基本情報技術者試験では、計算問題が出ます。
計算問題と聞くと、公式をたくさん覚える必要があると思うかもしれません。
計算問題の基礎から確認したい方は、先にITパスポートの計算問題を読むと、損益分岐点、期待値、稼働率、通信速度の基本を整理しやすくなります。
しかし、実際に大事なのは、公式の丸暗記だけではありません。
問題文を読み、必要な数字を選び、単位をそろえ、決まった手順で計算することが大切です。
この記事では、基本情報技術者試験でよく出る計算問題を、初心者でも追いやすいように手順で解説します。
基本情報技術者試験の全体の進め方を先に確認したい方は、基本情報技術者試験の勉強方法も参考にしてください。
- 2進数
- 論理演算
- 稼働率
- 損益分岐点
- 通信速度
- データ容量
- サブネット
どの分野も、いきなり難しい式から入るのではなく、「何を求める問題か」「どの数字を使うか」「どの順番で計算するか」を確認しながら進めます。
ここだけ読めばOK
基本情報技術者試験の計算問題は、公式を覚えるだけでは足りません。まず、何を求める問題かを確認し、使う数字と単位を整理します。そのうえで、1行ずつ途中式を書いて解くと、ミスを減らせます。
基本情報技術者試験の計算問題では何が問われる?
基本情報技術者試験の計算問題では、ITの仕組みを数字で理解しているかが問われます。
たとえば、コンピューターが数をどう表すのか、システムがどれくらい止まりにくいのか、データを送るのにどれくらい時間がかかるのかを計算します。
計算そのものは、特別に難しいものばかりではありません。
ただし、単位や条件を読み間違えると、答えが大きくずれます。
科目Aで計算問題が出る
基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bに分かれています。
計算問題は、主に科目Aで出ます。
科目Aと科目Bの違いを整理したい方は、基本情報技術者試験の科目Aと科目Bの違いも参考になります。
科目Aは、ITの基礎知識を幅広く問う試験です。
その中で、2進数、論理演算、稼働率、通信速度、サブネットなどの計算が出題されることがあります。
科目Aは90分で60問を解くため、1問に長い時間をかけすぎることはできません。
そのため、計算問題は「見た瞬間に手順が浮かぶ」状態を目指すとよいです。
公式暗記だけでは解きにくい問題がある
計算問題では、公式を覚えているだけでは解きにくい問題があります。
たとえば、通信速度の問題では、ファイル容量がバイトで書かれ、通信速度がビット毎秒で書かれることがあります。
この場合、バイトをビットに直してから計算する必要があります。
稼働率の問題では、直列か並列かで式が変わります。
サブネットの問題では、プレフィックス長からホスト部のビット数を出す必要があります。
このように、基本情報技術者試験の計算問題では、公式に入れる前の整理が大切です。
手順を決めて解くことが大事
計算問題を解くときは、毎回同じ流れで考えると安定します。
- 何を求める問題か確認する
- 使う数字や条件を抜き出す
- 単位をそろえる
- 必要なら表やメモに整理する
- 1行ずつ計算する
- 選択肢と答えの形を確認する
特に、計算が苦手な人ほど、頭の中だけで解こうとしないことが大切です。
本番はCBT方式の試験です。
紙の問題冊子に直接書き込む試験ではないため、会場で使えるメモ用紙や筆記具のルールに従い、途中式や表を書いて整理します。
ふだんの勉強でも、途中式を書く練習をしておくと、本番で迷いにくくなります。
基本情報技術者試験の計算問題を解く基本の流れ

ここでは、どの計算問題にも使える基本の流れを確認します。
2進数、稼働率、損益分岐点、通信速度、サブネットなど、分野が違っても、最初にやることは同じです。
ステップ1:何を求める問題か確認する
まず、問題文の最後を見ます。
問題では、次のように聞かれることがあります。
- 10進数でいくつか
- 2進数でいくつか
- 稼働率はいくつか
- 何秒かかるか
- 使えるホスト数はいくつか
- 損益分岐点の売上高はいくらか
最初に答えるべきものを決めておくと、関係ない数字に引っ張られにくくなります。
ステップ2:使う数字や条件を抜き出す
次に、問題文から必要な数字や条件を抜き出します。
このとき、数字だけを見るのではなく、単位や条件も一緒に見ます。
- ビットなのか、バイトなのか
- 秒なのか、分なのか
- 小数なのか、パーセントなのか
- 直列なのか、並列なのか
- 回線利用率があるか
- /24や/26などのプレフィックス長があるか
計算問題では、数字そのものよりも、数字の意味を間違えないことが大切です。
ステップ3:必要なら表やメモに整理する
2進数、論理演算、稼働率、サブネットは、表やメモに整理すると分かりやすくなります。
基本情報技術者試験はCBT方式で実施されます。CBT方式とは、試験会場のパソコンで受ける試験方式です。
本番では、試験会場で使用できるメモ用紙や筆記具が用意されます。会場のルールに従い、途中式や表を書いて整理しましょう。
ふだんの学習でも、頭の中だけで計算するのではなく、手を動かして解く練習をしておくと、本番で迷いにくくなります。
たとえば、2進数なら次のように桁の重みを書きます。
| 桁の重み | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 使うか | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
このように書くと、13が「8 + 4 + 1」で作れることが見えます。
ステップ4:1行ずつ計算する
計算は、一気にまとめてやらないようにします。
1行ずつ途中式を書くと、どこで間違えたかを見直しやすくなります。
たとえば、1MBのデータを1Mbpsで送る場合は、次のように考えます。
- 1MBをビットに直す
- 1MB = 8Mビット
- 8Mビット ÷ 1Mbps = 8秒
このように、単位をそろえてから計算することが大切です。
ステップ5:単位と選択肢を確認する
最後に、答えの単位を確認します。
- 秒で答えるのか
- 分で答えるのか
- 小数で答えるのか
- パーセントで答えるのか
- 個数で答えるのか
計算結果が合っていても、答えの形を間違えると選択肢を選べません。
0.99と99%、8秒と0.8秒、254個と256個のように、似た選択肢に注意しましょう。
2進数を桁の重みの箱で理解する

2進数は、0と1だけで数を表す方法です。
はじめて見ると難しく感じますが、「箱に数を入れる」と考えると分かりやすくなります。
16・8・4・2・1の箱を用意する
まず、次のような箱を用意します。
| 16の箱 | 8の箱 | 4の箱 | 2の箱 | 1の箱 |
|---|---|---|---|---|
| 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
右から左へ進むほど、箱の数字は2倍になります。
1、2、4、8、16というように増えていきます。
作りたい数に必要な箱を選ぶ
たとえば、13を作りたいとします。
13は、次のように分けられます。
13 = 8 + 4 + 1
つまり、13を作るには、8の箱、4の箱、1の箱を使います。
16の箱と2の箱は使いません。
使う箱を1、使わない箱を0にする
使う箱を1、使わない箱を0にします。
| 箱 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 使うか | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
そのため、13を5桁の2進数で表すと、次のようになります。
13 = 01101
先頭の0は、16の箱を使っていないという意味です。
2進数の変換をパズルのように考える
2進数の変換は、暗記ではなく、箱を選ぶパズルのように考えます。
作りたい数に対して、どの箱を使うかを決めるだけです。
たとえば、10を作るなら、8の箱と2の箱を使います。
| 箱 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 使うか | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
したがって、10は2進数で01010です。
たとえると
2進数は、決まった重さの箱を使って数を作るパズルです。13を作るなら、8の箱、4の箱、1の箱を選びます。使う箱を1、使わない箱を0にすると、2進数になります。
2進数の基本
ここからは、2進数の基本を整理します。
2進数は、論理演算やサブネットの理解にもつながる大事な分野です。
2進数は0と1で表す数
2進数は、0と1だけで数を表します。
私たちが普段使う数は、0から9までの10種類の数字を使う10進数です。
一方、コンピューターは、電気のオンとオフをもとに動きます。
そのため、0と1で表す2進数と相性がよいです。
10進数との違い
10進数では、桁が1つ上がると10倍になります。
1の位、10の位、100の位という形です。
2進数では、桁が1つ上がると2倍になります。
1の位、2の位、4の位、8の位、16の位という形です。
| 種類 | 使う数字 | 桁の増え方 |
|---|---|---|
| 10進数 | 0〜9 | 10倍ずつ増える |
| 2進数 | 0と1 | 2倍ずつ増える |
ビットの考え方
ビットとは、0か1を入れられる最小の単位です。
1ビットなら、0か1のどちらかを表せます。
2ビットなら、00、01、10、11の4通りを表せます。
3ビットなら、000から111までの8通りを表せます。
ビット数が増えるほど、表せるパターンも増えます。
桁の重みを理解する
2進数では、各桁に重みがあります。
右から順に、1、2、4、8、16、32と増えます。
| 桁 | 6桁目 | 5桁目 | 4桁目 | 3桁目 | 2桁目 | 1桁目 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 重み | 32 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
2進数の問題では、1になっている桁の重みを足します。
2進数と10進数の変換手順

2進数の変換は、基本情報技術者試験の計算問題でよく出るテーマです。
手順を決めておくと、あわてずに解けます。
2進数から10進数へ変換する手順
2進数から10進数へ直すときは、1が立っている桁の重みを足します。
たとえば、2進数の1010を10進数に直します。
| 2進数 | 1 | 0 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|
| 桁の重み | 8 | 4 | 2 | 1 |
1になっているのは、8の桁と2の桁です。
8 + 2 = 10
そのため、2進数の1010は、10進数で10です。
10進数から2進数へ変換する手順
10進数から2進数へ直すときは、大きい箱から順に使えるかを考えます。
たとえば、13を2進数に直します。
- 16は13より大きいので使わない
- 8は使える
- 残りは5
- 4は使える
- 残りは1
- 2は使わない
- 1は使う
| 箱 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 使うか | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
したがって、13は2進数で01101です。
桁の重みを表にして考える
2進数の問題では、桁の重みを表にすると分かりやすくなります。
8ビットなら、次のように書きます。
| 重み | 128 | 64 | 32 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 値 |
表を先に書けば、どの桁を足せばよいかが見えやすくなります。
変換で間違えやすい点
2進数の変換では、次の点で間違えやすいです。
- 右端の桁を1の重みとして見ない
- 桁の重みを左から1、2、4と考えてしまう
- 0の桁まで足してしまう
- 先頭の0を消してよい場合と、桁数をそろえる場合を混同する
右端は必ず1の重みです。
そして、左に進むほど、2、4、8、16と増えます。
論理演算の基本

論理演算は、0と1を使って考える計算です。
論理演算は、アルゴリズムやプログラミングの考え方にもつながります。処理の手順から確認したい方は、基本情報技術者試験のアルゴリズム入門も参考にしてください。
基本情報技術者試験では、AND、OR、NOT、XORが出ます。
論理演算は、2進数の各桁を1つずつ見て計算します。
ANDとは
ANDは、両方が1のときだけ1になります。
どちらか一方でも0なら、結果は0です。
| A | B | A AND B |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 |
ANDは「両方が条件を満たす」と考えると分かりやすいです。
ORとは
ORは、どちらか一方でも1なら1になります。
両方が0のときだけ0です。
| A | B | A OR B |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 |
ORは「どちらかが当てはまればよい」と考えます。
NOTとは
NOTは、0と1を反対にする演算です。
| A | NOT A |
|---|---|
| 0 | 1 |
| 1 | 0 |
NOTは「反対にする」と覚えます。
XORとは
XORは、2つの値が違うときだけ1になります。
同じなら0です。
| A | B | A XOR B |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 0 |
XORは「違うときだけ1」と覚えると、問題で見分けやすくなります。
真理値表で考える
論理演算では、真理値表を使うと整理しやすくなります。
真理値表とは、入力の組み合わせと結果をまとめた表です。
暗記だけに頼らず、表を見ながら「この組み合わせなら結果は何か」を確認できるようにしましょう。
論理演算問題の解き方

論理演算の問題では、1桁ずつ計算することが大切です。
複数桁の2進数が出ても、まとめて考える必要はありません。
ステップ1:入力値を確認する
まず、入力値を確認します。
たとえば、次のような問題です。
1010 AND 1100
この場合、入力値は1010と1100です。
ステップ2:演算子を確認する
次に、演算子を確認します。
ここではANDなので、両方が1のときだけ1になります。
OR、XOR、NOTでは結果の出方が違うため、最初に演算子を見ます。
ステップ3:真理値表に当てはめる
ANDの真理値表では、両方が1のときだけ1です。
このルールを使って、各桁を見ていきます。
ステップ4:1桁ずつ計算する
1010と1100を、左から1桁ずつ計算します。
| 1つ目 | 1 | 0 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|
| 2つ目 | 1 | 1 | 0 | 0 |
| AND | 1 | 0 | 0 | 0 |
結果は1000です。
ステップ5:選択肢と照らし合わせる
最後に、選択肢と照らし合わせます。
問題文で「2進数で答えよ」とあれば1000です。
「10進数で答えよ」とあれば、1000を10進数に直して8です。
稼働率の計算

稼働率とは、システムが正常に動いている割合のことです。
基本情報技術者試験では、直列システム、並列システム、MTBF、MTTRなどが出ます。
システム構成や冗長化の考え方を確認したい方は、基本情報技術者試験のクラウド・システム構成入門も参考になります。
稼働率とは
稼働率は、システムが使える状態にある割合です。
たとえば、稼働率0.99なら、99%の割合で使えるという意味です。
計算では、パーセントではなく小数で扱うことが多いです。
| 表し方 | 意味 |
|---|---|
| 99% | 100回のうち99回使えるイメージ |
| 0.99 | 計算で使いやすい形 |
直列システムの稼働率
直列システムは、どれか1つでも止まると全体が止まる形です。
たとえば、AとBの2つの装置が直列につながっている場合、AもBも動いている必要があります。
直列の稼働率は、それぞれの稼働率をかけます。
直列の稼働率 = Aの稼働率 × Bの稼働率
Aが0.9、Bが0.8なら、次のようになります。
0.9 × 0.8 = 0.72
稼働率は0.72、つまり72%です。
並列システムの稼働率
並列システムは、どれか1つが動いていれば全体が動く形です。
並列では、「動く確率」よりも「全部止まる確率」から考えると分かりやすいです。
AとBが並列で、どちらか1つでも動けばよい場合、全体が止まるのはAもBも止まったときです。
並列の稼働率 = 1 - 全部止まる確率
AもBも稼働率0.9なら、止まる確率はそれぞれ0.1です。
全部止まる確率 = 0.1 × 0.1 = 0.01
したがって、並列の稼働率は次のようになります。
1 - 0.01 = 0.99
稼働率は0.99、つまり99%です。
MTBFとMTTRの考え方
MTBFは、故障してから次に故障するまでの平均時間です。
簡単に言うと、正常に動いている平均時間です。
MTTRは、故障してから復旧するまでの平均時間です。
簡単に言うと、修理にかかる平均時間です。
| 用語 | 意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| MTBF | 故障と故障の間の平均時間 | 動いている時間 |
| MTTR | 修理にかかる平均時間 | 止まっている時間 |
稼働率の公式を意味で理解する
MTBFとMTTRを使う稼働率は、次の式で求めます。
稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
全体の時間は、動いている時間と止まっている時間の合計です。
その中で、動いている時間の割合を求めるため、MTBFを全体で割ります。
MTBFが90時間、MTTRが10時間なら、次のようになります。
90 ÷ (90 + 10) = 90 ÷ 100 = 0.9
稼働率は0.9、つまり90%です。
稼働率問題の解き方
稼働率の問題では、直列か並列かの見分けが大事です。
ここを間違えると、使う式が変わります。
ステップ1:直列か並列か確認する
まず、システムのつながり方を確認します。
- どれか1つでも止まると全体が止まるなら直列
- どれか1つが動いていればよいなら並列
「予備機」「二重化」「どちらか一方が動けばよい」などの言葉があれば、並列を疑います。
ステップ2:各装置の稼働率を確認する
次に、各装置の稼働率を確認します。
99%のようにパーセントで書かれている場合は、0.99のように小数へ直します。
| パーセント | 小数 |
|---|---|
| 90% | 0.9 |
| 95% | 0.95 |
| 99% | 0.99 |
ステップ3:直列なら稼働率をかける
直列なら、それぞれの稼働率をかけます。
A × B
Aが0.9、Bが0.8なら、次のようになります。
0.9 × 0.8 = 0.72
直列では、装置が増えるほど全体の稼働率は下がりやすくなります。
ステップ4:並列なら止まる確率から考える
並列なら、全部止まる確率から考えます。
稼働率が0.9なら、止まる確率は0.1です。
AもBも0.9で並列なら、次のようになります。
止まる確率 = 0.1 × 0.1 = 0.01
全体の稼働率は、1から止まる確率を引きます。
1 - 0.01 = 0.99
ステップ5:小数とパーセントを確認する
最後に、答えの形を確認します。
0.99で答えるのか、99%で答えるのかを問題文や選択肢で見ます。
0.99と99%は同じ意味ですが、選択肢では表し方が違うことがあります。
損益分岐点の計算

損益分岐点は、経営や会計に関する計算問題です。
経営や会計まわりの基本を確認したい方は、基本情報技術者試験のストラテジ入門も参考にしてください。
基本情報技術者試験では、2進数、論理演算、稼働率、通信速度、サブネットなどの計算を優先して対策するとよいです。
ただし、損益分岐点も基本の考え方は押さえておきたい分野です。
固定費、変動費、売上の関係を理解しておけば、出題されたときに落ち着いて解けます。
売上・固定費・変動費の関係
損益分岐点では、次の3つを理解することが大切です。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 売上 | 商品を売って得た金額 | ラーメンの販売代金 |
| 固定費 | 売れた数に関係なくかかる費用 | 家賃、人件費 |
| 変動費 | 売れた数に応じて増える費用 | 材料費、容器代 |
利益は、売上から費用を引いて求めます。
利益 = 売上 - 費用
利益が0になる点を求める
損益分岐点は、利益が0になる点です。
つまり、次の状態です。
売上 = 固定費 + 変動費
この点を超えると利益が出ます。
この点を下回ると赤字になります。
販売数を求める問題
販売数を求める問題では、1個売るごとにいくら固定費を回収できるかを考えます。
たとえば、1個500円の商品があり、1個あたりの変動費が300円だとします。
この場合、1個売るごとに固定費を回収できる金額は200円です。
500円 - 300円 = 200円
固定費が100,000円なら、損益分岐点の販売数は次のようになります。
100,000円 ÷ 200円 = 500個
つまり、500個売ると利益が0になります。
売上高を求める問題
売上高を求める問題では、販売数ではなく金額を求めます。
代表的な考え方は、限界利益率を使う方法です。
限界利益率 = 1 - 変動費率
損益分岐点売上高は、次の式で求めます。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
固定費が100万円、変動費率が60%なら、限界利益率は40%です。
1 - 0.6 = 0.4
損益分岐点売上高は、次のようになります。
1,000,000円 ÷ 0.4 = 2,500,000円
つまり、売上高が250万円になると利益が0になります。
ラーメン屋の例で固定費と変動費を理解する
損益分岐点は、ラーメン屋で考えると分かりやすいです。
家賃は、ラーメンが売れても売れなくてもかかります。
これは固定費です。
一方で、麺やスープ、具材は、ラーメンを作るほど増えます。
これは変動費です。
ラーメンを1杯売るごとに、売上から材料費を引いた分で、家賃などの固定費を少しずつ回収していくイメージです。
データ容量と通信速度の計算

通信速度の問題では、ビット、バイト、bpsなどの単位がよく出ます。
通信の基本から確認したい方は、基本情報技術者試験のネットワーク入門も参考になります。
この分野は、式そのものよりも単位変換で間違えやすいです。
ビットとバイトの違い
ビットは、0か1を表す最小単位です。
バイトは、8ビットをまとめた単位です。
1バイト = 8ビット
通信速度ではビットが使われることが多く、データ容量ではバイトが使われることが多いです。
| 単位 | 意味 | よく出る場面 |
|---|---|---|
| ビット | 0か1の最小単位 | 通信速度 |
| バイト | 8ビットをまとめた単位 | ファイル容量 |
KB・MB・GBの変換
データ容量では、KB、MB、GBが出ます。
ここで注意したいのは、1KBを1,000Bとして扱う場合と、1,024Bとして扱う場合があることです。
試験では、問題文に「1Kバイトは1,000バイトとする」「1Mバイトは1,024Kバイトとする」のような条件が書かれることがあります。
そのため、自分の思い込みで計算せず、必ず問題文の注記を確認しましょう。
| 表記 | 考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1,000倍 | 10進数に近い考え方 | 通信速度や問題文の指定で使われることがある |
| 1,024倍 | 2の10乗で考える | コンピューター内部の容量で使われることがある |
基本情報技術者試験の計算問題では、問題文の最後にある条件や注記を見落とさないことが大切です。
bpsの意味
bpsは、1秒あたりに送れるビット数を表します。
たとえば、1Mbpsは、1秒あたり1Mビットを送れるという意味です。
| 単位 | 意味 |
|---|---|
| bps | 1秒あたりのビット数 |
| Kbps | 1秒あたりのKビット数 |
| Mbps | 1秒あたりのMビット数 |
データ量・速度・時間の関係
通信の計算では、次の関係を使います。
時間 = データ量 ÷ 通信速度
たとえば、8Mビットのデータを2Mbpsで送る場合、次のようになります。
8Mビット ÷ 2Mbps = 4秒
ここで大事なのは、データ量と通信速度の単位をそろえることです。
回線利用率がある問題に注意する
通信速度の問題では、回線速度だけでなく、回線利用率が条件として出ることがあります。
たとえば、「回線速度は10Mbps、回線利用率は50%」とある場合、実際に使える速度は次のように考えます。
10Mbps × 0.5 = 5Mbps
この場合、計算では10Mbpsではなく、5Mbpsを使います。
問題文に「回線利用率」「伝送効率」「実効速度」などの言葉が出たら、速度をそのまま使わないように注意しましょう。
単位をそろえる手順
通信速度の問題では、次の手順で解きます。
- ファイル容量がバイトならビットに直す
- KB、MB、GBの条件を問題文で確認する
- 回線利用率があれば、実際に使える速度を出す
- データ量を通信速度で割る
- 秒、分などの単位を確認する
たとえば、1MBのファイルを1Mbpsで送る場合を考えます。
1MB = 8Mビット
1Mbpsは、1秒あたり1Mビットです。
8Mビット ÷ 1Mbps = 8秒
答えは8秒です。
サブネット計算

サブネットは、IPアドレスをネットワークごとに分ける考え方です。
IPアドレスやネットワークの基本を先に確認したい方は、基本情報技術者試験のネットワーク入門も参考にしてください。
基本情報技術者試験では、使えるホスト数だけでなく、ネットワークアドレスやブロードキャストアドレスを考える問題もあります。
IPアドレスとサブネットマスクの関係
IPアドレスは、ネットワーク上の住所のようなものです。
サブネットマスクは、そのIPアドレスのどこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部なのかを示します。
簡単に言うと、住所の中で「町名まで」と「家の番号」を分けるようなものです。
ネットワーク部とホスト部
IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部に分けて考えます。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
| ネットワーク部 | どのネットワークにいるかを表す部分 |
| ホスト部 | そのネットワーク内のどの機器かを表す部分 |
使えるIPアドレス数を求めるときは、ホスト部のビット数が大事です。
プレフィックス長の見方
/24や/26のような表記を、プレフィックス長といいます。
/24は、32ビットのうち、先頭24ビットがネットワーク部という意味です。
IPv4アドレスは全体で32ビットなので、ホスト部は次のように求めます。
ホスト部のビット数 = 32 - プレフィックス長
/24なら、次のようになります。
32 - 24 = 8
つまり、ホスト部は8ビットです。
使えるホスト数の考え方
ホスト部が8ビットなら、作れる組み合わせは2の8乗です。
2の8乗 = 256
ただし、すべての組み合わせを機器に割り当てられるわけではありません。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つは、通常、機器用には使いません。
使えるホスト数 = 2のホスト部ビット数 - 2
/24なら、次のようになります。
2の8乗 - 2 = 256 - 2 = 254
そのため、/24で使えるホスト数は254です。
サブネット計算の手順

サブネット計算は、手順を決めると解きやすくなります。
ここでは、使えるIPアドレス数を求める流れを説明します。
ステップ1:プレフィックス長を見る
まず、/24、/26、/28などの数字を見ます。
この数字は、ネットワーク部のビット数です。
ステップ2:ホスト部のビット数を出す
IPv4は全体で32ビットです。
そのため、32からプレフィックス長を引きます。
/26なら次のようになります。
32 - 26 = 6
ホスト部は6ビットです。
ステップ3:2の何乗かを計算する
ホスト部のビット数が分かったら、2の何乗かを計算します。
/26では、ホスト部が6ビットなので、次のようになります。
2の6乗 = 64
これは、ホスト部で作れる組み合わせの数です。
ステップ4:ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを引く
次に、機器に割り当てられない2つのアドレスを引きます。
- ネットワークアドレス
- ブロードキャストアドレス
そのため、64から2を引きます。
64 - 2 = 62
ステップ5:使えるIPアドレス数を求める
/26で使えるIPアドレス数は62です。
このように、サブネットのホスト数は次の式で考えます。
使えるホスト数 = 2のホスト部ビット数 - 2
問題文で特別な条件がある場合は、その条件に従います。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの出し方
サブネットでは、使えるホスト数だけでなく、ネットワークアドレスやブロードキャストアドレスを求める問題もあります。
基本の考え方は、ホスト部を見れば分かります。
- ホスト部をすべて0にすると、ネットワークアドレス
- ホスト部をすべて1にすると、ブロードキャストアドレス
たとえば、ホスト部が8ビットなら、次のように考えます。
| 種類 | ホスト部 | 意味 |
|---|---|---|
| ネットワークアドレス | 00000000 | そのネットワーク全体を表す |
| ブロードキャストアドレス | 11111111 | そのネットワーク内の全体あてを表す |
サブネット問題では、「ホスト数を求める問題」なのか、「ネットワークアドレスを求める問題」なのかを最初に確認しましょう。
基本情報技術者試験で間違えやすい計算ポイント
計算問題では、考え方が分かっていても、細かい部分で間違えることがあります。
ここでは、基本情報技術者試験で特に注意したい点を整理します。
ビットとバイトを混同する
通信速度の問題で多いミスです。
通信速度はbps、つまりビット毎秒で書かれることが多いです。
一方、ファイル容量はMBやGBなど、バイトで書かれることが多いです。
1バイト = 8ビット
この変換を忘れると、答えが8倍ずれます。
パーセントと小数を混同する
稼働率や変動費率では、パーセントと小数を混同しやすいです。
90%は0.9です。
99%は0.99です。
計算では小数に直してから使うと、間違いにくくなります。
直列と並列を逆にする
稼働率では、直列と並列で式が変わります。
| 形 | 考え方 | 計算 |
|---|---|---|
| 直列 | すべて動かないと全体が動かない | 稼働率をかける |
| 並列 | どれか1つ動けば全体が動く | 全部止まる確率から考える |
「予備」「二重化」「片方が動けばよい」という言葉があれば、並列を疑いましょう。
2進数の桁の重みを間違える
2進数では、右端の重みは1です。
右から左へ、1、2、4、8、16と増えます。
左から1、2、4と考えないように注意しましょう。
サブネットで2つ引く理由を忘れる
サブネットで使えるホスト数を求めるときは、2つ引くことが多いです。
これは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを機器に割り当てないためです。
使えるホスト数 = 2のホスト部ビット数 - 2
ただし、問題文に特別な条件がある場合は、問題文の条件を優先します。
回線利用率を見落とす
通信速度の問題では、回線速度をそのまま使えない場合があります。
回線利用率が50%なら、実際に使える速度は半分です。
「回線利用率」「伝送効率」「実効速度」という言葉が出たら、先に使える速度を求めましょう。
計算問題の見直し方法
計算問題では、最後の見直しで点を守れます。
特に、単位、答える対象、選択肢の桁を確認しましょう。
単位がそろっているか確認する
まず、単位がそろっているかを確認します。
- ビットとバイトが混ざっていないか
- 秒と分が混ざっていないか
- 小数とパーセントが混ざっていないか
- KB、MB、GBの変換が必要ではないか
- 回線利用率を反映したか
単位がそろっていないまま計算すると、式が合っていても答えがずれます。
求めるものに答えているか確認する
次に、問題文で聞かれているものに答えているかを確認します。
通信速度の問題では、時間を求めるのか、速度を求めるのか、データ量を求めるのかで式が変わります。
損益分岐点でも、販売数を求めるのか、売上高を求めるのかを確認します。
サブネットでは、使えるホスト数なのか、ネットワークアドレスなのか、ブロードキャストアドレスなのかを確認します。
選択肢と桁が合っているか確認する
選択肢がある場合は、答えの桁が合っているかを見ます。
計算結果が0.99なのに、選択肢が99%で書かれている場合があります。
また、8秒、80秒、0.8秒のように、桁違いの選択肢が並ぶこともあります。
極端に大きい・小さい答えになっていないか見る
最後に、答えが極端に大きすぎないか、小さすぎないかを見ます。
1MBのデータを高速な回線で送るのに何時間もかかる答えになった場合は、単位変換を間違えている可能性があります。
/24の使えるホスト数が何千個にもなる場合も、計算を見直しましょう。
計算問題だけでなく、科目A全体の進め方を確認したい方は、基本情報技術者試験の勉強方法もあわせて確認しておくと安心です。
確認問題
最後に、この記事の内容を確認しましょう。
2進数の1010は10進数でいくつですか?
1010の桁の重みを考えます。
| 2進数 | 1 | 0 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|
| 重み | 8 | 4 | 2 | 1 |
1になっているのは、8の桁と2の桁です。
8 + 2 = 10
答えは10です。
AND演算はどのようなときに1になりますか?
AND演算は、両方が1のときだけ1になります。
| A | B | A AND B |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 |
答えは「両方が1のとき」です。
直列システムの稼働率はどう求めますか?
直列システムでは、各装置の稼働率をかけます。
Aが0.9、Bが0.8なら、次のようになります。
0.9 × 0.8 = 0.72
答えは0.72、つまり72%です。
/24のネットワークで使えるホスト数はいくつですか?
IPv4は全体で32ビットです。
/24では、ネットワーク部が24ビットなので、ホスト部は次のようになります。
32 - 24 = 8
ホスト部が8ビットなので、組み合わせは2の8乗です。
2の8乗 = 256
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを引きます。
256 - 2 = 254
答えは254です。
10Mbpsの回線を利用率50%で使う場合、実際に使える速度はいくつですか?
回線利用率が50%なので、10Mbpsに0.5をかけます。
10Mbps × 0.5 = 5Mbps
答えは5Mbpsです。
まとめ
基本情報技術者試験の計算問題は、公式を覚えるだけではなく、手順で解くことが大切です。
まず、何を求める問題かを確認します。
次に、使う数字や条件を抜き出し、単位をそろえます。
そのうえで、1行ずつ計算し、最後に選択肢と単位を確認します。
2進数では、桁の重みを使って考えます。
論理演算では、AND、OR、NOT、XORの違いを真理値表で整理します。
稼働率では、直列か並列かを見分けます。
損益分岐点では、固定費と変動費の違いを理解します。
通信速度では、ビットとバイト、回線利用率に注意します。
サブネットでは、プレフィックス長からホスト部のビット数を出します。
また、ホスト部をすべて0にするとネットワークアドレス、すべて1にするとブロードキャストアドレスになることも押さえておきましょう。
計算問題は、慣れるほど得点源にしやすい分野です。
苦手な人ほど、式を丸暗記するのではなく、「どの順番で考えるか」を決めて練習しましょう。
基本情報技術者試験ではどう出る?
基本情報技術者試験では、計算式そのものを聞くだけでなく、問題文から必要な条件を読み取り、単位をそろえて答える問題が出ます。2進数、論理演算、稼働率、通信速度、サブネットは、手順を決めて練習しておくと解きやすくなります。
