管理図とは?意味・種類・見方を初心者向けにわかりやすく解説

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管理図とは何かを初心者向けに説明した画像

管理図とは、作業や品質の数値が、いつも通りの範囲におさまっているかを見るための図です。

かんたんに言うと、「いつもと違う変化に早く気づくための図」です。

この記事では、管理図とは何か、見方、種類、UCL・LCL、異常判定ルールを初心者向けにわかりやすく解説します。

ここだけ読めばOK

管理図とは、数値の変化を見て「いつもと違う動き」がないかを確認するための図です。

商品の重さ、作業時間、ミスの数、システムの応答時間など、変化を見たい場面で使われます。

関連するIT用語をまとめて確認したい方は、IT用語一覧もあわせてご覧ください。

目次

管理図とは

管理図とは、数値の変化を点と線で表し、作業や品質が安定しているかを確認するための図です。

ここでいう品質とは、商品やサービスのよさのことです。たとえば、商品が決められた重さに近いこと、ミスが少ないこと、作業時間が安定していることなどです。

管理図は、工場の品質管理だけでなく、仕事の改善やシステム運用の確認にも使われます。

管理図とはいつもと違う変化に気づくための図であることを示したイメージ
管理図は、数値の変化を記録し、いつもの範囲から外れていないかを見るための図です。

かんたんに言うと「いつもと違う変化に気づくための図」

管理図は、ふだんの状態と比べて、数値が大きくずれていないかを見るために使います。

たとえば、毎日の体温を記録しているとします。いつもは36度台なのに、急に38度になれば「いつもと違う」と気づけます。

管理図も考え方は似ています。商品の重さ、作業時間、ミスの数などを記録し、いつもと違う動きがないかを見ます。

管理図の身近な例

身近な例で考えると、管理図は「毎日の体調メモ」のようなものです。

毎日の体温を記録すると、少しの変化に気づきやすくなります。1日だけを見るより、何日分も並べて見る方が変化が分かります。

管理図では、品質や作業の数値を同じように記録します。そして、ふだんの範囲から外れていないかを確認します。

管理図で見る「ばらつき」とは

管理図では、「ばらつき」という言葉がよく出てきます。

ばらつきとは、数値が毎回ぴったり同じではなく、少しずつ違うことです。

たとえば、同じ商品でも重さが少し違うことがあります。99g、100g、101gのような違いが、ばらつきです。

管理図は、このばらつきが「いつもの範囲」におさまっているかを見るために使います。

管理図を使う目的

管理図を使う目的は、作業や品質が安定しているかを見ることです。

数値がいつもと大きく違う場合、何か変化が起きているかもしれません。たとえば、材料、作業の手順、機械の調子などが変わっている場合です。

管理図を使うと、変化に早く気づき、原因を確認しやすくなります。

管理図はQC七つ道具のひとつ

管理図は、QC七つ道具のひとつです。

QCとは、品質管理のことです。品質管理とは、商品やサービスのよさを保つための取り組みをいいます。

QC七つ道具とは

QC七つ道具とは、品質管理でよく使われる7つの基本的な図や表のことです。

代表的なものに、管理図、パレート図、特性要因図、ヒストグラム、散布図などがあります。

それぞれの図には役割があります。管理図は、数値の変化を時間の流れで見て、安定しているかを確認するための図です。

管理図が品質管理で使われる理由

管理図が使われる理由は、数値の変化を見やすくできるからです。

数字だけを見ても、変化に気づきにくいことがあります。図にすると、上がっているのか、下がっているのか、急に変わったのかが見えやすくなります。

そのため、管理図は「いつも通りか」「いつもと違うか」を見る場面で使われます。

管理図の見方

管理図を見るときは、点の位置と線の関係を確認します。

基本になる線は、中心線、UCL、LCLです。これらの線を使って、数値が安定しているかを見ます。

まず押さえたい管理図の用語

管理図には、初心者がつまずきやすい用語がいくつかあります。

先に、かんたんな意味を整理しておきましょう。

用語かんたんな意味
ばらつき数値が毎回少しずつ違うこと
中心線データのまん中あたりを示す線
UCL上側の目安になる線
LCL下側の目安になる線
管理限界線ふだんの範囲を示す目安の線
規格値商品やサービスとして満たすべき基準

次の図を見ると、中心線、UCL、LCLの位置関係が分かりやすくなります。

管理図の中心線・UCL・LCLの位置関係を示した図
管理図では、中心線を基準にして、上側のUCLと下側のLCLの間に点がおさまっているかを見ます。

中心線とは

中心線とは、データのまん中あたりを示す線です。

たとえば、商品の重さを何回も測ったときの平均に近い線だと考えると分かりやすいです。

点が中心線の近くに集まっていれば、比較的安定していると考えられます。

UCLとは

UCLとは、上側の管理限界線のことです。

かんたんに言うと、「この線より上に行くと、いつもと違うかもしれない」と見るための目安です。

UCLは、英語の「Upper Control Limit」の略です。日本語では「上方管理限界」と呼ばれます。

LCLとは

LCLとは、下側の管理限界線のことです。

かんたんに言うと、「この線より下に行くと、いつもと違うかもしれない」と見るための目安です。

LCLは、英語の「Lower Control Limit」の略です。日本語では「下方管理限界」と呼ばれます。

管理限界線とは

管理限界線とは、ふだんのばらつきの範囲を示す目安の線です。

上の線がUCL、下の線がLCLです。この2本の線の間に点が入っているかを見ます。

ただし、管理限界線は「合格か不合格か」を直接決める線ではありません。あくまで、いつもの範囲かどうかを見るための線です。

3σとは

管理図では、3σという考え方が出てくることがあります。

σは「シグマ」と読みます。ここでは、数値のばらつきの大きさを表す目安だと考えてください。

3σは、平均から大きく離れた範囲を見るための考え方です。一般的には、データ全体のほぼすべてがおさまる範囲の目安として使われます。

少しだけ正確にいうと、3σはデータ全体の約99.7%がおさまる範囲の目安です。ただし、まずは「いつもの範囲を決めるための考え方」と理解すれば十分です。

管理図の異常判定ルール

管理図の異常判定ルールとは、点の位置や並び方から、いつもと違う動きがないかを判断するための目安です。

「異常」という言葉が出ますが、すぐに不良品や大きな問題と決めるものではありません。まずは「確認した方がよい変化」と考えると分かりやすいです。

管理図で線をこえる、片側にかたよる、連続して上がる例を示した図
管理図では、線をこえる、片側にかたよる、連続して上がるといった動きに注目します。

点が管理限界線をこえた場合

点がUCLより上に出たり、LCLより下に出たりした場合は、いつもと違う変化が起きている可能性があります。

たとえば、いつもより作業時間が大きく長くなった場合です。道具の調子や作業の流れに変化がないかを確認します。

点が片側にかたよっている場合

点が中心線の上側ばかり、または下側ばかりに続く場合も注意します。

たとえば、商品の重さが少し重い状態で続いている場合です。線をこえていなくても、いつもと違う流れがあるかもしれません。

点が連続して上がる・下がる場合

点が連続して上がったり、下がったりしている場合も確認します。

たとえば、機械の部品が少しずつすり減っていると、数値が少しずつ変わることがあります。

このように、管理図では1つの点だけでなく、点の流れも見ます。

異常判定は「すぐに不良」と決めるものではない

管理図で異常の目安に当てはまっても、すぐに不良と決めるわけではありません。

大切なのは、原因を確認することです。材料、作業手順、機械、人の作業など、変化がなかったかを見ます。

管理図は、早めに気づくための道具です。

管理図の種類

管理図には、いくつかの種類があります。

見るデータの内容によって、使う管理図が変わります。まずは、代表的な名前と役割をざっくり見ると理解しやすくなります。

X̄-R管理図、p管理図、np管理図、c管理図、u管理図の種類と役割を示した図
管理図にはいくつかの種類があり、見るデータに合わせて使い分けます。

X̄-R管理図・Xbar-R管理図とは

X̄-R管理図は、「エックス・バー・アール管理図」と読みます。

平均とばらつきを見るための管理図です。ネット記事などでは、Xbar-R管理図やXR管理図と書かれることもあります。

X̄は平均、Rは範囲を表します。範囲とは、いちばん大きい値といちばん小さい値の差のことです。

商品の重さや長さなど、数値で測れるものを見るときに使われます。

p管理図とは

p管理図は、不良の割合を見るための管理図です。

不良とは、決めた基準に合わないもののことです。たとえば、100個のうち何個が不良だったかを割合で見ます。

検査する数が毎回同じでない場合にも使われます。

np管理図とは

np管理図は、不良の個数を見るための管理図です。

たとえば、毎回100個ずつ検査して、その中の不良品の数を見る場合です。

p管理図は割合、np管理図は個数を見る、と考えると分かりやすいです。

c管理図とは

c管理図は、欠点の数を見るための管理図です。

欠点とは、キズやミスのように、直したい点のことです。

たとえば、1枚の書類にある入力ミスの数を数える場合などに使います。

u管理図とは

u管理図は、単位あたりの欠点の数を見るための管理図です。

単位あたりとは、「1枚あたり」「1台あたり」「1ページあたり」のような考え方です。

調べる量が毎回違うときに使われます。

管理図が使われる場面

管理図は、数値の変化を見たい場面で使われます。

工場だけでなく、サービスやシステム運用でも考え方を使うことがあります。

工場の品質管理

管理図がよく使われるのは、工場の品質管理です。

たとえば、商品の重さ、長さ、厚さなどを測り、一定の範囲におさまっているかを確認します。

数値の変化を見れば、機械の調子や作業の変化に気づきやすくなります。

サービスや業務の改善

管理図は、サービスや事務作業の改善にも使えます。

たとえば、問い合わせの件数、対応時間、入力ミスの数などを記録します。

いつもより件数が増えた日や、作業時間が長くなった日があれば、原因を確認できます。

システム運用での確認

ITの現場でも、管理図の考え方は役立ちます。

たとえば、サーバーの応答時間、エラー件数、問い合わせ件数などを見ます。

いつもより数値が大きく変わったときに、早めに気づくためです。

管理図と似た図の違い

管理図と似たものに、推移図や工程能力図があります。

どれも数値を見るための図ですが、目的が少し違います。

管理図と推移図の違い

推移図は、時間とともに数値がどう変わったかを見る図です。

管理図も時間の変化を見ますが、中心線や管理限界線を使って「いつもと違うか」を見ます。

つまり、推移図は変化を見る図です。管理図は、変化がふだんの範囲かどうかを見る図です。

管理図と工程能力図の違い

工程能力図は、決められた基準に対して、作業の結果がどのくらいおさまっているかを見る図です。

工程とは、作業の流れのことです。たとえば、材料を加工して商品を作る流れです。

管理図は、作業が安定しているかを見る図です。工程能力図は、基準に対して十分な力があるかを見る図です。

管理図をエクセルで作るときの基本

管理図は、エクセルでも作れます。

ここでは、細かい計算式ではなく、作る流れをかんたんに見ていきます。

数値を時間の順番に並べる

まず、数値を時間の順番に並べます。

たとえば、1日目、2日目、3日目のように並べます。作業ごとに記録する場合は、1回目、2回目、3回目のように並べます。

中心線を引く

次に、中心線を引きます。

中心線は、データのまん中あたりを示す線です。多くの場合、平均を使います。

UCL・LCLを引く

次に、UCLとLCLを引きます。

UCLは上側の目安、LCLは下側の目安です。この2本の線で、いつもの範囲を見やすくします。

点の動きから変化を見る

最後に、点の動きを見ます。

線をこえていないか、片側にかたよっていないか、連続して上がったり下がったりしていないかを確認します。

管理図は、作って終わりではありません。作ったあとに、点の動きを読むことが大切です。

初心者が間違えやすい点

管理図は便利な図ですが、意味を取り違えやすい点もあります。

ここでは、初心者が特に間違えやすい点を整理します。

管理図は目標値を決める図ではない

管理図は、目標値を決めるための図ではありません。

今の作業や品質が安定しているかを見るための図です。

目標を決めることと、今の状態を見ることは別の考え方です。

管理限界線と規格値は同じではない

管理限界線と規格値は同じではありません。

規格値とは、商品やサービスとして満たすべき基準のことです。たとえば「この重さの範囲なら合格」という基準です。

管理限界線は、ふだんのばらつきの範囲を見るための線です。合格か不合格かを直接決める線ではありません。

線をこえないから絶対に問題ないとは限らない

点がUCLとLCLの間にあっても、必ず問題がないとは限りません。

点が片側に続いていたり、同じ方向に動き続けたりする場合は、確認した方がよいことがあります。

管理図では、点の位置だけでなく、点の並び方も見ます。

管理図は原因まで自動で教えてくれる図ではない

管理図は、いつもと違う変化に気づくための図です。

ただし、なぜ変化したのかまでは、図だけでは分かりません。

変化に気づいたあとで、作業の流れ、材料、道具、人の動きなどを確認します。

管理図に関するよくある質問

管理図とは何ですか?

管理図とは、作業や品質のばらつきが、いつも通りの範囲にあるかを見るための図です。

中心線、UCL、LCLなどを使い、数値の変化を確認します。

管理図の英語は何ですか?

管理図は英語で「Control Chart」といいます。

Controlは管理、Chartは図や表という意味です。

管理図のUCLとLCLとは何ですか?

UCLは上側の管理限界線です。LCLは下側の管理限界線です。

この2本の線を使って、数値がふだんの範囲から大きく外れていないかを見ます。

管理図とグラフの違いは何ですか?

グラフは、数値を見やすくするための図全般を指します。

管理図は、その中でも、中心線や管理限界線を使って「いつもと違う変化」を見るための図です。

管理図にはどんな種類がありますか?

管理図には、X̄-R管理図、p管理図、np管理図、c管理図、u管理図などがあります。

見るデータが、重さや長さなのか、不良の割合なのか、ミスの数なのかによって使い分けます。

まとめ:管理図とは、いつもと違う変化に気づくための図

管理図とは、作業や品質のばらつきが、いつも通りの範囲におさまっているかを見るための図です。

中心線、UCL、LCLを使い、数値の変化を分かりやすくします。

管理図は、商品やサービスの品質管理、仕事の改善、システム運用などで使われます。

初心者は、まず次の4点を理解すると、管理図の全体像がつかみやすくなります。

  • 管理図は、いつもと違う変化に気づくための図
  • UCLとLCLは、上側と下側の目安になる線
  • X̄-R管理図は、平均とばらつきを見る管理図
  • 管理限界線と規格値は同じではない
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