デグレとは、システムやアプリを直したあとに、今まで動いていた部分がうまく動かなくなることです。 かんたんに言うと、「直したつもりが、別のところに影響が出ること」です。
システムとは、仕事やサービスを動かすための仕組みのことです。 たとえば、会員登録、ログイン、予約、注文などを動かす仕組みがシステムです。
この記事では、デグレの意味、使われる場面、デグレ確認、リグレッションテストとの違いを、初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事で出てくる主な言葉
- システム:仕事やサービスを動かすための仕組み
- アプリ:スマホやパソコンで使うソフト
- 機能:ログイン、検索、保存などの「できること」
- 不具合:うまく動かないこと
- テスト:正しく動くかを確認する作業
関連するIT用語をまとめて確認したい方は、IT用語一覧もあわせてご覧ください。
デグレとは

デグレとは、システムやアプリを変更したあとに、今まで正しく動いていた機能に不具合が出ることです。 機能とは、ログイン、検索、保存、印刷などの「できること」を指します。
たとえば、ログイン画面を直したあとに、会員情報の画面が開かなくなるようなケースです。 直した場所とは別のところに影響が出ています。
かんたんに言うと「前より悪くなること」
デグレをとてもかんたんに言うと、「前より悪くなること」です。 ただし、ITの現場では、ただ品質が下がるというよりも、変更によって前の機能に問題が出るという意味で使われます。
身近な例で考えると、自転車のブレーキを直したあとに、ライトがつかなくなったような状態です。 本来はブレーキを直しただけなのに、別の部分に影響が出ています。
ITでいうデグレも同じです。 ある部分を直したことで、別の機能に不具合が出ることを指します。
ITでは「修正後に別の不具合が出ること」
ITでは、システムやアプリの中で多くの部分がつながっています。 そのため、一つの場所を直すと、思わぬ場所に影響することがあります。
このように、修正後に別の不具合が出ることを「デグレ」と呼びます。 修正とは、悪いところや使いにくいところを直すことです。
デグレの意味
デグレの意味は、システムやアプリの変更によって、前より悪い状態になることです。 特に、今まで動いていた機能が動かなくなる場合に使われます。
「不具合」や「バグ」と近い意味で使われることもあります。 バグとは、システムやアプリが思った通りに動かない原因や状態のことです。
ただし、デグレは「変更したあとに起きた不具合」という点が大切です。 最初からあった不具合とは、少し意味が違います。
デグレは「デグレード」を短くした言葉
デグレは、「デグレード」を短くした言い方です。 デグレードには、品質や状態が下がるという意味があります。
ITの現場では、長い言葉を短くして話すことがあります。 そのため、「デグレードした」よりも「デグレが出た」と言うことがあります。
英語では「degrade」に近い意味
デグレードは、英語の「degrade」に近い言葉です。 「下げる」「悪くする」といった意味があります。
ただし、日本のIT現場で使う「デグレ」は、英語そのものとは少し使い方が違います。 日本では、システム変更後に前の機能が壊れることを指して使われることが多いです。
ビジネス用語として使われることもある
デグレは、IT以外のビジネス場面で使われることもあります。 その場合は、「前より悪くなった」「品質が下がった」という意味で使われます。
ただし、一般的な会話ではあまり多く使われません。 ITやシステムに関わる仕事でよく使われる言葉です。
デグレが起きる身近な例
デグレは、身近なスマホアプリやWebサイトでもイメージできます。 Webサイトとは、インターネット上で見られるページ全体のことです。
スマホアプリを更新したら、前の機能が使えなくなった例
スマホアプリを更新したあとに、今まで使えていたボタンが反応しなくなることがあります。 これも、デグレに近い例です。
新しい機能を追加した結果、前からあった機能に影響が出た可能性があります。 ITの現場では、このような状態を確認して直します。
Webサイトを直したら、別のページが崩れた例
Webサイトのトップページを直したあとに、別のページの表示が崩れることがあります。 見た目を整えたつもりでも、共通で使っている設定に影響する場合があります。
たとえば、文字の大きさを変えたら、スマホ画面でボタンがはみ出すことがあります。 これも、変更が別の場所に影響した例です。
IT用語としてのデグレに戻して考える
身近な例では、「直したら別のところが悪くなった」と考えると分かりやすいです。 IT用語としてのデグレも、基本の考え方は同じです。
ただし、ITでは原因を順番に調べます。 そして、同じことが起きにくいように確認の方法を見直します。
ITやシステム開発でデグレが使われる場面
デグレは、ITやシステム開発でよく使われます。 システム開発とは、アプリやWebサービスなどを作ったり直したりする仕事のことです。
プログラムを修正したあと
プログラムとは、コンピューターに動き方を伝える命令のことです。 この命令を直したあとに、別の動きがおかしくなることがあります。
たとえば、計算の処理を直したら、画面の表示が変になることがあります。 このようなときに「デグレが出た」と言うことがあります。
システムを改修したあと
改修とは、システムをより使いやすくしたり、必要な機能を追加したりすることです。 改修のあとに、前の機能へ影響が出ることがあります。
そのため、改修後にはデグレ確認を行うことがあります。 これは、今までの機能が変わらず使えるかを確かめる作業です。
アプリやWebサイトを更新したあと
アプリやWebサイトは、使いやすくするために更新されます。 しかし、更新によって思わぬ場所に影響が出ることがあります。
ログイン、検索、申し込み、問い合わせなどの大切な機能は、特に確認が必要です。 利用者がよく使う場所ほど、デグレがないか見ておくことが大切です。
障害対応のあと
障害とは、システムが正しく動かない状態のことです。 障害を直したあとにも、デグレが起きることがあります。
急いで直した場合は、確認する範囲が不足することがあります。 そのため、直ったあとに関連する機能も確認します。
デグレが起きる原因

デグレは、特別なことをしたときだけ起きるわけではありません。 システムの中で、いろいろな部分がつながっているために起きます。
修正した部分が、別の部分に影響した
システムは、一つの機能だけで動いているわけではありません。 画面、データ、計算、保存など、いくつもの部分がつながっています。
そのため、一つの場所を直すと、別の場所に影響することがあります。 これがデグレのよくある原因です。
確認する範囲が足りなかった
修正した場所だけを確認して終わると、別の場所の問題に気づけないことがあります。 その結果、デグレが見つからないままになることがあります。
デグレ確認では、修正した場所だけでなく、関係する場所も見ることが大切です。 どこまで確認するかを考える必要があります。
古い機能とのつながりに気づかなかった
長く使われているシステムには、古い機能が残っていることがあります。 その古い機能が、新しい修正とつながっている場合があります。
つながりに気づかないまま直すと、前からある機能に影響することがあります。 これも、デグレの原因になります。
テストの内容が十分ではなかった
テストとは、システムが正しく動くか確認する作業です。 テストの内容が少ないと、デグレを見つけにくくなります。
ただし、すべての動きを毎回確認するのは現実的ではありません。 そのため、影響しそうな場所を考えて確認することが大切です。
デグレ確認とは

デグレ確認とは、システムを修正したあとに、前からある機能が正しく動くか確認することです。 「今回の修正で、別のところが悪くなっていないか」を見る作業です。
デグレとは何かを理解するうえで、デグレ確認は大切です。 デグレは、確認によって早く見つけることができます。
修正後に、ほかの機能が壊れていないか確認すること
デグレ確認では、修正した機能だけを見るわけではありません。 その機能と関係がある画面や処理も確認します。
たとえば、ログイン機能を直した場合は、ログイン後の画面も確認します。 会員情報の表示やログアウトも、関係する確認対象になります。
どこまで確認するかが大切
デグレ確認では、確認する範囲を決めることが大切です。 範囲が広すぎると時間がかかります。 範囲が狭すぎると、問題を見逃すことがあります。
仕事の現場では、この確認する範囲を「影響範囲」と呼ぶことがあります。 影響範囲とは、変更によって関係しそうな場所のことです。
デグレ確認で見る主なポイント
デグレ確認では、まず修正した機能が正しく動くかを見ます。 そのうえで、関係する機能が今まで通り動くかを確認します。
- 画面が正しく表示されるか
- ボタンやリンクが動くか
- 入力した内容が保存されるか
- 検索や一覧表示が正しく動くか
- エラーが出ないか
これらを確認することで、デグレに早く気づきやすくなります。
デグレテストとは
デグレテストとは、デグレが起きていないかを確認するテストのことです。 修正後に、前からある機能が今まで通り動くかを調べます。
デグレ確認と近い意味で使われます。 現場によっては、デグレチェックやデグレ検証と呼ばれることもあります。
修正後に前の機能が動くか調べるテスト
デグレテストでは、修正した機能だけでなく、関係する機能も確認します。 「前と同じように使えるか」を見ることが目的です。
たとえば、注文画面を修正した場合、注文完了画面やメール送信も確認します。 注文の流れ全体に問題がないかを見るためです。
デグレチェックとの違い
デグレチェックは、デグレがないかを確認することです。 デグレテストとほぼ同じ意味で使われることがあります。
ただし、「テスト」は作業として少し正式な印象があります。 「チェック」は、確認作業を広く指す言い方として使われやすいです。
デグレ検証という言い方もある
デグレ検証とは、デグレが起きていないかを詳しく確かめることです。 検証とは、実際に試して確かめることです。
デグレ確認、デグレチェック、デグレ検証は、近い意味で使われます。 記事や現場によって言い方が少し違うだけです。
デグレとリグレッションの違い

デグレとリグレッションは、似た場面で使われる言葉です。 どちらも、変更後に前の状態へ影響が出るときに使われます。
日本のIT現場では、発生した問題を「デグレ」と呼び、その問題を見つけるための確認を「リグレッションテスト」と呼ぶことが多いです。 分けて考えると分かりやすくなります。
デグレは「起きた不具合」
デグレは、修正や変更のあとに起きた不具合を指します。 つまり、「結果として出てしまった問題」です。
たとえば、表示を直したあとに、保存ボタンが動かなくなった場合です。 このとき、「デグレが発生した」と言うことがあります。
リグレッションは「前の状態に戻ってしまうこと」
リグレッションには、「前の状態に戻る」という意味があります。 ITでは、直したはずの問題がまた出ることや、前より悪い状態に戻ることを指す場合があります。
デグレと似ていますが、リグレッションは「戻る」という意味合いが強い言葉です。 一方、デグレは「修正後に悪くなったこと」を広く指します。
リグレッションテストは「デグレを見つけるための確認」
リグレッションテストとは、システムを変更したあとに、前の機能が正しく動くか確認するテストです。 初心者向けに言うと、デグレを見つけるための確認作業です。
デグレは「起きた問題」です。 リグレッションテストは「その問題がないかを調べる方法」です。
デグレードとは?デグレとの関係
デグレードとは、品質や状態が下がることです。 デグレは、このデグレードを短くした言い方として使われます。
ただし、ITの現場では「デグレ」という言い方のほうがよく使われます。 特に、修正後に前の機能へ影響が出たときに使われます。
デグレードは「品質や状態が下がること」
デグレードは、広い意味では品質が下がることを指します。 たとえば、処理が遅くなる、表示が崩れる、機能が使いにくくなるなどです。
ITの記事では、「デグレードとは品質や状態が下がること」と覚えると分かりやすいです。 その中でも、開発現場では「デグレ」がよく使われます。
デグレは現場で使われる短い言い方
デグレは、デグレードを短くした現場向けの言い方です。 「デグレが出た」「デグレ確認をする」のように使います。
少しくだけた言い方ですが、ITの仕事ではよく聞く表現です。 ただし、外部向けの正式な文章では「不具合」「品質低下」と言い換えることもあります。
保存装置のデグレードとは意味が少し違う
保存装置の分野でも「デグレード」という言葉が使われることがあります。 保存装置とは、パソコンやサーバーでデータを保存する機器のことです。
この場合のデグレードは、保存装置の一部に問題があり、いつもより弱い状態で動いていることを指します。 この記事で説明している、システム修正後のデグレとは意味が少し違います。
デグレを防ぐ方法
デグレを完全になくすのは簡単ではありません。 しかし、確認の仕方を工夫すれば、見つけやすくできます。
大切なのは、修正した場所だけで判断しないことです。 関係する機能も合わせて確認します。
修正した場所だけでなく、関係する場所も確認する
デグレ防止では、関係する場所の確認が大切です。 画面、ボタン、入力、保存、表示など、つながりを意識して見ます。
たとえば、会員登録の画面を直した場合は、ログインや会員情報の表示も確認します。 同じデータを使っている可能性があるためです。
テスト項目を残しておく
テスト項目とは、確認する内容をまとめた一覧のことです。 これを残しておくと、次に同じような修正をしたときに役立ちます。
毎回思いつきで確認すると、見落としが出やすくなります。 確認する内容を残すことで、デグレを防ぎやすくなります。
変更内容をわかりやすく記録する
何を直したのかを記録しておくことも大切です。 変更内容が分かれば、どこに影響しそうか考えやすくなります。
記録は長くなくても構いません。 「どこを」「なぜ」「どう直したか」が分かるようにしておくと役立ちます。
自動テストを使うこともある
自動テストとは、人が毎回手で確認しなくても、コンピューターが決まった確認をしてくれる仕組みです。 同じ確認を何度も行う場合に役立ちます。
ただし、自動テストですべてを確認できるわけではありません。 人の確認と組み合わせて使うことが大切です。
デグレが起きたときの対応
デグレが起きたときは、落ち着いて原因を確認します。 何が変わったのかを順番に見ていくことが大切です。
まず何が変わったかを確認する
最初に、どの機能で何が起きているかを確認します。 「画面が開かない」「保存できない」「表示が崩れる」など、状態を具体的に見ます。
状態が分かると、原因を探しやすくなります。 画面の画像やエラーの内容を残しておくと、説明しやすくなります。
直前の修正内容を見直す
デグレは、直前の修正が関係していることがあります。 そのため、最近変えた場所を見直します。
いつ、どこを、何のために直したのかを確認します。 変更の記録があると、原因を探しやすくなります。
元に戻すか、追加で直すかを決める
原因が分かったら、対応方法を決めます。 すぐに元に戻す場合もあれば、追加で修正する場合もあります。
大切なのは、利用者への影響を小さくすることです。 状況に合わせて、安全な方法を選びます。
同じことが起きないように確認項目を増やす
デグレが見つかったら、同じ問題を防ぐために確認項目を増やします。 次回から同じ場所を確認できるようにするためです。
見つかった内容を記録しておくことで、次の品質向上につながります。 デグレは、改善のきっかけにもなります。
初心者が間違えやすい点
デグレは、似た言葉や別の意味の言葉と混同されることがあります。 ここでは、間違えやすい点を整理します。
デグレは単なるバグと同じではない
バグとは、プログラムやシステムの不具合のことです。 デグレも不具合の一つですが、特に「変更後に前の機能へ出た不具合」を指します。
つまり、すべてのデグレは不具合ですが、すべての不具合がデグレとは限りません。 「変更後に起きたか」がポイントです。
デグレは担当者を責める言葉ではない
デグレという言葉は、誰かを責めるための言葉ではありません。 システムの状態を正しく伝えるための言葉です。
大切なのは、原因を見つけて直すことです。 そして、次に同じことが起きにくいようにすることです。
テグレトールやデフレとは関係がない
「テグレトール」は薬の名前です。 「デフレ」は、物の値段が下がる経済の言葉です。
どちらも、この記事で説明しているIT用語のデグレとは関係がありません。 検索すると似た言葉が出てくることがありますが、別の意味です。
ターニャ・デグレチャフとも関係がない
ターニャ・デグレチャフは、作品に登場する人物名です。 IT用語のデグレとは関係がありません。
「デグレ」という文字が含まれていても、検索する人が知りたいことはまったく違います。 ITの記事では、システム開発のデグレに絞って理解すれば十分です。
デグレに関するよくある質問
デグレとは何ですか?
デグレとは、システムやアプリを直したあとに、今まで動いていた部分がうまく動かなくなることです。 かんたんに言うと、「直したつもりが、別のところに影響が出ること」です。
デグレは悪いことですか?
デグレは、できれば起きないほうがよい不具合です。 ただし、システムは多くの部分がつながっているため、変更によって影響が出ることはあります。
大切なのは、早く見つけて直すことです。 そのために、デグレ確認やリグレッションテストを行います。
デグレとバグの違いは何ですか?
バグは、システムやプログラムの不具合全般を指します。 デグレは、その中でも、修正や変更のあとに前の機能へ出た不具合を指します。
つまり、デグレはバグの一種と考えると分かりやすいです。 ただし、「変更後に起きた」という点が特徴です。
デグレ確認はどこまで行えばよいですか?
デグレ確認は、修正した場所と関係が深い機能を中心に行います。 すべてを毎回確認するのではなく、影響しそうな場所を考えて確認します。
たとえば、ログイン機能を直した場合は、ログイン後の画面や会員情報の表示も確認します。 関係する流れを見ておくことが大切です。
デグレとリグレッションテストの違いは何ですか?
デグレは、修正後に起きた不具合のことです。 リグレッションテストは、そのデグレを見つけるための確認作業です。
言い換えると、デグレは「問題そのもの」です。 リグレッションテストは「問題がないかを調べる方法」です。
まとめ:デグレとは、修正後に前の機能へ影響が出ること
デグレとは、システムやアプリを直したあとに、今まで動いていた機能へ不具合が出ることです。 かんたんに言うと、「直したことで、別のところが悪くなること」です。
デグレは、ITやシステム開発でよく使われる言葉です。 デグレード、リグレッション、リグレッションテストと似ていますが、それぞれ意味が少し違います。
- デグレは、修正後に起きた不具合のこと
- デグレードは、品質や状態が下がること
- リグレッションは、前の状態に戻ること
- リグレッションテストは、デグレを見つけるための確認
デグレを防ぐには、修正した場所だけでなく、関係する場所も確認することが大切です。 テスト項目や変更内容を残しておくと、次の確認にも役立ちます。
デグレとは、誰かを責めるための言葉ではありません。 システムをよりよくするために、状態を正しく伝える言葉です。

