ロジックツリーとは、問題や目標を細かく分けて、原因や解決方法を整理するための方法です。
木の幹から枝が広がるように、1つの問題をいくつかの項目へ分けて考えます。この記事では、ロジックツリーの意味、種類、作り方、具体例を初心者向けにわかりやすく解説します。
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ロジックツリーとは
ロジックツリーをかんたんに言うと
ロジックツリーとは、複雑な問題を小さく分けて、考えやすくする方法です。
「なぜ起きたのか」「何でできているのか」「どうすればよいのか」を、枝分かれさせながら整理します。
木の枝のように問題を細かく分ける
ロジックツリーは、英語の「Logic Tree」をカタカナにした言葉です。
ロジックとは、話や考えを順番につなげることです。ツリーは、英語で「木」を意味します。
木の幹から太い枝が伸び、さらに細い枝へ分かれていく形に似ているため、ロジックツリーと呼ばれます。
たとえば、「朝、時間どおりに起きられない」という問題があるとします。
考えられる原因は、次のように分けられます。
- 寝る時間が遅い
- 目覚まし時計に気づかない
- よく眠れていない
- 起きる理由がはっきりしていない
さらに「寝る時間が遅い」という原因を細かく分けると、次のような内容が考えられます。
- 夜遅くまでスマートフォンを見ている
- 宿題や仕事が終わらない
- 昼寝をしすぎている
このように、大きな問題を小さな原因へ分けると、何を見直せばよいのかがわかりやすくなります。
ロジックツリーでも、同じように問題や目標を順番に細かく分けて整理します。
ロジックツリーは何のために使うのか
ロジックツリーは、複雑な考えを見やすく整理するために使います。
主な目的は、問題の原因を見つけることや、具体的な解決方法を考えることです。
問題の原因を広く考える
問題が起きたとき、すぐに原因を1つに決めてしまうと、本当の原因を見落とすことがあります。
ロジックツリーを使うと、考えられる原因をいくつかの方向に分けて確認できます。
たとえば、商品が売れない原因は、価格だけとは限りません。
- 商品を知っている人が少ない
- 価格が高い
- 商品の良さが伝わっていない
- 購入方法がわかりにくい
原因を分けて考えることで、見直すべき場所を探しやすくなります。
解決方法を考える
ロジックツリーは、問題の原因だけでなく、解決方法を考えるときにも使えます。
たとえば、「毎日の勉強時間を増やしたい」という目標があるとします。
- 空いている時間を見つける
- 勉強を始めやすい環境を作る
- 無駄な時間を減らす
- 勉強する内容を事前に決める
このように解決方法を分けると、すぐに始められる行動が見つかります。
大きな目標を行動へ分ける
大きな目標は、そのままでは何をすればよいのかわかりにくい場合があります。
ロジックツリーを使って目標を小さく分けると、具体的な行動へ変えられます。
たとえば、「試験に合格する」という目標は、次のように分けられます。
- 試験の範囲を確認する
- 教材を用意する
- 勉強の予定を立てる
- 問題集を解く
- 苦手な部分を復習する
目標が具体的になるため、次に何をすべきか判断しやすくなります。
考えの抜けや重なりを見つける
ロジックツリーは、考えた内容に足りない部分がないか確認するためにも役立ちます。
似た内容を何度も書いていないか、必要な見方が足りているかを図で確認できます。
ロジックツリーが使われる場面
ロジックツリーは、会社の仕事だけでなく、学校や日常生活でも使えます。
複雑な内容を順番に整理したい場面で役立つ方法です。
仕事上の問題を解決するとき
仕事では、売り上げの低下、作業の遅れ、ミスの増加など、さまざまな問題が起こります。
ロジックツリーを使うと、問題の原因をいくつかの方向に分けて考えられます。
売り上げが下がった原因を調べるとき
売り上げが下がった場合、原因は1つとは限りません。
商品、価格、宣伝、販売場所など、見方を変えて分けながら調べます。
原因を分けることで、どの部分を優先して直すべきか判断しやすくなります。
目標や行動計画を考えるとき
目標を立てただけでは、具体的な行動につながらないことがあります。
ロジックツリーで目標を小さく分けると、実際に行う作業を決めやすくなります。
学校の課題や就職活動で考えを整理するとき
学校のレポートや発表でも、ロジックツリーを使えます。
テーマをいくつかの項目に分けると、話の順番を作りやすくなります。
就職活動では、自分の強みや志望理由を整理するときにも役立ちます。
ロジックツリーの代表的な種類
ロジックツリーには、目的に応じたいくつかの分け方があります。
代表的なものとして、Whyツリー、Howツリー、Whatツリーの3つがあります。
| 種類 | 考えること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Whyツリー | なぜ起きたのか | 原因を広く考えるとき |
| Howツリー | どうすればよいか | 解決方法を考えるとき |
| Whatツリー | 何でできているか | 物事の中身を整理するとき |
Whyツリー|原因を広く考える
Whyツリーは、「なぜ起きたのか」を考えるためのロジックツリーです。
Whyは、英語で「なぜ」という意味があります。
たとえば、「会議が予定どおりに終わらない」という問題を考えます。
- 話し合う内容が多すぎる
- 話が本題から外れる
- 会議を進める人が決まっていない
- 事前の準備が足りない
Whyツリーは、考えられる原因を枝分かれさせて、広い見方で整理したいときに向いています。
Howツリー|解決方法を考える
Howツリーは、「どうすればよいか」を考えるためのロジックツリーです。
Howは、英語で「どのように」という意味があります。
たとえば、「会議を短くする」という目標を考えます。
- 話し合う内容を事前にしぼる
- 終了時間を決める
- 会議を進める人を置く
- 資料を先に共有する
具体的な解決方法や行動を考えたいときは、Howツリーが役立ちます。
Whatツリー|中身を細かく分ける
Whatツリーは、「何でできているか」を整理するロジックツリーです。
Whatは、英語で「何」という意味があります。
たとえば、「会社にかかる費用」は、次のように分けられます。
- 人にかかる費用
- 建物にかかる費用
- 道具や機器にかかる費用
- 電気や通信にかかる費用
物事の中身や、全体を作る部分を整理したいときは、Whatツリーを使います。
ロジックツリーの作り方
ロジックツリーは、紙とペンがあれば作れます。
パソコンの表計算ソフトや作図ツールを使う方法もありますが、最初は紙に書く方が簡単です。
1.整理したい問題や目標を決める
最初に、何を整理したいのかをはっきりさせます。
問題や目標は、短い言葉で書くとわかりやすくなります。
たとえば、次のように書きます。
- 売り上げが下がった原因
- 勉強時間を増やす方法
- 仕事のミスを減らす方法
2.大きな項目に分ける
次に、問題や目標をいくつかの大きな項目へ分けます。
最初から細かく分ける必要はありません。
たとえば、「仕事のミスを減らす方法」であれば、次のように分けられます。
- 作業方法を見直す
- 確認方法を見直す
- 道具や仕組みを見直す
- 知識を増やす
3.それぞれの項目をさらに細かく分ける
大きな項目を、具体的な内容へ分けていきます。
たとえば、「確認方法を見直す」は、次のように分けられます。
- 確認表を作る
- 作業後に見直す時間を取る
- ほかの人にも確認してもらう
すぐに行動できる内容まで分けると、実際に使いやすいロジックツリーになります。
4.抜けや重なりがないか確認する
項目を書き終えたら、足りない内容がないか確認します。
同じ内容を別の言葉で重ねて書いていないかも見直しましょう。
5.大切な原因や解決方法を選ぶ
最後に、重要な原因や、実行できる解決方法を選びます。
すべてを同時に行う必要はありません。効果が大きく、すぐに始められるものから取り組みます。
ロジックツリーの具体例
ここからは、ロジックツリーの使い方を具体例で確認します。
売り上げが下がった原因を調べる例
売り上げは、大まかには「商品が買われた回数」と「1回あたりの購入金額」に分けて考えられます。
そのため、売り上げが下がった原因は、次のように分けられます。
- 商品が買われた回数が減った
- 1回あたりの購入金額が下がった
「商品が買われた回数が減った」は、さらに次のように分けられます。
- 店を訪れる人が減った
- 商品を見ても購入しない人が増えた
- 以前の利用者が戻ってこない
このように分けると、「売り上げが下がった」という大きな問題を、調べやすい形にできます。
勉強時間を増やす方法を考える例
勉強時間を増やす方法は、次のように分けられます。
- 空いている時間を使う
- 無駄な時間を減らす
- 集中できる時間を増やす
「空いている時間を使う」は、次のように分けられます。
- 通学中に復習する
- 昼休みに問題を解く
- 朝に15分だけ勉強する
具体的な行動まで分けることで、今日から始めやすくなります。
仕事のミスを減らす方法を考える例
仕事のミスを減らす方法は、次のように分けられます。
- 作業の手順をそろえる
- 確認を増やす
- 作業の一部を機械やソフトに任せる
- 知識を身につける
作業の一部を機械やソフトに任せることを、自動化といいます。
「確認を増やす」は、次のように分けられます。
- 確認表を使う
- 作業前に手順を確認する
- 作業後に結果を見直す
- 重要な作業は2人で確認する
原因を広く探す場合はWhyツリー、解決方法を考える場合はHowツリーを使うと整理しやすくなります。
ロジックツリーを作るときのコツ
ロジックツリーは、ただ項目を増やせばよいわけではありません。
見やすく、役立つ形にするためのコツがあります。
最初に目的をはっきりさせる
何を知りたいのかがあいまいだと、途中で関係のない内容が増えてしまいます。
「原因を知りたいのか」「解決方法を考えたいのか」を先に決めましょう。
同じ分け方で項目を並べる
同じ段に並べる項目は、できるだけ同じ分け方にします。
分け方とは、物事を分けるときの決まりや見方です。
たとえば、人、道具、作業方法、場所という分け方があります。
分け方がばらばらになると、項目の重なりや抜けが起きやすくなります。
細かく分けすぎない
細かく分けすぎると、図が大きくなり、かえってわかりにくくなります。
原因を確認できるところや、行動へ移せるところまで分ければ十分です。
事実と予想を分けて考える
事実は、数字や記録などで確認できることです。
予想は、「おそらくこうだろう」と考えたことです。
ロジックツリーに書いた内容が、すべて事実とは限りません。
予想した原因は、数字や記録、仕事に関わる人への確認などで確かめることが大切です。
ロジックツリーとMECEの関係
ロジックツリーを説明するときに、MECEという言葉が使われることがあります。
MECEとは抜けや重なりを減らす考え方
MECEとは、分けた項目に抜けや重なりがない状態を目指す考え方です。
一般に「ミーシー」と読まれます。
たとえば、人を「大人」と「子ども」に分けると、年齢をもとに分けているため、わかりやすくなります。
一方で、「大人」「学生」「会社員」に分けると、学生や会社員にも大人がいるため、内容が重なります。
ロジックツリーでは、このような重なりや抜けを減らすために、MECEを意識して項目を分けます。
必ず完全なMECEになるとは限らない
実際の問題は複雑なため、すべてを完全に抜けや重なりなく分けるのが難しい場合もあります。
ロジックツリーのすべての枝が、必ず完全なMECEでなければならないわけではありません。
まずは考えられる項目を書き出し、あとから抜けや重なりを見直すとよいでしょう。
ロジックツリーのメリット
ロジックツリーを使うと、複雑な問題を見やすく整理できます。
複雑な問題を整理しやすい
大きな問題を小さく分けるため、問題の全体と、それぞれの関係がわかりやすくなります。
何から考えればよいかわからないときにも役立ちます。
原因や解決方法を見つけやすい
問題を順番に細かく分けると、具体的な原因を探しやすくなります。
解決方法も細かくできるため、実際の行動へつなげやすくなります。
考えをほかの人へ説明しやすい
考えを図にすると、文章だけで説明するよりも全体の関係が伝わりやすくなります。
会議や発表で、自分の考えを共有するときにも便利です。
ロジックツリーの注意点・デメリット
ロジックツリーは便利な方法ですが、使うときに注意したい点もあります。
分け方によって結果が変わる
同じ問題でも、どのような見方で分けるかによって内容は変わります。
最初の分け方が問題に合っていないと、本当の原因や役に立つ解決方法へたどり着けないことがあります。
書いた原因が正しいとは限らない
ロジックツリーに書いた原因は、考えられる可能性の1つです。
書いた内容だけで原因を決めず、実際の数字や記録を確認しましょう。
図を作ること自体が目的になりやすい
見た目を整えることに時間をかけすぎると、本来の目的を忘れてしまうことがあります。
ロジックツリーは、問題を解決したり、行動を決めたりするための道具です。
ロジックツリーと似た手法との違い
ロジックツリーには、見た目や使い方が似ている方法があります。
目的の違いを知っておくと、使い分けやすくなります。
ロジックツリーとマインドマップの違い
マインドマップとは、中心にテーマを書き、思いついた言葉を周りへ自由に広げていく整理方法です。
発想を広げたいときや、アイデアを出したいときに向いています。
ロジックツリーは、原因や項目を一定の分け方で整理します。
自由に考えを広げるのがマインドマップ、順番に整理するのがロジックツリーです。
ロジックツリーとなぜなぜ分析の違い
なぜなぜ分析は、1つの問題に対して「なぜ起きたのか」をくり返し、本当の原因を深く調べる方法です。
1つの原因を下へたどりながら考えるときに向いています。
一方、Whyツリーは、考えられる原因をいくつかの方向へ枝分かれさせて整理します。
原因を広く考えるのがWhyツリー、原因を深くたどるのがなぜなぜ分析です。
ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い
ピラミッドストラクチャーとは、最初に結論を示し、その下に理由や具体例を並べる説明方法です。
話や発表をわかりやすく組み立てるために使います。
ロジックツリーは、問題や原因を分けて考えるための方法です。
考えを整理するのがロジックツリー、相手に伝わりやすく並べるのがピラミッドストラクチャーです。
初心者が間違えやすいポイント
枝を多くすればよいわけではない
項目を増やせば、よいロジックツリーになるわけではありません。
目的に関係のない項目は、できるだけ入れないようにします。
最初の分け方が1つだけとは限らない
同じ問題でも、目的によって分け方は変わります。
1つの分け方だけが正解とは限らないため、目的に合っているかを確認しましょう。
書いた内容を事実だと思い込まない
ロジックツリーに書く内容は、最初の段階では予想を含みます。
実際の情報を確認し、正しい原因なのか確かめる必要があります。
最初から完璧に作る必要はない
最初から抜けや重なりのない形を作るのは難しいものです。
まず書き出し、あとから直すことで、少しずつ見やすい形にできます。
ロジックツリーについてよくある質問
ロジックツリーはどんなときに使いますか?
問題の原因を調べたいときや、解決方法を考えたいときに使います。
目標を具体的な行動へ分けたいときにも役立ちます。
ロジックツリーは何段まで分けますか?
決まった段数はありません。
原因を確認できるところや、具体的に行動できるところまで分ければ十分です。
最初は2段から3段ほどに分け、必要に応じてさらに細かくするとよいでしょう。
ロジックツリーがうまく作れないときはどうしますか?
最初に、原因を考えたいのか、解決方法を考えたいのかを確認します。
そのあと、思いつく項目をいったん書き出し、似ている内容をまとめましょう。
ロジックツリーは紙でも作れますか?
紙とペンだけでも作れます。
最初は、書き直しながら自由に考えられる紙の方が作りやすい場合があります。
ロジックツリーとMECEは同じ意味ですか?
同じ意味ではありません。
ロジックツリーは、問題や目標を枝分かれさせて整理する方法です。
MECEは、その枝分かれに抜けや重なりがないか確認するときに使われる考え方です。
Why・How・What以外の分け方もありますか?
あります。
Why・How・Whatは代表的な分け方ですが、すべてのロジックツリーが必ずこの3種類に分かれるわけではありません。
目的や使う人によって、別の名前や整理方法が使われることもあります。
ロジックツリーは仕事以外でも使えますか?
学校の課題、試験勉強、就職活動、家事の見直しなどにも使えます。
複雑な内容を小さく分けたい場面であれば、さまざまな場面で使えます。
まとめ|ロジックツリーとは問題を細かく分けて整理する方法
ロジックツリーとは、問題や目標を木の枝のように細かく分けて整理する方法です。
代表的なものとして、原因を広く考えるWhyツリー、解決方法を考えるHowツリー、中身を分けるWhatツリーがあります。
作るときは、最初に目的を決め、大きな項目から細かい項目へ順番に分けます。
MECEを意識すると抜けや重なりを減らせますが、最初から完璧な形を目指す必要はありません。
まずは紙に書き出し、事実を確認しながら、少しずつ内容を直していくとよいでしょう。

