ヒアリングとは、かんたんに言うと、相手から必要な情報を聞き取ることです。
仕事では、お客さまの「してほしいこと」や「困っていること」を聞く場面でよく使われます。
たとえば、お店で店員さんが「どのようなものをお探しですか」と聞く場面があります。これは、お客さまに合った商品をすすめるための聞き取りです。
ITや仕事でのヒアリングも同じです。相手の話を聞き、何をすればよいのかを整理するために行います。
ほかのIT用語も知りたい方は、初心者向けのIT用語辞典もあわせてご覧ください。
ヒアリングとは
ヒアリングとは、相手の話を聞き、必要な情報を集めることです。
ただ話を聞くだけではありません。何を知りたいのかを考えながら質問し、聞いた内容を整理することも含まれます。
ヒアリングの意味
ヒアリングは、英語の「hearing」から来た言葉です。
日本の仕事の場では、「聞き取り」や「相手がしてほしいことの確認」という意味で使われます。
たとえば、営業でお客さまの希望を聞くことや、ホームページを作る前に内容を聞くことがヒアリングです。
かんたんに言うと「聞き取り」のこと
ヒアリングを身近な言葉にすると、「聞き取り」です。
学校で先生が生徒に「どこが分からなかったですか」と聞く場面を考えると分かりやすいです。
先生は、生徒が困っているところを知るために質問します。その答えをもとに、教え方を変えたり、もう一度説明したりします。
ITや仕事でのヒアリングも、相手が何を求めているのかを知るための聞き取りです。
仕事で使うヒアリングとは
仕事で使うヒアリングとは、相手の希望、困っていること、予算や期限などを聞き取ることです。
営業、ホームページ制作、システム開発、採用、社内の聞き取り調査など、いろいろな場面で使われます。
相手の希望や困りごとを聞くこと
ヒアリングでは、相手が何をしたいのか、何に困っているのかを確認します。
最初に相手の話を聞くことで、相手に合わない提案をしにくくなります。
たとえば、パソコンを買いたい人に対して、使い道を聞かずに高い機種をすすめると、相手に合わないことがあります。
先に「何に使いますか」「予算はどのくらいですか」と聞くことで、相手に合った提案がしやすくなります。
ITやホームページ制作でのヒアリング
ITやホームページ制作では、作る前のヒアリングが大切です。
たとえば、会社のホームページを作る場合、次のようなことを聞きます。
- どのような目的で作るのか
- 誰に見てほしいのか
- どのような情報をのせたいのか
- いつまでに公開したいのか
- 今、何に困っているのか
このような情報を聞いておくと、作るものの方向を決めやすくなります。
ITの現場では、ヒアリングした内容をもとに、必要な「できること」や画面を整理していきます。
ヒアリングは、ただ話を聞いて終わりではありません。
聞いた内容から「では、どのような仕組みや画面を作るか」という具体的な条件を整理する仕事を、IT業界では「要件定義(ようけんていぎ)」といいます。
ヒアリングが使われる場面
ヒアリングは、相手の考えや状況を知りたいときに使われます。
ここでは、よく使われる場面を見ていきましょう。
営業でのヒアリング
営業でのヒアリングは、お客さまの希望や困りごとを聞くために行います。
いきなり商品やサービスをすすめるのではなく、まず相手の状況を聞くことが大切です。
たとえば、次のように聞きます。
- 現在、どのようなことでお困りですか
- どのような目的で使いたいですか
- いつまでに必要ですか
- 予算はどのくらいですか
このように聞くことで、相手に合う提案を考えやすくなります。
システム開発でのヒアリング
システム開発とは、仕事をしやすくするための仕組みや画面を作ることです。
たとえば、予約を管理する画面や、売り上げを確認する画面を作ることがあります。
システム開発では、使う人に話を聞きます。
どのような作業をしているのか、どこで時間がかかっているのか、どのような画面があると便利なのかを確認します。
この聞き取りがヒアリングです。
社内の聞き取り調査でのヒアリング
会社の中で、仕事の進め方や困りごとを確認するためにヒアリングをすることもあります。
たとえば、「会議が多くて作業時間が足りない」「同じ入力を何度もしている」といった声を集めます。
集めた内容をもとに、仕事の進め方を見直すことがあります。
ヒアリングとリスニングの違い
ヒアリングと似た言葉に、リスニングがあります。
どちらも「聞く」という意味に関係しますが、日本の仕事の場では使われ方が少し違います。
ヒアリングは「目的を持って聞き取ること」
ヒアリングは、必要な情報を得るために、目的を持って話を聞くことです。
相手に質問をしたり、答えを整理したりします。
仕事では、「希望をヒアリングする」「困っていることをヒアリングする」のように使います。
リスニングは「聞いて理解すること」
リスニングは、音声を聞いて内容を理解することです。
英語の勉強で「リスニング問題」と言うことがあります。
これは、英語の音を聞いて、内容を理解する力を問うものです。
仕事では「ヒアリング」を使うことが多い
日本の仕事の場で、相手の希望や条件を聞く場合は、「リスニング」よりも「ヒアリング」を使うことが多いです。
たとえば、「お客さまにヒアリングする」「事前にヒアリングを行う」のように使います。
補足:英語本来の意味との違い
日本の仕事の場では、「聞き取り」という意味で「ヒアリング」がよく使われます。
ただし、英語本来の意味では、hearingは「音が自然に耳に入ること」、listeningは「意識して聞くこと」という意味で使われます。
海外の人と仕事をするときは、日本語のカタカナ語としての「ヒアリング」と、英語本来のhearingは少し意味が違うと知っておくと安心です。
ヒアリングシートとは
ヒアリングシートとは、相手に聞く内容をまとめたメモや表のことです。
紙で作ることもあれば、ExcelやGoogleフォームで作ることもあります。
Excelとは、表を作るためのソフトです。Googleフォームとは、インターネット上で答えを集めるための入力欄です。
聞く内容をまとめたメモや表のこと
ヒアリングシートを使うと、聞きたいことを先に整理できます。
そのため、聞き忘れを減らしやすくなります。
また、あとから見返したり、ほかの人にも内容を伝えたりしやすくなります。
ヒアリングシートに書く内容
ヒアリングシートには、目的に合わせて確認したい内容を書きます。
たとえば、次のような項目です。
- 名前や会社名
- 相談したい内容
- 今、困っていること
- 希望する内容
- 希望する時期
- 予算
- 連絡先
ホームページ制作やシステム開発では、使う人、使う目的、必要な「できること」などを聞くこともあります。
ヒアリングシートを使うメリット
ヒアリングシートを使うと、話の内容を整理しやすくなります。
また、担当者が変わっても、聞いた内容を確認しやすくなります。
話し合いの内容をあとから確認できるため、お互いの理解の違いも減らしやすくなります。
ヒアリングのコツ
ヒアリングは、ただ質問を並べればよいわけではありません。
相手が話しやすいように、聞き方を少し工夫することが大切です。
先に目的を決める
ヒアリングをする前に、何を知りたいのかを決めておきます。
目的があいまいだと、質問が広がりすぎて、必要な情報が集まりにくくなります。
たとえば、「ホームページを作るために必要な情報を聞く」「今の作業で困っている点を聞く」のように目的を決めます。
相手が答えやすい聞き方にする
最初から細かい質問をすると、相手が答えにくいことがあります。
まずは大きな質問から始めると、話しやすくなります。
たとえば、「今、どのようなことでお困りですか」と聞いてから、くわしい内容を確認します。
聞いた内容をその場で確認する
ヒアリングの最後には、聞いた内容をその場で確認します。
たとえば、「つまり、今回はこの3点を大切にしたいということですね」と伝えます。
この確認をすると、お互いの理解がずれにくくなります。
ヒアリングの言い換え
ヒアリングは、相手や場面に合わせて言い換えると分かりやすくなります。
文章を書くときは、読者に伝わりやすい言葉を選びましょう。
聞き取り
もっとも分かりやすい言い換えは「聞き取り」です。
初心者向けの説明では、「ヒアリング」より「聞き取り」のほうが伝わりやすい場合があります。
確認
仕事では、「確認」と言い換えられることもあります。
たとえば、「希望をヒアリングする」は「希望を確認する」と言えます。
聞き取り調査
複数の人から話を聞いて情報を集める場合は、「聞き取り調査」と言えます。
社内の改善点を調べるときなどに使いやすい表現です。
ヒアリングの例文
ここでは、ヒアリングを使った例文を紹介します。
仕事のメールや会議で使うときの参考にしてください。
仕事での例文
- お客さまの希望をヒアリングします。
- サービス改善のために、利用者へヒアリングを行います。
- まずは現在困っていることをヒアリングさせてください。
- 打ち合わせの前に、希望する内容をヒアリングします。
メールでの例文
- ご希望の内容について、事前にヒアリングさせていただけますでしょうか。
- 打ち合わせ前に、いくつか確認事項をヒアリングさせてください。
- よりよいご提案のため、現在の状況をヒアリングさせていただきます。
ヒアリングとヒヤリングはどっちが正しい?
一般的には「ヒアリング」と書くことが多いです。
「ヒヤリング」と書かれることもありますが、仕事の文書や記事では「ヒアリング」にそろえると読みやすくなります。
表記をそろえると、読者も意味を理解しやすくなります。
初心者が間違えやすい点
ヒアリングは、仕事でよく使われる言葉です。
ただし、意味を少し取り違えやすい点もあります。
ただ話を聞くだけではない
ヒアリングは、ただ相手の話を聞くだけではありません。
必要な情報を集めるために、目的を持って質問します。
聞いた内容を整理し、次に何をするか考えることも大切です。
質問攻めにしない
聞きたいことが多くても、質問ばかりになると、相手は取り調べを受けているように感じてしまうことがあります。
そうなると、本当に困っていることや、くわしい事情を話しにくくなる場合があります。
まずは相手の話をじっくり聞きましょう。このように、相手の話にしっかり耳を向けることを「傾聴(けいちょう)」といいます。
そのうえで、「相手はなぜそう言ったのか」「何に困っているのか」を考えながら、必要な点を少しずつ確認します。
聞いた内容を決めつけない
相手の言葉を、自分の思い込みで受け取らないようにします。
分からない点は、その場で確認するとよいです。
「この理解で合っていますか」と聞くと、お互いの理解の違いを減らせます。
ヒアリングに関するよくある質問
ヒアリングとは何ですか?
ヒアリングとは、相手から必要な情報を聞き取ることです。
仕事では、希望、困っていること、予算や期限などを確認する場面でよく使われます。
ヒアリングとリスニングの違いは何ですか?
日本の仕事の場では、ヒアリングは目的を持って情報を聞き取ることとして使われます。
リスニングは、音声を聞いて内容を理解することです。
ただし、英語本来の意味では、hearingは自然に音が耳に入ること、listeningは意識して聞くことを指します。
ヒアリングシートとは何ですか?
ヒアリングシートとは、相手に聞く内容をまとめたメモや表のことです。
聞き忘れを防ぎ、あとから内容を見返しやすくするために使います。
ヒアリングの言い換えは何ですか?
「聞き取り」「確認」「聞き取り調査」などと言い換えられます。
初心者向けに説明する場合は、「聞き取り」が分かりやすいです。
ヒアリングは失礼な言葉ですか?
ヒアリング自体は失礼な言葉ではありません。
ただし、相手に使うときは「ヒアリングさせていただきます」「お話をうかがいます」のように、やわらかく言うと自然です。
まとめ:ヒアリングとは、必要な情報を聞き取ること
ヒアリングとは、相手から必要な情報を聞き取ることです。
仕事では、お客さまの希望、困りごと、予算や期限などを確認するために使われます。
ヒアリングは、ただ聞くだけではありません。目的を持って質問し、聞いた内容を整理することが大切です。
日本の仕事の場では「ヒアリング」という言葉がよく使われますが、英語本来のhearingとは意味が少し違います。
ヒアリングシートを使うと、聞く内容を整理しやすくなり、聞き忘れも減らしやすくなります。
