サンクコストとは、すでに使ってしまい、あとから取り戻せないお金や時間のことです。
かんたんに言うと、「もう戻ってこない費用」のことです。たとえば、映画のチケット代を払ったあとに映画がつまらないと感じても、そのチケット代は戻らないことがあります。
この記事では、サンクコストの意味、サンクコスト効果、サンクコストバイアス、コンコルド効果との違い、仕事や恋愛での具体例を初心者向けにわかりやすく解説します。
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サンクコストとは
サンクコストとは、すでに払ったお金や、すでに使った時間のうち、あとから取り戻せないものを指します。
日本語では「埋没費用」とも呼ばれます。埋没費用とは、すでに使ってしまい、戻せなくなった費用のことです。
サンクコストをかんたんに言うと
サンクコストをかんたんに言うと、「もう戻ってこないお金や時間」です。
たとえば、1,800円を払って映画を見始めたとします。途中で「つまらない」と思っても、払った1,800円は基本的に戻りません。
この1,800円がサンクコストです。
サンクコストの日本語での意味
サンクコストは、日本語で「埋没費用」と言います。
「費用」と聞くと、お金だけを思いうかべるかもしれません。しかし、サンクコストでは時間や労力も含めて考えることがあります。
たとえば、資格の勉強に使った時間、あまり使わない道具に払ったお金、続けてきた仕事にかけた年月なども、場合によってはサンクコストになります。
サンクコストの英語表記
サンクコストは英語で「sunk cost」と書きます。
「sunk」には「沈んだ」という意味があります。つまり、すでに沈んでしまい、引き上げにくい費用というイメージです。
なお、検索では「サンク コスト」と分けて書かれることもあります。意味は「サンクコスト」と同じです。
サンクコストの身近な例
サンクコストは、ビジネスだけの言葉ではありません。日常生活でもよく起きます。
ここでは、身近な例で見ていきましょう。
映画を途中でつまらないと思った例
映画館でチケットを買い、映画を見始めたとします。
途中で「思っていたよりおもしろくない」と感じても、「せっかくお金を払ったから最後まで見よう」と考えることがあります。
このとき、すでに払ったチケット代がサンクコストです。
本来は、「残りの時間を使ってまで見続けたいか」で考えることが大切です。
つまらない映画を「もったいないから」と最後まで見続けると、戻らないチケット代に加えて、残りの時間まで使うことになります。
つまり、サンクコストに引きずられると、これ以上の損を増やしてしまうことがあります。
買った服をあまり着ない例
高い服を買ったものの、自分には合わず、ほとんど着ていないとします。
それでも「高かったから捨てられない」と思って、ずっとクローゼットにしまっておくことがあります。
この場合、すでに払った服代がサンクコストです。
服代は戻りません。大切なのは、これからその服を使うかどうかです。
ゲームやガチャをやめにくい例
ゲームでほしいアイテムが出るまで、お金や時間を使い続けてしまうことがあります。
「ここまで使ったのだから、あと少しで出るかもしれない」と思うと、やめにくくなります。
このとき、すでに使ったお金や時間がサンクコストです。
サンクコストは、このように「もう少し続けた方がよいのでは」と考えさせることがあります。
サンクコスト効果とは
サンクコスト効果とは、すでに使ったお金や時間を惜しんで、やめた方がよいことを続けてしまう心の動きのことです。
「もったいないから続ける」という気持ちが強くなり、今どうするのがよいかを決めにくくなります。
サンクコスト効果の意味
サンクコスト効果は、すでに使ったものに引きずられる状態です。
たとえば、あまり使われていないサービスでも、「ここまで作るためにお金をかけたから続けよう」と考えてしまうことがあります。
もちろん、続けることが正しい場合もあります。ただし、「使ったお金がもったいない」だけで続けると、さらに損が大きくなることがあります。
なぜ「もったいない」と思ってしまうのか
人は、自分が使ったお金や時間をむだにしたくないと感じます。
そのため、「やめると今までの努力がむだになる」と考えやすくなります。
しかし、サンクコストはすでに戻らないものです。決めるときは、「これから先に得られるもの」を見ることが大切です。
サンクコストバイアスとは
サンクコストバイアスとは、サンクコストに引きずられて、考え方がかたよってしまうことです。
バイアスとは、考え方のくせや、ものの見方のかたよりのことです。
バイアスとは何か
バイアスは、だれにでも起こる考え方のくせです。
たとえば、「一度始めたことは最後まで続けるべきだ」と強く思うと、今やめた方がよいことも続けてしまうことがあります。
このような考え方のかたよりが、サンクコストバイアスです。
サンクコストバイアスが起きる理由
サンクコストバイアスが起きる理由は、過去の努力を大切にしたい気持ちがあるからです。
努力したこと自体は、悪いことではありません。大切なのは、過去ではなく、これからどうするかを考えることです。
「今から始めるとしても、同じことを選ぶか」と考えると、落ち着いて決めやすくなります。
サンクコストの誤謬とは
サンクコストの誤謬とは、取り戻せない費用にこだわり、よくない決め方をしてしまうことです。
「誤謬」は「ごびゅう」と読みます。意味は、考え方のまちがいです。
誤謬の読み方と意味
誤謬は、ふだんの会話ではあまり使わない言葉です。
読み方は「ごびゅう」です。かんたんに言うと、「考え方のまちがい」という意味です。
サンクコストの誤謬は、「ここまで使ったから、やめたら損だ」と考えてしまうことです。
サンクコストの誤謬が起きる例
たとえば、売れない商品を作り続けている会社があるとします。
本当は別の商品に力を入れた方がよいのに、「ここまでお金をかけたから」と続けてしまうことがあります。
このように、過去の費用に引きずられて、これからの決め方をまちがえることがサンクコストの誤謬です。
サンクコストとコンコルド効果の違い
サンクコストとよく似た言葉に、コンコルド効果があります。
どちらも「ここまで使ったからやめられない」という考え方に関係します。
コンコルド効果とは
コンコルド効果とは、うまくいかないとわかっていても、すでに使ったお金や時間を惜しんで続けてしまうことです。
名前は、超音速旅客機「コンコルド」の計画に由来するとされています。超音速旅客機とは、音より速く飛ぶ旅客機のことです。
この計画では、作るために多くのお金がかかりました。もうかりにくいと見られても、計画が続いたことから、コンコルド効果という言葉が使われるようになりました。
サンクコスト効果との違い
サンクコスト効果は、取り戻せない費用に引きずられる心の動き全体を指します。
コンコルド効果は、その代表的な例として使われることが多い言葉です。
大きく見ると、どちらも「過去に使ったものに引きずられて、これからの決め方をまちがえる」という点で共通しています。
サンクコストが使われる場面
サンクコストは、仕事、投資、恋愛、ギャンブルなど、さまざまな場面で使われます。
ここでは、よく使われる場面を見ていきます。
ビジネスでの使い方
ビジネスでは、新しいサービスや商品を続けるかどうかを考えるときに使われます。
たとえば、サービスを作るために多くのお金を使ったとしても、使う人が少なければ見直しが必要です。
このとき、「ここまでお金をかけたから続ける」と考えるのではなく、「これから使う人が増える見込みがあるか」で考えることが大切です。
投資での使い方
投資でも、サンクコストはよく関係します。
投資とは、お金を増やす目的で株や投資信託などを買うことです。投資信託とは、多くの人から集めたお金を専門家がまとめて運用する商品のことです。
買った株や投資信託の価値が下がっているとき、「ここで売ると損が決まる」と思い、持ち続けてしまうことがあります。
ただし、決めるときは、過去に買った金額だけではなく、これからよくなる見込みがあるかを見ることが大切です。
恋愛での使い方
恋愛でも、サンクコストという考え方が使われることがあります。
たとえば、長く付き合った相手との関係に悩んでいるとします。「ここまで時間をかけたから別れにくい」と感じることがあります。
この場合、これまでの時間がサンクコストのように働いています。
ただし、人間関係はお金だけで決めるものではありません。サンクコストという言葉は、自分の気持ちを整理するための考え方として使うのがよいです。
ギャンブルでの使い方
ギャンブルでは、「ここまで負けたから、次で取り返したい」と考えることがあります。
この考え方も、サンクコストに引きずられている状態です。
すでに使ったお金は戻りません。これ以上続けるかどうかを、一度落ち着いて考えることが大切です。
サンクコストの具体例
ここからは、サンクコストの具体例をもう少し詳しく見ていきます。
具体例で見ると、意味を理解しやすくなります。
仕事でのサンクコストの例
会社で、あるシステムを作っているとします。
システムとは、仕事を便利にするための仕組みや、パソコン上で動く道具のことです。
作っている途中で、「このシステムは使いにくい」「使う人が少なそう」とわかりました。
それでも「ここまで作ったから最後まで作ろう」と考えると、サンクコストに引きずられている可能性があります。
ITの仕事では、システムやアプリの開発でこの考え方が出てくることがあります。開発とは、システムやアプリを作ることです。
恋愛でのサンクコストの例
長く付き合っている相手との関係に悩んでいるとします。
「何年も付き合ったから、今さら別れるのはもったいない」と思うことがあります。
これまでの時間は大切です。ただし、これから先も自分にとってよい関係かどうかを考えることも大切です。
投資でのサンクコストの例
10万円で買ったものの、価値が下がっている株があるとします。
「10万円も払ったから売れない」と思い、これからよくなる見込みが少なくても持ち続けることがあります。
このとき、10万円という過去の費用に引きずられています。
日常生活でのサンクコストの例
たとえば、読み始めた本が自分に合わないと感じたとします。
それでも「半分まで読んだから最後まで読まないともったいない」と思うことがあります。
この場合、すでに読んだ時間がサンクコストです。
最後まで読むことが悪いわけではありません。ただし、ほかの本を読む時間にした方がよい場合もあります。
サンクコストで初心者が間違えやすい点
サンクコストは、意味を少し間違えやすい言葉です。
ここでは、初心者が特に間違えやすい点を整理します。
「使ったお金を取り戻すこと」ではない
サンクコストは、使ったお金を取り戻すことではありません。
すでに使ってしまい、戻ってこないお金や時間のことです。
つまり、「回収できない費用」と考えるとわかりやすいです。回収できないとは、あとから取り戻せないという意味です。
「続ければ必ず得をする」という意味ではない
サンクコストは、「続ければ得をする」という意味ではありません。
むしろ、続ける理由が「もったいないから」だけになっている場合は、一度立ち止まって考えるとよいです。
続けるかどうかは、これからよくなる見込みで考えることが大切です。
努力や経験をすべて否定する言葉ではない
サンクコストは、これまでの努力を否定する言葉ではありません。
努力した経験は、次の選択に役立つことがあります。
ただし、過去の努力だけを理由に、これからの選択を決めるのは避けた方がよいという考え方です。
サンクコストにとらわれないための考え方
サンクコストにとらわれないためには、過去よりもこれからを見ることが大切です。
ここでは、考え方のコツを紹介します。
これから得られるものを見る
何かを決めるときは、「すでに使ったもの」ではなく、「これから得られるもの」を見ます。
たとえば、ある作業を続けるか迷ったら、「この先にどんなよい結果があるか」を考えます。
これにより、過去の費用に引きずられにくくなります。
今やめた場合の得も考える
やめることには、悪い面だけでなく、よい面もあります。
たとえば、合わない本を読むのをやめれば、別の本を読む時間ができます。
やめることで、新しい選択ができる場合もあります。
損切りという考え方もある
ビジネスや投資では、これ以上の損を防ぐために途中でやめることを「損切り」と呼ぶことがあります。
損切りは、単なる失敗ではありません。これ以上の損を増やさないための前向きな決め方です。
投資の世界では、同じような意味で「ロスカット」という言葉が使われることもあります。
自分ではない人の目線で考える
自分のことになると、過去の努力に引きずられやすくなります。
そのようなときは、「友人が同じ状況なら、どう声をかけるか」と考えると落ち着きやすくなります。
自分ではない人の目線を持つことで、決めやすくなります。
サンクコストに関するよくある質問
最後に、サンクコストに関するよくある質問をまとめます。
サンクコストとは何ですか?
サンクコストとは、すでに使ってしまい、あとから取り戻せないお金や時間のことです。
日本語では「埋没費用」とも呼ばれます。
サンクコスト効果とは何ですか?
サンクコスト効果とは、すでに使ったお金や時間を惜しんで、やめた方がよいことを続けてしまう心の動きのことです。
「ここまで使ったから、やめるのはもったいない」と感じる状態です。
サンクコスト効果とコンコルド効果の違いは何ですか?
サンクコスト効果とコンコルド効果は、ほぼ同じ意味で使われることがあります。
サンクコスト効果は、過去に使ったお金や時間に引きずられて、やめにくくなる心の動き全体を指します。
コンコルド効果は、その代表的な例として使われる言葉です。
名前は、超音速旅客機「コンコルド」の計画に由来するとされています。
つまり、サンクコスト効果は広い意味の言葉で、コンコルド効果はそれを説明する有名な例として考えるとわかりやすいです。
サンクコストは恋愛でも使いますか?
はい、恋愛でも使われることがあります。
たとえば、「長く付き合ったから別れにくい」と感じる場合、これまでの時間がサンクコストのように働いていることがあります。
ただし、恋愛は人の気持ちが関わります。言葉だけで決めず、自分にとってよい関係かを考えることが大切です。
サンクコストを避けるにはどうすればよいですか?
サンクコストを避けるには、「これまで」ではなく「これから」を見ることが大切です。
すでに使ったお金や時間ではなく、今後の見込みや自分にとっての価値を考えます。
まとめ|サンクコストとは、取り戻せない費用に引きずられる考え方のこと
サンクコストとは、すでに使ってしまい、あとから取り戻せないお金や時間のことです。
サンクコストそのものは、だれにでも起こる身近なものです。映画、服、仕事、投資、恋愛など、さまざまな場面で関係します。
大切なのは、過去に使ったお金や時間だけで決めないことです。
「これから得られるものは何か」「今やめることで得られるものは何か」を考えると、サンクコストにとらわれにくくなります。
ビジネスや投資では、これ以上の損を防ぐために損切りをすることもあります。これは失敗ではなく、次のよい選択につなげるための考え方です。
サンクコストとは何かを知っておくと、仕事や日常生活で落ち着いて決めやすくなります。

