リスクとは、かんたんに言うと「予定通りにいかない可能性」のことです。
もっと身近な言い方をすると、「悪いことが起こるかもしれないこと」です。
たとえば、出かける前に空が暗いと「雨が降るかもしれない」と考えます。この「雨が降るかもしれない」という可能性が、リスクです。
パソコン、スマホ、インターネットなどを使う場面でも、リスクという言葉はよく使われます。たとえば、パスワードが外にもれる、写真や文書ファイルが消える、サイトやサービスが止まる、といった可能性です。
ここだけ読めばOK
リスクとは、予定通りにいかない可能性のことです。
初心者向けには、「悪いことが起こるかもしれないこと」と考えると分かりやすいです。
ITでは、情報が外にもれる、データが消える、サイトやサービスが止まるなどの可能性を考えるときに使います。
ほかのIT用語も知りたい方は、初心者向けのIT用語辞典もあわせてご覧ください。
リスクとは?かんたんに言うと「予定通りにいかない可能性」

リスクとは、まだ起きていないけれど、起こるかもしれないことを考えるための言葉です。
初心者向けには、「悪いことが起こる可能性」と考えると分かりやすいです。
ただし、ビジネスやITでは、リスクを単なる「危ないこと」だけではなく、「予定通りにいかない不確かなこと」として考えることがあります。
リスクの意味
リスクは、「危険」や「心配なこと」と近い意味で使われます。
ただし、リスクは悪いことそのものではありません。「起こるかもしれないこと」と「起きたときの影響」を合わせて考える言葉です。
たとえば、スマホを落として画面が割れる可能性もリスクです。スマホの中にある写真や連絡先が消える可能性もリスクです。
多くの場合、リスクは悪い結果になる可能性を指します。専門的には、よい方向に変わる可能性まで含めて考えることもあります。
リスクは「必ず起こること」ではない
リスクは、必ず起こるものではありません。
雨が降るかもしれないと思って傘を持って行っても、実際には雨が降らないこともあります。それでも、雨にぬれる可能性を考えた時点で、リスクに備えたことになります。
パソコンやスマホでも同じです。パスワードが必ず外にもれるわけではありません。しかし、外にもれる可能性があるなら、対策を考えることが大切です。
リスクの身近な例
リスクは、むずかしい仕事だけで使う言葉ではありません。
ふだんの生活の中にも、リスクはたくさんあります。身近な例から見ると、意味が分かりやすくなります。
雨が降るかもしれないと考えて傘を持つ
朝、天気予報で雨の可能性があると分かったとします。
このとき、「雨にぬれるかもしれない」というリスクがあります。そこで傘を持っていけば、雨にぬれるリスクを減らせます。
この例では、傘を持つことがリスクへの備えです。
スマホのデータが消えないように保存しておく
スマホには、写真、連絡先、メモ、文書ファイルなどが入っています。
このような情報を、データといいます。データとは、パソコンやスマホの中にある情報のことです。
スマホがこわれると、データが消えるかもしれません。これもリスクです。
そこで、インターネット上の保存場所やパソコンにデータを保存しておくと、データを失うリスクを減らせます。
インターネット上の保存場所のことを、クラウドといいます。クラウドを使うと、スマホ本体がこわれても、保存したデータが残る場合があります。
ITで使われるリスクの例

ここでいうITとは、パソコン、スマホ、インターネットなどを使うしくみ全体のことです。
ITで使われるリスクとは、情報が外にもれる、データが消える、サイトやサービスが止まるなど、予定通りに使えなくなる可能性のことです。
パスワードが外にもれるリスク
同じパスワードをいろいろなサービスで使っていると、1つのサービスから情報が外にもれたときに、ほかのサービスにも勝手に入られる可能性があります。
これが、パスワードが外にもれるリスクです。
対策としては、サービスごとに別のパスワードを使う方法があります。また、2段階認証を使うと、より安全にしやすくなります。
2段階認証とは、パスワードに加えて、スマホに届く番号などでも本人確認をするしくみです。
他人に勝手にログインされるリスク
ログインとは、会員サイトやアプリに入るために、IDやパスワードを入れることです。
他人が勝手に自分のアカウントに入ることを、不正ログインといいます。アカウントとは、サービスを使うための自分専用の登録情報のことです。
不正ログインされると、自分の名前で操作されたり、大切な情報を見られたりする可能性があります。
サイトやサービスが止まるリスク
会社や学校では、予約サイト、会員サイト、学習サイトなどが使われています。
このように、決まった作業をするためのしくみを、システムと呼ぶことがあります。
サイトやサービスが急に止まると、予約できない、授業のページを見られない、作業が進まないといったことが起こります。これが、サイトやサービスが止まるリスクです。
止まったものを元の状態に戻すことを、復旧といいます。ITでは、もし止まったときにどう復旧するかも大切です。
データを失うリスク
パソコンがこわれたり、まちがってファイルを消したりすると、データを失うことがあります。
これも、ITでよく考えられるリスクです。
データを守るには、バックアップが役立ちます。バックアップとは、大切なデータの予備を別の場所にも保存しておくことです。
脅威と脆弱性からリスクが生まれる

ITの世界では、リスクを考えるときに「脅威」と「脆弱性」という言葉が出てくることがあります。
少しむずかしく見えますが、意味はシンプルです。
脅威とは、悪いことを起こす原因
脅威とは、悪いことを起こす原因になるものです。
たとえば、他人の情報を盗もうとする人、不正なプログラム、あやしいメールなどが脅威に当たります。
脅威は、こちらに害を与えるきっかけになるものと考えると分かりやすいです。
脆弱性とは、つけこまれやすい弱点
脆弱性とは、弱点のことです。
たとえば、短すぎるパスワード、古いまま使っているソフト、だれでも見られる設定などが当てはまります。
読み方は「ぜいじゃくせい」です。むずかしい言葉ですが、「弱いところ」と考えると分かりやすいです。
脅威と脆弱性が重なるとリスクになる
脅威があり、そこに弱点があると、悪いことが起こる可能性が高くなります。
たとえば、悪意のある人という脅威があり、短いパスワードという脆弱性があると、不正ログインされる可能性が高くなります。
この「不正ログインされるかもしれない」という可能性が、リスクです。
一言でいうと
- 脅威:悪いことを起こす原因
- 脆弱性:つけこまれやすい弱点
- リスク:悪いことが起こる可能性
ビジネスで使われるリスクの例
ビジネスで使われるリスクとは、仕事や会社の活動で予定通りにいかない可能性のことです。
ITの仕事でも、ビジネスのリスクはよく出てきます。
納期に遅れるリスク
仕事には、いつまでに終わらせるかという期限があります。この期限を、納期といいます。
人手が足りない、作業量が多い、思わぬ問題が出るなどの理由で、納期に遅れる可能性があります。これが、納期に遅れるリスクです。
費用が増えるリスク
最初に考えていたよりも、作業に時間がかかることがあります。
その結果、人件費やサービスの料金が増える場合があります。これが、費用が増えるリスクです。
情報が外に出るリスク
会社では、顧客情報や売上情報など、大切な情報を扱います。
それらが外に出てしまう可能性もリスクです。情報を守るためには、見られる人をしぼったり、ファイルの扱い方を決めたりします。
情報を守る考え方を、情報セキュリティといいます。情報セキュリティとは、大切な情報を見られないようにしたり、失わないようにしたりする考え方です。
リスクと危険の違い
リスクと似た言葉に、「危険」があります。
どちらも悪いことに関係する言葉ですが、意味は少し違います。
危険は、危ない状態そのもの
危険とは、すでにそこにある危ない状態のことです。
たとえば、ぬれた床や割れたガラスは危険です。人が転んだり、けがをしたりする原因になるからです。
リスクは、悪いことが起こる可能性
リスクとは、その危険によって、悪いことが起こる可能性のことです。
ぬれた床を人が歩くと、転ぶかもしれません。この「転ぶかもしれない」という可能性がリスクです。
パソコンやスマホでいえば、セキュリティ対策をしていない状態は危険です。その結果、情報が外にもれるかもしれない可能性がリスクです。
リスクに対応する4つの考え方

リスクがあると分かったら、どうするかを考えます。
リスクへの対応には、大きく分けて4つの考え方があります。
リスクを避ける
リスクを避けるとは、リスクが起こりそうな行動をしないことです。
たとえば、あやしいメールのリンクを開かないことは、リスクを避ける行動です。
パソコンやスマホでは、あやしいサイトを開かない、知らない相手から届いたファイルを開かないなどが当てはまります。
リスクを減らす
リスクを減らすとは、悪いことが起こる可能性や、起きたときの困りごとを小さくすることです。
たとえば、パスワードを強くする、バックアップを取る、スマホやパソコンを最新の状態にするなどです。
完全にゼロにはできなくても、起こりにくくすることはできます。
リスクを移す
リスクを移すとは、自分だけで抱えず、別のしくみやサービスを使って負担を小さくすることです。
たとえば、保険に入ることは、リスクを移す例です。
ITでは、専門の会社が用意したサービスを使うことが当てはまる場合があります。専門の会社に任せることで、自分だけで対応する負担を減らせます。
リスクを受け入れる
リスクを受け入れるとは、リスクがあると分かったうえで、そのまま進めることです。
これは、何も考えずに放っておくことではありません。
対策にかかる時間やお金が大きすぎる場合や、起きたときの影響が小さい場合に、あえて受け入れるという判断をすることがあります。
小さなリスクまで全てなくそうとすると、時間やお金がかかりすぎることがあります。そのため、リスクの大きさに合わせて対応を選ぶことが大切です。
リスクに関係する言葉の違い
リスクに近い言葉には、リスクマネジメント、リスクアセスメント、リスクヘッジがあります。
どれも似て見えますが、意味は少しずつ違います。
一言でいうと
- リスク:予定通りにいかない可能性
- リスクマネジメント:リスクを管理すること
- リスクアセスメント:リスクを見つけて評価すること
- リスクヘッジ:リスクに先回りして備えること
リスクマネジメントとは?リスクを管理すること
リスクマネジメントとは、リスクを見つけて、対応を決め、必要に応じて見直すことです。
日本語では「リスク管理」ともいいます。
リスクとは何かを知ったあとに、実際にどう扱うかを考えるのがリスクマネジメントです。
リスクを見つける
まずは、どんなリスクがあるかを見つけます。
たとえば、パスワードが弱い、バックアップがない、作業の担当者が1人だけ、といったことです。
リスクの大きさを考える
次に、そのリスクがどのくらい起こりやすいかを考えます。
あわせて、起きたときにどのくらい困るかも見ます。
対応方法を決める
最後に、リスクを避けるのか、減らすのか、移すのか、受け入れるのかを決めます。
このように、リスクを整理して扱うことがリスクマネジメントです。
リスクアセスメントとは?リスクを見つけて評価すること
リスクアセスメントとは、リスクを見つけて、その大きさを調べ、対策が必要かどうかを評価することです。
アセスメントとは、調べて評価することです。ここでは、リスクを整理して、どれから対応するかを考える意味で使います。
リスクを見つける
まずは、どんなリスクがあるかを見つけます。
パソコンやスマホの利用なら、情報が外にもれる、データが消える、サイトやサービスが止まる、まちがった操作をする、などがあります。
リスクの大きさを調べる
次に、そのリスクがどのくらい起こりやすいかを考えます。
さらに、起きたときにどれくらい困るかも見ます。
対策が必要かどうかを評価する
最後に、そのリスクに対策が必要かどうかを考えます。
起こりやすく、影響も大きいものは、早めに対応した方がよいリスクです。
一方で、起こりにくく、影響も小さいものは、様子を見る場合もあります。
リスクヘッジとは?リスクに先回りして備えること
リスクヘッジとは、リスクに先回りして備えることです。
ヘッジには、損を小さくするために備えるという意味があります。初心者向けには、「リスクへの備え」と考えると分かりやすいです。
リスクヘッジの身近な例
雨が降るかもしれないので傘を持つことは、身近なリスクヘッジです。
スマホがこわれても困らないように、写真を別の場所に保存しておくこともリスクヘッジです。
パソコンやスマホでは、バックアップを取る、予備の連絡手段を用意する、複数人で確認するなどが例になります。
リスクマネジメントとの違い
リスクマネジメントは、リスクを見つけて管理する全体の考え方です。
リスクヘッジは、その中でもリスクに備える行動を指すことが多い言葉です。
つまり、リスクマネジメントの中に、リスクヘッジが含まれると考えると分かりやすいです。
リスクの使い方と例文
リスクは、仕事やニュース、パソコンやスマホの説明などでよく使われます。
ここでは、使い方を例文で見ていきます。
「リスクがある」の例文
例文:同じパスワードを使い回すと、情報が外にもれるリスクがあります。
この文では、「情報が外にもれる可能性がある」という意味で使っています。
「リスクを減らす」の例文
例文:大切なデータをバックアップしておくと、データを失うリスクを減らせます。
この文では、「悪いことが起こる可能性を小さくする」という意味で使っています。
「リスクを受け入れる」の例文
例文:影響が小さいリスクは、対策にかかる手間を考えて受け入れる場合があります。
この文では、「リスクがあると分かったうえで進める」という意味で使っています。
リスクの言い換えと対義語
リスクは、文章の内容によって言い換えられます。
ただし、すべての場面で同じように置き換えられるわけではありません。
リスクの言い換え
リスクは、次のような言葉に言い換えられることがあります。
- 可能性
- 危険性
- 心配な点
- 不安材料
- 問題が起こるおそれ
初心者向けの記事では、「問題が起こる可能性」と言い換えると、意味が伝わりやすくなります。
リスクの対義語
リスクの対義語としては、「安全」や「安心」が使われることがあります。
ただし、リスクの反対をいつも1つの言葉で表せるわけではありません。
記事では、「リスクが低い」「安全性が高い」のように書くと、意味が伝わりやすくなります。
初心者が間違えやすいポイント
リスクはよく使われる言葉ですが、少し分かりにくい部分もあります。
ここでは、初心者が間違えやすい点を整理します。
リスクは悪い結果そのものではない
リスクは、悪い結果そのものではありません。
たとえば、データが消えることは悪い結果です。一方で、「データが消えるかもしれない」という可能性がリスクです。
リスクをゼロにできるとは限らない
リスクは、できるだけ小さくすることはできます。
しかし、完全にゼロにするのはむずかしい場合があります。
そのため、パソコンやスマホを使うときは、リスクを知り、できる対策をして、必要な範囲で備えることが大切です。
リスクを受け入れることは放置ではない
リスクを受け入れることは、何も考えずに放っておくことではありません。
リスクの大きさを見たうえで、今は大きな対策をしないと決めることです。
必要であれば、あとから見直すこともあります。
リスクを知ることは不安を増やすことではない
リスクを知ると、不安になる人もいるかもしれません。
しかし、リスクを知る目的は、むやみに心配することではありません。先に気づいて、落ち着いて備えるためです。
リスクを考えることは、安全に使うための準備です。
リスクとは何かについてよくある質問
リスクとは簡単に言うと何ですか?
リスクとは、予定通りにいかない可能性のことです。
初心者向けには、「悪いことが起こるかもしれないこと」と考えると分かりやすいです。
ITでリスクが大切な理由は何ですか?
パソコンやスマホ、インターネットでは、情報やデータを扱うからです。
リスクを考えておくと、トラブルが起きにくくなります。また、もし起きても落ち着いて対応しやすくなります。
脅威と脆弱性とリスクの違いは何ですか?
脅威は、悪いことを起こす原因です。
脆弱性は、つけこまれやすい弱点です。
リスクは、脅威と脆弱性が重なって、悪いことが起こる可能性のことです。
リスクと危険は同じ意味ですか?
近い意味で使われますが、少し違います。
危険は、危ない状態そのものを指します。リスクは、その危険によって悪いことが起こる可能性を指します。
リスクマネジメントとは何ですか?
リスクマネジメントとは、リスクを見つけて、対応を決め、管理することです。
リスクをただ心配するのではなく、どう備えるかを考えるための方法です。
リスクアセスメントとは何ですか?
リスクアセスメントとは、リスクを見つけて、その大きさを調べ、対策が必要かどうかを評価することです。
どのリスクから先に対応するべきかを考えるときに役立ちます。
リスクヘッジとは何ですか?
リスクヘッジとは、リスクに先回りして備えることです。
たとえば、雨に備えて傘を持つことや、データが消えないようにバックアップを取ることが当てはまります。
まとめ|リスクとは、予定通りにいかない可能性を考えて備えるための言葉
リスクとは、予定通りにいかない可能性のことです。
初心者向けには、「悪いことが起こるかもしれないこと」と考えると分かりやすいです。
身近な例では、雨が降るかもしれない、スマホのデータが消えるかもしれない、といったことがリスクです。
パソコンやスマホ、インターネットを使う場面では、パスワードが外にもれる、データが消える、サイトやサービスが止まるなどのリスクがあります。
ITでは、脅威と脆弱性が重なることでリスクが生まれます。脅威は悪いことを起こす原因、脆弱性はつけこまれやすい弱点です。
リスクは、必ず起こるものではありません。起こるかもしれないことを先に考えて、備えるための言葉です。
リスクを知ることで、必要な対策を選びやすくなります。まずは「何が起こるかもしれないか」を考えることから始めると分かりやすいです。
