ヒューマノイドとは、かんたんに言うと、人に近い形や動きを持つものです。
現在は、頭や胴体、腕などを持つ人型ロボットを指す言葉として、広く使われています。ただし、必ず人間と同じ見た目をしているわけではありません。
この記事では、ヒューマノイドの意味や特徴、できること、動く仕組みを初心者向けに解説します。アンドロイドやサイボーグ、AIとの違いも紹介します。
関連するIT用語・ビジネス用語をまとめて確認したい方は、IT用語・ビジネス用語一覧もあわせてご覧ください。
ヒューマノイドとは
ヒューマノイドとは、人に似た姿や特徴を持つものです。ロボットの分野では、人の体を参考にして作られたロボットを表します。
たとえば、頭、胴体、腕、手、足などを持つロボットです。二本足で歩くものだけでなく、車輪で移動するものもあります。
ヒューマノイドの意味
ヒューマノイドは、本来、人間に似たものを広く表す言葉です。物語の中に登場する人型の生き物などに使われることもあります。
ただし、ニュースやIT分野で使われる場合は、多くが人型ロボットを指します。そのため、現在は「ヒューマノイドロボットを短くした呼び方」と考えると分かりやすいでしょう。
ヒューマノイドの語源
ヒューマノイドは、英語の「humanoid」から来た言葉です。「human」は人間を表します。
語尾の「-oid」には、何かに似ているという意味があります。つまり、ヒューマノイドは「人間に似たもの」という意味です。
ヒューマノイドロボットとは
ヒューマノイドロボットとは、人の体や動きを参考にして作られたロボットです。
人に近い形にすることで、階段を上る、ドアを開ける、物を持つなど、人が行う動きをしやすくなります。
ただし、すべてのヒューマノイドが二本足で歩くわけではありません。受付や案内をするロボットでは、安定して動ける車輪が使われることもあります。
ヒューマノイドの主な特徴
ヒューマノイドには、人に近い形をしている、人の動きをまねられる、人が使う場所で活動しやすいという特徴があります。
ただし、人と同じ姿をしていても、人と同じように考えられるとは限りません。見た目と考える力は別のものです。
人に近い形をしている
ヒューマノイドの大きな特徴は、人に近い形をしていることです。頭、胴体、腕、手、足などを持っています。
人に近い形であれば、人が使っている机、棚、道具などを使いやすくなります。
人の動きをまねできる
ヒューマノイドは、歩く、手を上げる、物をつかむなど、人に近い動きを目指して作られています。
機種によっては、走る、踊る、片足で立つなどの動きもできます。機種とは、ロボットの種類のことです。
人が使う場所で動きやすい
建物や道具の多くは、人が使うことを前提に作られています。階段、ドア、机、いすなども、人の体に合わせた大きさです。
そのため、人に近い形のロボットなら、建物や設備を大きく変えずに使える可能性があります。
ヒューマノイドには何ができる?
ヒューマノイドには、物を持つ、荷物を運ぶ、人を案内するなど、さまざまな使い道があります。
ただし、できる作業はロボットの種類によって異なります。人と同じように、何でもできるわけではありません。
物を持つ・運ぶ
腕や手を持つヒューマノイドは、箱や道具などを持てます。決められた場所まで物を運ぶこともできます。
人が使う棚や台車をそのまま使えれば、新しい設備を増やさずに利用しやすくなります。
工場や倉庫で作業する
工場や倉庫では、部品や商品を運ぶ作業に利用できます。棚から物を取り、決められた場所に置くこともできます。
同じ動きを何度も続ける作業や、重い物を扱う作業を手伝うことで、人の負担を減らせる可能性があります。
店や施設で案内する
会話ができるヒューマノイドは、店や施設の受付、案内、商品説明などに使われます。
音声や画面を使って、利用者に場所や手続きなどを伝えることもできます。
介護や生活を支える
介護とは、高齢者などの生活を手伝うことです。介護施設では、会話や体操、ゲームなどの活動を支えるロボットが使われることがあります。
職員の代わりになるのではなく、日々の仕事や利用者との交流を助ける役割です。
危険な場所で作業する
火災や災害が起きた場所では、人が入ると危険な場合があります。
そのような場所で、ヒューマノイドが周囲を確認したり、道具を使ったりする研究が進められています。
ヒューマノイドが使われる場面
ヒューマノイドは、工場、倉庫、店、介護施設、研究機関などで使われます。
物流の現場で使われることもあります。物流とは、商品を運び、保管し、届ける仕事です。
工場や物流の現場
工場では、部品を運ぶ、機械に部品を入れる、完成した製品を確認するといった作業が考えられます。
物流の現場では、棚から商品を取る、荷物を運ぶなどの作業に利用できます。
家庭や介護の現場
家庭では、荷物を運ぶ、落とした物を拾う、家電を操作するといった使い方が考えられます。
介護施設では、会話や体操などを通じて、人との交流を助ける役割もあります。
災害現場や危険な場所
災害現場では、がれきがある場所を進む、設備の状態を確認するなどの作業が考えられます。
人の体に悪い影響を与える物質がある場所や、高温の場所での利用も研究されています。
研究や教育の場
大学や研究機関では、歩き方、物のつかみ方、人との会話などを研究するために使われています。
学校では、プログラミングの教材として使われることもあります。プログラミングとは、コンピューターに動き方を指示することです。
ヒューマノイドはどのように動く?
ヒューマノイドは、周りの情報を集め、コンピューターで次の動きを決め、手足を動かします。
人が目や耳で周りを確認し、頭で考えて体を動かす流れに近い仕組みです。
カメラやセンサーで周りを確認する
ヒューマノイドは、カメラやセンサーを使って周りの情報を集めます。
センサーとは、明るさ、距離、音、力などを調べる部品です。壁までの距離を測ったり、体の傾きを確認したりします。
コンピューターが動きを決める
集めた情報は、ヒューマノイドの中にあるコンピューターへ送られます。
コンピューターは、あらかじめ決められた指示や、覚えさせた多くの例をもとに、次の動きを選びます。
たとえば、前に物があれば止まる、避ける、別の道を選ぶといった動きをします。
モーターで手足を動かす
次の動きが決まると、モーターが腕や足を動かします。
モーターとは、電気の力で物を動かす部品です。人間の体でいえば、筋肉に近い役割を持っています。
複数のモーターを細かく動かすことで、歩く、手を上げる、物をつかむといった動作を行います。
ヒューマノイドとアンドロイドの違い
ヒューマノイドとアンドロイドは、どちらも人に似たものを表す言葉です。ただし、見た目や言葉が表す範囲に違いがあります。
ここでいうアンドロイドは、スマートフォンの基本ソフト「Android」のことではありません。人間に近い見た目を持つ人工物を指します。
| 種類 | 意味 | 見た目 |
|---|---|---|
| ヒューマノイド | 人に近い形や特徴を持つもの | 機械らしい見た目でもよい |
| アンドロイド | 人間に近い見た目を持つ人工物 | 顔や肌なども人に近い |
ヒューマノイドは人型のものを広く指す
ヒューマノイドは、人に近い形をしたものを広く表します。
金属の体が見えていても、頭、胴体、腕などが人に近ければ、ヒューマノイドと呼ばれます。
アンドロイドは見た目も人に近い
アンドロイドは、体の形だけでなく、顔、肌、表情なども人間に近づけた人工物です。
人工物とは、人が作ったものです。人間のような見た目を目指して作られます。
かんたんに整理すると、機械らしい見た目の人型ロボットはヒューマノイド、人間らしい外見まで再現したものはアンドロイドです。
ヒューマノイドとサイボーグの違い
ヒューマノイドとサイボーグは、もとになるものが違います。
ヒューマノイドは、人が部品を組み合わせて作ったものです。サイボーグは、人間や動物などの生き物の体を機械で補った存在を表します。
| 種類 | もとになるもの | 意味 |
|---|---|---|
| ヒューマノイド | 機械や人工物 | 人に近い形や特徴を持つもの |
| サイボーグ | 人間や動物などの生き物 | 体の一部を機械などで補った存在 |
ヒューマノイドは人工的に作られる
ヒューマノイドは、金属、プラスチックのような素材、電子部品、コンピューターなどを組み合わせて作られます。
電子部品とは、電気を使って機械を動かす小さな部品です。最初から機械として作られています。
サイボーグは生き物の体を機械で補う
サイボーグは、人間や動物などの体の一部を機械で補った存在です。
映画や漫画では、機械の腕や目を持つ人物として描かれることがあります。
なお、医療機器を使っている人を、日常生活でサイボーグと呼ぶことはありません。
ヒューマノイドとAIの違い
ヒューマノイドとAIは、同じ意味ではありません。
ヒューマノイドは、主にロボットの体の形を表す言葉です。AIは、コンピューターが情報をもとに答えや判断を作る技術です。
ヒューマノイドは体の形を表す
ヒューマノイドは、人に近い形や特徴を持っているかどうかを表します。
そのため、人型であっても、高度なAIを使っていないロボットもあります。
AIは動きや返事を決める技術
AIは、カメラの映像から物を見分けたり、言葉を理解して返事を作ったりするために使われます。
AIを使うことで、周りの状況に合わせた動きがしやすくなります。ただし、すべてのヒューマノイドにAIが使われているわけではありません。
ヒューマノイドのメリット
ヒューマノイドには、人が使う場所になじみやすいというメリットがあります。
人の代わりにすべての作業を行うだけでなく、人と一緒に働くことも目的の一つです。
人が使う道具や設備を使いやすい
人に近い腕や手があれば、人が使っている道具や設備を利用しやすくなります。
ドア、階段、棚などを大きく作り直さずに使える可能性があります。
人の作業を手伝える
ヒューマノイドは、荷物を運ぶ、物を取る、決められた場所を確認するといった作業を手伝えます。
人と役割を分けることで、仕事を進めやすくなります。
危険な仕事を任せられる
火災現場、高温の場所、人の体に悪い影響を与える物質がある場所では、人が作業すると負担が大きくなります。
そのような場所でヒューマノイドを使えれば、人が危険な場所に入る回数を減らせる可能性があります。
ヒューマノイドの課題
ヒューマノイドには多くの可能性がありますが、まだ解決が必要な課題もあります。
主な課題は、安定した動き、電力、安全、費用です。
安定して歩くことが難しい
人は、でこぼこした道や階段でも、体のバランスを調整して歩けます。
ロボットが同じように歩くには、足元の状態をすばやく確認し、全身の動きを細かく変える必要があります。
長時間動かすには電力が必要
ヒューマノイドは、多くのモーターやコンピューターを動かします。そのため、長く動かすには多くの電力が必要です。
電池を大きくすると長く動けますが、本体が重くなります。軽さと動く時間を両立させることが課題です。
安全に使うための工夫が必要
人の近くで動くロボットには、人や物に危険を与えにくい仕組みが必要です。
ぶつかる、転ぶ、物を落とすといったことを防ぐため、動きを止める仕組みや安全に使うための決まりが求められます。
使い始めるための費用がかかる
複雑な動きができるヒューマノイドには、多くの部品や技術が使われます。
本体だけでなく、設定、点検、修理にも費用がかかります。使い始める前に、どの作業を任せるか決めることが大切です。
ヒューマノイドの具体例
ヒューマノイドには、研究用、案内用、作業用など、さまざまな種類があります。
ASIMO
ASIMOは、Hondaが開発したヒューマノイドロボットです。
二本足で歩く、階段を上るなど、人の生活空間で動くための技術が研究されました。
Pepper
Pepperは、人との会話や案内を目的とした人型ロボットです。
二本足ではなく車輪で移動しますが、頭、胴体、腕を持つため、ヒューマノイドに含まれます。
ヒューマノイドで初心者が間違えやすい点
ヒューマノイドは、ロボット、アンドロイド、サイボーグ、AIなどと混同されやすい言葉です。
必ず二本足で歩くとは限らない
ヒューマノイドと聞くと、二本足で歩くロボットを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、車輪で移動するヒューマノイドもあります。移動方法だけで決まるわけではありません。
人間と同じように考えられるとは限らない
人に似た姿をしていても、人と同じように考えたり、感情を持ったりするとは限りません。
会話ができるロボットも、コンピューターが言葉を処理して返事を作っています。
アンドロイドと同じ意味ではない
ヒューマノイドは、人に近い形を持つものを広く表します。
アンドロイドは、その中でも顔や肌などを人間に近づけたものです。
Androidスマートフォンとは関係がない
人型の人工物を表すアンドロイドと、スマートフォンの基本ソフトであるAndroidは、使われる場面が違います。
同じ言葉でも、この記事で扱うアンドロイドは、人間に近い見た目を持つ人工物のことです。
ヒューマノイドについてよくある質問
ヒューマノイドとは人型ロボットのことですか?
ニュースやIT分野では、人型ロボットを指すことが多いです。
ただし、本来は人間に似たものを広く表す言葉です。
ヒューマノイドとロボットの違いは何ですか?
ロボットは、決められた指示や操作に従って作業する機械を広く表す言葉です。
ヒューマノイドは、その中でも人に近い形や特徴を持つロボットです。
ヒューマノイドとアンドロイドの違いは何ですか?
ヒューマノイドは、人に近い形を持つものを広く表します。機械らしい見た目でも問題ありません。
アンドロイドは、顔、肌、表情なども含めて、人間に近い見た目を目指したものです。
ヒューマノイドとサイボーグの違いは何ですか?
ヒューマノイドは、部品を組み合わせて作られた人工物です。
サイボーグは、人間や動物などの生き物の体を、機械などで補った存在を表します。
ヒューマノイドにはAIが使われていますか?
周囲の物を見分ける、言葉を理解する、動きを決めるといった機能にAIが使われることがあります。
ただし、簡単な決まりに従って動くヒューマノイドもあります。
ヒューマノイドは家庭でも使われていますか?
会話や教育などを目的とした人型ロボットは、家庭で使われることもあります。
ただし、家事を人間と同じようにすべて行うヒューマノイドは、まだ広く使われている段階ではありません。
ヒューマノイドは人間の仕事をすべて代われますか?
現在のヒューマノイドが、人間の仕事をすべて代わることはできません。
決められた場所や作業を得意とするものが中心です。人の代わりになるだけでなく、人の仕事を支える役割も期待されています。
ヒューマノイドが人型に作られるのはなぜですか?
建物や道具の多くが、人の体に合わせて作られているためです。
人に近い形のロボットなら、階段、ドア、棚、道具などを利用しやすくなります。
まとめ|ヒューマノイドとは人に近い形や動きを持つもの
ヒューマノイドとは、人に近い形や特徴を持つものです。現在は、頭、胴体、腕などを持つ人型ロボットを指す言葉として広く使われています。
ヒューマノイドは、物を運ぶ、案内する、介護を支える、危険な場所で作業するなどの用途があります。
アンドロイドは人間に近い見た目を持つ人工物です。サイボーグは、生き物の体を機械などで補った存在を表します。
また、ヒューマノイドは体の形を表す言葉であり、AIは動きや返事を決めるために使われる技術です。
ヒューマノイドは、人の仕事をすべて置き換えるものではありません。人と同じ場所で活動し、暮らしや仕事を支えるロボットとして開発されています。

