などを別々に管理するのではなく、つなげて見られるようにします。
ERPシステムを使うと、情報を探しやすくなり、同じ内容を何度も入力する手間を減らしやすくなります。
また、売上、在庫、会計などの情報が連動しやすくなるため、会社全体の今の状態を見やすくなります。
ERPと基幹システム、ERPとSAPは同じ意味ではありません。
基幹システムは、会社の中心となる仕事を支えるシステムです。SAPは、ERPの代表的な製品や会社名として使われます。
ERPを導入するときは、システムだけでなく、仕事の流れを見直すことも大切です。
まずは、ERPを「会社の情報をまとめて管理する仕組み」と覚えておくと分かりやすいです。
一言でいうと
ERPとは、会社の売上・在庫・会計・人事などをまとめて管理するための仕組みです。
ITパスポート試験に出る用語をまとめて学びたい方は、ITパスポートのIT用語まとめもあわせてご覧ください。
