ロードバランサーとは?仕組み・役割・種類をわかりやすく解説

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ロードバランサーとは何かを初心者向けに説明した画像

ロードバランサーとは、かんたんに言うと、Webサイトやサービスへのアクセスを複数のサーバーに分けるための仕組みです。

ここでのアクセスとは、利用者がWebサイトを開いたり、サービスを使ったりすることです。サーバーとは、Webサイトやサービスを動かすためのコンピューターです。

多くの人が同時にアクセスすると、1台のサーバーだけでは負担が大きくなることがあります。ロードバランサーは、その負担を分けて、サイトやサービスを安定して動かしやすくします。

この記事では、ロードバランサーとは何か、仕組み、役割、種類、似た言葉との違いを初心者向けにわかりやすく解説します。

関連するIT用語をまとめて確認したい方は、IT用語一覧もあわせてご覧ください。

目次

ロードバランサーとは?かんたんに言うとアクセスを分ける仕組み

ロードバランサーとは、利用者からのアクセスを複数のサーバーへ分ける仕組みのことです。

サーバーは、Webサイトの画面やデータを利用者に返す役割を持っています。たとえば、通販サイトを開くと、商品の画像や説明文が表示されます。

その裏側では、サーバーが必要な情報を送り返しています。

アクセスが1台のサーバーに集中すると、表示が遅くなったり、つながりにくくなったりすることがあります。ロードバランサーは、複数のサーバーにアクセスを分けて、1台だけに負担が集まらないようにします。

ロードバランサーが必要になる理由

ロードバランサーが必要になる大きな理由は、Webサイトやサービスを安定して動かしやすくするためです。

たとえば、人気商品の発売日や、イベントの申し込み開始日には、多くの人が同時にサイトへアクセスします。このとき、1台のサーバーだけで対応すると、処理が追いつきにくくなります。

ロードバランサーを使うと、アクセスを複数のサーバーに分けられます。そのため、1台あたりの負担を軽くできます。

結果として、Webサイトの表示を安定させやすくなります。

ロードバランサーの身近な例

ロードバランサーは、身近な例で言うと、受付係に近い役割です。

窓口が3つある施設を考えてみてください。受付係が、空いている窓口へ人を案内すれば、1つの窓口だけに人が集中しにくくなります。

ITの世界でも考え方は似ています。ロードバランサーは、利用者から来たアクセスを見て、複数のサーバーへ分けます。

ただし、実際のロードバランサーは人ではありません。サーバーの前に置かれ、アクセスの行き先を決める仕組みです。

ロードバランサーを理解するための基本用語

ロードバランサーを理解するには、いくつかの基本用語を知っておくと読みやすくなります。

ここでは、本文でよく出てくる言葉を先に整理します。

アクセス

アクセスとは、利用者がWebサイトを開いたり、サービスを使ったりすることです。

たとえば、スマートフォンでニュースサイトを見ることも、通販サイトで商品ページを開くこともアクセスです。

サーバー

サーバーとは、Webサイトやサービスを動かすためのコンピューターです。

利用者がページを開くと、サーバーは必要な画面やデータを返します。

負荷

負荷とは、サーバーにかかる仕事量のことです。

アクセスが多いほど、サーバーの仕事量は増えます。仕事量が増えすぎると、表示が遅くなることがあります。

通信

通信とは、コンピューター同士がデータをやり取りすることです。

Webサイトを見るときも、スマートフォンやパソコンとサーバーの間で通信が行われています。

URL

URLとは、Webページの住所のようなものです。

たとえば、ブラウザーの上に表示される「https://」から始まる文字列がURLです。

ロードバランサーの仕組み

ロードバランサーの仕組みは、大きく言うと「受ける」「分ける」「状態を見る」の3つです。

利用者がWebサイトにアクセスすると、まずロードバランサーがそのアクセスを受けます。そのあと、どのサーバーに送るかを決めます。

アクセスを複数のサーバーに振り分ける

ロードバランサーは、届いたアクセスを複数のサーバーに振り分けます。

たとえば、サーバーA、サーバーB、サーバーCがある場合、アクセスを順番に送ったり、空いているサーバーに送ったりします。

このように、負担を分けることを「負荷分散」といいます。負荷分散とは、サーバーにかかる仕事量を複数に分けることです。

サーバーの状態を確認する

ロードバランサーは、サーバーが正常に動いているかを確認することがあります。

この確認を「ヘルスチェック」といいます。ヘルスチェックとは、サーバーが利用できる状態かを定期的に見ることです。

たとえば、ページを表示できるか、返事が返ってくるかを確認します。

問題があるサーバーには送らない

ヘルスチェックで問題が見つかった場合、ロードバランサーはそのサーバーへアクセスを送らないようにできます。

動いているサーバーだけにアクセスを送れば、利用者はサービスを使い続けやすくなります。

この仕組みにより、1台のサーバーに問題が出ても、すぐに全体が止まることを防ぎやすくなります。

ロードバランサーの主な役割

ロードバランサーの主な役割は、アクセスを分けて、Webサイトやサービスを安定させることです。

ここでは、代表的な役割を3つに分けて見ていきます。

アクセスの集中を防ぐ

ロードバランサーは、1台のサーバーだけにアクセスが集中しないようにします。

これにより、サーバーの負担を分けられます。結果として、Webサイトの表示を安定させやすくなります。

サイトやサービスを止まりにくくする

複数のサーバーを用意しておくと、1台に問題が出ても、ほかのサーバーで対応しやすくなります。

ロードバランサーは、正常に動いているサーバーへアクセスを送ります。そのため、サービスを止まりにくくできます。

サーバーを増やしやすくする

アクセスが増えてきたときは、サーバーの台数を増やすことがあります。

ロードバランサーがあれば、新しく増やしたサーバーにもアクセスを分けられます。サービスの利用者が増えたときにも対応しやすくなります。

ロードバランサーの種類

ロードバランサーには、いくつかの種類があります。

初心者の方は、まず「見る情報の違いで種類が分かれる」と考えるとわかりやすいです。

L4やL7という言葉は少し専門的です。ここでは、細かい仕組みをすべて覚える必要はありません。

まずは「ざっくりした情報で分けるもの」と「Webページの内容に近い情報で分けるもの」がある、と理解すると十分です。

L4ロードバランサー

L4ロードバランサーは、通信の基本的な情報を見てアクセスを分ける仕組みです。

通信とは、コンピューター同士がデータをやり取りすることです。L4は、主に「どこから来て、どこへ送るか」といった情報をもとに動きます。

細かい中身までは見ずに、比較的シンプルに振り分けるものと考えるとよいです。

L7ロードバランサー

L7ロードバランサーは、Webサイトで見られる内容に近い情報を見てアクセスを分ける仕組みです。

たとえば、URLを見て「画像に関するアクセスはこちら」「会員ページはこちら」のように分けることがあります。

L4よりも細かい条件で振り分けやすい点が特徴です。

L4ロードバランサーとL7ロードバランサーの違い

L4ロードバランサーとL7ロードバランサーは、アクセスを分けるときに見る情報が違います。

初心者の方は、L4は「シンプルに分けるもの」、L7は「より細かい条件で分けるもの」と考えるとわかりやすいです。

種類特徴見ている主な情報
L4ロードバランサーシンプルにアクセスを分ける通信元や通信先などの基本情報
L7ロードバランサーより細かい条件でアクセスを分けるURLやWebページに近い情報

ただし、最初から細かい仕組みまで覚える必要はありません。まずは、ロードバランサーには分け方の種類がある、と理解すれば十分です。

クラウド型ロードバランサー

クラウド型ロードバランサーは、クラウドサービス上で使えるロードバランサーです。

クラウドとは、自分で機械を持たずに、インターネット経由でサーバーなどを使う仕組みです。AWSやAzureなどで使われるロードバランサーが、この例にあたります。

AWSやAzureは、クラウドサービスの名前です。初心者のうちは、サービス名を細かく覚えるよりも「クラウド上でもロードバランサーが使われる」と理解するとよいです。

ロードバランサーでよく使われる機能

ロードバランサーには、アクセスを分ける以外にも、いくつかの便利な機能があります。

ここでは、初心者が知っておきたい代表的な機能を紹介します。

ヘルスチェック

ヘルスチェックとは、サーバーが正常に動いているかを確認する機能です。

ロードバランサーは、問題があるサーバーを見つけると、そのサーバーへアクセスを送らないようにできます。

これにより、利用者が問題のあるサーバーにつながりにくくなります。

セッション維持

セッション維持とは、同じ利用者を同じサーバーへつなぎ続けるための仕組みです。

セッションとは、Webサイトを使っている間のつながりのことです。たとえば、ログインして買い物を続けるときに関係します。

途中で別のサーバーにつながると、ログイン情報や操作の流れに影響することがあります。そのため、同じサーバーへつなぐ設定が使われることがあります。

ラウンドロビン

ラウンドロビンとは、アクセスを順番にサーバーへ分ける方法です。

たとえば、1回目はサーバーA、2回目はサーバーB、3回目はサーバーCのように振り分けます。

シンプルでわかりやすい方法です。ただし、サーバーごとの混み具合を細かく見ない場合もあります。

SSLの処理

SSLとは、Webサイトの通信を守るための仕組みです。

ブラウザーのアドレスが「https」で始まるサイトでは、通信を安全にするための処理が使われています。

ロードバランサーがこの処理を引き受けることもあります。そうすると、サーバー側の負担を軽くできる場合があります。

ロードバランサーと似た言葉の違い

ロードバランサーは、ルーターやリバースプロキシ、CDNと混同されることがあります。

どれも通信やWebサイトに関係しますが、役割は少しずつ違います。

ロードバランサーとルーターの違い

ルーターは、通信の通り道を選ぶための機器です。

家庭でも、インターネット回線につなぐためにルーターを使うことがあります。通信をどこへ送るかを決める役割があります。

一方、ロードバランサーは、主に複数のサーバーへアクセスを分けるために使います。

かんたんに言うと、ルーターは通信の道案内をするものです。ロードバランサーは、複数のサーバーへアクセスを振り分けるものです。

ロードバランサーとリバースプロキシの違い

リバースプロキシとは、利用者とサーバーの間に入る仕組みです。

名前は難しく見えますが、ここでは「利用者とサーバーの間に立つもの」と考えれば十分です。

リバースプロキシは、セキュリティ対策や表示速度の改善などに使われることがあります。

ロードバランサーも利用者とサーバーの間に入りますが、主な目的はアクセスの振り分けです。ただし、製品やサービスによっては、両方の役割を持つこともあります。

ロードバランサーとCDNの違い

CDNとは、画像や動画などのデータを、利用者に近い場所から届けるための仕組みです。

たとえば、画像や動画を速く表示するために使われることがあります。

ロードバランサーは、複数のサーバーへアクセスを分けます。CDNは、データを届ける場所を工夫します。

どちらもWebサイトを快適に使いやすくするための仕組みですが、役割は同じではありません。

ロードバランサーが使われる場面

ロードバランサーは、多くの人が使うWebサイトや業務システムで使われます。

ここでは、よくある場面を紹介します。

Webサイトへのアクセスが多いとき

ニュースサイト、通販サイト、予約サイトなどは、多くの人が同時に見ることがあります。

アクセスが増える場面では、ロードバランサーを使って複数のサーバーに処理を分けます。

システムを止めにくくしたいとき

会社の業務システムや公共サービスでは、できるだけ安定して使えることが大切です。

ロードバランサーを使うと、問題があるサーバーを避けて、動いているサーバーへアクセスを送れます。

AWSやAzureなどのクラウドを使うとき

AWSやAzureなどのクラウドでは、ロードバランサーにあたるサービスが用意されています。

クラウド上で複数のサーバーを使う場合、アクセスを分けるためにロードバランサーが使われます。

初心者のうちは、サービス名を細かく覚えるよりも「クラウドでもアクセスを分ける仕組みが使われる」と理解するとよいです。

初心者がロードバランサーで間違えやすい点

ロードバランサーは便利な仕組みですが、誤解されやすい点もあります。

ここでは、初心者がつまずきやすい点を整理します。

サーバーの代わりになるものではない

ロードバランサーは、サーバーそのものの代わりではありません。

Webサイトやサービスを実際に動かすのは、あくまでサーバーです。ロードバランサーは、そのサーバーへアクセスを分ける役割を持ちます。

1台だけ置けば必ず安心というわけではない

ロードバランサーを使えば、サービスを安定させやすくなります。

ただし、ロードバランサーを1台だけで使うと、そのロードバランサーに問題が出たときに影響が出ることがあります。

そのため、実際のシステムでは、ロードバランサー自体を複数用意することがあります。これを冗長化、または二重化といいます。

冗長化とは、同じ役割のものを複数用意して、片方に問題が出ても動き続けやすくする考え方です。

設定しだいで動き方が変わる

ロードバランサーは、設定によってアクセスの分け方が変わります。

順番に分けるのか、空いているサーバーへ送るのか、同じ利用者を同じサーバーへ送るのかなどを決められます。

そのため、使う目的に合わせた設定が大切です。

ロードバランサーについてよくある質問

ここでは、ロードバランサーについてよくある質問をまとめます。

ロードバランサーは何のために使うのですか?

ロードバランサーは、アクセスを複数のサーバーに分けるために使います。

1台のサーバーに負担が集中しにくくなるため、Webサイトやサービスを安定して動かしやすくなります。

ロードバランサーと負荷分散は同じ意味ですか?

完全に同じではありません。

負荷分散は、負担を分ける考え方や仕組みのことです。ロードバランサーは、その負荷分散を行うための機器やサービスです。

ロードバランサーは個人サイトにも必要ですか?

アクセスが少ない個人サイトでは、必ず必要とは限りません。

一方で、アクセスが多いサイトや、止めにくいサービスでは役に立ちます。必要かどうかは、サイトの規模や目的によって変わります。

AWSのロードバランサーとは何ですか?

AWSのロードバランサーとは、AWS上で使える負荷分散のサービスです。

AWSで複数のサーバーを使うときに、アクセスを分けるために利用されます。初心者のうちは、クラウド上で使うロードバランサーの一種と考えるとよいです。

まとめ:ロードバランサーとはアクセスをうまく分けるための仕組み

ロードバランサーとは、利用者からのアクセスを複数のサーバーへ分ける仕組みです。

アクセスの集中を防ぎ、Webサイトやサービスを安定して動かしやすくします。また、ヘルスチェックにより、問題があるサーバーを避けることもできます。

ロードバランサーには、L4やL7などの種類があります。初心者の方は、まず「シンプルに分けるもの」と「より細かい条件で分けるもの」がある、と理解すれば十分です。

また、ロードバランサー自体を複数用意する冗長化により、さらに安定して使いやすくすることもあります。

初心者の方は、まず「ロードバランサーはサーバーへの案内役」と考えると理解しやすいです。そこから、仕組み、種類、ヘルスチェック、セッション維持などを少しずつ覚えていきましょう。

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