可視化とは、数字や情報を、目で見て分かりやすい形にすることです。かんたんに言うと、分かりにくい情報を、表やグラフ、図などに置き換えることを指します。
たとえば、1カ月分の支出が数字だけで並んでいると、何に多く使ったのか分かりにくいでしょう。食費や光熱費をグラフにすると、お金の使い方をひと目で確認できます。
ITや仕事でも同じです。売上、在庫、作業の進み具合、システムの状態などを、理解しやすい形で表示することを可視化といいます。
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可視化とは?意味を簡単に解説
可視化の読み方は「かしか」です。「可視」には、目で見ることができるという意味があります。
ただし、可視化は、見えない物を本当に見えるようにすることだけではありません。複雑な数字や情報を、理解しやすい形に変えることも含まれます。
見えにくい情報を分かりやすい形にすること
数字や文章が大量に並んでいると、重要な部分を見つけるまでに時間がかかります。そこで、表、色、グラフ、図などを使って情報を整理します。
たとえば、毎日の気温を数字で確認するより、折れ線グラフで見た方が、気温の上がり下がりをつかみやすくなります。このように、情報の特徴を見つけやすくすることが可視化です。
ITやビジネスで使われる可視化の意味
ITの分野では、コンピューターが集めたデータを、表やグラフ、画面などに表示することを可視化といいます。データとは、数字、文字、記録など、調べたり比べたりするための情報です。
仕事では、売上、費用、在庫、作業時間などを分かりやすく表示します。数字の変化や問題を見つけ、次に何をするか考えるために使われます。
可視化を行う目的
可視化の目的は、見た目をきれいにすることだけではありません。情報を正しく理解し、判断や行動に役立てることが大切です。
情報の全体をつかみやすくする
数字や文章が多いと、一つずつ確認するだけでも時間がかかります。グラフや図にまとめると、数字が増えているのか、減っているのかを短い時間で確認できます。
たとえば、1年間の売上を折れ線グラフにすると、売上が伸びた時期や下がった時期が分かります。細かい数字を確認する前に、大きな変化をつかめます。
問題や変化に気づきやすくする
情報を可視化すると、いつもと違う動きを見つけやすくなります。急な売上の低下や、在庫の不足などにも気づきやすくなります。
ITシステムでは、エラーの件数やコンピューターの使用状況を画面に表示します。いつもと違う動きが起きたときに、早めに対応するためです。
人に説明しやすくする
数字だけで説明すると、人によって受け取り方が変わることがあります。グラフや図を使えば、同じ情報を見ながら話せます。
学校の発表、会社の会議、地域の説明会などでも可視化は役立ちます。文章だけでは伝えにくい内容を、分かりやすく示せます。
可視化の身近な例と仕事での具体例
可視化は、特別な仕事だけで使われるものではありません。私たちの生活の中でも、さまざまな場面で使われています。
家計の支出をグラフで表す
家計簿の金額を項目ごとに分けると、食費や光熱費にいくら使ったかが分かります。円グラフにすると、支出全体に占める割合も確認できます。
これは、お金の使い方を可視化した例です。多く使っている項目を見つけ、家計を見直すきっかけになります。
売上や在庫の変化をグラフで確認する
お店では、商品の売上や在庫数を可視化することがあります。売れている商品や、在庫が少なくなっている商品を確認するためです。
数字の一覧だけでなく、グラフや色を使って表示すると、変化に気づきやすくなります。商品の仕入れや販売方法を考える材料にもなります。
業務の流れを図で整理する
仕事の手順を文章だけで説明すると、分かりにくいことがあります。作業の順番を矢印でつないだ図にすると、流れをつかみやすくなります。
このような図は、フローチャートと呼ばれます。フローチャートとは、作業の順番や分かれ道を、図形と矢印で表した図です。
システムの状態を画面で確認する
ITシステムでは、動作の速さやエラーの件数を画面に表示することがあります。担当者は、その画面を見てシステムが正常に動いているか確認します。
複数の情報を一つの画面にまとめたものは、ダッシュボードと呼ばれます。ダッシュボードとは、必要な数字や情報を、一つの画面で確認できるようにしたものです。
自動車の速度計や燃料計を集めた部分も、ダッシュボードと呼ばれます。ITでは、同じように大切な情報をまとめて表示する画面を指します。
可視化と見える化の違い
かんたんに分けると、可視化は情報を見える形にすること、見える化は必要な情報をいつでも確認できる状態にすることです。ただし、実際には同じような意味で使われる場合もあります。
可視化は情報を見える形にすること
可視化は、数字や情報を表、グラフ、図などに変えることです。見えにくかった内容を、目で理解できる形にします。
たとえば、毎月の売上をグラフにすることは可視化です。売上がどのように変化したのかを確認できます。
見える化はいつでも確認できる状態にすること
見える化は、必要な情報を、いつでも確認できる状態にする意味で使われることがあります。特に、仕事の改善や管理の場面でよく使われます。
たとえば、売上を一度だけグラフにするのではなく、毎日更新して全員が確認できるようにします。このような状態を、見える化と呼ぶ場合があります。
ただし、可視化と見える化に、すべての場面で共通する決まった違いがあるわけではありません。文章の内容や、会社での使い方に合わせて判断しましょう。
可視化と視覚化の違い
視覚化も、情報を目で理解できる形にするという意味です。可視化とほぼ同じ意味で使われることがあります。
視覚化は、頭の中にある考えを、具体的に思い浮かべる意味でも使われます。一方、可視化は、数字や状態を図や画面に表示する場面で多く使われます。
情報を可視化する主な方法
可視化には、さまざまな方法があります。大切なのは、何を伝えたいのかに合った方法を選ぶことです。
表にまとめる
表は、数字や情報を縦と横に分けて整理する方法です。商品ごとの価格や、月ごとの売上などを比べるときに向いています。
ただし、数字が多すぎると、全体の変化が分かりにくくなります。数字の変化や割合を見せたい場合は、グラフも組み合わせるとよいでしょう。
グラフで表す
グラフは、数字の大きさや変化を、線、棒、円などで表す方法です。売上の変化、商品の割合、項目ごとの違いなどを伝えるときに使われます。
グラフを英語で「チャート」と呼ぶこともあります。どちらも、数字や情報を分かりやすく見せるためのものです。
図やフローチャートで整理する
仕事の手順や人の関係を表す場合は、図が役立ちます。文章では伝えにくい関係や順番を、ひと目で確認できます。
フローチャートを使えば、作業の開始から終了までの流れを整理できます。作業が重なっている場所や、必要のない手順を見つけるときにも便利です。
ダッシュボードにまとめる
ダッシュボードを使うと、複数の大切な情報を一つの画面で確認できます。売上、在庫、問い合わせ件数などを同時に表示できます。
数字が自動で更新されるようにすると、現在の状態をすぐに確認できます。会社の管理画面や、ITシステムの確認画面などで使われています。
可視化に使うグラフの種類
グラフには、それぞれ向いている使い方があります。見た目だけで選ばず、何を伝えたいのかを考えることが大切です。
棒グラフは数の大小を比べるときに使う
棒グラフは、項目ごとの数を比べるときに向いています。商品別の売上や、クラス別の人数などを表せます。
棒の長さで違いを確認できるため、初心者にも分かりやすいグラフです。項目が多すぎる場合は、重要なものにしぼりましょう。
折れ線グラフは時間による変化を表す
折れ線グラフは、時間とともに数字がどのように変化したかを表します。毎月の売上、毎日の気温、Webサイトを見た人の数などに使われます。
線が上がっていれば数字が増え、下がっていれば減っていることが分かります。長い期間の変化を確認するときに便利です。
円グラフは全体に占める割合を表す
円グラフは、全体を100%として、それぞれの項目が占める割合を表します。家計の支出や、アンケートの回答などに使われます。
項目が多すぎると、違いが分かりにくくなります。大きな項目だけを見せたいときに向いています。
散布図は2種類の数字の関係を調べる
散布図とは、2種類の数字を点で表したグラフです。2つの数字に関係がありそうかを調べるときに使います。
たとえば、横に勉強時間、縦に試験の点数を置き、一人ずつ点を付けます。勉強時間が長い人ほど点数が高いのかを、点の並び方から確認できます。
ただし、点の並び方だけで、原因まで決めることはできません。ほかの理由が関係していないかも考える必要があります。
可視化のメリットと注意点
可視化には多くのメリットがあります。一方で、作り方によっては、情報が正しく伝わらない場合もあります。
情報を短い時間で理解しやすくなる
グラフや図を使うと、数字や文章を一つずつ読む手間が減ります。数字の特徴や変化を、短い時間でつかめます。
人による理解の違いを減らしやすくなる
同じグラフや図を見ながら話すと、どの情報について話しているのかが明確になります。学校の発表や仕事の会議でも、説明が伝わりやすくなります。
判断や改善につなげやすくなる
問題が起きている場所を可視化すると、見直すべき点を考えやすくなります。売上の低下や作業の遅れなども、早めに確認できます。
情報を詰め込みすぎると分かりにくくなる
一つの画面に多くの数字やグラフを入れると、どこを見ればよいか分からなくなります。特に大切な情報を選び、必要のない内容は減らしましょう。
目的に合わないグラフを使わない
グラフを作れば、必ず正しく伝わるわけではありません。割合を示したいのか、時間による変化を示したいのかによって、使うグラフは変わります。
また、グラフの一部だけを見せると、実際より大きな変化に見えることがあります。表にまとめた数字も確認し、誤解を生まない表示にすることが大切です。
可視化に使われる主なツール
可視化は、紙とペンでも行えます。数字が多い場合や、情報を自動で更新したい場合は、パソコンやスマートフォンの道具が便利です。
ExcelやGoogleスプレッドシート
ExcelやGoogleスプレッドシートは、表やグラフを作成できる道具です。入力した数字を使って、棒グラフや折れ線グラフなどを作れます。
学校の課題、家計簿、売上管理など、幅広い場面で使えます。初めて可視化を行う人にも使いやすい方法です。
BIツール
BIツールとは、会社にある数字や情報を集め、グラフや画面にまとめる仕組みです。売上、利益、在庫などを、一つの画面で確認できます。
BIは「Business Intelligence」の略です。会社の情報を、仕事の判断に役立てるという意味で使われます。
図や業務の流れを作成するツール
仕事の手順や組織の関係を可視化するときは、図を作成できる道具を使います。図形や矢印を配置し、情報のつながりを表せます。
ただし、使う道具よりも、何を伝えたいのかが重要です。最初に目的を決めてから、必要な表や図を選びましょう。
可視化は英語で何という?
可視化は英語で「visualization」といいます。日本語では「ビジュアライゼーション」と読むことがあります。
データの可視化は「data visualization」です。数字や情報を、グラフや図などで分かりやすく表すことを意味します。
可視化についてよくある質問
可視化とグラフ化は同じですか?
グラフ化は、可視化の方法の一つです。可視化には、グラフだけでなく、表、図、色分け、地図、ダッシュボードなども含まれます。
可視化の反対語は何ですか?
使われる場面によっては、「不可視化」という言葉が使われます。不可視化とは、見えない状態にすることです。
ただし、「不可視化」は日常会話ではあまり使われません。内容に応じて、「非表示にする」「見えない状態にする」と表す方が分かりやすいでしょう。
可視化すれば問題を解決できますか?
可視化するだけで、すべての問題が解決するわけではありません。可視化は、問題や変化を見つけやすくするための方法です。
表示された内容を確認し、原因を調べて、必要な対応を考えることが大切です。
業務を可視化するには何から始めますか?
最初に、何を確認したいのかを決めます。売上を知りたいのか、作業の遅れを知りたいのかによって、集める情報が変わります。
次に、必要な数字や作業内容を集め、表や図に整理します。初めから複雑なツールを使わず、紙や表計算ソフトから始めても問題ありません。
可視化とは情報を分かりやすい形にすること
可視化とは、数字や情報を、表、グラフ、図などを使って分かりやすい形にすることです。見えにくかった変化や問題を、目で確認しやすくします。
可視化は、家計、学校、仕事、ITシステムなど、さまざまな場面で使われています。大切なのは、見た目を整えることだけではなく、目的に合った方法で情報を伝えることです。
まずは、確認したい内容を一つ決め、表や簡単なグラフにまとめてみましょう。情報を整理することで、これまで気づかなかった変化や特徴を見つけやすくなります。

