OKRとは、達成したい目標と、その目標を達成できたか判断する結果をセットで決める方法です。
かんたんに言うと、「どこを目指すのか」と「何ができたら達成なのか」を明らかにする仕組みです。会社全体だけでなく、部署やチーム、個人の目標にも使えます。
この記事では、OKRの意味や具体例、KPIやMBOとの違いを初心者向けに解説します。OKRの作り方や、実際に使い続けるときの注意点も見ていきましょう。
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OKRとは
OKRとは、目標を決め、その目標を達成できたか確認するための方法です。「オーケーアール」と読みます。
目標だけを決めるのではありません。達成したかどうかを判断できる結果も一緒に決めます。
OKRをかんたんに言うと
OKRをかんたんに言うと、目標と、達成したかを判断する基準をセットにしたものです。
たとえば、「部屋をきれいにする」だけでは、どの状態になれば終わりなのか分かりません。「床に物がない」「机の上を片付ける」と決めると、達成したか判断しやすくなります。
OKRも同じです。会社やチームが目指す目標に対して、何ができたら達成といえるのかを決めます。
OKRの読み方と正式名称
OKRは「オーケーアール」と読みます。正式名称は、Objectives and Key Resultsです。
Objectivesは「目標」、Key Resultsは「目標を達成できたか判断する大切な結果」という意味です。
OKRが使われる理由
会社では、多くの人が別々の仕事をしています。そのため、全員が同じ目標に向かっているとは限りません。
OKRを使うと、会社やチームが何を大切にしているのかをみんなで確認できます。どの仕事を先に進めるべきかも判断しやすくなります。
OKRを構成するOとKRとは
OKRは、OとKRの2つで構成されます。Oは目標、KRは目標の達成を確認する結果です。
Oは「どうなりたいか」、KRは「何ができたら達成といえるか」を表します。
Oは達成したい目標
Oは「Objective」の頭文字です。日本語では「目標」を意味します。
Oには、会社やチームが目指したくなる分かりやすい目標を設定します。数字だけではなく、目指す姿が伝わる言葉で表します。
たとえば、次のような目標です。
- 利用者が安心して使えるサービスにする
- お客さまから選ばれる店舗にする
- 学習を続けやすい環境をつくる
KRは目標の達成を確認する結果
KRは「Key Results」の略です。目標をどの程度達成できたか確認するための結果を表します。
KRは、達成したかどうかを判断できる内容にします。人数や割合、回数などの数字を入れると分かりやすくなります。
たとえば、「利用者が安心して使えるサービスにする」という目標には、次のようなKRを設定できます。
- 利用者アンケートの満足度を80%以上にする
- 問い合わせ件数を前の期間より20%減らす
- サービスが使えなくなるような大きな問題を0件にする
OとKRの関係
Oは「目指す場所」、KRは「到着したと判断する条件」です。どちらか一方だけでは、OKRとして十分ではありません。
目標だけでは、達成したか判断しにくくなります。数字だけでは、何のために取り組むのか分かりにくくなります。
OKRを身近な例で理解する
OKRは会社で使われることが多い方法です。ただし、学校生活や日常生活に置き換えると、仕組みを理解しやすくなります。
学校の文化祭に置き換えた例
文化祭で「来場者に楽しんでもらえる展示をつくる」という目標を立てたとします。これがOです。
目標の達成を確認するために、次のKRを決めます。
- 展示の来場者数を500人以上にする
- アンケートで「楽しかった」と答える人を90%以上にする
- 準備を文化祭の3日前までに終える
このように、目標と結果をセットで決めることで、何をすればよいのかが分かります。
会社の目標に置き換えた例
会社では、「お客さまに長く利用してもらえるサービスにする」というOを設定できます。
KRには、使い続けてくれる人の割合や満足度などを設定します。会社で使う場合も、基本的な仕組みは文化祭の例と同じです。
OKRの具体例
OKRは、会社全体だけでなく、部署やチーム、個人にも設定できます。ここでは、いくつかの具体例を紹介します。
会社全体のOKRの例
O:お客さまから最も信頼される会社になる
- KR1:お客さま満足度を85%以上にする
- KR2:問い合わせへの平均回答時間を24時間以内にする
- KR3:使い続けてくれるお客さまの割合を10%増やす
会社全体のOKRは、社員が同じ目標に向かうための目印になります。
営業部門のOKRの例
O:お客さまに合った提案ができる営業チームになる
- KR1:提案したうち、契約につながる割合を30%まで高める
- KR2:お客さまへの聞き取りを月50件行う
- KR3:提案後の満足度を80%以上にする
売上だけでなく、提案の質やお客さまの満足度も結果として設定できます。
システム開発部門のOKRの例
O:利用者が安心して使えるシステムを提供する
- KR1:サービスが使えなくなるような大きな問題を0件にする
- KR2:利用者からの問い合わせを20%減らす
- KR3:予定した機能の90%を期限内に公開する
システム開発では、使いやすさや期限、利用者の満足度などをKRにできます。
個人で設定するOKRの例
O:人前で分かりやすく説明できるようになる
- KR1:月に2回、発表の練習をする
- KR2:3回以上の発表を経験する
- KR3:発表後のアンケートで80%以上から「分かりやすい」と評価される
個人のOKRでも、目指す姿と達成を確認できる結果をセットにします。
OKRとKPIの違い
OKRとKPIは、どちらも目標を管理するときに使われる言葉です。ただし、役割が異なります。
目標管理とは、目標を決め、進み具合や結果を確認することです。
| 比較項目 | OKR | KPI |
|---|---|---|
| 主な役割 | 目標と達成結果を決める | 仕事の進み具合を確認する |
| 重視すること | 目指す姿や変化 | 日々の実績や数字 |
| 使い方 | 目標と複数のKRを設定する | 確認したい数字を設定する |
| 例 | 利用者に選ばれるサービスにする | 月間利用者数を確認する |
OKRは目標と成果を決める方法
OKRでは、何を目指すのかをOで表します。その目標を達成したかどうかは、KRで確認します。
今までより大きく成長したいときや、目指す姿を共有したいときに使いやすい方法です。
KPIは進み具合を確認する数字
KPIとは、目標に向けて仕事が順調に進んでいるか確認するための数字です。読み方は「ケーピーアイ」です。
たとえば、売上を増やすために、問い合わせ件数や商談数を確認する場合があります。この問い合わせ件数や商談数がKPIです。
KRとKPIの違い
KRは、目標を達成したか判断する結果です。KPIは、その結果に向かって順調に進んでいるかを見る途中の数字です。
似ていますが、KRはゴールに近い結果、KPIは途中の進み具合を見るために使われます。
OKRとKPIは一緒に使える
OKRとKPIは、どちらか一方だけを選ぶものではありません。目的に合わせて一緒に使えます。
OKRで目指す方向を決め、KPIで日々の進み具合を確認する使い方ができます。
OKRとMBOの違い
MBOとは、社員一人ひとりが仕事の目標を決め、その達成の様子を確認する方法です。読み方は「エムビーオー」です。
| 比較項目 | OKR | MBO |
|---|---|---|
| 主な目的 | 会社やチームの成長 | 個人の目標管理 |
| 目標の共有 | 会社やチームで共有することが多い | 本人と上司で共有することが多い |
| 社員の評価との関係 | 直接結び付けないことが多い | 評価に使われることが多い |
| 目標の特徴 | 少し高い目標を立てやすい | 達成できる目標を立てやすい |
目標を決める目的の違い
OKRは、会社やチームが同じ目標に向かうために使われます。部署をまたいで目標を共有することもあります。
MBOは、個人の仕事や成長を管理する目的で使われることが多い方法です。
社員の評価との結び付き方の違い
MBOは、社員の働き方や成果を会社が評価する人事評価に使われることがあります。
OKRは、挑戦を後押しする目的で使われます。一般的には、目標に対してどこまで達成できたかという割合だけを、人事評価に直接使わない方がよいとされています。
OKRとMBOの使い分け
会社やチームの目標をそろえたい場合は、OKRが向いています。個人の仕事の目標や評価を管理したい場合は、MBOが使いやすいでしょう。
会社によっては、OKRとMBOを役割別に使い分けています。
OKR・KGI・KPIの違い
OKRと一緒に、KGIやKPIという言葉が使われることがあります。それぞれの役割を整理しましょう。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| OKR | 目標と達成を確認する結果 | 選ばれる店になる |
| KGI | 最終的に達成したい数字 | 年間売上1億円 |
| KPI | 途中の進み具合を確認する数字 | 月間商談数100件 |
KGIは最終的なゴールを示す
KGIとは、最終的に達成したい結果を数字で表したものです。読み方は「ケージーアイ」です。
売上や契約数など、最後のゴールを示す数字として使われます。
KPIは途中の進み具合を示す
KPIは、KGIを達成するための途中の進み具合を確認する数字です。
たとえば、契約数を増やすための問い合わせ件数や商談数などがKPIになります。
OKRは目標と結果を組み合わせる
OKRは、目指す姿と達成を判断する結果を組み合わせます。数字だけでなく、会社やチームが何を目指すのかも示せる点が特徴です。
OKRのメリット
OKRを正しく使うと、会社やチームの目標が分かりやすくなります。主なメリットを見ていきましょう。
会社やチームの目標を共有しやすい
OKRでは、会社やチームの目標をみんなで確認します。そのため、自分の仕事が何につながっているのか理解しやすくなります。
先に取り組む仕事が分かりやすくなる
仕事が多いと、何から始めるべきか迷うことがあります。OKRがあると、目標に近づく仕事を先に進められます。
チーム同士で協力しやすくなる
目標が共有されていれば、別の部署や担当者とも協力しやすくなります。同じような仕事を別々に進めていることにも気付きやすくなります。
目標への進み具合を確認しやすい
KRには、達成を判断できる結果を設定します。そのため、目標にどの程度近づいているのか確認できます。
OKRのデメリットと注意点
OKRは便利な方法ですが、設定するだけで効果が出るものではありません。実際に使い続けるときは、次の点に注意しましょう。
目標が多すぎると集中しにくい
多くの目標を設定すると、どれを先に進めるべきか分かりにくくなります。大切な目標にしぼることが重要です。
結果を数字で表せない場合がある
仕事によっては、結果を数字だけで表すことが難しい場合があります。
無理に数字を設定するのではなく、どの状態になれば達成といえるのかを考えましょう。
人事評価に直接使うと目標が小さくなりやすい
達成できた割合が給与や評価に直結すると、失敗しない目標を選びやすくなります。その結果、少し高い目標に挑戦しにくくなることがあります。
OKRを人事評価に使う場合は、達成した割合だけで判断しない工夫が必要です。
設定しただけでは効果が出ない
OKRは、定期的に進み具合を確認する必要があります。作成後に見直さなければ、目標が忘れられてしまいます。
OKRの作り方
OKRは、目標を決めて終わりではありません。達成を確認する結果や期限を決め、定期的に振り返ります。
達成したい目標を1つ決める
最初に、チームや個人が達成したい目標を決めます。短く、覚えやすい表現にしましょう。
数字だけではなく、目指す姿が伝わる言葉を使います。
目標の達成を確認できる結果を決める
次に、目標を達成したか判断できるKRを決めます。1つのOに対して、2~5個ほどのKRを設定する方法があります。
ただし、数を増やしすぎる必要はありません。大切な結果にしぼりましょう。
期限を決める
OKRには、いつまでに達成するのか期限を設定します。期限がないと、取り組みを後回しにしやすくなります。
会社では、3カ月ごとにOKRを設定することがあります。この3カ月の区切りを四半期と呼びます。
進み具合を定期的に確認する
週に1回や月に1回など、確認する機会を設けます。順調に進んでいない場合は、進め方を見直します。
目標そのものを毎回変えるのではなく、目標に近づく方法を考えることが大切です。
結果を振り返って次の目標に生かす
期間が終わったら、達成できたことと、できなかったことを確認します。
達成できなかった場合も、理由を整理すれば次の目標に生かせます。失敗した人を責めるための振り返りにはしません。
よいOKRと悪いOKRの違い
OKRでは、目標と結果の書き方が重要です。よい例と悪い例を比べてみましょう。
目標があいまいなOKR
悪い例:お客さま対応を頑張る
これでは、何を達成すればよいのか分かりません。「問い合わせへの回答を早くし、満足度を高める」など、目指す状態を明らかにします。
仕事の予定を書いただけのOKR
悪い例:会議を10回行う
会議を開くことは作業であり、結果とは限りません。「会議で決まった改善案を5件実行する」など、何が変わったかを結果として表します。
KRは「会議を開く」などの作業ではありません。作業によって、どのような変化が起きたかを示します。
達成したか判断できるOKR
よい例:利用者が迷わず使えるWebサイトにする
- 問い合わせ件数を30%減らす
- 目的のページにたどり着けた利用者を90%以上にする
- 利用者アンケートの満足度を85%以上にする
目標と判断基準がつながっているため、どこまで達成できたか確認できます。
OKRを実際に使い続ける流れ
OKRは、作成後の使い方が重要です。設定、確認、振り返りの順で進めます。
期間ごとに目標を設定する
会社やチームで話し合い、次の期間に目指す目標を決めます。上司だけで決めず、実際に取り組む人の意見も取り入れます。
定期的に進み具合を確認する
決めた間隔で、KRの進み具合を確認します。問題があれば、必要な支援や作業の見直しを行います。
期間の終わりに達成した内容を振り返る
期間が終わったら、KRの結果を確認します。達成できた割合だけでなく、学んだことや直した方がよい点も整理します。
OKRで初心者が間違えやすい点
OKRを初めて作るときは、OとKRの役割が混ざりやすくなります。よくある間違いを確認しましょう。
KRを作業内容にしてしまう
「資料を作る」「会議を開く」は、仕事の予定です。KRには、その作業によって生まれる結果を設定します。
達成しやすい目標だけを設定する
簡単に達成できる目標だけでは、大きな成長につながりにくくなります。
ただし、現実から大きく離れた目標も適切ではありません。努力すれば近づける目標を考えます。
目標を増やしすぎる
目標が多いと、時間や人が分散します。今の期間で特に大切な目標にしぼりましょう。
OKRを人事評価の数字として使う
OKRの達成した割合だけで評価すると、少し高い目標を設定しにくくなります。
人事評価では、目標に向けた進め方や、周りの人の役に立ったことなども合わせて考えることが大切です。
OKRについてよくある質問
OKRは何の略ですか?
OKRは「Objectives and Key Results」の略です。日本語では「目標と、その達成を判断する大切な結果」という意味です。
OKRとKPIはどちらを使えばよいですか?
目指す姿と結果をまとめて決めたい場合は、OKRが向いています。日々の進み具合を数字で確認したい場合は、KPIが役立ちます。
役割が異なるため、両方を組み合わせることもできます。
OKRは個人でも使えますか?
OKRは個人でも使えます。学習や仕事、資格取得などの目標にも応用できます。
ただし、会社で使う場合は、会社やチームの目標とのつながりも意識します。
OKRは人事評価に使えますか?
人事評価の参考にすることはできます。ただし、OKRの達成した割合だけで評価すると、少し高い目標に挑戦しにくくなることがあります。
達成までの進め方や、周りの人の役に立ったことも合わせて確認することが大切です。
OKRはどのくらいの期間で設定しますか?
会社では、3カ月ごとに設定することがあります。この3カ月の区切りを四半期と呼びます。
ただし、仕事の内容によっては半年や1年で設定する場合もあります。
OKRはいくつ設定すればよいですか?
目標を増やしすぎると、先に取り組む順番が分かりにくくなります。最初は、特に大切な目標を1~3個ほど選ぶと進めやすいでしょう。
1つの目標に設定するKRも、大切なものにしぼります。
まとめ|OKRとは目標と結果を明確にする方法
OKRとは、達成したい目標と、その目標を達成できたか判断する結果をセットで決める方法です。Oは目標、KRは目標の達成を確認する結果を表します。
KPIは途中の進み具合を確認する数字、MBOは個人の目標を管理する方法です。OKRとは役割や使われ方が異なります。
OKRを活用すると、会社やチームが目指す方向を共有しやすくなります。目標を増やしすぎず、定期的に進み具合を確認することが大切です。

