ベンチマークとは、かんたんに言うと、ものごとを比べるための「基準」や「目安」です。
ITでは、パソコンやスマホに同じ作業をさせ、処理の速さやゲームの動きなどを数字で比べるときに使います。
性能を測る試験が「ベンチマークテスト」です。その結果を数字で表したものを「ベンチマークスコア」と呼びます。
この記事では、ベンチマークの意味、テストの仕組み、スコアの見方を初心者向けに解説します。CPU、GPU・グラボ、スマホなどでの使われ方も見ていきましょう。
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ベンチマークとは、性能や結果を比べるための基準です。ITでは、パソコンやスマホの性能を同じ条件で測り、その結果を数字で比べるときに使います。
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ベンチマークとは

ベンチマークとは、何かを比べるときに使う基準や目安のことです。
英語では「benchmark」と書きます。もともとは、測量で高さなどを測るときの基準となる印を表す言葉です。
現在では、IT、ビジネス、投資など、さまざまな分野で使われています。
かんたんに言うと「比べるための基準」
ベンチマークは、何かを単独で見るのではなく、ほかのものと比べるために使います。
たとえば、パソコンAがある作業を10秒で終えたとします。ただし、この数字だけでは速いのか遅いのか分かりません。
同じ作業をパソコンBが20秒で終えたと分かれば、パソコンAのほうが速いと判断できます。
このように、同じ条件で結果を比べるための基準がベンチマークです。
ベンチマークの意味を身近な例で考える
学校のテストを例に考えてみましょう。
自分の点数が70点だったとしても、その点数だけでは高いのか低いのか判断しにくいことがあります。
平均点が50点なら、70点は平均より高い結果です。平均点が90点なら、70点は平均より低い結果になります。
このときの平均点のように、比べるための目安になる数字がベンチマークです。
ITでは、この考え方を使い、パソコンやスマホの性能を比べます。
ITでは性能を数字で比べるときに使う
ITでいう性能とは、機器が作業をどれくらい速く、なめらかに進められるかという力です。
パソコンやスマホは、見た目だけでは性能の違いが分かりません。そのため、同じ作業をさせて結果を数字にします。
ベンチマークを使うと、次のような違いを比べやすくなります。
- アプリを動かす速さ
- 計算や作業を進める速さ
- ゲーム画面のなめらかさ
- 写真や動画を表示・加工する力
- データを読み書きする速さ
ただし、ベンチマークの数字は、性能を判断するための目安です。実際の使いやすさをすべて表す数字ではありません。
ベンチマークテストとは

ベンチマークテストとは、パソコンやスマホなどの性能を、決まった方法で測るテストです。
同じ作業を複数の機器に行わせ、その結果を比べます。
決まった条件で性能を測るテスト
ベンチマークテストでは、同じ計算、同じ画像の表示、同じゲーム画面の動作などを行います。
同じ問題を全員に出して、点数を比べる学校のテストに近い考え方です。
パソコンAとパソコンBに違う作業をさせても、公平には比べられません。同じ作業を同じ設定で行うことが大切です。
ベンチマークテストで分かること
ベンチマークテストでは、主に次のことが分かります。
- 計算や作業を進める速さ
- 画像や映像を表示する力
- ゲーム画面の動きのなめらかさ
- データの読み書きにかかる時間
- ほかの機器と比べたときの性能
どの性能を測るかは、ベンチマークテストの種類によって異なります。
CPUを調べるテストもあれば、GPU、データの保存場所、スマホ全体の性能を調べるテストもあります。
実際の使いやすさとの違い
ベンチマークテストの結果が高くても、すべての作業が同じように速くなるとは限りません。
たとえば、ゲームが得意なパソコンでも、電池の持ち時間や持ち運びやすさが優れているとは限りません。
また、普段の用途がメールやWebサイトの閲覧だけなら、高い性能を使い切れないこともあります。
ベンチマークは、実際の使いやすさを考えるための材料の一つとして見ましょう。
ベンチマークスコアとは

ベンチマークスコアとは、ベンチマークテストの結果を数字で表したものです。
スコアは「点数」という意味です。数字にすることで、複数の機器を比べやすくなります。
テスト結果を数字で表したもの
たとえば、同じテストでスマホAが50万点、スマホBが80万点だったとします。
この場合は、スマホBのほうが高い性能を持つ可能性があります。
ただし、数字が大きいほど高性能になるテストもあれば、作業にかかった時間が短いほど高性能になるテストもあります。
スコアを見るときは、そのテストが何を測っているのかを確認しましょう。
スコアは高いほどよいのか
同じ種類のベンチマークテストであれば、一般的にはスコアが高いほど高性能です。
ただし、違う種類のテストで出た数字を、そのまま比べることはできません。
たとえば、あるテストの10万点と、別のテストの50万点を比べても意味はありません。テストごとに測る内容や点数の付け方が違うためです。
ベンチマークスコアの正しい見方
ベンチマークスコアを見るときは、次の点をそろえて比べます。
- 同じベンチマークテストであること
- 同じバージョンのテストであること
- 同じ画質や設定で測っていること
- 近い時期に測られた結果であること
- 自分の用途に関係する項目であること
バージョンとは、テストの新しさや種類を表す番号です。同じ名前のテストでも、バージョンが変わると、測り方や点数の付け方が変わる場合があります。
スコアの差が2倍あっても、実際に使ったときの速さが必ず2倍になるわけではありません。数字だけでなく、実際の使用例も合わせて見ると判断しやすくなります。
ベンチマークの主な種類

ベンチマークは、測りたい性能によって種類が分かれます。
主な種類を整理すると、次のようになります。
| 種類 | 主に分かること | 関係する用途 |
|---|---|---|
| CPUベンチマーク | 計算や作業を進める速さ | 文書作成、表計算、動画編集など |
| GPU・グラボのベンチマーク | 画像や映像を動かす力 | ゲーム、動画編集、立体的な映像など |
| スマホのベンチマーク | スマホ全体や各部品の性能 | アプリ、ゲーム、写真の処理など |
| ストレージのベンチマーク | データを読み書きする速さ | 起動、保存、ファイルのコピーなど |
| Webブラウザのベンチマーク | Webページ上の処理の速さ | Webサイトやブラウザ上で使うアプリ |
CPUベンチマーク
CPUとは、パソコンやスマホの中で、計算や作業を進める中心部分です。
CPUベンチマークでは、計算の速さや、複数の作業を同時に進める力などを測ります。
文書作成やWebサイトの閲覧にもCPUは使われます。動画編集や大きなデータを扱う作業では、CPUの性能差が表れやすくなります。
GPU・グラボのベンチマーク
GPUとは、画像や映像の処理を得意とする部品です。
パソコンでは、GPUを搭載した部品をグラフィックボードと呼びます。グラフィックボードを短く「グラボ」と呼ぶこともあります。
GPU・グラボのベンチマークでは、ゲーム画面のなめらかさや、立体的な映像を表示する力などを測ります。
ゲームや動画編集をする場合は、CPUだけでなくGPUのベンチマークも参考になります。
スマホのベンチマーク
スマホのベンチマークでは、スマホ全体の性能や、CPU、GPUなどの性能を測ります。
アプリを動かす速さ、ゲーム画面のなめらかさ、写真の処理などを比べる目安になります。
スマホのレビューでは、AnTuTuやGeekbenchなどの名前が出ることがあります。どちらもスマホなどの性能を測るベンチマークテストの例です。
ただし、スマホ選びでは、電池持ち、カメラ、画面の見やすさ、持ちやすさも大切です。
ストレージのベンチマーク
ストレージとは、写真、動画、アプリなどを保存しておく場所です。パソコンやスマホの中にある「データの保管場所」と考えると分かりやすいでしょう。
ストレージのベンチマークでは、データを読み込む速さと、保存する速さを測ります。
読み書きが速いと、パソコンの起動やファイルのコピーが短い時間で終わりやすくなります。
Webブラウザのベンチマーク
ブラウザとは、Webサイトを見るためのアプリです。
Webブラウザのベンチマークでは、Webページ上の計算や画面表示をどれくらい速く進められるかを測ります。
結果は、パソコンやスマホの性能だけでなく、使用するブラウザの種類やバージョンによっても変わります。
ベンチマークが使われる場面
ベンチマークは、機器を選ぶときや、性能の変化を確認するときに使われます。
パソコンを選ぶとき
パソコンは、見た目や価格だけでは性能を判断しにくい製品です。
ベンチマークを見ると、候補となるパソコンが、自分の作業に向いているかを考えやすくなります。
文書作成やWebサイトの閲覧が中心なら、非常に高いスコアは必要ない場合があります。
ゲームや動画編集を行うなら、CPUやGPUのスコアを確認するとよいでしょう。
スマホの性能を比べるとき
同じくらいの価格のスマホでも、処理の速さやゲームの動きには違いがあります。
ベンチマークは、複数のスマホを同じ基準で比べるための目安になります。
ただし、同じスコアでも、画面、電池、カメラなどの使いやすさは異なります。
ゲームが快適に動くか調べるとき
パソコン向けのゲームでは、専用のベンチマークテストが用意されることがあります。
実際のゲームに近い映像を動かし、どれくらいなめらかに表示できるかを測ります。
結果を「快適」「普通」「動作が難しい」などの言葉で表示するテストもあります。
ゲームのベンチマークを見るときは、画質や画面の大きさを同じ設定にして比べましょう。
仕事で使うシステムの性能を確認するとき
会社で使うシステムでも、処理の速さを確認するためにベンチマークを行うことがあります。
たとえば、大勢の利用者が同時に操作したときに、処理が遅くならないかを確認します。
システムが必要な速さで動くか、多くの人が同時に使っても問題なく動くかを確認する試験には、性能テストと負荷テストがあります。
ベンチマークは製品を比べるために使われることが多く、性能テストや負荷テストは、システムが必要な性能を満たすか確認するときに使われます。
ベンチマークを見るときの注意点
ベンチマークは便利ですが、数字だけを見て判断すると、実際の用途に合わないことがあります。
同じ種類のテストで比べる
ベンチマークスコアは、同じテストで測った結果同士を比べます。
CPUを測るテストと、スマホ全体を測るテストでは、数字の意味が違います。
テスト名が違うスコアは、数字が似ていても直接比べないようにしましょう。
テストのバージョンや設定を確認する
ベンチマークテストは、内容が新しくなることがあります。
古いバージョンと新しいバージョンでは、測り方や点数の付け方が異なる場合があります。
また、画質、画面の大きさ、省電力設定、機器の温度などによっても結果は変わります。
できるだけ同じバージョン、同じ設定、同じ環境で測った結果を比べることが大切です。
スコアだけで製品を選ばない
ベンチマークスコアが高い製品が、すべての人にとって使いやすいとは限りません。
高性能な製品は、価格が高くなったり、電池を多く使ったりすることがあります。
性能に加えて、価格、電池持ち、画面、重さ、使いたいアプリなども確認しましょう。
目的に合った性能を見る
ベンチマークでは、自分が何をしたいのかに合った項目を見ることが大切です。
ゲームをしたい場合はGPU、動画編集や重い計算ではCPU、ファイルを多く扱う場合はストレージの性能が参考になります。
用途に必要な性能が分かれば、必要以上に高いスコアを求めなくても製品を選びやすくなります。
ビジネスで使うベンチマークの意味
ビジネスで使うベンチマークとは、他社の実績や優れた事例を、比較の基準にすることです。
自社の仕事やサービスと比べ、改善できる点を探すために使われます。
他社や優れた事例を比較の基準にする
たとえば、自社の商品を改善するときに、利用者から高く評価されている他社の商品を調べることがあります。
価格、品質、使いやすさ、対応の速さなどを比べ、自社に足りない点を考えます。
このとき、比較の基準とする商品や数字がベンチマークです。
ベンチマークとベンチマーキングの違い
ベンチマークは、比べるための基準や目安です。
ベンチマーキングは、他社や優れた事例を調べ、自社の仕事を改善する取り組みを指します。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| ベンチマーク | 比較するときの基準や目安 |
| ベンチマーキング | 優れた事例と比べて改善する取り組み |
ベンチマークと似た言葉の違い
ベンチマークは、目標、ランキング、評価と似て見えることがあります。
それぞれの役割は異なるため、分けて考えると分かりやすくなります。
ベンチマークと目標の違い
目標とは、自分が目指す結果やゴールです。
ベンチマークは、現在の状態や結果を比べるための基準です。
たとえば「売上を100万円にする」は目標です。「同じ分野の会社の平均売上と比べる」は、ベンチマークを使った比較です。
ベンチマークとランキングの違い
ランキングとは、結果に順位を付けたものです。
ベンチマークは順位そのものではなく、比べるためのテスト、数値、基準などを指します。
ベンチマークスコアを並べて、ランキングが作られることはあります。
ベンチマークと評価の違い
評価とは、結果がよいか悪いか、目的に合っているかを判断することです。
ベンチマークは、その判断に使う材料です。
ベンチマークスコアを見たうえで、自分の目的に合うかを考えることが評価につながります。
ベンチマークについてよくある質問
ベンチマークとは何ですか?
ベンチマークとは、ものごとを比べるための基準や目安です。
ITでは、パソコンやスマホの性能を比べるときによく使われます。
ベンチマークテストは何をするものですか?
ベンチマークテストは、決まった作業を行い、機器の性能を測るテストです。
処理の速さ、ゲーム画面のなめらかさ、データの読み書きなどを測ります。
ベンチマークスコアは高いほどよいですか?
同じ種類、同じバージョン、同じ設定のテストであれば、一般的にはスコアが高いほど高性能です。
ただし、高いスコアが自分の使い方に必要とは限りません。
スマホのベンチマークでは何が分かりますか?
スマホの処理の速さ、ゲームの動き、画像を表示・加工する力などが分かります。
ただし、電池持ち、カメラ、画面の見やすさなどは、別に確認する必要があります。
CPUとGPUのベンチマークは何が違いますか?
CPUベンチマークは、計算や一般的な作業の速さを測ります。
GPUベンチマークは、画像、映像、ゲーム画面などを処理する力を測ります。
ベンチマークのスコアに目安はありますか?
すべてのベンチマークに共通する点数の目安はありません。
同じテスト、同じバージョン、同じ設定で測られた製品と比べて判断します。
ベンチマークとベンチマーキングは同じですか?
同じではありません。
ベンチマークは比較の基準です。ベンチマーキングは、その基準を使って他社などと比べ、改善する取り組みです。
まとめ|ベンチマークとは比べるための基準や目安
ベンチマークとは、ものごとを比べるための基準や目安です。
ITでは、パソコンやスマホに同じ作業をさせ、処理の速さやゲームの動きなどを比べるときに使います。
性能を測る試験がベンチマークテストです。その結果を数字で表したものがベンチマークスコアです。
CPU、GPU・グラボ、スマホ、ストレージなど、測る対象によってベンチマークの種類は異なります。
スコアを見るときは、同じテスト、同じバージョン、同じ設定で測った結果を比べましょう。
数字だけで製品を決めるのではなく、自分の使い方、価格、電池持ち、画面なども合わせて見ることが大切です。
ベンチマークの数字だけで、すべてを判断できるわけではありません。自分に合った製品や仕組みを選ぶための、分かりやすい判断材料として活用しましょう。

