OCRとは、紙や画像に書かれた文字を読み取り、パソコンやスマートフォンで使える文字に変える技術です。かんたんに言うと、写真の中にある文字を、コピーや検索ができる文字に変える仕組みです。
このコピーや検索ができる文字を「文字データ」といいます。写真に写っているだけの文字とは違い、文字を選んだり、修正したりできます。
たとえば、レシートをスマートフォンで撮影すると、店名や金額が自動で入力されることがあります。このような機能に使われているのがOCRです。
この記事では、OCRの意味や仕組み、主な機能、使われる場面を初心者向けに解説します。スキャンやAI-OCRなど、似た言葉との違いも分かりやすく紹介します。
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OCRとは

かんたんに言うと画像の文字を文字データに変える技術
OCRとは、画像の中にある文字を読み取り、文字データに変える技術です。文字データに変えると、文章のコピーや編集、検索ができるようになります。
たとえば、紙に書かれた文章をスマートフォンで撮影しただけでは、基本的には1枚の画像として保存されます。画像の中に文字が写っていても、その文字を直接選ぶことはできません。
その画像にOCRを使うと、写っている文章を文字として取り出せます。取り出した文字は、ほかの文書へ貼り付けたり、間違いを直したりできます。
身近な例では、紙の文章を見ながら、パソコンへ文字を入力する作業に似ています。OCRは、この文字入力を機械が代わりに行う技術と考えると分かりやすいでしょう。
OCRは何の略?読み方と意味
OCRは「オーシーアール」と読みます。「Optical Character Recognition」という英語の頭文字を取った言葉です。
日本語では「光学文字認識」と呼ばれます。少し難しい言葉ですが、画像に写っている形を調べ、どの文字なのかを見分ける技術という意味です。
- Optical:光や画像に関係する
- Character:文字
- Recognition:見分けること
つまりOCRとは、画像に写っている文字の形を見分け、パソコンなどで使える文字に変える仕組みです。
OCRの仕組み

OCRは、画像を読み込んだ直後に文章の意味を理解しているわけではありません。文字がある場所や文字の形を順番に調べ、文字データへ変えています。
画像や紙の文書を読み込む
最初に、文字が写っている画像を読み込みます。紙の文書を使う場合は、スキャナーやスマートフォンのカメラで画像にします。
スキャナーとは、紙の文書や写真を画像としてパソコンなどに取り込む機器です。紙を画像として取り込む作業を「スキャン」といいます。
OCRが読み込むものには、書類の写真、画像ファイル、スキャンしたPDFなどがあります。PDFとは、文書の見た目を保ったまま保存しやすいファイルの種類です。
文字が書かれている場所を見つける
次に、画像のどこに文字が書かれているかを探します。文章や数字、表などを見分けながら、文字が並んでいる場所を調べます。
背景に写真や模様がある場合は、文字の部分と背景を分ける処理も行います。ここでいう処理とは、画像を読み取りやすい状態に整える作業のことです。
文字の形を見分けて文字データに変える
文字がある場所を見つけたら、一つひとつの形を調べます。たとえば、画像に写った形が「あ」なのか「お」なのかを見分けます。
見分けた結果は、パソコンやスマートフォンで使える文字データに変わります。変換後は、文章のコピーや検索、修正ができるようになります。
OCRの主な機能とできること
OCRの主な機能は、画像として保存されている文字を、利用しやすい文字データへ変えることです。ここでは、OCRでできることを具体的に紹介します。
紙の文書を文字データに変える
紙の文書をスキャンし、書かれている文章を文字データにできます。紙を見ながら、すべての文章を手作業で入力する必要がなくなります。
アンケート用紙や申込書、過去の資料などをパソコンで使える形にするときに便利です。
画像やPDFから文字を取り出す
OCRを使うと、写真や画像の中にある文字を取り出せます。紙をスキャンして作ったPDFから、文章を取り出すことも可能です。
ただし、初めから文字データが入っているPDFには、OCRが必要ない場合もあります。文字を選択してコピーできるPDFは、すでに文字データが入っている可能性があります。
文字を検索・コピー・編集できるようにする
画像のままでは、文章の一部を選んでコピーすることはできません。OCRで文字データに変えると、必要な部分をコピーして別の文書へ貼り付けられます。
文書の中から名前や金額を検索したり、読み取りを間違えた文字を修正したりすることもできます。
手書き文字を読み取れる場合もある
OCRの中には、手書き文字を読み取れるものもあります。ただし、すべての手書き文字を正しく読めるわけではありません。
文字が重なっていたり、書き方に大きなくせがあったりすると、読み取りを間違えることがあります。
OCRが使われる場面と具体例

OCRは、会社の仕事だけでなく、日常生活でも使われています。身近な場面を知ると、OCRの役割を理解しやすくなります。
レシートや領収書の読み取り
家計簿アプリでは、レシートを撮影すると、店名や日付、金額が自動で入力されることがあります。この読み取りにOCRが使われています。
会社では、領収書に書かれた金額を読み取り、仕事で使ったお金の記録に利用することもあります。
請求書や伝票の入力
請求書には、会社名、日付、金額、振込先などが書かれています。OCRを使うと、これらの情報を読み取り、書類を管理する仕組みへ入力できます。
伝票の数が多い会社では、手作業による入力の負担を減らす目的で使われています。
名刺や申込書の文字入力
名刺を撮影し、氏名や会社名、電話番号を連絡先へ登録する機能にもOCRが使われています。申込書に書かれた情報を読み取ることもできます。
ただし、読み取り結果に誤りがないか、最後に確認することが大切です。
本や紙の資料を検索できる形にする
紙で保管されている本や資料をスキャンし、パソコンで検索できる形にするときにもOCRが使われます。
紙の資料をパソコンなどで保存、検索、編集できる形にすることを「データ化」といいます。OCRを使えば、資料に含まれる言葉を検索しやすくなります。
古い文書では、文字のかすれや紙の汚れにより、正しく読み取れない場合があります。
OCRを使うメリット
文字を手作業で入力する手間を減らせる
OCRを使う大きなメリットは、文字入力の手間を減らせることです。文章や数字を一つずつ入力する作業を少なくできます。
書類の数が多いほど、作業時間の短縮につながりやすくなります。
紙の文書を検索しやすくなる
紙の文書は、必要な情報を1枚ずつ目で探さなければなりません。OCRで文字データにすると、キーワードを入力して検索できます。
書類の量が多い場合でも、必要な情報を見つけやすくなります。
コピーや編集ができるようになる
画像に写った文章は、そのままではコピーや修正ができません。OCRを使えば、文章を別の資料へ貼り付けたり、内容を直したりできます。
元の文章を参考に、新しい文書を作るときにも便利です。
入力間違いを減らしやすい
長い数字や住所を手作業で入力すると、打ち間違いが起こることがあります。OCRを使うことで、手入力による間違いを減らせる場合があります。
ただし、OCRにも読み取り間違いがあります。変換後の確認は必要です。
OCRの注意点と読み取り精度
OCRの読み取り精度とは、画像の文字をどの程度正しく文字データに変えられるかを表すものです。画像や文字の状態によって、読み取り結果は変わります。
すべての文字を正しく読めるわけではない
OCRは便利な技術ですが、読み取り結果が必ず正しいとは限りません。形が似ている文字を間違えることがあります。
たとえば、数字の「1」と英字の「I」、数字の「0」と英字の「O」などは、見分けにくい場合があります。
かすれや傾きがあると間違えやすい
文字がかすれていたり、画像がぼやけていたりすると、読み取り精度が下がりやすくなります。文書が大きく傾いている場合も、正しく読めないことがあります。
明るい場所で撮影し、文書を正面から写すと読み取りやすくなります。
手書き文字は読み取りにくいことがある
印刷された文字は、形がそろっています。一方、手書き文字は人によって形や大きさが違います。
そのため、手書き文字は印刷された文字よりも読み取りが難しい場合があります。
読み取り後は内容の確認が必要
OCRで変換した文章は、元の書類と見比べることが大切です。特に、金額、日付、氏名、住所などは確認したほうがよいでしょう。
OCRは確認作業をすべてなくす技術ではありません。文字入力を助け、作業の負担を減らすための技術です。
OCRと似た言葉の違い
OCRとスキャンの違い

スキャンとは、紙の文書を写真のような画像として、パソコンなどへ取り込むことです。スキャンしただけでは、画像の中にある文章を文字として検索できない場合があります。
OCRは、スキャンした画像の中から文字を見つけ、文字データへ変える技術です。
| 項目 | 主な役割 |
|---|---|
| スキャン | 紙の文書を画像として取り込む |
| OCR | 画像にある文字を文字データに変える |
OCRとAI-OCRの違い
AI-OCRとは、AIを使って文字を読み取るOCRです。AIとは、多くの例をもとに、文字の形や書類の特徴を見分ける技術です。
従来のOCRは、文字が書かれている場所や書類の形が決まっている場合に向いています。AI-OCRは、書類ごとに文字の場所が違う場合や、手書き文字にも対応しやすいのが特徴です。
ただし、AI-OCRであっても、すべての文字を正しく読めるわけではありません。
OCRとOMRの違い
OMRとは、用紙に書かれた丸やチェックなどの印を読み取る技術です。試験やアンケートで使われるマークシートの読み取りなどに利用されます。
OCRは文字や数字を読み取りますが、OMRは印が付いている場所を読み取ります。
| 項目 | 読み取るもの | 主な使用例 |
|---|---|---|
| OCR | 文字や数字 | 請求書、名刺、文書 |
| OMR | 丸やチェックなどの印 | マークシート、アンケート |
OCRについて初心者が間違えやすい点
スキャンしただけでは文字データにならない
紙の文書をスキャンすると、パソコンやスマートフォンで見ることはできます。しかし、スキャンしただけでは、文章が画像として保存されている場合があります。
文章を検索したりコピーしたりするには、OCRによる文字の読み取りが必要です。
OCRを使っても元の文字が変わるわけではない
OCRは、画像の中にある文字を読み取り、別の文字データを作る技術です。元の紙や画像に書かれている文字を書き換えるものではありません。
元の画像と、OCRで作られた文字データは別のものです。
読み取り結果が必ず正しいとは限らない
OCRは、見つけた文字の形から、どの文字なのかを判断します。そのため、画像の状態によっては、別の文字として読み取る場合があります。
大切な書類に使う場合は、変換後の内容を元の書類と見比べて確認しましょう。
OCRについてよくある質問
OCRはスマホでも使えますか?
OCRはスマートフォンでも使えます。カメラで書類を撮影し、画像の中から文字を取り出せるアプリや機能があります。
スマートフォンの種類や使用するアプリによって、利用できる機能は異なります。
OCRはPDFにも使えますか?
OCRは、紙をスキャンして作ったPDFにも使えます。PDFの中にある文字を読み取り、検索やコピーができる状態に変えられます。
初めから文字データが入っているPDFは、OCRを使わなくても検索やコピーができる場合があります。
OCRは手書き文字も読み取れますか?
手書き文字に対応したOCRもあります。ただし、文字の形や書き方によっては正しく読み取れません。
はっきりと書かれた文字は、くずれた文字よりも読み取りやすくなります。
OCRは無料で使えますか?
無料で使えるOCRアプリや、インターネット上で利用できるサービスもあります。ただし、読み取れる枚数や使える機能が限られている場合があります。
仕事の書類や個人情報が含まれる書類に使う場合は、利用方法や情報の取り扱いを確認してから使いましょう。
OCRと文字起こしは同じですか?
完全に同じではありません。OCRは、画像や紙に書かれた文字を文字データへ変える技術です。
文字起こしは、音声を聞いて文章にしたり、画像の文章を入力したりする作業全体を表すことがあります。OCRは、画像から文字を取り出す文字起こしの方法の一つといえます。
電気分野のOCRとは同じ意味ですか?
同じ意味ではありません。電気分野では、OCRが「過電流継電器」という機器を表すことがあります。
過電流継電器とは、電気が流れすぎたときに異常を見つけ、機器を守るためのものです。文字を読み取るOCRとは、まったく別のものです。
まとめ|OCRとは画像の文字を文字データに変える技術
OCRとは、紙や画像に書かれた文字を読み取り、パソコンやスマートフォンで使える文字データへ変える技術です。「Optical Character Recognition」の略で、日本語では光学文字認識と呼ばれます。
OCRを使うと、画像の文章を検索したり、コピーや編集をしたりできます。レシート、請求書、名刺、申込書など、さまざまな場面で使われています。
- OCRは画像の文字を文字データに変える技術
- 文字データはコピーや検索、修正ができる文字
- スキャンは紙を画像として取り込む作業
- AI-OCRはAIを使って文字を読み取る仕組み
- OMRは丸やチェックなどの印を読み取る技術
- 読み取り後は元の文書との確認が必要
OCRは、紙に書かれた情報をパソコンやスマートフォンで使いやすくするための技術です。文字入力の手間を減らし、文書を探しやすくするために役立っています。

